cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_dcb4254cb523_資金集めに苦闘…ものづくりの新たな担い手「シニア起業家」が隘路抜ける dcb4254cb523 dcb4254cb523 資金集めに苦闘…ものづくりの新たな担い手「シニア起業家」が隘路抜ける oa-newswitch

資金集めに苦闘…ものづくりの新たな担い手「シニア起業家」が隘路抜ける

モノづくりベンチャーの担い手としてシニア起業家が注目されている。50代以上の人口当たりの起業率は若い世代に比べると少ないものの、製造業を新しく興す貴重な存在だ。日本のモノづくりを支え、新陳代謝を促すにはシニア起業家の活躍は大切だ。一方で年齢がハードルとなり、資金集めや人集めに苦労する。10年後も経営者でいるのかと問われるためだ。(取材・小寺貴之)


ロボセンサー技研 用途・価格明確に示す
「入社しても3年で定年だ。新事業を立ち上げても、軌道に乗ったときにあなたはいるのか」―。ロボセンサー技研(浜松市北区)大村昌良社長は、再就職先の社長面接で、こう問われて起業を決めた。最終面接は2人だけ。若いもう1人が選ばれた。年齢で選ぶなら、なぜ面接に呼んだのか。56歳という年齢が壁になった。


50代と60代の起業家を合わせると全体の29%を占める。2017年の人口当たりの起業率は26―39歳が0・30%に対して、50代は0・16%、60代が0・11%と少ない。だが製造業を選ぶ割合は26―39歳は1・2%に対して50代が2・6%で60代は5・5%と高い。製造業起業家の37%を占めている。生産技術などモノづくりの知見や技術を蓄えた世代だ。日本の産業界は世代交代を進めつつも、シニア世代をフル活用していく必要がある。






だがシニア起業家は資金集めに苦労する。ハードウエアベンチャーは製品を試作し量産する。技術を形にするだけでも出費がかさむ。中小企業基盤整備機構創業・ベンチャー支援部の森田英嗣審議役は「技術の優位性だけでお金を集めようとしても集まらない。技術をいかに世に出すか。その道筋を示す必要がある」と指摘する。技術偏重の大学発ベンチャーのように事業開発が不得手でも支援機関が助けてくれるわけではない。事業計画や営業はできて当然で、実際に「シニア世代はそれができる」(森田審議役)。


製造業はコストとの戦いだ。大村社長は起業を決めロボットの力触覚センサーに狙いを定めた。15年の国際ロボット展を巡り、「力覚センサーはこれから。触覚センサーはまだまだ」と感じたためだ。ただ半導体製造プロセスでセンサーを作ると、試作も量産も開発費が膨らむ。大村社長は「半導体はベンチャーには手を出せない。大企業の仕事だ」と見切りを付けた。そして圧電樹脂を巻いたワイヤセンサーを選んだ。初めは手巻きでセンサーの構造を試していった。電線メーカーの研究部門に頼み込んで試作品を製造した。


センサーができても用途を示せないとモノが売れない。本庄義治最高技術責任者(CTO)が計測システムを構築し、産業用機械などの振動計測に適用した。異常検知で性能が認められ量産にこぎ着けるが、当時は固定給ではなく案件ごとに開発費を払っていた。


シニアだけのベンチャーにベンチャーキャピタル(VC)は冷たかった。大村社長は「若い技術者を集めない限り、会社に未来がないと断られた」と振り返る。若手でも年収600万円以上を提示しないと、リスクだらけのベンチャーに人が来ない。売り上げが立つ前のベンチャーには無理な話だった。社長が自ら全国を巡り、無償でセンサーを据え付けて計測実証する日々が続いた。


19年に宮本了営業本部長と宮崎なおとセンサーシステム開発部長が入社した。平均年齢は60歳。宮本本部長の最初の仕事は「商品を無料で配ってはいけない。せめて実費をもらわないと」と社長を叱ることだった。開発キットに値段を付けて価値を明確にした。売り上げが立ち大型の共同開発もまとまった。VCに提示していた売り上げ計画は1年前倒しで達成する見込み。20年春に量産を始める。


アーキテック 退職金支えに長期戦
退職金などが支えとなり、事業が軌道に乗るまでの長期戦を闘えるのもシニア世代の特徴だ。ArchiTek(アーキテック、大阪市西区)は画像認識などの人工知能(AI)チップのアーキテクチャー(設計概念)を開発する。演算素子は試作するだけでもお金がかかる。高田周一社長兼CTOは「参入障壁が高く、国内はライバルが少ないと考えた」と振り返る。


11年に創業し、黙々と技術開発に打ち込む期間が5年ほど続いた。試作用資金のめどはなかなか立たない。黒田剛毅最高マーケティング責任者(CMO)は「当時は3人。かすみ食べるようだった」と説明する。藤中達也最高財務責任者(CFO)の参画で状況が好転する。15年に三菱UFJキャピタル(東京都中央区)の紹介で、トヨタ自動車などが出資する未来創生ファンドから投資を受けた。これを機に豊田自動織機などと新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の開発プロジェクトに採択された。1月中には念願のチップが形になる。9月にはより小さな試作チップが完成する。


新チップはAI処理に用いる基本処理回路を多数用意し、処理に応じてつなぎ直す。これをハードで実行するため、ソフトで実行していた現行品に比べ約1000倍高速化する。GPU(画像処理半導体)に比べて消費電力を数十分の一に抑えられる見込みだ。


アーキテクチャーは実際にチップを作らないと実力を測れなかった。設計概念が形になることで、ユーザーが性能を確かめられる。回路をライセンスし、ユーザーのチップに組み込めるようにする。高田社長は「本来は時間をお金で買うべきだった」と振り返る。「アーキテクチャーを普及させ、上位のソフトで稼ぐ」と力を込める。


50代になると定年後が心配になったり、後輩が上司になったりと大企業に勤めていても心中穏やかでなくなる。藤中CFOは「60歳で寿命が来るわけでもなく、どこかでもう一勝負しないといけない。あと10年、20年と一緒に頑張れる仲間に出会えるかどうか」という。細くて長い隘(あい)路を抜けようとしている。




アーキテックの5人。左から古川洋介専務、黒田剛毅CMO、高田周一社長、藤中達也CFO、寅巴里ハッサンCOO、全員50代(同社提供)

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_082e8aa1d771_ベンチャーで1年武者修行、パナソニックの“放牧”制度が生み出す相乗効果 082e8aa1d771 082e8aa1d771 ベンチャーで1年武者修行、パナソニックの“放牧”制度が生み出す相乗効果 oa-newswitch

ベンチャーで1年武者修行、パナソニックの“放牧”制度が生み出す相乗効果

大企業を飛び出して1年間の武者修行―。パナソニックは、2018年に「社外留職制度」を導入した。これは同社に籍を置いたまま、毎年数名が約1年間、ベンチャー(VB)企業などで働く制度だ。会社規模や組織形態、仕事内容も異なる企業でこれまでと違う経験を積み、パナソニックに戻った時に自身の成長への糧とする。同社の若手・中堅社員にとって貴重な経験の場になっている。(大阪編集委員・林武志)


社外留職の運用では企業間レンタル移籍事業を展開するローンディール(東京都港区)のプラットフォームを活用。募集は若干名で候補者を決めた後、派遣先企業とのマッチングを実施する。パナソニックは「何のために出て、戻ってからは何を成し遂げたいのか」を事前に綿密に確認する。対象は入社4年目以上の社員。派遣先はVBが多いがNPO法人などもあるという。


15年入社の松尾朋子さん(28)。入社後、ライフソリューションズ(LS)社の千葉電材営業所(千葉市美浜区)で電設資材などの営業に取り組んできた。その後、社外留職制度の“第1期生”として18年10月、建築事業の業務支援に携わるIT系VB、ローカルワークス(LW、東京都品川区)に出向した。


松尾さんは移籍先のLWでも営業職が主戦場になった。パナソニックではルート営業が多かったが、LWでは新規開拓が中心。「電話をかけまくり、飛び込みをよくやった」という新規サービスの営業では壁にぶつかる。そこで建設関連の組合に共同開催のイベントなど顧客との接点を考案し、打開した。






「視野が狭くなりがちなところでやり方を日々アップデートする必要性を実感した」と顧みる。少人数での奮闘経験は、「仕事ができる人は成果を上げるだけでなく、それが誰でもできるように平準化すること」と胸に刻まれた。LWの清水勇介社長は「最初は大企業との環境の違いに戸惑いがあったようだ。ただ慣れると持ち前のキャラクターで業績だけでなく社内の雰囲気づくりにも好影響を与え、活躍は頼もしかった」と松尾さんを評す。


松尾さんは社外留職について、「おすすめの制度。もし(今の会社を)辞めると次の会社で気付きがあり、『もっとやれたかも』と思うかも知れない。しかし、社外留職ならいずれ復帰するので、自分の甘さにも気付き、戻ったらこうしたいと思える」と後輩に伝える。パナソニックに戻り「信頼、知名度など全部持っている」と巨大な“看板”の力を再確認した。


厚生労働省が20年10月まとめた新規学卒就職者の離職状況(17年3月卒業者の状況)によると、大卒者の就職後3年以内の離職率は前年比0・8ポイント増の32・8%。大卒者の約3分の1は就職後3年以内に離職する傾向だ。企業の規模を問わず、若手社員には“入社3年の壁”が存在する。


「濃い1年」を経てパナソニック復帰後、仕事への意欲がさらに増した松尾さん。所属先のバックアップによる“放牧”は、社員、会社の双方にとって良いベクトルを向く相乗効果を生み出している。

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_04391de03cdf_商品の“黒子”素材メーカーがデザインの力で消費者に近づく理由 04391de03cdf 04391de03cdf 商品の“黒子”素材メーカーがデザインの力で消費者に近づく理由 oa-newswitch

商品の“黒子”素材メーカーがデザインの力で消費者に近づく理由

モノづくりの最上流に位置する素材メーカーが、デザインの力を借りて一般消費者に近づこうとしている。三菱ケミカルはアパレルブランドを立ち上げ、同社独自の繊維の魅力を発信する。三井化学は海外高級ブランドなどを通し、強みの技術を訴求する。素材は自動車や家電製品、アパレル、食品などのさまざま商品の価値を高める黒子。デザイナーや消費者の声から気づきを得て、新たな可能性を切り開く。(取材・梶原洵子)


三菱ケミカル 独自アパレルブランド立ち上げ
「黒の発色の良さは当社の『ソアロン(トリアセテート繊維)』の売りの一つ。だが、デザイナーから提案されたのはスモーキーブラックだった」。三菱ケミカルの長野真テキスタイルチームリーダーは、3月に立ち上げた新ブランド「age3026」で、社外のデザイナーの考え方の違いに驚かされた。黒は最も質の違いが表れる色。このため素材メーカーには、他の素材には出せない“高級感のある黒”で差別化するのが常識だった。


同ブランドはデザイナー集団の「クリエイティブ オフィス イオ」がプロデュースし、「千年先の未来まで美しい世界を紡いでいきたい」という思いを込めた。


この考え方に合うのは高級な黒よりリラックス感のあるスモーキーブラック。素材の特徴を目立たせることだけが、価値を伝える方法ではない。





三菱ケミはアパレルブランド「age3026」を立ち上げ、消費者との直接のコミュニケーションを開始した(age3026のインスタグラム投稿)

“千年先”のコンセプトはソアロンのサステナブル(持続可能)な特徴から生まれた。適切に管理された森林から調達した木材パルプを原料に使い、工場でFSC―COC森林認証を取得。有害な化学物質を使わず、持続可能なサプライチェーン(供給網)を経た繊維製品に付与される「ブルーサイン」認証も取得している。


同繊維は三菱ケミカルだけが生産し、高級婦人服を中心に使われている。サステナブルなこともアパレル業界には有名な話。ただ、服の内側のタグにある「トリアセテート」の記載まで見る消費者は少なかった。独自ブランドは価値を伝える重要な一歩となる。


「ソアロンの価値を知ってもらい、主要顧客である高級婦人服ブランドでの販売増加につなげたい」と長野チームリーダーは話す。


同ブランドはオンラインで展開し、メンズ・レディースのジャケットやパンツ、シャツなどを販売している。参加交流型サイト「インスタグラム」を使ったメディア戦略も同社には初めて。消費者とのコミュニケーションを次の商機にもつなげる。


三井化学 光で色が変わる素材、「フェンディ」が採用
「『FENDI』(フェンディ)の人たちが三井化学にやって来た時は驚いた」と話すのは、社内有志による素材の魅力を再発見する活動「MOLp(モル)」を展開するコーポレートコミュニケーション部の松永有理氏。フェンディが日本のブランド「アンリアレイジ」とのコラボレーションで発売したジャケットやバッグに、光で色が変わるフォトクロミック素材が採用された。


同素材を繊維に落とし込み、太陽光に当たるとフェンディのロゴやアイコンカラーの黄色などが際立つアイテムを完成させた。同アイテムを発表した2020―21年秋冬ミラノコレクションの会場は大きく沸いたという。


世界的高級ブランドとのつながりはモルの活動がさまざまな人を引き寄せた結果だ。18年に開いた新素材の展示会「モルカフェ」でアンリアレイジのデザイナーである森永邦彦氏と出会い、19年のパリコレでアンリアレイジと三井化学のコラボが実現。森永氏がLVMHグループ主催の国際賞で作品を披露し、クリエイティブディレクターであるシルビア・フェンディ氏の目に留まった。


モルでは多くのプロジェクトが走っている。19年の芸術祭「あいちトリエンナーレ」では、大型3Dプリンターによるポリプロピレン(PP)製の巨大な手のオブジェ制作を支援。層間接着性が弱いPPの課題を素材技術で解決した。自動車生産に3Dプリンターが使われる将来をにらんで技術を開発した。


プリンテッドエレクトロニクス技術ベンチャー企業のエレファンテック(東京都中央区)との協業もモルカフェからスタート。同社は三井化学名古屋工場(名古屋市南区)内に量産工場を設置し、協力を広げている。


「素材と人の想像力、加工技術がそろえば何かできる。素材で想像力をかき立てたい」と松永氏は話す。


第2回モルカフェの開催は7月13日から数日間と決まり、現在急ピッチで準備を進めている。「未来のためにすべきこと」「今だからすべきこと」のテーマで複数の作品を展示する。


AGC 新たなガラスの魅力追求
「僕たちがデザインした車も、僕たちの気持ちも8・2秒に1回壊されているんですよ」。ダイハツ工業のデザイナーは寂しそうに話す。日本では年間460万台が廃棄され、約8・2秒に1台がスクラップ処理される。


ダイハツのデザイナーとAGC技術者は、壊れた自動車ガラスを再生させることで、ポジティブな事に変えたいと考え、展示会向けに作品「Glass Voyage」を共同制作した。粉々に砕けた自動車ガラスの上にコケが生えており、破壊とは真逆の自然と共生する作品だ。作品の制作過程で自動車ガラスに含まれる金属が菌の繁殖を防ぐことを確認しており、本当に植物を育てる土台として使える可能性がある。





ダイハツ工業のデザイナーとAGCが制作した作品「Glass Voyage」

この作品は、AGCと国内主要自動車メーカーのデザイナー集団「JAID」による展示会「8・2秒展」の展示作品の一つ。8・2秒は一目ぼれにかかる時間といい、同展示会ではガラスを用いて人の心が動く瞬間を演出する作品を集めた。


例えば、トヨタ自動車のデザイナーとは、透明で冷たいイメージのあるガラスでたき火を再現した作品「Glass Camp」を制作。ガラスの中に大気と同様の状態を作り出した特殊な分相ガラスでできた薪に光を当てると、発熱したように赤く色が変わる。


同展示会はAGCスタジオ(東京都中央区)で6月19日まで開催している(緊急事態宣言期間中は休館)。デザイナーの目を通して新たなガラスの魅力をアピールし、ガラスの可能性を広げる。


長瀬産業 美大生、化粧品容器を提案
長瀬産業は多摩美術大学との産学共同研究で、美大生がサステナブルな樹脂を使って化粧品容器をデザインし、アルビオン(東京都中央区)やポーラ(同品川区)、資生堂に提案する取り組みを20年度に実施した。高価格帯化粧品において、容器はブランドイメージを表現し、消費者の感性を刺激する重要なアイテム。


美大生にとって実践的なプロダクトデザイン研究の場となるのと同時に、メーカーには未来のデザイナーの考えを知る場となった。


参加した学生の一人の藤朱里さんは、アルビオンのテーマ「環境に配慮しつつも高級感を損なわないデザイン」に対し、茶道の道具やお茶を器に注ぐしぐさをイメージした容器をデザインした。「日本らしいデザインを追求した結果、茶道の所作に行き着いた」(藤さん)という。





多摩美大生の藤さんがデザインしたアルビオンの化粧品容器

長瀬産業が販売する米イーストマンケミカル製の樹脂を使った。同樹脂はガラスのような透明性や耐久性、耐薬性を持ち、環境対応も進められている。


世界的にサステナブルな社会の実現に向けて価値観がシフトする中、素材はもっと消費者のニーズを知り、新たな感性で応えていく必要がある。

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高価格帯の化粧品に勢い!高まる「おうち美容」ニーズを狙え

コロナ禍で高価格帯の化粧品が勢いに乗っている。外出自粛による巣ごもりで自宅での“おうち美容”のニーズが高まった。メーカー各社が発表した2020年度の売上高実績によると、付加価値の高いヘアケア・スキンケア商品などが好調に推移した。各社は独自の価値を訴求するブランディングや新製品の投入を通じ、継続した需要の取り込みを狙う。(大阪・中野恵美子)


化粧品や美容家電を手がけるI―neは主力のライフスタイルブランド「ボタニスト」を刷新した。シャンプー、トリートメントの価格は1個1540円(消費税抜き)で一般的な商品に比べると高額とされる。リニューアル発売後、3月のボタニストの売上高は前年同月比95%増となった。髪の悩みに合わせて展開する5種類のうち、頭皮ケアタイプは同3倍以上に伸びた。


テーマに共感

ボトルには環境負担の低いバイオマスプラスチックを採用。また売り上げの一部を植林保全活動支援に充てている。「消費者の環境意識が高まり、サステナブルなテーマに対する共感を得られた」(同社)と分析する。


衛生商品伸びる

老化角質を取り除くことで肌を美しくする「ふきとり化粧水」で国内シェアトップ(2019年度現在)のナリス化粧品(大阪市福島区)も、高級ブランドが好調だ。21年3月までの1年間で、高機能美容液「セルグレース フォーミュラ」の売上高は前年比16%増となった。同美容液は容量30ミリリットルで消費税込み価格が1万6500円。角層細胞に働きかけ、ハリを与える。


高級ブランド以外にも、薬用ハンドソープなどの衛生商品、マスク着用による肌荒れを防ぐ化粧水、“コロナ太り”に対応する糖類ゼロの栄養調整食品などが伸長した。口紅やファンデーションは例年よりも低調だったが「(強みの)スキンケアは高額品がかつてない売り上げになった」(同社)とする。


口腔ケア業界にも同様の動きが見られる。歯磨き剤メーカーのスモカ歯磨(大阪市西淀川区)は自社ブランドの薬用歯磨き剤「コスミオン」が伸びた。コスミオンの21年3月期売上高は前期比3倍となった。歯科医院向けOEM(相手先ブランド)歯磨き剤のノウハウを応用して開発したブランドで、朝用は美白、夜用は抗菌と分けている。


高付加価値奏功

藤野和仁社長は「市場ニーズに合わせた高付加価値の歯磨き剤開発が奏功した」と手応えを得る。歯周病は糖尿病など全身疾患と関連しているとされる。歯周病や口臭予防に特化し、科学的根拠に基づいた口腔ケアの需要が一層高まると見る。

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_e6f288611593_世界初の新規上場を果たしたドローン専業メーカー、トップが見据える未来とは? e6f288611593 e6f288611593 世界初の新規上場を果たしたドローン専業メーカー、トップが見据える未来とは? oa-newswitch

世界初の新規上場を果たしたドローン専業メーカー、トップが見据える未来とは?

産業用ドローンの開発を手がける、自律制御システム研究所(ACSL)。ドローン専業メーカーとして、世界初の新規上場を果たした代表取締役社長兼COO・鷲谷聡之さんに、ドローンの未来展望を伺った。


空を飛ぶだけではない、ドローンのポテンシャル
—まず、現在のドローンの性能面を教えてださい。
「速度でいえば、時速70〜100kmぐらい、さすがに台風は無理ですが、雨が降っても風が吹いても、ある程度は問題なく飛ばせます。電波を使って繋ぐことができるようになったので、例えば、長崎県五島列島を飛ぶドローンを、羽田空港でコントロールできるようになりました。事前に指定された場所であれば、もちろん自律飛行が可能です」


—近い将来、ドローンはこんなこともできるという可能性についてはいかがでしょうか。
「ドローンとは“空を飛ぶもの”という認識が大きいと思いますが、空だけではなく、物流倉庫やトンネル内などの屋内も飛ぶことが可能です。つまり“羽が生えたロボティクス”というのが、より正しい認識だと考えています。いま我々が取り組んでいる注目のドローンは、下水管の中を飛ぶというもの。人が簡単に入り込めない下水管の中で、汚物などの障害物を乗り越えながら飛んでいくドローンに、大きな期待を寄せています」


―下水管の中を飛ぶというのは面白いですね。では、物流面では今後どのような用途が期待できますか?
「昨年はコロナ禍によって『遠隔診療』が注目を集めました。診療は遠隔でできますが、処方薬に関して対面手渡しのルールがあるので、わざわざ薬局に行かないといけません。今後は規制緩和がされる見込みもあり、医薬品のドローン輸送が社会実装される可能性は非常に大きいと思います」


—もともとホビー用途だったものが、様々な目的で使われるようになってきましたね。
「現在、特に産業用途を担っていて、活躍の場は主に社会インフラ。みなさんが思っている以上に、既にいろんな場所で活躍しているのです。いまは、日常ではなかなか見かけませんが、近い将来には、皆さんが高速道路を走っていて、さりげなく見上げた際に、ドローンが橋梁を点検しているという光景が見られると思います」


ドローンの自動運転が、車の自動運転より早く実現する理由
—車の自動運転より、ドローンの自動運転のほうが、社会実装される時期が早いのでは?といった声が聞かれます。
「その通りだと思います。地上2mまでは、人や動物などどんなものが飛び出してくるかわかりません。つまり、自動車が走行するシーンでは、不確定要素が多いのです。これを予想するには、AIに相当のディープラーニングをさせないといけません。しかしドローンが安全に飛ぶ高度となると、不確定要素がグンと減ります。ですから、車よりもドローンの自動運転のほうが、社会実装は圧倒的に早く来るはずです」


—その一方で、ドローンの課題やイノベーションを起こすべき点を教えてください。
「大まかに言って3つあります。まずは『燃費』。現状のドローンは飛行時間が短く、車に例えると燃費が悪いという状態です。今後もっと燃費改善をしていくべきです。2つ目は『より高度な自律性』です。もちろん自律飛行はできますが、現段階では人間の指令通りに飛ぶだけなので、能動的な自律飛行がまだできません。もし飛行中に緊急のヘリコプターが横切ったとしても、ちゃんと止まって避けられるようにするなど、ドローン自身が判断できるようになることが求められてきます。3つ目は災害、物流、点検など『技術を用途により最適化』することです。単に飛行するだけではなく、専門性を持ったドローンがより必要になるでしょう」










より“安全・安心”なドローンを製造するために必要なこと
—ドローンには、“安全・安心”が求められています。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトで安全・安心なドローン基盤技術開発を行なっていますが、データのセキュリティや安全飛行の面で、どういった取り組みが行われていますか?
「特に重要視されているのがサイバーセキュリティ技術で、ハッキングを想定し、データや通信が守られていることが重要になります。第三者のアクセスがあったとしても、ちゃんとガードされているかを入念に分析・解析したうえで、安心できるレベルの技術を実装しています。また、信頼がおける国産の部品や製品を使って中長期的な調達保証やアフターサポートなど、トータルな安全・安心を確保しています。それによって、国内の産業育成がちゃんと行われるようにもしていきたいですね。また、使用用途などにより濃淡はありますが、そのうちUI(ユーザーインターフェース)、UX(ユーザーエクスペリエンス)などデザイン面による安心感も必要になってくるでしょう」


—“デザイン面での安心感”とは、具体的にどういうことでしょうか?
「例えばヘリコプターの場合、プロペラが轟音(ごうおん)で回って飛んでいると怖い印象を受けますよね?いつかあれが落ちてくるのではないかという恐怖感を抱きがちです。しかし、同じ空を飛ぶものでも、スマートな形と色のデザインの飛行機は怖さを感じさせません。もちろん要素はデザインだけではないのですが、形や色を工夫することで、社会受容性が得られるようになります。わかりやすい例でいうと、ダイソン社の扇風機は見える部分に羽が無いことから、他の製品と比べて安全・安心な印象を与えます。そういう視点はドローンにも必要で、技術の進化は同様の展開を迎えるはずです」


—ドローンを導入予定の自治体と企業に対して、どんなふうに期待していますか?
「東京で成立している物流は、人口が少ない地方都市の物流方法とは違います。その現状をきちんと把握しているのは、他ならぬ自治体の方々です。ドローンを購入するならば、ただ単に機体に予算を投下するのではなく、この企業を巻き込んだ方がいい、この人をキーパーソンにした事業を考えたほうがいいなど、将来的なマスタープランを描くことが大事です。また、ドローンは歴史が浅いこともあり、まだまだ危険なものだとの見られ方をすることがあります。数年前に導入を検討しながらも、そこで足踏みをしてしまった企業や自治体が多いのではないでしょうか。ドローンの進化は、何度も申し上げたように日進月歩で、目を見張るものがあります。そして、確実に社会実装が進んで安全・安心なものに近づいています。いま一度実装を検討していただくと嬉しいですね」


—2022年の航空法改正に向けて規制が強化されると、ドローンの普及に歯止めがかかる、という見解が一部にはあるようです。
「私としては、“規制が強化される”という見解は正しくないと思っています。あくまで有人地帯で飛ばすことに関する規制が中心です。ですから、改正航空法は、ドローンの普及の障害になるものではありません。むしろより一層の安全・安心が担保されることで、ドローンの利活用が広がることを期待したいですね」


—最後に。鷲谷さんは、今後、どんな世界をドローンで実現したいと思っていますか?
「我が社のミッションは『技術を通じて、人々をもっと大切なことへ』。そのうちドローンが“キツイ、汚い、危険”のいわゆる3K作業から、人間を解放してくれるでしょう。それによって生まれた時間を趣味に使ってもいいし、あるいは別の形でもっと働いてもいい。そんな“自由”と“幸福”をもたらす社会を目指したいのです」

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_c1ed2954b372_コンビニ・スーパーが宅配需要に知恵絞る。勝ち残りは誰か c1ed2954b372 c1ed2954b372 コンビニ・スーパーが宅配需要に知恵絞る。勝ち残りは誰か oa-newswitch

コンビニ・スーパーが宅配需要に知恵絞る。勝ち残りは誰か

コンビニエンスストア、スーパーが宅配サービスの拡充を急いでいる。ローソンが新たなデリバリーサービス「Wolt(ウォルト)」を導入。セブン―イレブン・ジャパンも、ネットコンビニを拡大する。ライフコーポレーションは配送エリアを広げる。コロナ禍で外出自粛や店舗での買い物を敬遠する動きなどが進み、デリバリー市場が急拡大。サービス網を速やかに整え、需要を確実に取り込む。(編集委員・大友裕登)


ローソンは、ウォルトによるデリバリーサービスを都内のナチュラルローソン13店舗で始めた。これにより、手がけるデリバリーサービスは「ウーバーイーツ」「フードパンダ」と合わせ合計3社となり、導入店舗は28都道府県の1569店舗となる。


デリバリー導入を一気に拡大してきたローソン。吉田泰治新規サービス推進部長は、2020年3月と21年3月との比較で「店舗数では約100倍。月次の総売り上げは60倍に成長」という。拡大し続ける市場で、さらなる攻勢をかける。


22年2月までに3000店舗を目指す方針だ。サービス提供エリアも拡大。6月までに北海道の旭川市・函館市、7―8月には岐阜、三重、佐賀、長崎の4県で行う予定だ。


吉田部長は「海外と比べると、まだまだ成長余地がある市場」とみる。店舗展開に加え、商品群の拡充・見直しを進め成長市場を開拓する構えだ。


セブン―イレブンは、利用者がスマートフォンで注文し、商品を届けるネットコンビニ「セブン―イレブンネットコンビニ」を22年2月期中に21年2月時点比約2・9倍の1000店舗に拡大する。2万1000店超の店舗網からすると、慎重な進め方の印象だが、青山誠一執行役員は「システムを作り上げるのが最優先」と強調。システム構築により「一気に拡大可能」(青山執行役員)としており、急拡大も見据える。


首都圏・近畿圏でスーパーを展開するライフは21年に入り、埼玉県、千葉県、兵庫県を配送サービス対象に追加。さらに、神奈川県や大阪府で対象エリアを拡大した。


ライフの配送サービスは、米アマゾン・ドット・コムの有料会員サービス「アマゾンプライム」の会員を対象に、店舗で扱う生鮮食品や総菜を利用者の自宅に届ける。他社同様に成長著しい分野だ。


配送サービスとネットスーパーの「EC事業」の21年度売上高見通しは、前年度比約2倍の100億円。30年度には1000億円の計画を掲げる。


岩崎高治社長は「ネットビジネスを成功させるには三つのキーがある。『店舗・人員のオペレーション』『システム』『配送』の三つを高いレベルで改善していく」と話す。ピッキングを行う人員の確保や、モバイルアプリケーション(応用ソフト)の投入、配送を手がける共同出資会社の設立を決めるなど、事業拡大の布石を打つ。


コロナ禍で注目度が一段と高まったデリバリー市場。小売りだけでなく、外食もサービスを強化しており、業界の垣根を越えた顧客争奪戦が進むだろう。サービスインフラ整備のスピードに加え、顧客にとって魅力的な商品の開発など、成長市場での勝ち残りに向けて各社が知恵を絞る。

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_add58c969ade_信越化学が300mmウエハー増産へ、新工場も視野 add58c969ade add58c969ade 信越化学が300mmウエハー増産へ、新工場も視野 oa-newswitch

信越化学が300mmウエハー増産へ、新工場も視野

信越化学工業は、2023年以降に半導体用の直径300ミリメートルシリコンウエハーの生産能力拡大を検討していることを明らかにした。顧客各社と中長期の販売量について交渉しており、需要を精査した上で場所や生産量などを決定する。


同社が開催した決算説明電話会議で明らかにした。ウエハーの原料となる結晶シリコンのインゴットとシリコンウエハー、エピタキシャルウエハーの各段階への投資を検討している。新工場を建設するか既存建屋への設備増設とするかは未定。斉藤恭彦社長は「(販売の)増量を盛り込んだ長期契約の交渉は進んでいる」と説明した。


信越化学は半導体用シリコンウエハーの世界最大手。直径300ミリメートルウエハーの需要は20年4月以降回復し、需給はタイトとなっている。インゴットを含む生産能力拡大は、大型投資となりそうだ。

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CO2排出量の半分を占める鋳造部品、頭が痛いアイシンはどうする?

世界各国で温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を巡る動きが活発だ。日本は2035年までに新車販売を全て電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)など電動車にする方針を示す。脱炭素社会に向け電動化が加速している。


事業環境が変化する中、アイシンはカーボンニュートラルに向けた長期的な計画を示した。30年度に全電動化対応商品の生産を二酸化炭素(CO2)フリーとし、50年度には生産でのカーボンニュートラル達成を目指す。


「CO2の削減などの大きな流れの中で、電動化対応に組織や商品もシフトしていく」。アイシンの駆動系部品を担う「パワートレインカンパニー」のプレジデントで副社長執行役員の山本義久はこう力を込める。電動化という変革期に主力の自動変速機(AT)の需要が減る中で成長のカギを握る領域だ。


1日にアイシン精機とAT大手のアイシン・エィ・ダブリュが経営統合し誕生したアイシン。山本は「将来の開発において両社の良い点を融合させた新しい製品などを生み出していきたい」と相乗効果に期待する。


アイシンは電動化対応商品で、駆動用モーターやギア、インバーターなどの部品を一体化した電動駆動モジュール「イーアクスル」や、変速機で「1モーターHVトランスミッション」などを手がける。イーアクスルはトヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」のEV「UX300e」などに採用されており、実績を積み重ねている。


山本は「開発にはより一層スピード感が求められている」と認識し、「デジタル変革(DX)で手順を減らすなど開発のプロセス自体も変えていく」と力を込める。


ただカーボンニュートラルのハードルは高い。「頭が痛くて」。アイシン社長の伊勢清貴はこうこぼす。アイシングループは多岐にわたる自動車部品を手がけているが、中でもCO2排出量が多いのが、鋳造部品だ。鋳造関係でアイシングループのCO2排出量の半分ほどを占めるという。それだけに再生可能エネルギーの拡大や、水素を改質してメタンを合成するメタネーションといった新たな環境技術の開発も必要になるが、「政府などが引っ張ってくれないと苦しい」と伊勢は訴える。


台風や地震の多い日本では再生可能エネルギーを確保するのが難しいとの見方もある。そうした日本で「自動車メーカーから『カーボンニュートラルの部品でないと買わないぞ』と言われると厳しい」と伊勢は吐露する一方、「(CO2削減に対応する)投資を出せるだけの力が必要だ。もっと固定費を削減し、経営効率を上げなくてはいけない」と前を向く。電動化対応での成長とCO2削減という課題に立ち向かう。(敬称略)

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_13cd648d2cdb_撥水性と浸透性に優れた建築外装用塗料「ユーロテックス」とは? 13cd648d2cdb 13cd648d2cdb 撥水性と浸透性に優れた建築外装用塗料「ユーロテックス」とは? oa-newswitch

撥水性と浸透性に優れた建築外装用塗料「ユーロテックス」とは?

水谷ペイント(大阪市淀川区、水谷成彦社長)は、ドイツ製の水系樹脂「シリコーンレジンエマルジョン」を原料に、撥水(はっすい)性と透湿性に優れる建築外装用塗料「ユーロテックス」を全国展開する。樹脂のシリコン成分が15%と高く湿気を排出しやすく、メチル基を結合させ撥水性も高めた。先行発売した北海道と東北で好調なため、4月から全国販売に踏み切った。高い付加価値を訴求し、年間販売100トンの主要製品化を目指す。


シリコーンレジンエマルジョンは欧州で塗料原料に使われるが、日本では風土の違いによる塗膜の汚れや割れの発生、高価格などから、採用する塗料メーカーは少ないという。


水谷ペイントはシリコン成分が一般のアクリルシリコン樹脂塗料の2%に比べ高いシリコーンレジンエマルジョンに着目。シリコンに撥水機能のメチル基を結合させ、3次元的な分子配列構造に設計し、日本の風土に適合するユーロテックスを完成した。シリコンはアクリルよりも湿気を通す透湿性が高い。


耐久年数は同社塗料の平均的な12―16年。塗膜がなくなるまで安定した撥水性を保ち、水分に含まれる汚れの付着を防ぐ。一般のシリコン塗料と比べた自社試験では透湿性が2倍以上となり、湿気による建材の劣化も抑えた。


消費税抜きの価格は施工費込みで1平方メートル2600円と汎用塗料の約1・4倍。2020年2月に欧州と緯度の近い北海道と東北で発売すると売れ、九州からも引き合いがあったため、全国販売を決めた。色の種類も当初の15種類から20種類に増やした。


これまで親水性で有機物の汚れに強い塗料を主力としてきたが、ユーロテックスでは撥水性の技術開発に注力。高付加価値化で需要を開拓する。

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1000℃の火を5分間あてても穴が開かない「ガラス繊維不織布」はどう実現した?

三菱製紙は電気自動車(EV)の二次電池パックや建材向けに、超耐熱ガラス繊維不織布を開発、6月にも市場投入する。1000度Cの火炎を5分間あてても穴あきや割れが生じないなど、高い不燃性、断熱性を持つ。耐火性のある他社のアルミナ繊維などに比べて価格を抑える。3年後には、年に数十万平方メートルの販売を目指す。二次電池周りなどには高温リスクがあるとされ、需要家の安全・安心ニーズに応えていく。


耐熱ガラス繊維不織布は電池パックなどのほか、非鉄金属やガラスの熱加工の工程紙、溶接やレーザー加工の火花に対応する保護紙への活用を想定する。三菱製紙が約750度Cの電気炉で行った試験でも発火せず形状を維持し、加熱後も強度が保たれた。


同製品はガラス繊維と鉱物系の無機粒子などからなる。超耐熱性は、同社の紙・不織布製品の生産で培ったコーティング技術を生かして実現した。


重さが1平方メートル当たり100―270グラム程度、総発熱量が1平方メートル当たり0・1―1・0メガジュール程度の間で幅広く取りそろえた。


素材関連業界にはガラス繊維不織布のほか、アルミナ製などの不燃材料はあるが、同不織布で耐熱性を持ち合わせた商品は珍しいという。


同社は建材の基材となるガラス混抄紙や放電加工向け液体用フィルター、カレンダーなど印刷用不織布を手がける。超耐熱ガラス繊維不織布は、こうした既存製品の総合力を結集して投入する。

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