SNSやメディアに登場する"多動"なホリエモン。実は、それは彼のほんの一部分でしかない。多忙な生活のなかでも10以上の趣味を持ち、常に"楽しい"を追求して、挑戦を続ける"超多動"なライフスタイルが明らかに!
現代版ノマドを実践する
どんなに仕事が忙しくても、趣味に費やす時間を惜しまない。そんな堀江さんの行動は、「楽しいことをする」というシンプルな合理性によって下支えされている。
今冬、堀江さんがハマっていた趣味はスノーボード。自身が主宰するオンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」の冬合宿では、上級者コースを難なく滑るスキルの高さを見せつけた。道具にもこだわりを見せる堀江さんは、趣味を楽しむ秘訣を"9割極める感覚"だと語る。
「飽きてしまうのは中途半端になってしまうから。かといって、一流を目指すとしんどくなってしまう。自分の気に入った道具を使い、上達を楽しむ9割極める感覚を持つことで、何事もハマることができると思う。多くの人は趣味に対して"ハマるきっかけ"を求めがち。でも、楽しみたいなら自分からハマりに行かないとだめ。僕だって趣味に消極的になることはありますが、常に"その状況を楽しむためにどうしたらいいか"を考えるようにしています。だって、ハマらなければ何も楽しめないじゃないですか」
成田緑ぐりむ夢選手からレクチャーを受けたことをきっかけに、スノボに挑戦中。ボードはバートンを愛用。スタンスは珍しいグーフィー。
ライフスタイルも、自分の"楽しみ"に最短距離で向かえるよう合理化されている。その最たる例が、「ホテル住まい」だ。2014年に六本木ヒルズを追いだされたことから始まった生活だが、ホテル住まいを続けるなかでだんだんと持ちモノが減り、無駄な荷物がなくなっていった。今となってはスマホと洋服さえあれば事足りるという。
「ホテルの予約はスタッフが行うため、チェックインするだけ。ホテルに着いたら即就寝します。朝の身支度はルーティンが決まっているので、ホテルがどこであろうと一緒。もちろん、部屋の中でも常にスマホを常備して、ニュースをチェックするようにしています」
普段持ち歩かない荷物は収納サービス「サマリーポケット」に預ける。不要になるとヤフオク!に出品するサービスもついているため、荷物が溜まる心配もない。洋服も極力持たず、服が欲しくなったらファッション好きな後輩をキュレーターに任命。リストを作成させ、そのなかから気に入った服を購入する。
仕事と遊びの境界線を持たず、自分の"楽しい"に対して最短距離で生きる。超多動な毎日を送る堀江さんにとって、現在のライフスタイルは最適化されたものだと言えるだろう。
哲学者・数学者のパスカルは著書『パンセ』にて、"個々の仕事をいちいち吟味しなくとも、気晴らしという観点から眺めれば、それだけで十分である"と語った。自分が一番熱中できる"暇つぶし"こそが天職になる。現代社会を予見したかのような言葉を、文字どおり実行する男、それが堀江貴文である。
ホリエモン的、超多動3ヵ条
1.何事も9割極める
2.もはや家はいらない
3.荷物管理はシステム化
Text=半蔵門太郎(モメンタム・ホース ) Photograph=杉村 航