5代目醸造最高責任者として、28年もの長きにわたり最高峰のシャンパーニュ、ドン ペリニヨンを率いたリシャール・ジョフロワが、新会社「白岩」を富山県立山町白岩に設立。画期的な手法で、なんと日本酒ブランド「IWA」を誕生させた。
複数の日本酒をブレンド
1000年の歴史を持つ日本酒はいまや世界中のファンを魅了。28年にわたってドン ペリニヨンの醸造最高責任者を務めあげたリシャール・ジョフロワも、そのひとりである。
リシャール・ジョフロワ
このほど、富山県立山町白岩に新たな日本酒ブランド「IWA」を設立した。世界有数の深雪地であり、日本アルプスが磨いた清らかな水が流れ、10ヘクタールの広大な稲田が広がる地である。新しい会社名「白岩」、および日本酒ブランド名「IWA(岩)」は、この土地から名付けている。
「ブレンドとは多くの楽器をコントロールしながら演奏するようなものです。可能性を見極め、追求に値するエレメントを抽出し、心地良い音楽に仕立てていく。全てがそこにあります。然るべきところに。然るべき瞬間に」
自身の醸造哲学をこう語るジョフロワが生み出す、記念すべき第一弾となる商品が「IWA 5」である。この日本酒が画期的なのは、既存の精米歩合を基準とした価値観を超え、複数の日本酒をブレンドすることにより、さらに深いハーモニーを生みだしていることだ。
まさに、オーケストラのように緻密な構成のもと、ジョフロワの経験に基づいた醸造の技法を駆使。旋律を奏でるのは、異なる産地で栽培された山田錦、雄町(おまち)、五百万石の酒米、そして、5種類の酵母である。
マーク・ニューソンと隈研吾
さすがはレジェンド。日本での新たなチャレンジは、豪華すぎる布陣でスタートする。「IWA 5」のボトルは、“デザイン界のスーパースター”マーク・ニューソンが担当。伝統的な日本酒のボトルに、今までにない深い色味を持たせ、ベルベットのような艶のある質感に仕上げている。酒が注がれる瞬間は、深く暗い影から光が湧き出ているかのようだ。
「IWA 5」(720ml)¥13,000 「IWA」HP(https://iwa-sake.jp/)にて販売。公式インスタグラム(https://www.instagram.com/iwa.sake)で随時情報を配信中。 ラベルは、書道家・木下真理子とアートディレクター・中島英樹のコラボレーションにより生み出された。白い硝子の層からなる書は、ボトルに躍動感を与え、静と動のコントラストをもたらしている。
そして、極めつけは、2021年春、“世界的建築家”隈 研吾によって設計されたコンテンポラリーなデザインの酒蔵「白岩」が富山県立山町白岩にオープンすることだろう。風景と見事に調和し、その土地と融合するこの蔵は「分け隔てなく、全てを包み込むような包容力のあるコミュニティの醸成」という理念を体現するものとなるはずだ。
レジェンドが率いるスーパーチームの手によって、生みだされたまったく新しい日本酒の「IWA」は、いったいどんな進化を果たしていくのだろうか。
Text=ゲーテWEB編集部