現在タイでは新型コロナの影響で、観光業を中心に大きな打撃を受けて、庶民の生活が苦しくなっています。
タイはもともと貧富の格差が大きい国で、富裕層は新型コロナにも経済的な影響は小さい事がほとんどなのに対し、庶民は生活が出来なくなってしまうという事態が多発しており、特にパタヤなど外国人観光客の多い観光地では以下記事の通り、外国人観光客がいなくなったことでホームレスの増加が社会問題となっています。
このような背景からタイでは、政府への不満が高まっており、若い人を中心として、タイの民主化のために憲法の改正、現在の議会の解散などを求める政治集会が行われ、規模も大きくなっています。
2020年10月14日、タイのバンコクの民主記念塔前で、大規模な集会が行われました。この集会にはタイの各地から数万人規模が参加し、タイの憲法を民主的なものにするよう改正を求め、また現在の議会を解散し、真に民主的な方法で選挙により議会を開くことなどを要求していました。
そこに、タイの現在の王政を支持する体制派のデモ隊の一団が、黄色い服を着て現場に到着します。
以下は、この様子を撮影したタイメディア、The Pattaya Newsの伝える現場の動画です。
A day of protests begin in Bangkok
Our associated press teams are live in Bangkok today for the protests and counter protests. Here is a video taken earlier of a large group of royalists and pro-government supporters holding an impromptu "parade" past where the pro-democracy supporters have begun to gather. The incident stayed peaceful, but passions are high. The proper protest rally is scheduled for late afternoon. The people wearing green armbands are reportedly security hired and working for the protester to help keep the peace.
The Pattaya Newsさんの投稿 2020年10月13日火曜日
体制派もデモ活動を実施、政治集会の現場は体制派、反体制派の両グループがにらみあう格好となります。両グループの間では小競り合いも発生し、3人が軽傷を負う事件も起きました。
そして反体制派は、タイのプラユット首相の辞任などを求めてデモ行進を実施、バンコクの政府庁舎に向かいます。バンコクにはバリケードなども設置されていましたが、反体制派は公共の場所をバリケードで塞ぐことは許されないとし、バリケードなどを撤去していきました。
その後、タイ王族の乗る車列が現場を通るなどしたことから、警備の警官隊も多数投入され、警察官部隊も多数が監視する状況となりました。
こうしてバンコク中心部の現場では両グループのデモ隊に加え、多数のタイ警察の警官隊、そこに各国のメディアが多数集まり、緊張した状態となっていきます。
その様子を撮影したThe Pattaya Newsのニュース動画が以下のものです。
参考記事:伊勢谷友介の“大麻ルート”との関係性は? マリファナ大量栽培で逮捕された有名人 「タイで農業を学ぶ人」と持ち上げたメディアに責任はないのか | TABLO
Bangkok protests on October 14, 2020
Tension remains high on all sides, from pro-democracy protesters, to pro-government counter protesters to thousands of law enforcement forces trying to control a hectic situation in Bangkok today. Heavy national and international press presence also.
The Pattaya Newsさんの投稿 2020年10月14日水曜日
反政府集会のデモ隊は政府合同庁舎前に到着し、抗議活動を実施していきます。
こうして10月14日は夜を迎えますが、デモは終了する事はなく、デモ隊側は昼夜を問わず行い続けると宣言し、膨大な数の人々がタイ政府庁舎を取り囲みました。
これを受けて2020年10月15日午前4時頃、タイのプラユット首相は非常事態宣言を発令。5人以上の、政治的な目的の集会を禁止し、また報道機関には、タイの国家の安全に懸念を生じさせかねない、誤解を生みかねない報道を事を禁止しました。
この非常事態宣言を受けて、タイ政府側は現在までに、警察官の機動隊などが盾を構えて列を組んで行進し、デモ隊を退かせるなどして解散させようとしています。しかし現場では、多くの参加者が立ち去らず、緊張した状態が続いていました。
タイメディアがこれまでに伝えた所によると、この警察の摘発で、政治集会の幹部など少なくとも20名以上が警察に逮捕されたということです。これを受け、さらなる反発が起きる可能性もあります。
この摘発の後の2020年10月15日も、政治集会の動きは収まっておらず、バンコクの中心部では大勢の人々が集まっています。
以下はバンコク中心部で、日本人観光客にも人気の場所の10月15日の様子です。
この状況は現在、各国の報道が伝えており、タイの今後の推移に各国からの注目が集まっています。
なお、このような状況のため、タイ国内に居る方は安全の確保に十分ご注意下さい。(現地取材◎福留憲治【PJA NEWS】)