ふと気づいたら、学生時代とは自身の見た目がまるっきり違う! そう思っているビジネスパーソンは多いはず。今からでも遅くはない。正しいケア法をルーティーン化させ、清潔感を手に入れよう。そのために、各誌で連載をかかえる超人気男性美容研究家・藤村 岳さんが「大人のための男性美容の極意」を指南! 美意識を高めれば、人生はもっと豊かになる。
免疫力にも影響! 戦い続けるためにマストな紫外線対策
これまで優しく洗顔すること、そして保湿の重要性を見てきた。しかし、基本のスキンケアはそれで終わりではない。もう一つ欠かせないステップがある。それが光対策だ。
洗う、潤す、そして守る。これを行わないことは画竜点睛を欠くといっても良い。日焼け止めを塗ることは現代を生きる男性にとって必須だ。「男は日に焼けしていた方が精悍に見える」などというのは今は昔。そんな旧時代的な考えをしているようでは、グローバルスタンダードに乗り遅れている。
というのも、日焼け止めは肌を焼かないというだけではなく、健康を守るために欠かせない行為。紫外線を浴びると、シミや乾燥によるシワなどの老化が進むだけでなく、体内では活性酸素が発生して免疫力が下がる。細胞のDNAが破壊されたり、たるみも生じる。長期にわたって浴び続けると、皮膚ガンのリスクも上がる。老化の9割以上は光によるものと言われているほどだ。
近年は紫外線だけではなく、細胞を傷つける近赤外線や自律神経を乱す可視光線のブルーライトも、体に影響があることがわかっている。つまり無謀な日焼け肌を晒していることは、「自己管理ができていない」「健康への意識が低い」ということを暗に表しているといっても過言ではない。
経営者たちが熱狂するトライアスロンはマネジメントの要素がある。彼らは無駄に光に晒されないようにラッシュガードを着込んで肌の露出を控え、顔や体の露出している部分にはしっかりと日焼け止めを塗る。紫外線の害を把握しているからだ。
いまさら聞けない日焼け止めのコツとは?
さて、日焼け止めの塗り方は基本的にスキンケアの乳液やクリームと同じ。顔の内側から外側へ、やや引き上げるように塗布する。異なるのは、光が上から降り注ぐため凸部分に厚めに塗ると良いということ。
また、日に数度、重ね塗りが必要だ。というのも汗や擦れでクリームが取れてしまうから。朝出かける前に塗ったら、ランチに出る前に重ねる。午後出かける前にもう一度、日の長い真夏なら夕方にも塗ると安心。一度塗れば、一日中防げるわけではない。オフィスワーカーでも窓ガラス越しに紫外線は入ってくる。室内でも油断することなかれ。
さらに、目で紫外線を感知すると、全身のメラニン細胞が活性化するとも言われているので、日中外ではサングラスや日傘を常用してほしい。目に紫外線を浴びると白内障のリスクが高まるというデータもある。また、忘れがちなのは髪や頭皮、そしてバリア機能が薄い唇も完璧に日焼け対策すべし。
光に対する知識にも敏感であれ!
日焼け止めは紫外線散乱剤と紫外線吸収剤が使われている。散乱剤は文字通り、酸化亜鉛などミネラルの力で紫外線を物理的に反射させるもの。肌への刺激は少ないが、白っぽく残る。一方、吸収剤は化学反応により、光を熱や二酸化炭素などに変換させる。散乱剤に比べて、吸収剤は白くならず強力に守ってくれる。ただし肌がごわつくこともある。そこで、大半の日焼け止めはこの散乱剤と吸収剤をブレンドしてある。それが各メーカーの腕の見せどころでもある。
最新の研究で特定の成分が珊瑚に影響があることもわかった。2021年からハワイでは、紫外線吸収剤の一部が入ったものが販売禁止になる。ただしそれらが入っている日焼け止めの持ち込みは今のところ規制されないが、今後、変わっていくことであろう。
そして、近頃、吸収剤が経皮から吸収されて血流に乗って全身に運ばれるという論文も出た。ただ、それが体にどのような影響を及ぼすのかはまだ判然としていない。ここで気をつけたいのは、現時点で吸収剤のすべてが悪いというわけではないということだ。
このように紫外線など光に対する研究は常に深化し、常識さえ変化している。従来の「日焼け=カッコいい」という思い込みで、光対策をしていないのは情報をアップデートできないリテラシーの低さをさらけ出しているようなものと考えると、うかうか日焼けしていられないはずだ。
男性美容家・藤村 岳厳選! 今使うべき光対策3アイテム
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3.強烈な日差しから"毛髪"も守るべし「ウカヘアオイルミスト オンザビーチ」
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Text=藤村 岳