先月の9月8日、日本で俳優の伊勢谷友介容疑者(44)が警視庁に、大麻取締法違反の疑いで現行犯逮捕され大きな反響を呼んでいます。
芸能人も含めて大麻や麻薬の蔓延が話題となっており、これらの薬物がどこから日本に密輸されているのか、そのルートが大きな注目を集めています。
そんな中で今月の2020年10月3日、タイの北部チェンマイで、大麻を大量に栽培し日本に販売していた容疑で、日本人の小宮克久容疑者(41歳)が摘発される大きなニュースがありました。
タイの全国ニュースを伝えるTPN National Newsが伝えています。
2020年10月3日午後、タイ北部の都市・チェンマイで、日本人の小宮克久容疑者(41歳)とタイ人4人が、違法に大麻を大量に栽培し販売、日本にも販売のために送付していた容疑で、タイ警察に摘発され逮捕されました。
この逮捕はタイ警察が、インターポール(ICPO:国際刑事警察機構)からの通知とタイの裁判所からの捜査令状を受けて行われました。通知には、日本人の男が建物を借りあげ、そこで違法に大麻を栽培して日本にも送付しているという疑いが記されていました。
警察の捜査の結果、建物の二階で乾燥大麻約2キロ、407個の大麻のプラント、大麻の成分抽出器3台などが確認され、警察は小宮克久容疑者らを逮捕しました。
小宮克久容疑者はタイ警察の取り調べに、違法な大麻の栽培、製造を行った事を認めており、このために外国人とタイ人の両方を雇っていた事を語っているといいます。
小宮克久容疑者は主にツイッターなどインターネットで日本人に大麻を販売していたと語っており、購入者らには自分は大麻を合法で栽培できると虚偽の情報を伝えて販売。そして大麻を日本にも送っていたと見られています。
小宮克久容疑者とタイ人4人の5人は現在はチェンマイの警察署で身柄を拘束されており、法的措置が進められています。
報道されている概要は上記の通りです。
この小宮克久容疑者。
これまでタイのチェンマイの日本人社会では、例えば以下のハーバービジネスオンラインの2017年9月の記事でも「農業分野で活躍している日本人」として紹介されていたことから、有名な人物でした。他にも、掲載されたメディアは多数に及びます。
参考記事:逮捕の瞬間が完全生中継! 日本メディアが現地入りして日本人の逮捕を嬉々として報道 犯人はムエタイの練習中で……
ところが小宮克久容疑者、実際には10月3日の摘発より前に、大麻を育てネットで販売した後に、日本人同士で仲間割れしたとみられる事件で、他の日本人の大阪府四条畷市出身の兄弟の男二人とともに3人で強盗、恐喝、不法侵入、誘拐未遂、他に不法滞在、不法就労の容疑で起訴され、タイで刑事裁判の公判中の人物でした。
小宮克久容疑者は先月9月21日、筆者の取材を受けながらも回答もしていませんでした。そんな中でタイで大麻を大量栽培しており、そこで10月3日に摘発されたものです。
このように実態が明らかになる小宮克久容疑者などタイの大麻生産、販売者側の実態に、タイ現地の日本人社会では、これまでの日本メディアの取り上げた内容と実態の違いに驚きの声が上がっています。
また、日本では伊勢谷容疑者の事件もあって、大麻の日本への流入の実態に注目が集まる中で、日本に送付していた小宮克久容疑者の実態に注目が高まっています。(取材・文◎福留憲治【PJA NEWS】)