名古屋に行ったら必ず食べるべきといわれる、愛知県名物「味噌煮込みうどん」。赤味噌由来の濃厚な味が地元の人々から支持されてきた。材料さえ手に入れば簡単に作れる味噌煮込みうどんの作り方やカロリーについて解説する。
1. 味噌煮込みうどんの特徴、歴史や由来
愛知県民なら誰もが知っているといわれる味噌煮込みうどんは、元々は家庭料理だった。店で提供されるようになったのは明治時代、一宮市の飲食店がはじまりという。その後、現在に至るまで名古屋市を中心に多くの専門店で味わうことができるようになった。愛知県の味噌煮込みうどんは、材料にこだわりがある。
■八丁味噌とコシの強いうどん
味噌煮込みうどんに使う味噌は、八丁味噌という赤味噌だ。愛知県にはこの八丁味噌を使った郷土料理が多く存在する。現在の岡崎市に位置していた八丁村が発祥の豆味噌で、一般的な味噌よりも色も味も濃いのが特徴である。またうどんの麺は、食塩不使用でコシが強く煮崩れしにくい。八丁味噌の入った濃厚なスープで煮込まれるため、うどんも茶色くなるのが特徴だ。また、土鍋で煮込んでそのまま提供されるため、熱々の状態を長く楽しめるのも魅力のひとつである。
2. 味噌煮込みうどんの主な使用食材、カロリー
味噌煮込みうどんには、茹でうどんのほか具材と煮汁が必要だ。主な使用食材と、味噌煮込みうどんのカロリーをおさえておこう。
■主な使用食材
茹でうどん
具材...油揚げ、鶏肉、かまぼこ、ねぎ、卵
煮汁(スープ)...八丁味噌(赤味噌)、砂糖、出汁
本場の味噌煮込みうどんを作るためにとくに重要なのが、味噌だ。八丁味噌が望ましいが入手できない場合でも赤味噌を使うのがマストである。
■カロリー
味噌煮込みうどん1人前(721g)あたりのカロリーは、570kcalとなっている。うどんの量や具材が統一されているわけではないため、店や家によってもカロリーは変動することを前提に、目安としておさえておこう。
3. 味噌煮込みうどんに含まれる栄養
味噌煮込みうどん1人前(721g)あたりに含まれる栄養は、たんぱく質が26.17g、脂質が15.93g、そして炭水化物が72.1gとなっている。そのほか、ビタミンK、ビタミンB12をはじめとするビタミン類や、セレンやモリブデンなどのミネラル類も含まれる。
■糖質の多い料理
うどんがメインの料理のため、味噌煮込みうどんの栄養で最も多いものは炭水化物である。汁気があり水分が多く含まれる料理とはいえ、1食あたり67.7gもの糖質が含まれているため、糖質を気にしている人は要注意だ。
4. 基本の味噌煮込みうどん
材料さえ揃えば誰でも簡単に味噌煮込みうどんを作ることができる。基本の作り方を紹介する。
具材を食べやすい大きさに切る。油揚げは油抜きしておく。出汁を土鍋に入れて火にかける。沸騰した出汁に合わせておいた味噌と砂糖、鶏肉と油揚げを入れ煮立たせる。うどんを加えて5分程度煮る。かまぼことねぎを入れ、卵を割り入れふたをしたら一煮立ちさせて完成だ。
5. アレンジした味噌煮込みうどんもアリ?
そのままでも十分個性的な味噌煮込みうどんだが、アレンジすることもできる。店では王道メニューしかないことが多いため、自宅で作る際に試してみてはどうだろう。
■カレー風味
味噌とカレーの相性は意外にもよく、味噌煮込みうどんにカレー粉をプラスすると濃厚なカレーうどんのような味わいを楽しめる。
■チーズ入り
シュレッドチーズをたっぷりのせてふたをして土鍋で煮込むと、まろやかな風味に。食べごたえが増してクセになる美味しさだ。
■キムチのせ
ピリ辛が好きな人におすすめなのが、キムチをのせた味噌煮込みうどん。ほどよいアクセントとなり、いつもの味噌煮込みうどんとは違った風味である。
結論
八丁味噌とコシの強いうどん、そして土鍋さえ用意できれば、自宅でも簡単に美味しい味噌煮込みうどんを作ることができる。1人用の土鍋で作るのが一般的だが、大きな土鍋で作って家族で分け合いながら楽しむのもよいかもしれない。(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 味噌煮込みうどん
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