「軽井沢は、ふるさと」と語る、GMOインターネットグループ代表・熊谷正寿さんが愛する景色は、旧細川邸内に続く桂並木だという。美しい苔と、まっすぐに伸びた桂の緑の競演を楽しめる地で、心身に沁み入る美味を味わい英気を養えるというレストランを教えてもらった。
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経営者の潜在意識を刺激する景観==
母の実家が長野県なので、子供の頃は帰省のたびに軽井沢に立ち寄っていました。中華の『榮林(えいりん)』で食事をし、紀ノ国屋で買い物をして。ミカド珈琲でモカソフトを買ってもらうのが楽しみでした」と、GMOインターネットグループ熊谷正寿代表。軽井沢は、「想い出が詰まった故郷」だという。同時に起業の原動力になった場所でもある。
「昔から洒落た別荘が建ち並び、当時は珍しかった高級外車も数多く目にしました。20歳頃には、外車の前で、あたかも自分のクルマのように写真を撮り、手帳に貼って持ち歩いていました。『いつかこんなクルマに乗れるように』という、モチベーションを上げるためです。同じ意味で、別荘地もよく歩きました。特に好きだったのは桂並木。細川家や徳川家の別荘があった場所で、歴史やロマンを感じます。人は想像ができる範囲でしか成長できないといいますから、私にとって貴重な体験でした」
最近は、クライアントをもてなす場所としても利用している。「東京から1時間ほどで来られるのに、空気ががらりと変わり清々しい。日帰りゴルフでも、皆さん満足して帰られます。リゾートとしても別格です」
軽井沢ツウ・熊谷正寿の秘密のアドレス
Msatoshi Kumagai
GMOインターネット代表取締役会長兼社長・グループ代表。1963年長野県生まれ。インターネット黎明期に創業、2005年に東証一部上場を果たす。現在、グループ106社、パートナー約5,400名超を率いる。ワインに精通し、軽井沢を旅する際はワインを持参。
Text=村上早苗 Photograph=古谷利幸