音楽やデータの保存に広く活用されているCDの「容量」について解説する。容量は書き込める曲数などにも影響してくるため、不足しないように上手に選ぶことが大切だ。万が一容量が足りなかったときの対処方法および、CDとDVDの容量の違いなどについても触れているので、あわせて参考にしてほしい。
1. CD1枚の最大容量は?
CD1枚の容量について解説しよう。データ用と音楽用の違いなど基本的な知識も簡単に説明する。
CD1枚の容量は650MBと700MB
一般的にCDの容量は「650MB」と「700MB」の2種類に分かれる。保存できるデータ量や録音できる時間に差がでるので、CDを購入するときは必ずチェックすることだ。中には「865MB」といった大容量タイプもあるが、ドライブによっては書き込みや再生ができないので注意したい。また書き込みが1回のみの「CD-R」、繰り返し書き込みができる「CD-RW」、読み取り専用の「CD-ROM」といった違いがあることも覚えておこう。
CDにはデータ用と音楽用がある
CDにはデータを保存するデータ用と、特殊な加工が施された音楽用がある。CDのパッケージに記載されているので確認してみよう。著作権には「私的録音補償金制度」があり、音楽用CDの購入金額には補償金が含まれている。データ用でも音楽の記録はできるが、著作権がある曲だと補償金の支払い義務違反となる。細かいところではあるが、著作者の権利を守るためのものなのできちんと覚えておくとともに、購入する際は注意してほしい。
2. CD1枚に書き込める容量の計算方法
CDに書き込める容量について詳しく解説する。必要な知識である「非圧縮形式」と「圧縮形式」の違いから確認していこう。
非圧縮形式と圧縮形式
音楽ファイルにはいろいろな形式があるが、大きく非圧縮形式と圧縮形式に分類できる。それぞれのメリット・デメリットを交えて簡単に解説しよう。たとえば非圧縮形式である「WAV」は、音質こそ市販の音楽CDとほとんど同じだがデータのサイズが重い。一方、圧縮形式のMP3は高域成分を切り捨てることで、データのサイズを10分の1ほどに圧縮することが可能となっている。同じ容量のCDで比較した場合、圧縮形式のほうがより多くの曲を書き込めるが、音質の点で非圧縮形式に劣るということになる。入れたい曲数や求める音質を考えたうえで、どちらの形式を選ぶか決めよう。
CD1枚に書き込める容量の計算方法
非圧縮形式の音源の場合、650MBのCDなら74分、700MBなら79分58秒書き込める。一般的なアルバムであれば十分な容量だろう。たとえば650MBのCDに3分の曲だけを入れた場合、74÷3で24曲になる。700MBだと79÷3で26曲だ。5分の曲なら650MBで14曲、700MBなら15曲くらいといったところだろう。曲数とトータル時間を確認して、容量が足りるかどうかチェックするとよい。
3. CDの容量が足りない場合の対処方法
保存したいデータと比べてCDの容量が足りないこともある。そんなときな次のような対処方法があるので覚えておこう。
オーバーバーン
オーバーバーンとは、CDに容量以上のデータを書き込む方法だ。オーバーバーン機能付きのライティングソフト(書き込み用ソフト)を使用する。つまりオーバーバーンには専用ソフトが必要で、かつ失敗するリスクもある。2枚のCDに分けるか、容量が大きいほかの記録媒体を活用したほうが安心かもしれない。
圧縮形式にする
音楽であれば形式を変更することでサイズを小さくできる。MP3など圧縮形式のファイルなら、容量が足りないCDにも多くの曲数を書き込むことが可能だ。ただし、一度圧縮するとオリジナルのデータには戻せないので注意しよう。パソコンを使えばMP3として保存や変更が可能だ。1秒間あたりのデータ量をあらわすbps(ビットレート)の数字が小さいと容量も小さくなるが、音質も悪くなるのでバランスを考えよう。
4. CDとDVDの容量の違い
DVDはCDと同じ記録媒体の一種だ。DVDの容量や特徴を説明しながら、CDとの違いについて解説していこう。
DVDの容量と概要
一般的なDVDの容量は「4.7GB」だ。映像媒体用の記録媒体として活用することが多い。両面に記録できるタイプもあり、こちらは容量も「8.5GB」と約1.8倍ある。またDVDは「録画用」と「データ用」に分かれている。録画用の料金には「私的録音録画補償金」が含まれており、著作物であるテレビ番組の録画が可能だ。
CDとDVDの違い
CDと比較してDVDの容量は7倍ほどなので、サイズが大きいデータの記録や再生が可能だ。CD用のドライブではDVDを再生できないが、DVD用のドライブならCDの再生ができるといった違いもある。より大きなデータを記録したいなら、CDよりもDVDを活用するといった方法もあるので覚えておこう。保存したいデータの容量や、再生したいドライブで使い分けるのがポイントだ。
5. CDとDVD以外の記録媒体(伝達メディア)の容量は?
せっかくなので、CDやDVD以外の記録媒体の容量についても触れておこう。各種記録媒体は「伝達メディア」などともいう。
主な記録媒体の種類と容量
- フロッピーディスク:1.44MB
- USBメモリー:256MB〜1TBなど
- SDメモリカード:4GB〜526GBなど
- ブルーレイ:25GB〜200GBなど
- ハードディスク:2〜8TBなど
ひと昔前に主流だったフロッピーディスクが、どれほど容量が少なかったのか一目瞭然だ。文書などの保存はできるが、写真や動画といったデータの保存は厳しい。ちなみにフロッピーディスクの発売当初はさらに少なく、わずか128KBであった。
結論
CDの容量は「650MB」と「700MB」の2種類だ。CDに記録するときは、書き込みたいデータの容量も確認しておこう。容量が足りないときはオーバーバーンや圧縮形式への変換といった方法も試してほしい。またより大きな容量のデータを記録するならCDよりもDVDを活用しよう。データの種類やサイズによって使い分けることが重要だ。