タイのバンコクで発行されている日系フリーペーパー最大手の『週刊ワイズ』(https://www.wisebk.com/ 発行社:ライディーン社[バンコク]、代表:西岡良樹氏)が長年にわたり、タイ人の綺麗な女性に声をかけ、メディア上で誹謗中傷を行ってきた問題をTABLOでは13日に報じた。
この問題については、以下の前回記事を見て欲しい。
参考記事:写真と実名を晒しヘイト 心を患った人も 在タイ『週刊ワイズ』が親日国で犯した日本の恥さらし行為
タイ人の若い女性を騙して取材し、女性の顔も実名も晒して、外見や見た目を罵り、それを見て嘲笑うのが読者である在タイ日本人…というものだった。
これは日本人として、あまりにも恥ずかしい姿だ。
この週刊ワイズ問題の反響が、タイ国内と日本国内の両方で急速に広がっている。
前回記事で報じた通り、この問題は既にタイ語版で本ニュースは報じられている(例えばこちらのサイト: ส่วนหนึ่งของคนญี่ปุ่นที่โกงและหัวเราะกับคนไทยอย่างสนุกสนาน )。
このニュースを受けてタイでは、多くの人から週刊ワイズに対して「酷い」という声が上がっており、中には日本人を嫌う過激な論評も出てきている(これには周りのタイ人の人がたしなめるといった反応も)。
また、「日本人の社会の中で、これを批判して止めさせた日本人もいる。事実、週刊ワイズの誹謗中傷記事は中止になっている」といった『自浄作用が働いている』といった声なども出てきている。
現地在住の日本人の間でも、このワイズの事件がタイ語ニュースとしても伝わる中で、日本のイメージそのものが悪化しかねないと話題となっているそうだ。
あるタイ在住の日本人駐在員は語る。
「今年の6月にはベトナムのハノイでも、日本人個人のベトナム人への差別的なツイートが大きな炎上となって、日本人のイメージそのものが悪化してしまっています。(※)
タイの『週刊ワイズ』はフリーペーパーながら“日本最大手メディア”と自称する媒体です。そのメディアが長年にわたり、タイ人の若い女性を騙してメディアで誹謗中傷を行っていた、そんな記事を見て多くの日本人が嘲笑っていた、多くの日本企業が金を出して支えていたという事実が明るみに出たのですから、ハノイ以上にケタ違いに深刻な問題になりかねないと、大変な騒動となっています」
(*)ベトナムのハノイの6月の事件について
参考サイト:ハーバービジネスオンライン『在ベトナムの邦人起業家、差別発言で大炎上。現地日本人社会も困惑』
https://hbol.jp/19476
一方で「週刊ワイズ」の現在の対応は、酷いものだ。
前回記事の通りTABLO編集部の取材にワイズは回答もせずにおり、現在もそれはない(2019年10月17日)。
ところが、そんな渦中の10月14日、ワイズはなんと、本サイトの前回記事を報じる『Infoseekニュース』を、公式ツイッターでツイートしてきたのだ。以下は、その際のスクリーンショットだ。
これは「おまえたちの報道など、痛くも痒くもないぞ」というメッセージだろうか?
ワイズ編集部のツイートは、まさに批判する記事を嘲るようなツイートだと考えざるをえない(なお、その後ワイズはこのツイートを削除し、10月17日現在は見られない)。
そうしてタイ現地からの批判の声も大きくなっている中で、彼らは「週刊ワイズ」最新号を配布する。
こういった姿勢を取り続ける週刊ワイズの発行社「ライディーン社[バンコク] 代表:西岡良樹氏」とは、一体どんな会社なのだろうか?
前回記事の配信の後に日本人から本サイト編集部へ、この週刊ワイズや発行社のライディーン社についても多くの情報が寄せられている(鋭意、事実関係を確認中)。
また、あるバンコク在住の日本人で、ライディーン社と付き合いのある日本人は次のように語る。
「ワイズを出しているライディーン社からは、“最近、怪メールが出回っているが、法的措置を検討中なので、メールBOXから消去してください”という趣旨のメールが再三にわたり送られてきました。退社前に社員に取引先の連絡先を盗まれたとかいう話でした。そんな話があれば皆、普通はGoogleなどで『ライディーン』、『タイ』とか検索するわけですから、なんだかなぁという対応の会社です」
このようにタイ現地でも話題となる中で、ワイズの問題は日本人社会でも大きな話題と問題となっている。
ワイズの問題を放置したバンコクの日本社会は、子供の「いじめ」と同じ問題
反響も大きくなる中で、TABLO編集部としては大きな疑問が残る。
前回記事で指摘した通り、バンコクでは、この「週刊ワイズ」が長年にわたり、タイ人女性を誹謗中傷する記事を連載をしてきていた。約5年前には、体調を崩してしまったタイ人女性もいるという趣旨の日本語ブログでの指摘もあった。
それなのになぜ、長期間にわたり批判する声が上がらなかったのだろうか?
タイ在住の日本人からは、次のようなコメントがあった。
「バンコクの狭い日本人社会の中で、週刊ワイズを批判すると、どんな嫌がらせをされるかわからないので、誰も声をあげなかったのです。週刊ワイズを発行するライディーンの西岡氏は、タイの政財界に人脈があるとアピールしているぐらいですし。(※)」
※ライディーン代表の西岡氏は、以下の通り自身でウェブサイトに記載して、タイ政財界のつながりを売りに営業する会社を日本で立ち上げたと宣伝している。
「2017年8月には、タイで培ったメディア力(情報力とタイ政財界とのつながり)を生かし、タイ及びASEAN進出を図る日本企業を支援すべく、 株式会社エイ・ピー・アイ(API)を日本で立ち上げました」
引用)ライディーン社公式ウェブサイト
https://megalodon.jp/2019-1017-1809-05/https://www.rydeen.co.th:443/
このような理由で、日本社会で長らく批判の声も上がらなかったのというのなら、これは子供の学校のイジメと同質の問題ではないだろうか。
タイの一般の美人女性が、タイの「日本最大メディア」に騙されて、一方的に誹謗中傷をされている、体を壊した女性もいる。
しかし「週刊ワイズ」と揉めるのが嫌だから、それを止めようともしなかった。それで、長年にわたりこんなワイズの記事が続けられてきた。
これは、子供が学校に行って、イジメにあっている可哀そうな他の子供を見て、助けたら自分が嫌がらせやイジメをされそうだから、可哀そうな子供を助けもしないのと、構図は同じではないか。
これを放置してきたタイの日本人社会の人間は、自分の子供が学校に行ってイジメの現場に遭遇した時に「可哀そうな子を助けちゃだめだよ、助けずに黙っているんだ。先生にも本当の事を言っちゃだめだ、自分がいじめられるし、先生はどうせ隠蔽するからね。だから、いじめっ子と一緒に嘲笑っていなさい。お父さんやお母さんも、そんな人生を送っているんだよ」とでも教えるのだろうか。
このワイズを長年にわたり放置してきた日本社会という「傍観者」にも、大きな責任があるのではないか。
一部の日本人や日本メディアが問題を提起して、ようやくタイでも日本でも明るみに出た週刊ワイズの本問題。週刊ワイズが現在、本サイトへの回答もせず、逆にツイートはして嘲笑うかのような姿勢でいる中、さらに反響は拡大している。(取材・文◎編集部)