cat_oa-rollingstone_issue_fd192e698f59 oa-rollingstone_0_fd192e698f59_レオン・ファノラキスの咆哮「ヒップホップは価値観や考え方を更新していく音楽」 fd192e698f59 fd192e698f59 レオン・ファノラキスの咆哮「ヒップホップは価値観や考え方を更新していく音楽」 oa-rollingstone

レオン・ファノラキスの咆哮「ヒップホップは価値観や考え方を更新していく音楽」

ヴァースを蹂躙する野性味のあるラップ。鼓膜を震わすベースライン。荒ぶる感情が炸裂するリリック。20歳のラッパー、Leon Fanourakis(レオン・ファノラキス)が抱える衝動の源流にあるのは子供の頃から気になっていたという「違和感」だ。

ーLeonさんのリリックに秘められた怒りってどこに向けられたものなんですか? 自分自身というよりは社会や世の中に対してのものが多い気がしたんですけど。

小学生の頃からみんなと同じがすごく嫌いで、ルールに従って生きる意味って何だろうって、すごく考えてたんですよね。でも普通の小学生はそんなこと考えないじゃないですか。学校の規則に従って生きることが当たり前というか。俺はその頃からヒップホップも聴いていたので、そういうことに違和感を感じたのかもしれません。普通に生きてるだけじゃつまらないみたいな。だから格好も1人だけモヒカンにしてみたりとか。



ー音楽はどういうきっかけで?

もともと親が音楽をやっていて、子供の頃から音楽部屋みたいなのを与えられてたんです。部屋の中にギターやベースやドラムがあって、そこで楽器に触れてました。小学生の時はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやリンキン・パークが好きで、タブ譜を見てギターを弾いたりしてたんですけど、あんまりピンとこなくて。中学生になってDJもやってみたんですけど、結局続かなくて。それでラップをやってみたという感じです。

ーヒップホップとの出会いは?

最初はカニエ・ウェスト、ジェイ・Zだったんですけど、どんなラップが自分は好きなんだろうって研究した結果、スクールボーイ・Qであり、エイサップ・ファーグのようなガツガツしたスタイルが好きなんだということに気づいて、その後にXXXテンタシオンが出てきて決定的になりましたね。めちゃめちゃ(テンタシオンの曲を)聴きまくって、どういう風にリズム取ってるのかを自分なりに研究したんです。で、韻を踏めば踏むほどリズムが軽快になることに気づいたり。



ー繰り返し聴いてマネして?

はい。あとはいろんな音楽を聴くことが一番刺激になります。周りにいるSANTAWORLDVIEWやYamieZimmerとか、仲間内でも刺激をたくさんもらえるので、お互い高め合ってる感じですね。やっぱり歳が近い人は意識していて、海外のアーティストでも同い年くらいの人が多いですし、そういうのを見て俺も頑張らないとって思ったりします。


「日本語でめちゃくちゃカッコいいラップをしてやる!」って思った

ーSANTAWORLDVIEWやYamieZimmerらと作り上げた1stアルバム『CHIMAIRA』には、Leonさんを見出したANARCHYの他、Bank.Somsaart、VA$¢0、ハイヤー・ブラザーズのPsy PとMelo、XXXテンタシオンが所属したクルーMembers OnlyのBass Santana、Cookin Soulなどが参加してますよね。父親が日本人で、母親が韓国とギリシャのハーフというクォーターのLeonさんならではというか、どこか無国籍な風情が漂うサウンドだなぁとも思いました。

クラブで外国人から話しかけられることが多いんですよ。『一緒にスタジオ入ろう』って言われることも多々ある。自分もニューヨークに行ったりするし、海外は好きなんです。でも英語をモノにするよりは、外国人をヤバイって言わせる日本語ラップを突き詰めたいですね。混血だけど日本育ちっていうルーツがそう思わせるのかもしれないけど。ハーフの子が周りに多くて、中学生の時に「日本語のラップ、ダサくね?」って言われて、それに腹が立って「日本語でめちゃくちゃカッコいいラップをしてやる!」って思ったんですよ。



ーアルバム発売後、日本全国のクラブのステージに立つ機会も増えましたね。

地方に行ってもみんなバウンスしてくれるし、アルバムを出してからいろいろ変わりました。感情を表現するだけじゃなく、ヒップホップは価値観や考え方を更新していく音楽。そこがすごく面白いし、何年経っても飽きないと思います。だからいくつになっても新しいアプローチを知りたいし、音楽を聴き続けて研究していきたいです。大人になって歳を重ねると昔にとらわれてしまう人って多いじゃないですか。でもそうじゃない人はすごくフレッシュだなと思っていて、自分はそういう大人になりたいですね。



レオン・ファノラキス
2015年の「第8回高校生ラップ選手権」、2018年の「ラップスタア誕生!」シーズン2でLeon a.k.a 獅子名義で優勝。その後、ANARCHY主宰の1%と契約を果たし、Leon Fanourakisとして2019年に1stアルバム『CHIMAIRA』をリリースした。

『CHIMAIRA』
Leon Fanourakis
1%
発売中

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cat_oa-rollingstone_issue_fd192e698f59 oa-rollingstone_0_1cebb4d3d0f6_細野晴臣ライブ・ドキュメンタリー映画『SAYONARA AMERICA』公開 1cebb4d3d0f6 1cebb4d3d0f6 細野晴臣ライブ・ドキュメンタリー映画『SAYONARA AMERICA』公開 oa-rollingstone

細野晴臣ライブ・ドキュメンタリー映画『SAYONARA AMERICA』公開

細野晴臣のライブ・ドキュメンタリー映画『SAYONARA AMERICA』が、2021年11月12日(金)より、シネスイッチ銀座、シネクイント、大阪ステーションシティシネマ他にて全国順次公開する。

あわせて、TOWA TEIとTOMOO GOKITAが手掛けたアートワークによるポスタービジュアルも公開された。

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本作はウイルスの出現により、自由が制限された世界だからこそ、”マスクがなかった世界を偲んで”、 2019年アメリカ、ニューヨークとロサンゼルスで開催された”集大成”となるライブを記録する、幸福感と高揚感に満ちたライブ・ドキュメンタリーとなっている。


<映画情報>

『SAYONARA AMERICA』

2021年11月12日(金)
シネスイッチ銀座、シネクイント、大阪ステーションシティシネマ他全国順次公開
出演・音楽:細野晴臣
監督:佐渡岳利『NO SMOKING』(19)
プロデューサー:飯田雅裕『NO SMOKING』(19)
制作プロダクション:NHKエンタープライズ
企画:朝日新聞
配給:ギャガ 
©2021”HARUOMI HOSONO SAYONARA AMERICA”FILM PARTNERS
ARTWORK TOWA TEI & TOMOO GOKITA
公式サイト:gaga.ne.jp/sayonara-america

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ミント・コンディションのリード・ヴォーカルStokley、アルバム『SANKOFA』リリース

Stokleyが新アルバム『Sankofa』を、デュオ、ジミー・ジャム&テリー・ルイスらの主催レーベルFlyte Tyme / Perspective Recordsより、2021年9月17日にリリースした。

ジミー・ジャム&テリー・ルイスは本作でソングライティングにも参加している。

関連記事:シルク・ソニックはどこへ向かう? ブルーノ・マーズとA・パークのソウル革命を紐解く

アルバム・タイトルの『SANKOFA』とはガーナ語で”自分のルーツを忘れない”という意味。アルバムはストークリーのアフリカ系アメリカ人ルーツと共に、これまで35年間の音楽活動の中でのアーティスト経験や受けてきた教育など、自身の随想に寄り添った作品となっている。



アルバムのフィーチャリング・アーティストにはH.E.R.、Snoop Dogg、Wale、The Bonfyre、KiDiなどを迎えた。作詞作曲・制作はStokley、S.Dot (MJB, Lauryn Hill, Diddy)、Carvin Haggins (Jazmine Sullivan, Jill Scott)、そしてShakespeare! (Justin Beiber, The Internet)も参加している。

Stokleyの父親であり、作家・コメンテーター、ミネソタ州マカレスター大学の名誉教授でもあるMahmoud El-Katiがスペシャル・ゲストとして参加。Stokley自身はドラムやパーカッション、キーボード、ギター(リードとベース)。さらにはスチールパンなど99%の楽器演奏を担当した。


<リリース情報>


Stokley
アルバム『Sankofa』

配信日:2021年9月17日(金)
配信リンク:https://orcd.co/sankofa 
Executive Album Producer:Stokley
Executive Producers:Jimmy Jam & Terry Lewis
Executive Producer:Al Manerson
=収録曲=
1. Sankofa - Past
2. Vibrant (ft. Snoop Dogg)
3. Cafe (ft. Wale)
4. She
5. Vudoo
6. Clouds (ft. Shakespeare!)
7. Homecoming (Lude)
8. Cascade (ft. The Bonfyre)
9. RUSH (ft. H.E.R.)
10. Sankofa - Present
11. Recipe
12. Woman (ft. KiDi)
13. Cascade (LVRS Quarrel Mix)
14. Trinkutsi (Lude)
15. Verbalize (ft. Snoop Dogg)
16. Slip
17. Lost
18. Sankofa - The Present (ft. Mahmoud El-Kati)

Stokley 公式Instagram:https://www.instagram.com/stokleyofficial/

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cat_oa-rollingstone_issue_fd192e698f59 oa-rollingstone_0_d6ca1b27d440_BRAHMAN、初ホールツアー「Tour -slow DANCE HALL-」開催 d6ca1b27d440 d6ca1b27d440 BRAHMAN、初ホールツアー「Tour -slow DANCE HALL-」開催 oa-rollingstone

BRAHMAN、初ホールツアー「Tour -slow DANCE HALL-」開催

BRAHMANが、ホールツアー「Tour -slow DANCE HALL-」を2021年11月13日の福岡公演を皮切りに開催する。

本ツアーは2021年6月から8月にかけて開催された「Tour 2021 -Slow Dance-」の続編。前回はBRAHMANにとってコロナ禍初となる有観客の主催ライブだった。

関連記事:細美武士とTOSHI-LOWが語る、the LOW-ATUSが体現するフォークの世界

「Tour -slow DANCE HALL-」は新たな試みに手を伸ばしたツアー。タイトルが示すように、今回は全国8箇所を回る。



なお、9月22日にリリースされるシングル『Slow Dance』には、先行チケットシリアルナンバーが封入されている。


<ライブ情報>


「BRAHMAN Tour -slow DANCE HALL-」

2021年11⽉13⽇(土)福岡国際会議場メインホール
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
料金:全席指定 前売 5500円(税込)
2021年12⽉6⽇(月)⼤阪・オリックス劇場
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:全席指定 前売 5500円(税込)
2021年12⽉10⽇(金)石川・本多の森ホール
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
2021年12⽉14⽇(火)名古屋・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:全席指定 前売 5500円(税込)
2021年12月17日(金)岡山市民会館
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:全席指定 前売 5500円(税込)
2021年12月19日(日)宮城・仙台サンプラザホール
時間:OPEN 17:00 / START 18:00
料金:全席指定 前売 5500円(税込)
2021年12月22日(水)北海道・札幌市教育文化会館大ホール
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:全席指定 前売 5500円(税込)
2022年1月12日(水)東京・中野サンプラザ
時間:OPEN 18:00 / START 19:00
料金:全席指定 前売 5500円(税込)
■「Slow Dance」封入先行
9月22日(水)10:00~10月3日(日)23:59
CD購入時に封入されたシリアル番号が必要となります。詳細は9月22日発売のCD内の詳細をご覧ください
■オフィシャル先行
10月6日(水)12:00~10月10日(日)23:59
https://w.pia.jp/t/brahman-t/
■チケット発売⽇
10⽉23⽇(⼟)〜
お一人様4枚まで
(電子チケットの場合:購入時に個人情報の入力が必要、同行者は分配時にて)
(紙チケットの場合:入場時に個人情報の入力が必要)
ガイドラインをご確認の上、お客様への当日のお願いごとを十分にご周知頂いた上でのチケットお申し込みをお願いいたします。
https://smash-jpn.com/guideline

<リリース情報>


BRAHMAN
シングル『Slow Dance』

発売日:2021年9月22日(水)
[形態]
・初回限定盤A(CD+Blu-ray 2枚)
価格:6600円
・初回限定盤B(CD+DVD 2枚)
価格:5500円
・通常盤 (CD)
価格:1320円 
[予約・購入はこちらから]
https://brahman.lnk.to/slowdancePR
収録曲:
1. Slow Dance
2. 旅路の果て
・Blu-ray / DVD (disc1)
「Tour 2021 -Slow Dance-」
1. KAMUY-PIRMA
2. FIBS IN THE HAND
3. 空谷の跫音
4. 終夜
5. 霹靂
6. FROM MY WINDOW
7. BYWAY
8. PLASTIC SMILE
9. ONENESS
10. ナミノウタゲ
11. 今夜
12. PLACEBO
13. 満月の夕
14. 鼎の問
15. Slow Dance
at Zepp Haneda (2021/6/28) 全15曲
・Blu-ray / DVD (disc2)
ONLINE LIVE ”IN YOUR 【 】 HOUSE”
1. TONGFARR
2. THE ONLY WAY
3. 賽の河原
4. BASIS
5. SEE OFF
6. BEYOND THE MOUNTAIN
7. SPECULATION
8. 不倶戴天
9. CLUSTER BLASTER feat. ILL-BOSSTINO
10. CAUSATION
11. CIRCLE BACK
12. SHOW
13. 守破離 feat. KO
14. GREAT HELP
15. LAST WAR
16. ARRIVAL TIME
17. 春を待つ人
18. ANSWER FOR・・・
19. BACK TO LIFE feat. ILL-BOSSTINO
20. ARTMAN
at KLUB COUNTER ACTION (2020/10/9) 全20曲

BRAHMAN OFFICIAL HP:http://www.brahman-tc.com/

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the GazettE、アルバム『MASS』国内サブスク配信

the GazettEが2021年5月26日に発売したアルバム『MASS』が、9月18日より国内各サブスクリプションサービスで配信される。

約2年ぶりとなるライヴ「LIVE 2021 -DEMONSTRATION EXPERIMENT- BLINDING HOPE」を間近に控える中でのサブスク配信となった。

関連記事:the GazettEが死を歌う理由「楽しかったことや気持ちよかったことは歌詞に直結しない」




<リリース情報>


THE GAZETTE
アルバム『MASS』

Streaming & Download:https://smr.lnk.to/r3KqAj
※9月18日(土)0:00(17日24:00)より順次反映されます

<ライブ情報>

「LIVE 2021 -DEMONSTRATION EXPERIMENT- BLINDING HOPE」

2021年9月26日(日)大阪・オリックス劇場
時間:OPEN 17:15 / START 18:00
2021年10月19日(火)愛知県芸術劇場大ホール
時間:OPEN 17:45 / START 18:30
2021年11月1日(月)東京ガーデンシアター
OPEN 17:30 / START 18:30
料金:前売 9600円
※未就学児童入場不可
※諸サービス手数料別
■「LIVE 2021 -DEMONSTRATION EXPERIMENT- BLINDING HOPE」SPECIAL SITE
https://the-gazette.com/live2021_blinding_hope/

the GazettE OFFICIAL SITE:https://the-gazette.com/

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cat_oa-rollingstone_issue_fd192e698f59 oa-rollingstone_0_6ed48f50097d_「泉谷しげる50周年 俺をレジェンドと呼ぶな」本人と振り返るエレックレコードの名盤 6ed48f50097d 6ed48f50097d 「泉谷しげる50周年 俺をレジェンドと呼ぶな」本人と振り返るエレックレコードの名盤 oa-rollingstone

「泉谷しげる50周年 俺をレジェンドと呼ぶな」本人と振り返るエレックレコードの名盤

日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出していく。2021年9月は70年代から80年代にかけた時代を代表するシンガー・ソングライター。俳優、画家、音楽にはとどまらない表現活動を続けるアーティスト。さらに、様々なイベントを企画して、先頭で実行する戦うプロデューサー。「泉谷しげる50周年、俺をレジェンドと呼ぶな」特集。第1週は、エレックレコードについて振り返る。

田家秀樹(以下、田家):こんばんは。FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」案内人田家秀樹です。今流れているのは泉谷しげるさん、1987年のシングル「野性のバラッド」。今月の前テーマはこれです。「J-POP LEGEND FORUM」、J-POPの歴史の中の様々な伝説をあらためて紐解いていこうという60分。今月2021年9月の特集は泉谷しげる。70年代から80年代にかけた時代を代表するシンガー・ソングライター。その一方で、俳優、画家、音楽にはとどまらない表現活動を続けるアーティスト。さらに、様々なイベントを企画して、先頭で実行する戦うプロデューサー。2015年に立ち上げた、熊本の「阿蘇ロックフェスティバル」は今年で勇退を声明されて、10月23日、24日にそのライブも行われます。デビューが1971年、今年がデビュー50周年。俳優さんのイメージも最近は強いですが、彼の音楽の軌跡を辿ろうという1ヶ月。唯一無二の50年、どんな音楽を残してきたのか。題して、「泉谷しげる50周年、俺をレジェンドと呼ぶな」。本人に4週間登場していただきます。こんばんは。

関連記事:GSとカレッジフォークの仕掛け人・本城和治と振り返る、ジャンルを越えた名盤



泉谷しげる(以下、泉谷):レジェンドと呼ぶな(笑)!

田家:レジェンドと呼ぶなと言われるだろうなと思って、それをタイトルにしてしまいました(笑)。

泉谷:頼むよー。呼んでほしくないよー、そんなのー。

田家:はい、俺を博物館に入れるなっていう。

泉谷:そうですよ(笑)。レジェンドだったら、半分死んでるね。

田家:50年ということで、あらためて思われることは?

泉谷: 50年だからなんだというぐらいな感覚です。やっぱり、重みとか歴史を作ろうとしていた先輩を散々見てきているんで、かっこ悪いなと思うんだよね。俺はこれだけのことをやってきたぜ、早くお前ら尊敬しろと、褒めろと言うやつらはダメよ! 常に前に行くというのは美しいかもしれないし、そういう積み上げてきたものは大事ではあるんだけれど、人の記憶は慣れてくるし、飽きてくるし。

田家:「野性のバラッド」の中に〈騒ぎの好きな俺について〉という歌詞がありますが、騒ぎ続けた50年という感覚はありますか?

泉谷:騒いでいたいですねー。

田家:これからもね。

泉谷:うん。やっぱり、騒ぎは好きですね(笑)。

田家:4週間辿ってみようと思うのですが、50周年ホヤホヤの新曲というのが、今日の1曲目になります。こういう新曲、現役の証があるから、俺をレジェンドと呼ぶなということにもなるんでしょうが、本邦初オンエア。本当にできあがったばかり。それから始めたいと思います。

泉谷:え! 意外な手法で来るねー(笑)。



風の時代 / 泉谷しげる

田家:一緒に歌っているのが、ワハハ本舗の人たち。10月28日から新宿文化センターで「王と花魁」というお芝居が始まる。それに合わせての新曲でもあるという。

泉谷:そうですね。主宰の喰始から電話がかかってきて、ワハハ本舗でマスクにメッセージを書いて、頑張る人たちを応援するキャンペーンをやっていて、そのテーマソングを作ってくれって言うんで、「あ、いいよ」ってすぐ受けて、お笑いバチバチでと思ったら、「ちゃんと作ってくれ」。「普遍的に独立して楽曲として成立するものを作ってくれ」と。なんて難しい注文するんだと、「ワハハなんだから、笑いがあって然るべきだろう」と言ったんですけど。

田家:喰さんも泉谷さんに対して、そういうものを求めたんですね。

泉谷:まあ、そういうことですねー。めんどくさかったですねー。

田家:はははは!「風の時代」って良いタイトルですね。

泉谷:自分もいつか使いたいなと思っていたフレーズで。私は大体オフで、世間が何か言っていることをよく記録するんです。良いこと言うじゃないですか、オフって、みんな。で、公になるとつまらない(笑)。そこで残ったものの1つが「風の時代」だったんですよ。

田家:この「風の時代」の話は4週目にもあらためてまたお訊きしようと思うのですが、これはでもまだ発売日は全然決まってないんですもんね。4週目には決まってるかもしれませんね(笑)。

泉谷:その通りですね(笑)。

田家:「風の時代」に至る50年間というのが4週間のテーマになると思います。本邦初公開、新曲「風の時代」でした。さて、ここから一気に50年前に遡ります。

泉谷:取り調べだな(笑)。 

田家:23歳の泉谷さんの自己紹介ソングです。



プロフィール / 泉谷しげる

田家: 1971年11月発売デビューアルバム『泉谷しげる登場』から、「プロフィール」、23歳。

泉谷:今更言っても信じないかもしれないけど、この頃の曲からほとんどアドリブなんですよ。その場でやっているんですね。忌野清志郎や古井戸があまりにも完成度が高かったんで勝てねえなっていうのがあって、ぶっ壊してやれっていう。そのぶっ壊すっていうのは、シュールレアリズムに壊すのではなく、とぼけてね。

田家:デビューアルバム『泉谷しげる登場』は71年10月の杉野講堂99円リサイタル。このライブアルバムでデビューするのは、エレックの人たちのアイデアだったんですか?

泉谷:そうですね。まあ、自分もそっちの方がよかったんですけど、99円というふざけた金額でやっているのはレコーディングだからなんですよ。お客さんはオーディエンスだけど、タダでレコーディング観ているようなものなんです。

田家:お金は別になくてもいいやみたいな。

泉谷:そうなるとあれなんで、洒落で99円にしようっていうことなんでしょうね。

田家:この自己紹介ソングの後に「告白のブルース」という曲が入ってまして、これは泉谷さんが初めて書いた曲。〈チョンガーどもよく聞けよ、女は怖いんだぞ〉っていう。

泉谷:その当時付き合っていた女性からはすっごく怒られましたね。

田家:あらためて歌詞をご覧になっていただけたらと思うのですが、〈あわれ男よどこへ行く〉という男心ね。この「告白のブルース」はいつ頃書いた曲だったんですか?

泉谷: 18歳ぐらいかなと思うんです。18ぐらいでようやくコードやカポタストというものを覚えられて。エレキはいじっていたんだけど、フォークギターって覚えるのが大変なんですね。

田家:先にエレキなんですもんね。

泉谷:ローリング・ストーンズですからね。

田家:この話はまた、3週目に出てきますけども(笑)。フォークギターの方が難しかった。

泉谷:全然難しい。エレキは便利ですからねー。柔らかいですから、弦が。適当に弾いても形になっちゃいますんで。

田家:18歳で初めて曲を書いた時には漫画家にもなりたいっていうのがあったんでしょ?

泉谷:そうですね。だけど、時代が悪かったというか、すごかったというかね。ラジオで漫画を描いている時にビートルズやストーンズは流れるわさ、ジミヘンが流れてごらんよ。

田家:なるほど。刺激が違う。

泉谷:世の中に生きたいと思うでしょうよ。

田家:こっちが世の中なんだと。

泉谷:外がおもしろかったんですね。デモもあれば討論会もあれば、演劇集団はズルズルと路面を這いつくばっているし、どんな国になってんだみたいな。漫画は大好きなんだけど、作業は地味じゃないですか。アウトドアじゃないんで(笑)。

田家:そんな話はまた後ほどお訊きしようと思います。泉谷さんと言えば、乱入という言葉がついてまわりますが、なぜそうなったのか始まりの曲です。エレック時代の2枚組ライブ『唄の市』から「戦争小唄」。





田家:これであちこちに乱入したんですよね?

泉谷:「出させてくれ」って自分で行って、レコード会社はこの頃は仮契約レベルだったんじゃないかなと思うんです。別に会社に相談したとか、そういうレベルではなく、ライブが好きだったんで。

田家:相談したら、やめろって言われますよね(笑)。

泉谷:そうです(笑)。だから、「頼む、出させてくれ、1曲でいいから」って主催者に。「お前なんかおもしろそうだから、出ろ」っていう。あの時の言葉はとても忘れられない。先輩にあたる人たちが、主催していて、おもしろければ出しちゃうみたいなところがすごいなと思いましたね。今は事務所だとなんだって、いろいろコンプライアンスがあってさ。俺もいつか、おもしろいやつに場を作ってあげるという大人にならないといけないなと思ったな。

田家:それが阿蘇ロックにも繋がるんだろうと思いますね。「戦争小唄」もアドリブっぽく作ったんですね。

泉谷:完全にアドリブです。これは当時ベトナム戦争がまだ終わってませんのでね。

田家:1975年ですからね。

泉谷:終わったのはね。これはちょっと前ですから。なので、戦争の歌さえ歌っていれば、盛り上がるだろうみたいな(笑)。

田家:でも、普遍的な歌ですよ、これも。

泉谷:そうそう、ほとんどその場でやっているんですよ。

田家:そういうエレックのデビュー自体が、とても思いがけないと言うと失礼ですけど、エレックに持ち込んだ古井戸とピピ&コットのカセットの最後にちょっと泉谷さんが入っていた。

泉谷:本当にそう。テープが残っているから、ちょっと入れておくかって言ったら、ぶつっと切れて。また新たにちゃんと作ろうってなった時も、やっぱり同じように途中で切れているんですよ。

田家:ちょっと残ってた。「会いたい」って言ったのが浅沼勇さん?

泉谷:そうらしいですね。まあ、社長なのか、浅沼さんなのかちょっとそこは。2人ともいたんで。

田家:あ、永野さん。

泉谷:そうそう。だから、こいつを連れて来いってことになったみたいですね。

田家:エレックレコードはURCと並ぶ、インディーズの走りですが、もともとギターの教則本の会社で。深夜放送との関係が深くて、1回目の発売が土居まさるさんだった。カレンダー。♭ジャニュアリ~という始まり(笑)。シンガーソングライターの1号が拓郎さんで、2号が泉谷さん。

泉谷:そういうことですね。

田家:拓郎さんの話はまた後ほど伺いますけども、「戦争小唄」の人が書いた名曲がこれです。72年4月発売、2枚目のアルバムのタイトル曲、「春夏秋冬」。





田家:1972年4月発売、2枚目のアルバム『春夏秋冬』から、タイトル曲「春夏秋冬」。この曲は思い出がいっぱいありそうですもんね。

泉谷:そうですね。でも、作れっていう時は全然良い思い出じゃないんですよ。ひどいですよ、エレックは。いきなり電話がかかってきて、「明日までに曲作っておけ」って言うんで。新宿の御苑スタジオでリハしなきゃいけなかったんだけど、「とにかくスタジオ代が高いんだからな、早く作れ」みたいな。「なんだこいつと」と、その時が、亀裂の1番最初でしたね(笑)。

田家:大人の世界はこうかみたいな(笑)。

泉谷:そう。まあ、レコーディング代が高かったというのもあるんですけどね。でも、こっちも調子悪くて、この歌をよく聴いてもらえれば分かるんだけど、実は鼻声なんです、風邪引いているんです。

田家:で、すぐ書けたんですか?

泉谷:まあ、一行だけ。でも、一行書いて、あ、これいけるなって思いました。あとは適当にその場で歌っていて(笑)。まずリハの段階で適当に歌って、固めていって。どうも、ボブ・ディランもそうやってたらしいね。適当にまず歌って、それから後で直していく。レコーディングメンバーがいつも待たされていた。これは偶然ですよ、別にディランの真似したわけでもなんでもなく。

田家:その思いがけないデビューの時に書いてた曲はどのくらいあったんですか?

泉谷:大してないですよ。むしろ、ないですよ。「戦争小唄」と……3、4曲しかなかったんじゃないかな。

田家:デビューアルバムの中には浅沼さんの曲も入ってましたもんね。

泉谷:そうそう。だから、アルバム出すとか言われた時、「いや、俺はダメなんで曲もないし、古井戸を先にしてくれ」って言った。こいつらはいっぱいあるから、俺はないから、最初はお断りしてるんだよ。自分が先頭を切るのはいいけど、1年間だけだぞと。それで、あとは古井戸出してくれるなと、だったらやるって言って。俺は1年間でもういなくなるからみたいな感覚で。

田家:ところが、世間はそうさせなかった。この2枚目のアルバム『春夏秋冬』はスタジオレコーディングで加藤和彦さんもアレンジで参加している。ここから入っているんですもんね。

泉谷:つまり、レコーディングってなんだってことをできる人がいなかったんですよ。

田家:あー同世代ではね。

泉谷:フォーク勢は全く頼りにならないので、どうしてこういうマイクで、ヘッドホンつけてやるっていうことが分からない。ミキシングなんて分からないんです。だから、みんな加藤さんのところに行ったんですよ。そのぐらい彼は先に行ってたんです。

田家:勉強になったこともたくさんあったと。

泉谷:相当ありましたね。彼がいなかったら、我々はできなかったですよ。

田家:この話はまた後ほど続きます。

泉谷:また!後ほどが多すぎないか(笑)!





田家:これも代表曲、普遍的な1曲(笑)。

泉谷:そうですね(笑)。これは岡本おさみさんの詞をどこもアドリブもせず、ちゃんとやっている。だから、俺としてはこれがワハハ本舗であってほしかったみたいなね(笑)。つまり何を言いたいかと言うと、岡本おさみさんは重厚に作ってくれって言ったんですよ、この歌詞を。

田家:あ、歌詞を持ってきた時に。

泉谷:そうそう。すごいブルースな感じでって。ふざけんなこの野郎と。権力と戦うような、政治と立ち向かうことが当たり前の空気な時代だったんだから、そういう責任を負わせやがってみたいな。

田家:こいつの曲だよみたいなね(笑)。

泉谷:そう。で、自分はコソコソとしているわけでしょ。卑怯者! ですよね。

田家:でも、こういうコミカルなみんなが笑える、楽しめる歌にしたからこの曲は生きていますよね。

泉谷:結果的には軽くしたら、例えば警察にお世話になるようなことがあったらさ、笑ってくれると思うんだよね。警察官も。「じゃあ、お前もやってみろこの野郎」とかさ。「俺たちの前で歌ってみろこら」ってさ、絶対冷やかしてくれるような気がしてるのね。

田家:それが音楽のおもしろさでもあるし。

泉谷:そうなんだよ! 権力者も笑わせないと。

田家:高田渡の流れがここにあるという(笑)。

泉谷:そういうことなのよね。自分だってずっと1個の思想に凝り固まっていけるほどの自信があるわけじゃないし、ないんだから、大体。気分はあるけど、思想としてはないんで。エンターテインメントなんで、そこは。上も下も右も左も楽しまないと。



陽が沈むころに / 泉谷しげる

田家:1972年11月発売3枚目のアルバム『地球はお祭りさわぎ』の中の「陽が沈むころに」。当時、お世話になりました。助けていただきました。

泉谷:ああ、そうですか。しかしさあ、老けてるよねえ。23でこういう達観した曲作っちゃダメだよ! 達観って諦めちゃうってことだから。そうじゃないっていう意見も当然あるのは分かってる。だけど、1番嫌いなんですよ。でも、みんなこういう心情だろうなと。それを美しくするのはジョン山崎のピアノだな。

田家:ジョン山崎、スクールバンド。

泉谷:こいつらの演奏と、ピアノでとても美しい曲になれた。だけど、やっぱり結論的なもの、諦め的なことも口にしてみないと、前に進めない時ってありますよね。

田家:自分でなかなか言えないから、こういう歌を聴くことで、自分に言い聞かせたりしてましたけどね。

泉谷:自分のダメさ加減をちゃんと口にしてみないと、虚勢張っていてもしょうがねえだろうという。虚勢張るの大好きなんだけど。

田家:この「陽が沈むころに」を聴いた頃に岡林さんを連想したんですよ。岡林さんが京都の山中にいなくなってしまって、逃げたとも見えるような引きこもり方に対して、泉谷さんが思ったことでもあるのかなとか。

泉谷:でも、岡林さんの真似はほとんどしてましたね(笑)。すごい迷惑がってましたね。

田家:泉谷さんの原点はローリング・ストーンズとフォーククルセダーズと思っていたのですが、岡林さんもそこにいるわけですよね。

泉谷:そうですね。結局彼は良いか悪いかっていうのは本人もどこまで分かっているのか分からないんだけど、歌以上のものを感じてしまって。すごいな、この人はと。

田家:共立講堂で岡林さんと共演しましたよね。それ観てましたけどね。

泉谷:スター性もあるし、本当に良い男だしさ、ぶっ壊してやろうと思った(笑)。

田家:で、71年にデビューして、1年間に3枚のアルバムを作ってたんだなって思いました(笑)。どんな日々だったんだって(笑)。

泉谷:ひどいでしょ! 記憶ないんだから、この曲、俺本当に作った? ぐらいのことが平気であるんで。中には何曲か駄作があるんだけど、記憶がないんだよね(笑)。

田家:で、そういう中で4枚目の名盤アルバム『光と影』が誕生しています。その中からお聴きいただきます。「春のからっ風」。



春のからっ風 / 泉谷しげる

田家:1973年9月発売、4枚目のアルバム名盤『光と影』の中の「春のからっ風」。「春夏秋冬」の続編のような曲にも聴こえますね。

泉谷:結局、焦燥感みたいなものが当時みんなにあって、若いやつの行動が上手いこといかずに敗北感みたいなものですかね。世の中が変わらないみたいな。

田家:世間は分かってくれない的な。

泉谷:そういう気持ちを代表してという意味ではなく、自分自身がそうだったはずだという。

田家:泉谷さんもこういう生活をしていた時がある。

泉谷:「春夏秋冬」と同じように都会のおしゃれな空間にいるはずなのに、埃が舞っているみたいな。ささくれ立った気持ちというか。だいぶ自分のキャラも完成されつつあるぐらいな時だったんだけど、ここは虚勢を張らずに俺はこうなんだよねっていうところも、まあやっとくか! みたいな。

田家:さっきちょっと話に出た、漫画家になりたい。漫画を描いていて、なかなか採用されない時期はこういう感じだったりしたんですか?

泉谷:いや、漫画家も歌手もどうしても受かりたかったかどうかって言われちゃうと、非常に微妙で。やったとは思ってなかったですね。むしろ、なんで? というぐらいですよね。

田家:なんで俺がこんなに?

泉谷:なんで人気出ちゃったの? ぐらいな感じですよ。だから、むしろ怖がってたと思いますね。はっきり言えば。基礎どころか、ぶっ壊してるんだからさ、次から次へと(笑)。だから、早く辞めなきゃぐらいな気持ちでしたね。

田家:で、この4枚目のアルバム『光と影』のプロデユーサーがさっき話に出た加藤和彦さんなわけで、加藤さんはそういうところをちゃんと理解して。

泉谷:あの人は理解してくれるんだよねえ。ポップの人かと思ったら、なんでこういうことが分かるんだろう? という。

田家:あの人もやっぱり、外れたところがいっぱいあった人なんですよ、きっと(笑)。

左から、泉谷しげる、田家秀樹

泉谷:そうかもしれないな。なんか過激だよね、意外と。すごい良いところの息子じゃないですか。良い学校も出て、ポップなものを作って。だから、レコーディングの頼り方として頼ったんだけど、まさか歌詞まで理解してくれるとは思わなかったですね。

田家:たぶん、加藤さんは泉谷さんが歌っていることに惹かれたんじゃないかと思いますけどね。

泉谷:そうかもしれないですね。もちろんあらゆるジャンルのものに精通しているんだけど、例えば、ある時「大阪で生まれた女」の電信柱に染みついた夜とか、これいいよねとか言い出すんだよ。え!? とか、俺の方がついていけないのよ(笑)。

田家:この『光と影』は「序曲」と「終曲」、「イントロ」と「アウトロ」があって、トータルな作りで、「おー脳」とか、「ひとりあるき」、「ブルースを唄わないで」とか、本当に名曲がたくさんありますもんね。

泉谷:まあ、結果的にそういうふうに思っていただけるならありがたいんですけど、とにかく加藤さんの家でこういうふうに歌え、ああいうふうにやれって言いながらやっていたんで。自分の想いを出すために何度もやり直しするよりは、大体テイクも1回か2回ぐらいですからね、これ。

田家:あ、加藤さんがその方がいいって言う?

泉谷:そのままの方がいいって言うんだよね。ちゃんとするなみたいな。だから、おもしろかったですね。テーマとか、感情を溜め込みすぎないように慣れないうちに。これは役者とも似ているんだけど、人によるんだけど、完成されない前の演技が1番良いという。

田家:3週目で聞きましょう(笑)。

泉谷:分かりましたよ! なんだよお前(笑)!

田家:4回聞かないとね、泉谷さんのことは分からないっていう。

泉谷:あーそう(笑)。

田家:この『光と影』の中の色褪せない名曲お聴きいただきます。「国旗はためく下に」。



国旗はためく下に / 泉谷しげる

田家:色褪せない名曲、年々リアリティを増してくる曲。

泉谷:本当だねー。実はね、映画のタイトルから持ってきて、インスパイアされることが多いんですよ。だから、後々紹介するだろうけど、「翼なき野郎ども」はフランス映画の『墓場なき野郎ども』から来ているんですね。

田家:3週目に話が出ます。

泉谷:分かったよ(笑)。だから、例えば、「国旗はためく下に」は『軍旗はためく下に』。深作欣二の60年代の映画なんですね。あの映画を観て、戦争のしんどさとか、日本の国がやったことに対して、すごい怒りを覚えて。なんとかあの映画のような世界をぶつけられないかという想い、ずっと溜めているんだけどね。で、「国旗はためく下に」というタイトルが決まった瞬間、私は踊ってましたね。

田家:やったーって(笑)。これ良いタイトルですよ。

泉谷:良いタイトルでしょ。だから、これはやったー! と思いましたね。だから、外見大事だな。本当にね。タイトルでやっぱり聴きたくなるようなものばかり考えてますね。

田家:未だにこの「国旗はためく下に」というのは世界中に通用する歌になっています。

泉谷:そこまではどうだか分からないけど(笑)。

田家:これが73年9月発売で、25歳でしょう。

泉谷:うん、そうだね。老けてますよね。

田家:これはその頃の若者、泉谷さんだけかもしれないんですけど、いろいろなことがすごく分かってた、見えてたと。

泉谷:見えてたというよりも、良い意味での競争感がすごかったので。自分以外のアーティストで凄まじいやつばっかりだったので、生半可なものを出してもダメなわけで。拓郎もいれば、矢沢もいればさ、陽水もいればさ、かぐや姫もいればさ、めっちゃくちゃすごいのばっかりじゃん。だから、もう対抗意識ですよね。

田家:拓郎さん、陽水さんの話は来週です(笑)。

泉谷:分かったよ!(笑)。

田家:で、この来週は20代後半の話なんですが、30っていう年齢についてはその頃どう思ってました?

泉谷:30でロックをやめろって言われた向こうの言葉を気にして、みんなよく言ってましたね。

田家:30以上を信じるな。

泉谷:そんで、30になったら音楽もやめろみたいな。やめたやつはほとんどいませんけどね(笑)。

田家:泉谷さんはどんな30になったか。来週、再来週、その先もよろしくお願いします。

泉谷:はーい。





田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」泉谷しげる50周年、俺をレジェンドと呼ぶなパート1エレックレコード編。今年がデビュー50周年泉谷しげるさんをお迎えしての4週間。流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさん「静かな伝説」です。

最近この後枠は私事が多くなっているのですが、今日も個人的な話をしてしまうと、所謂、署名原稿っていうのがあるんですね。自分の名前で雑誌に原稿を書く。初めて書いた署名原稿というのが、泉谷さんのことなんです。「放送批評」という雑誌で、NHKのドキュメンタリー、泉谷さんを追った『雑草世代』という番組があって、それについて書かないか? ということで書いたのが最初なんです。73~74年じゃないかな。

泉谷さんは雑草の象徴みたいな人だったんですよ。漫画家志望で思うような結果が手に入らなくて、バイトを転々としてフーテンぐらしをしたりしていた。で、1969年に新宿西口フォークというのがありまして、泉谷さんはそこにいたんです。まだプロにもなってなくて、ギターを持って集まって、群衆の中にいて。機動隊が催涙弾を打った時に、ギターでその催涙弾を受けていたという、そういう若者だったわけですね。私はこの1969年に就職試験に全部落ちて、新宿のタウン誌を始めたところからキャリアが始まって、西口フォークを取材する側だった。そういう意味で言うと、ずっと同じところにいたのですが、みんな雑草だったわけで。花が咲くかどうかも分からないという、でも妙なところに芽が出てしまって、葉っぱが広がってしまったという雑草でした。そこからみんなどう変わっていったのかというのも、今月の裏テーマでもあるわけです。そして、泉谷さんはどんなふうに変わってきて、今どうあろうとしているのか、これが4週間で伝わればいいなという特集です。今日は新曲をお聴きいただきました。「風の時代」。どんなふうに彼が風の時代を今迎えようとしているか。そんな1ヶ月です。


<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210

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cat_oa-rollingstone_issue_fd192e698f59 oa-rollingstone_0_99b34d0a0cfd_SKY-HI主催「THE FIRST」から生まれたBE:FIRST、メジャーデビュー 99b34d0a0cfd 99b34d0a0cfd SKY-HI主催「THE FIRST」から生まれたBE:FIRST、メジャーデビュー oa-rollingstone

SKY-HI主催「THE FIRST」から生まれたBE:FIRST、メジャーデビュー

SKY-HI主催オーディションおよび、それを追った番組「THE FIRST」から生まれた7人組ダンス&ボーカルグループBE:FIRSTが、2021年11月3日にシングル『Gifted.』でメジャーデビューする。

8月16日にプレデビュー曲の「Shining One」がリリースされると、配信チャートで軒並み一位を獲得。公開されたMVは4時間で100万回を越え、YouTubeの「人気急上昇中の音楽」では2週間1位を獲得しつづけた。

関連記事:SKY-HIとSTAMPが語る、日本とタイの音楽カルチャーシーン

その後も、800万回、900万回、1000万回再生を記念してダンスバージョン、ビハインドザシーン、ダンスプラクティスなどの動画を配信し続けている。



さらに、9月17日19時45分からはBE:FIRSTの公式Instagramにてメンバーのインスタライブが配信され、20時00からは公式YouTubeチャンネルにて、オーディション合宿の最終審査の舞台となったステラシアターで行われた初の無観客ライブパフォーマンスから「Shining One」の模様がプレミア公開される。

・SKY-HI コメント:
「天賦の才能がある」という意味のタイトルが付けられた『Gifted.』には、BE:FIRSTのメンバーによる「俺たちはギフテッドだ」という強いアティチュードに加え、「生まれてきた誰もが皆ギフテッドだ」というメッセージが込められている。
彼らも1年前は全く無名の原石だった。
その原石を磨きあげたことで「ギフテッド」と世の中から言われるようになった彼らが歌うからこそ説得力が増すこの楽曲は、BE:FIRSTが圧倒的なパフォーマンス能力を世の中に提示する楽曲であるのと同時に、この混沌の時代に居場所や輝ける場所を探す人々を励まし、勇気づける為の楽曲だ。
タイトルの最後に付けられているドットは、これまで「BMSG」の4文字を頭文字にあしらった曲名が付けられた「THE FIRST」4部作が締めくくられることを意味する。
同時に、6人でパフォーマンスした「Be Free」と「Move On」がそれぞれ6文字、10人による「Shining One」が10文字であることに対し、「Gifted.」にドットが加えられることで7文字となり、7人のメンバーでBE:FIRSTが完成した、世の中に打って出る準備が出来たことを意味する。
これは一つの集大成であり、新たな物語のスタートである。


<リリース情報>


BE:FIRST
シングル『Gifted.』

発売日:2021年11月3日(水)
▼詳細はこちら
https://shop.mu-mo.net/avx/sv/list2?jsiteid=BMSG&artist_id=BEFIR
▼ご予約はこちら
https://BMSG.lnk.to/BEFIRST_Gifted
◯SG+DVD(スマプラ対応)
【CD】
=収録曲=
1. Gifted.
2. Kick Start
3. First Step
【DVD】
1. BE:FIRST Live Performance Ver.00
・To The First Performance at Stellar Theater
・Move On Performance at Stellar Theater
・Be Free Performance at Stellar Theater
・Shining One Performance at Stellar Theater
・Gifted. Performance at Stellar Theater
2. THE FIRST #21
品番:AVCD-61123/B
価格:3300(税込)
初回封入:トレーディングカードA(全8種類中1種ランダム封入)/シリアルコード
◯SG+DVD(スマプラ対応)
【CD】
=収録曲=
1. Gifted.
2. Kick Start
3. First Step
【DVD】
1. Gifted. Music Video
2. Gifted. Music Video -Behind The Scene-
品番:AVCD-61124/B
価格:2000円(税抜)
初回封入:トレーディングカードB(全8種類中1種ランダム封入)/シリアルコード
◯SG(スマプラ対応) 
■収録内容
【CD】
1. Gifted.
2. Kick Start
3. First Step
Bonus track
4. Be Free
※初回生産限定(AVCD-61125)のみボーナストラック収録
・初回生産限定盤
品番:AVCD-61125
価格:1320円(税込)
初回封入:トレーディングカードC(全8種類中1種ランダム封入)/シリアルコード
・通常盤
品番:AVCD-61131
価格:1320円(税込)
※AVCD-61125の通常盤
(初回生産限定(AVCD-61125)終了後より出荷開始)
◯CD+DVD+Photobook24P+スマプラ(三方背ケース仕様)
※BMSG SHOP限定盤
【CD】
=収録曲=
1. Gifted.
2. Kick Start
3. First Step
【DVD】
1. Gifted. Music Video
2. Gifted. Music Video -Behind The Scene-
3. BE:FIRST Live Performance Ver.00
・To The First Performance at Stellar Theater
・Move On Performance at Stellar Theater
・Be Free Performance at Stellar Theater
・Shining One Performance at Stellar Theater
・Gifted. Performance at Stellar Theater
4. THE FIRST #21
品番:AVC1-61126/B
価格:5000円(税込)

BE:FIRST Official Website:https://befirst.tokyo/

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cat_oa-rollingstone_issue_fd192e698f59 oa-rollingstone_0_b7ce861f785b_ワクチンの副反応で「睾丸が腫れた」 米博士がニッキー・ミナージュの主張を一蹴 b7ce861f785b b7ce861f785b ワクチンの副反応で「睾丸が腫れた」 米博士がニッキー・ミナージュの主張を一蹴 oa-rollingstone

ワクチンの副反応で「睾丸が腫れた」 米博士がニッキー・ミナージュの主張を一蹴

米感染症対策トップのアンソニー・ファウチ博士は、新型コロナワクチンが原因で睾丸が「腫れる」など生殖機能に問題が生じた、とTwitterに投稿したラッパーのニッキー・ミナージュの主張をCNNの番組で一蹴した。

【画像を見る】「反ワクチン派」のセレブリティ名鑑

現地時間13日に開催されたファッションの祭典「メットガラ」を欠席したミナージュ。ワクチン接種が参加条件だったため出席をしなかったこと、トリニダードに住んでいるミナージュのいとこの友人の話として、ワクチンを接種した結果、勃起不全と睾丸の腫れがあったということを自身のTwitterに投稿した。



My cousin in Trinidad wont get the vaccine cuz his friend got it & became impotent. His testicles became swollen. His friend was weeks away from getting married, now the girl called off the wedding. So just pray on it & make sure youre comfortable with ur decision, not bullied
— Nicki Minaj (@NICKIMINAJ) September 13, 2021



CNNのジェイク・タッパー氏の番組に出演したファウチ博士は、ミナージュの主張を裏付ける科学的証拠は一切ないとし、ワクチンの副反応について不確かな情報を流す前に「よく考えるよう」彼女に釘を刺した。

タッパー氏はファウチ博士にこう尋ねた。「信頼のおける発信者といえば、ポップスターのニッキー・ミナージュは昨日ワクチンを受けていないとツイートしています。本人も自分でちゃんと調べているそうですが、正直私も疑わしいと思われる逸話を投稿しています。彼女のいとこの友人がトリニダードで経験したという副反応の話です。普段なら博士にこんなことはお尋ねしないのですが、なにしろニッキー・ミナージュはTwitterとInstagram合わせて1億8000万人近いのフォロワーを抱えていますから……ワクチン反対者はこれこそが証拠だと言って彼女のツイートに飛びついています。彼女の発言についてご意見を伺いたいのですが……ファイザー、モデルナ、J&Jのワクチンが、男女問わず生殖機能に問題を引き起こすという証拠はありますか?」

ファウチ博士は迷わずこう答えた。「ジェイク、答えははっきりノーです」と博士。「このようなことが起きるという証拠は一切ありませんし、身体のメカニズムを考えても、このようなことが起こりうると考える理由はありません。ですから、質問に対する答えはノーです」



"The answer to that, Jake, is a resounding no" -- asked about Nicki Minajs tweet regarding her cousins friends balls, Dr. Fauci says theres no evidence the Covid vaccines cause reproductive issues pic.twitter.com/2wuqy14fDi
— Aaron Rupar (@atrupar) September 14, 2021



これを受けてタッパー氏は、誤情報の発信源がミナージュのようなトップクラスのスターの場合、衛生当局はいかに誤解を解いて対抗するのかと質問した。

「非常に困難です」とファウチ博士。「誤情報がたくさんあります。その大半はソーシャルメディアですが、我々にできる誤情報や偽情報の唯一の対抗策は、正しい情報をたくさん提供してこの手の主張を事実上打ち消すことだけです。彼女のほうでは悪気はなかったのかもしれませんがね。私は彼女を非難しているわけではありません。ですが、1度きりの出来事以外に何の根拠もない情報を発信する前に、よく考えるべきだと思います。それは科学的とは言えません」


機能不全をもたらす危険があるウイルスとは?

ワクチンが原因でミナージュが言及した問題が起きるという科学的証拠はないものの、ランジス・ラマサミー博士によれば、COVID-19が生殖機能に問題を引き起こす可能性についてはいくつか証拠がある。マイアミ大学泌尿器科で准教授をつとめる博士は、コロナウイルスが男性の生殖機能に及ぼす影響についての研究を進めている。

「ソーシャルメディアで出回っているデマとは裏腹に、COVID-19ワクチンが原因で勃起不全や生殖不能が起こることはありません」。学術情報サイトThe Conversationの寄稿記事でラマサミー博士はこう書いている。「正しくは、こうした機能不全をもたらす危険があるのはCOVID-19の原因となるウイルス、SARS-CoV-2です」

from Rolling Stone US

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ギターウルフ主催の音楽フェス、新型コロナウィルスを鑑み無観客フェスとして開催

2021年10月9日(土)に島根・古墳の丘古曽志公園で開催予定だったギターウルフ主催の音楽フェス「シマネジェットフェス・ヤマタノオロチライジング2021」が、新型コロナウィルスの影響により、島根県の現地で無観客フェスとして開催を変更することを発表した。

〈シマネジェットフェス〉は、セイジ(Vo, G)の故郷・島根県松江市で行われる地元密着型フェス。2017年にギターウルフ結成30周年プロジェクトとしてスタートし、今年で5回目を迎える。開催に向け、古墳公園、島根県、松江市と協議を重ねたが、島根県の現地で無観客フェスとして開催することを決定した。

また、翌日の10月10日の後夜祭は、松江AZTiCcanovaにて30人限定で開催する。


■ギターウルフセイジ及び、シマネジェットフェススタッフ一同 コメント

シマネジェットフェス・ヤマタノオロチライジング2021の開催について

こんにちは、ギターウルフセイジです。
今年のシマネジェットフェスの開催について、このコロナ禍でどうすべきか、
現地の古墳公園、島根県、松江市と協議を重ねてきました。
今、島根県では人が集まる事を厳しく制限をしています。
この事態がどうにか劇的に変化しないか祈るような気持ちでいましたが、
これ以上の先延ばしは難しいと思い結論をだしました。

10/9に島根県の現地で無観客フェスとして開催します。
その模様は生配信で世界に届けます。
*場所は古墳の丘古曾志公園ではなく別の場所で開催します。
10/10後夜祭は、松江AZTiCcanovaにて30人限定で開催します。
**チケット発売は、間もなく告知します。

2020と2021にたくさんの方に応援していただき、
そして現地開催を期待していただいたというのに、2年続けて、みんなをその場所に
迎えることができなく大変残念です。

時代が変わり、またみんなと一緒に笑いあえる日が来ることを、切に願っています。
本当に申し訳ありませんでした。

ギターウルフセイジ及び、シマネジェットフェススタッフ一同

https://www.jett2021.com/

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NOISEMAKERが語る、コロナ禍で生まれた分断へのメッセージ、DIYでバンドを続ける意義

NOISEMAKERが、この夏デジタルシングル「APEX」をリリースした。

前作のミニアルバム『H.U.E.』から約1年振りとなる今作は、コロナ禍で理不尽な荒波に苛まれている身近な居酒屋の店主、ライブハウス、医療従事者その他、どうしようない怒りや悲しみ、理不尽に膝をついてしまっている人たちが、もう一度立ち上がる気力が湧き上がる想いが込められた楽曲となっている。
 
そんなNOISEMAKERのAG(Vo)とHIDE(Gt)にサウンドアプローチや作詞。さらにはアートワークまでDIYで制作し続ける彼らだからこその話を訊いた。

―NOISEMAKERの過去曲をいろいろ聴いていて、ラウドなバンドが持っている普遍的な要素というよりは、現在進行形で変わっていく音楽だなと感じました。それを踏まえて聞かせていただきたいのですが、まず今回のシングル「APEX」ではサウンド面はどういうものにしたかったんですか?

HIDE:何曲か録る予定だったんですけど、その中で今アルバムを出すより、1曲1曲を大事にしたいなという気持ちがありました。12曲入りのアルバムが出ても、12曲目が好きで、サブスクリプションでその曲だけ登録していたりする場合もあるじゃないですか。CDにするときはシングル=もう1曲書かないといけない謎の空気感がありますよね。デジタルだと、無理してもう1曲書く必要もないし、書ければ書けばいいしと思って、今回は1曲に全部集中させたいので、「APEX」という曲になりました。

AG:サウンド面は?

HIDE:サウンド面は僕の中ではラウドというのはあまりなくて。昔に比べたら、どんどんチューニングが上がっているし、少し大きいビート感になっている。歌もポップス要素、メロディが重視になっていて、リズムもごちゃごちゃしない。楽器も全部必要最低限でやっています。聴いていったら、ここは歌が主人公、ここはギターが主人公、ここはリズムが主人公って、パズルにして一応作っていて、どんどんオールドなサウンドにしたいなと思ってるんです。プラス、エレクトロ要素もあって。音を意識して、昔のミュージシャンが培ってきたサウンドと、これから培っていくであろう未来のサウンドをエレクトロと融合させたら、今回こういう作品ができた感じですね。



ーHIDEさんはDTM的な作曲方法で言うと、You Tubeなどで公開されているようなヒップホップのトラックの作り方とか、今まで見たことのないような作り方を見たりして、新しい発見を自分の中に取り入れたりしますか?

HIDE:もちろんあります。僕とAGはいろいろなジャンルを聴くので、「こんなプラグイン出たよ」とか、たまに映像を一緒に観て「おもしろいね」って話したりします。

AG:ヒップホップがおもしろいなと思うのは、すごくお金がかかったスタジオじゃなくても、ベッドがある部屋で作っちゃうみたいなところです。即席じゃないけど、パソコンが1台あればいいみたいな。トラヴィス・スコットも、もはやスタジオに行くよりも、部屋で録った方がいいって言ってますしね。

HIDE:今回もギターは家で1人でパパっと30分ぐらいで録りました(笑)。

AG:ヴォーカルのメロディとリズムはヒップホップシーンからすごく影響を受けているんですよね。ラッパーがリアーナとか、女性シンガーとコラボしたときのサビにフックで来る、ロックシンガーがつけないようなメロディがすごく好きなんです。R&Bも好きで影響を受けているんですけど、それをバンドでやろうとすると、大抵バックはメタルコアやジェント、トラック中心のサウンドになってしまうアーティストが多い。それとは違ったもっと新しい音を2人で常に探してて、ブルースのルーツもあるから、ジミヘンみたいな音でやったら、まず聴いたことない新しい音楽になるんじゃないかなという話になって。

HIDE:ヒップホップやR&Bとか、そういうメロディ、譜割りを考えていくと、自ずと後ろのリズムも決まっていくんですよね。やっぱり意味があってそのリズムになっているし、そのメロディになっているので、単純になんでもかんでもくっつければいいというものでもない。2つ合わせておいしくなるものもあるし、合わせるとまずくなるものもある。そういうことを何回もやって最後に生き残った1曲が「APEX」です。

ーディテールにはこだわりましたか?

HIDE:そうですね。これを聴いて「ジャンルは何?」と訊かれたときに、「なんだろう?」ってなるのが1番いいなと思ったんです。

ーそういう意味では、NOISEMAKERらしさが濃縮されたものになったんですね。

HIDE:そうですね。今インターネットで何かを伝える時代になっているじゃないですか。俺らは自分たちでレコーディングしたり、いろいろできるので「APEX」の歌なしのトラック、各楽器なしのトラックをバッとネット上にあげて、「ちょっと弾いてみ? 歌ってみ?」とか、そういう遊び心があってもいいのかなと思います。試験的にこの前からやってみているのですが、NOISEMAKERの曲を弾いてくれたり、歌ってくれてる人も結構いるんです。


「頂点」が呼んでいる

ー歌詞に関してはコロナ禍の事情を反映させていると思うのですが、どういうところから着想を得たんですか?

AG:最初は曲ができて、1回適当に歌うところから始まりました。そのときに「APEX」って口ずさんでいたんです。内容的には曲を聴いていたら、立ち向かっている人が頭に浮かんできて。俺は昔、札幌の居酒屋で働いていたんですけど、店長と会ったときに店の状況を聞いていたんです。ライブハウスもそうだし、皆がやばいところまで来ている状況が分かって、それで歌詞を書き始めました。例えば、「両手を縛られたままどうやって引き金を引けっていうんだ」という歌詞は、戦場にいたとして、戦える武器を渡されたとしますよね。俺だったら音楽。居酒屋の人だったらお店やお酒、今のコロナ禍の状況を戦場としたら、銃を持っているんだけど、両手をぐるぐる巻きにされて、戦ってこいと言われている感じがしたんです。今回の曲を聴いて、お店やライブハウスをもう辞めようかな、閉めようかなと思っている人が聴いたときに、「もうちょっと頑張ってみよう」と思えるような曲を書きたいと思いました。「俺が見た頂点が呼んでる」と最初は言って、上を見ているんだけど、最後のサビではその頂点に立っている。頂点というのは人それぞれの夢だったり、些細な目標。今やっていることを続けることでもあるんです。

―コロナ禍でみんなが本当に大変な思いをしている状況が自然と言葉として湧き上がってきた感じですか?

AG:そうですね。自分たちや周りで関わる人たちもいろいろ被害を受けている中で、大変じゃない人はほぼいないんじゃないかなと思って。何を書こうと悩むのではなく、今自然に書けること。今社会では分断が起こってますけど、他人に指をさしている場合でもないし、怒りをぶつける相手を間違えない方がいいと思ったんですよね。生きている尺度は人それぞれ違うじゃないですか。その違いによって指をさしあって喧嘩している場合じゃない。そういうメッセージも込めています。

ーサウンドに触発されて出てきた言葉はありましたか?

AG:それもありますね。Aメロは悲鳴とか血を感じる。強いメッセージがAメロで見えるから、そういうものに自然と導かれているのかもしれないです。

ー作詞に関しては毎回そういう感じなんですか?

AG:最近はそうですね。内容を思いついて溜めて書いたとしても、できた曲に合わせたとき、ロックなのにやさしいことを書いていたら合わないなと思って書き換えることが多いです。自分の気持ちや言いたいことをふわっと持ちつつ、曲と合わせてカチッとはめるのが1番気持ちいいですね。

ー今回はアートワークも描き下ろされていますけど、作詞と繋がっているものはありますか?

AG:曲を聴きながら考えて、制作は3日かかりました。デザインは一発で見てかっこいいと思えるものが好きなんです。みんなが頂点に向かって、手を伸ばしているデザインがいいかなと思って。我先に相手を蹴落として取りに行ってるのか、みんなを守りながら取りに行ってるのかは見る人が決めればいい。あとは医療従事者が守っているのか、でも、我先に取りに行ってる人をまた蹴落としているのかは分からないですけど。5本の手があるのは五色人を表していて、下が花なのはそんな中でも平和であってほしいという願い。見る人がどう見るか決めてくれればいいかなと思います。

ーそういう意味ではちゃんと強力な1曲になって、世に出せましたよね。

AG:そうですね。


アートの意味

―DIYなスタイルでずっとやられてきていて、要は自分たちで作品の責任が持てるわけですよね。逆に言うと、だからこそもっとこうすれば自分たちにとってプラスになるなと考えることはありますか?

HIDE:俺らだけではできないことも絶対あるから、それはチームで動かないなと思っています。それ以上と言うと、時間とお金がほしいっすね。例えば、SNSの画像やポスターがあるじゃないですか。結構自分たちでパパっと作っちゃうんですけど、一般的な流れだとしたら、誰かが作ってメンバーが「もうちょっと色はこうしてほしい」というやり取りが何回かあると思うんです。でも、自分でやると、30分でパパっと終わるんですよね。もし要望があれば、「HIDEさん、もうちょっと宣伝のやつでかくしてください」って言われて、「分かりました」で完結できる。だから、今めっちゃいい環境なので、それ以上に何かを求めるとしたら、やっぱりお金と時間です。制作するにも、30分でできる場合もあるし、1週間かかる場合もある。現場作業で1週間働いたことあるけど、1日2万稼げるから1週間で14万円になりますよね。やっぱり「ちょっとこれTシャツに描いてよ」みたいな連絡が来るんです。「いや、無理」って思うんですけど。友だちだからタダでやってもらおうとしてるんですよね。こっちから言いたいのは「じゃあ、お前焼き肉屋やってるんだったら、タダで食わせろよって言ってるのと同じと思え」と。そういう人とはあまり付き合わないようにしてますね。

AG:アーティストの有名な言葉があるよね。絵を30分で描いたんだけど、値段がすごく高くて、「たった30分で描いた絵がなんでそんな高いんだよ」ってなったときに、「30分じゃない。何十年と30分だ」って言って。それがその人にとっての価値。だから、アートをもうちょっと大事にしてほしいなと思います。俺らは自分たちの頭の中で描いているものをやりたくて、でも環境がないから自分たちでやるしかなかった。そういう意味ではやっと時代がそうなってカチッとハマったのかなって、すごく思ってますね。今、俺はMV監督を1回やってみたいなと思ってます。

HIDE:絶対その映像には参加しないけどね(笑)。

AG:1回も自分が観たいMVになったことがないから、いくら言っても監督のこだわりと予算と時間がない感じになるんですよね。曲に対して考えてる絵があって、テーマも全部あるんだけど、カメラマンと照明はプロに任せて自分で1回やってみたいです。

ーFUTURE FOUNDATIONでも活動中ですが、どういうスタンスでやっていこうと思っていますか?

HIDE:いい意味で適当っすね。最初は結構力が入っていたんですよ。だから、ちょっと肩の力を抜かなきゃいけないなとは思ってますね。3バンドが出す音が重要であって、何ができるかが重要ではないという考えになったから、まるまる俺がギター弾いてないときもあります。DIYでレコーディングするってなっていたから、完全にエンジニアなんです。俺はRECボタンとエンターキーとスペースキーしかほとんど押してない(笑)。エンジニアさんが初日は来たけど遅すぎて、もうやらなくていい、こっちでやるわってなって。



ー自分でやった方が早い?

HIDE:早いですね。例えば「Aメロは4拍をこうしたい」と言ったら、「エンドってここのことですか?」、「ギターのここのフレーズですか?」みたいにエンジニアさんってなりがちなんですよね。それが音楽的な知識とエンジニアの知識が両方あると、全部頭に入ってるから、「じゃあ、ここから録るよ」って指示を出せる

AG:せっかちなんだよね(笑)。

HIDE:自分でした方が、パパパってできてくる。本番のレコーディングじゃないから、最後は綺麗に録ればいいだけの話で。でも、今コロナの時期になって、自分のバンドでやれることがどんどん中止になったりしているので、FUTURE FOUNDATIONみたいなプロジェクトがあると、お客さんもワクワクするのかなと思って、ありがたいです。


今まで通りの「ライブ」ができる日まで

ーNOISEMAKERは「APEX」を出して、FUTUTRE FOUNDATIONの活動もあり、DOTS COLLECTIVEでポップアップを回り、現在はNOISEMANIAを敢行中。次なる展望は何か考えているんですか?

HIDE:「APEX」が入ったEPを出せたらなと思ってます。チームと相談してなんですけど、何かに付属して曲も聴けたら1番いいのかなと思って。悔しいですけど、曲の価値がなくなってきちゃっているから、やっと出た3年越しの曲という感じではない。そういうところも上手くやっていければいいなと思います。

AG:僕も本当に今まで通りのライブを望んでいますね。今年はまだ無理なのかもしれないですけど、そんな中でもどうやって前に進んでいこうかと思ってます。コロナじゃなかったら、1年後はZeppツアーをやって、その次の年か2年後は武道館でやるというプランがあって、それが全部崩れたんです。じゃあ、一歩ずつでもどうやって大きくなって、せっかく作った音楽をどう広めるか。今年何ができるかなということをまだ考えてます。

ー最後に最近2人がよく聴いてる音楽があれば聞かせてください。

AG:いろいろ聴きすぎてこれというのがなくなってきましたね。でも、カニエ・ウェストはまた戻ってきたり、あとNFが好きです。

HIDE:俺はロイヤル・ブラッドを聴いてますね。今回のアルバム『Typhoons』がめっちゃよくて、やられたなと思ったな。邦楽も洋楽も聴きますよ。邦楽の話題になってる曲はどんな感じなのかなと思って聴くし、全部チェックするようにしてます。

<INFORMATION>

Digital Single
「APEX」
NOISEMAKER
配信中





NOISEMANIA2021

9月20日 (月)
神戸・太陽と虎
17:30 open / 18:00 start

9月21日(火)
静岡・UMBER
17:30 open / 18:00 start

9月23日(木)
石川・金沢AZ
17:30 open / 18:00 start

9月25日(土)
新潟・GOLDEN PIGS RED STAGE
17:30 open / 18:00 start

9月26日(日)
長野・松本ALECX
17:30 open / 18:00 start

10月6日(水)愛知・名古屋DIAMOND HALL
17:00 open / 18:00 start

10月29日(金)北海道・札幌PENNY LANE24
17:00 open / 18:00 start


NOISEMANIA PREMIUM HALL TOUR

11月2日(火)東京・国際フォーラム ホールC
18:00 open / 19:00 start

11月23日(火・祝)大阪・森ノ宮ピロティホール
17:00 open / 18:00 start



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