ミュージシャンの高橋幸宏氏がデザインしたアイウェアの新作は、ノーズパッドを備え、日本人特有の骨格にそぐい、太いフレームで顔を引き締める。アイテム自体の美しさはもとより、かける人の美しさも考えられたデザインだ。
ビートニクスの思想が薫る
太いリムと縁なしレンズを組み合わせた "サーモントブロー" と呼ばれる眼鏡のスタイルは、1950年代に将校(=サー)モントの依頼で誕生した。マルコムⅩなど多くの著名人に愛用され、今も人気が高い。
ミュージシャンの高橋幸宏氏もそのひとりだ。本人がデザインするアイウェアの新作は、’87年に発表した自身のユニット、ザ・ビートニクスのアルバムジャケットで着用したモデルを忠実に再現した。
高橋幸宏氏が自ら手がけるコレクション第2弾として、テンプルの内側にはネームロゴが入る。ノーズパッドを備え、日本人の骨格にも適応。サーモントブロー特有の太いフレームは眉を強調し、顔全体を引き締めてくれる。
かつてのビートジェネレーションではアレン・ギンズバーグの眼鏡姿が印象に残るが、サーモントブローはそこにはない。だが時代を超越したスタイルには、文学、雑誌、写真、音楽などのジャンルを超え、放浪の至福=ビアティチュード(Beatitude)を追求したビートの思想が薫る。そして変わらぬ音楽家の眼差しにも通じるのだ。
眼鏡¥40,000(ユキヒロ・タカハシ・アイウエア)
問い合わせ
ヒンツ・ミュージック TEL:03・5778・0441
Direction=島田 明 Text=柴田 充 Photograph=隅田一郎 Styling=久保コウヘイ