日本人にもアジアの旅行先として人気のタイ。
現在は新型コロナの感染防止のため、タイでも外国人観光客の受け入れは厳しく制限されており、2020年8月現在ではタイでの医療目的の人ぐらいしか観光客の受け入れは行われていません。
タイでは一日に入国できる外国人も、わずか500人以下に制限されており、とてもではありませんが一般的な観光旅行で入国をできる状況ではありません。そのため、日本人のタイ旅行が好きな人でも、多くの人はタイ旅行にはいけない状況になっています。
これまでに、タイ政府は感染が抑えられている国として日本などとも「トラベルバブル」という構想で、タイ入国前にPCR検査などを行って、陰性の場合は2週間の隔離期間無しで入国を受け入れる案を協議するなどしてきました。しかしこれも、日本でも感染者数が増加する中で議論は中断してしまっていました。
そのタイで2020年8月21日、今年の2020年10月1日からプーケットで、外国人観光客を受け入れる取り組みを行うことで、タイのプラユット首相が観光スポーツ省の大臣と基本合意に至り、ついにタイへの観光旅行が順次再開される見込みが出ています。
この提案は、タイ政府のCESA(Center for Economic Situation Administration)に対して行われたもので、この会議でタイのプラユット首相も基本合意に達したことを、タイメディアのThePattayaNewsが伝えています。
基本合意に至った案の内容は、隔離期間の2週間を、外国人観光客は指定された範囲のビーチなどで過ごすことで、旅行として楽しめるようにする案です。
タイの観光スポーツ省のピパット大臣の説明によると、外国人観光客はたとえばプーケット県のパトンビーチでの滞在を希望した場合、パトンビーチのホテルで隔離期間の2週間を滞在し、そこから半径1kmの範囲内のみで行動ができる形で、ビーチにも行けるようになり、隔離期間を旅行の一部として楽しめるようにするということ。
観光客も、到着前、到着後にPCRの感染検査を受ける事が必要とされ、その上で上記の14日間の隔離期間を「旅行」として楽しめるようにします。
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現状の案では、この2週間の隔離期間が終了した場合、その後に別の場所へ旅行を希望する場合は、さらに7日間のプーケットでの滞在と検査が求められ、その後にタイ国内を旅行できるようになります。
この提案を「プーケットモデル」と呼んでおり、タイへの外国人観光客受け入れの試験的な位置づけとしています。
この「プーケットモデル」は2020年10月1日に開始する事を予定しており、観光スポーツ省や他の関係当局は今後プーケット県での現地調査などを予定。その後バンコク、ラヨーン、チェンマイ、ウボンラチャタニ、チャンタブリー、スラタニ、クラビなどの観光地で、外国人観光客を受け入れるために試験的に導入されます。パタヤのあるチョンブリ県も、外国人観光客を受け入れる候補の一つです。
尚、これは現時点ではプラユット首相も「基本合意」を会議で行っただけの案という状態であり、正式な内容の決定や承認は、今後の検討なので、内容は大きく変更される可能性も、中止となる可能性もまだあります。
しかしながら、日本でも人気の旅行先、タイへの旅行がようやく再開されそうで、嬉しいニュースと言えそうです。
一方タイ国内では、このニュースを受けての反応は多様です。
観光地などでは、外国人観光客をビジネスのためにも是非受け入れたいという意見も多く、肯定的な意見も多く見られますが、一方で観光業と関係の無い一般の人からは、外国人観光客がタイに来ることで、また感染が拡大するのではないかと懸念する声も多くあります。
ついに再開する見込みが出てきたタイへの旅行。上記の案だと、2週間の隔離期間は指定されたビーチとホテルにいるだけという事を考えると、全体ではだいたい1カ月はタイに居ないと意味がない気もする案ですが、それでも再開されていくのは、多くの日本人には嬉しいニュースとなっています。
この「プーケットモデル」が実現するかどうか、国内外から注目が集まっています。(文◎福留憲治【PJA NEWS】)