cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_dcb4254cb523_資金集めに苦闘…ものづくりの新たな担い手「シニア起業家」が隘路抜ける dcb4254cb523 dcb4254cb523 資金集めに苦闘…ものづくりの新たな担い手「シニア起業家」が隘路抜ける oa-newswitch

資金集めに苦闘…ものづくりの新たな担い手「シニア起業家」が隘路抜ける

モノづくりベンチャーの担い手としてシニア起業家が注目されている。50代以上の人口当たりの起業率は若い世代に比べると少ないものの、製造業を新しく興す貴重な存在だ。日本のモノづくりを支え、新陳代謝を促すにはシニア起業家の活躍は大切だ。一方で年齢がハードルとなり、資金集めや人集めに苦労する。10年後も経営者でいるのかと問われるためだ。(取材・小寺貴之)


ロボセンサー技研 用途・価格明確に示す
「入社しても3年で定年だ。新事業を立ち上げても、軌道に乗ったときにあなたはいるのか」―。ロボセンサー技研(浜松市北区)大村昌良社長は、再就職先の社長面接で、こう問われて起業を決めた。最終面接は2人だけ。若いもう1人が選ばれた。年齢で選ぶなら、なぜ面接に呼んだのか。56歳という年齢が壁になった。


50代と60代の起業家を合わせると全体の29%を占める。2017年の人口当たりの起業率は26―39歳が0・30%に対して、50代は0・16%、60代が0・11%と少ない。だが製造業を選ぶ割合は26―39歳は1・2%に対して50代が2・6%で60代は5・5%と高い。製造業起業家の37%を占めている。生産技術などモノづくりの知見や技術を蓄えた世代だ。日本の産業界は世代交代を進めつつも、シニア世代をフル活用していく必要がある。






だがシニア起業家は資金集めに苦労する。ハードウエアベンチャーは製品を試作し量産する。技術を形にするだけでも出費がかさむ。中小企業基盤整備機構創業・ベンチャー支援部の森田英嗣審議役は「技術の優位性だけでお金を集めようとしても集まらない。技術をいかに世に出すか。その道筋を示す必要がある」と指摘する。技術偏重の大学発ベンチャーのように事業開発が不得手でも支援機関が助けてくれるわけではない。事業計画や営業はできて当然で、実際に「シニア世代はそれができる」(森田審議役)。


製造業はコストとの戦いだ。大村社長は起業を決めロボットの力触覚センサーに狙いを定めた。15年の国際ロボット展を巡り、「力覚センサーはこれから。触覚センサーはまだまだ」と感じたためだ。ただ半導体製造プロセスでセンサーを作ると、試作も量産も開発費が膨らむ。大村社長は「半導体はベンチャーには手を出せない。大企業の仕事だ」と見切りを付けた。そして圧電樹脂を巻いたワイヤセンサーを選んだ。初めは手巻きでセンサーの構造を試していった。電線メーカーの研究部門に頼み込んで試作品を製造した。


センサーができても用途を示せないとモノが売れない。本庄義治最高技術責任者(CTO)が計測システムを構築し、産業用機械などの振動計測に適用した。異常検知で性能が認められ量産にこぎ着けるが、当時は固定給ではなく案件ごとに開発費を払っていた。


シニアだけのベンチャーにベンチャーキャピタル(VC)は冷たかった。大村社長は「若い技術者を集めない限り、会社に未来がないと断られた」と振り返る。若手でも年収600万円以上を提示しないと、リスクだらけのベンチャーに人が来ない。売り上げが立つ前のベンチャーには無理な話だった。社長が自ら全国を巡り、無償でセンサーを据え付けて計測実証する日々が続いた。


19年に宮本了営業本部長と宮崎なおとセンサーシステム開発部長が入社した。平均年齢は60歳。宮本本部長の最初の仕事は「商品を無料で配ってはいけない。せめて実費をもらわないと」と社長を叱ることだった。開発キットに値段を付けて価値を明確にした。売り上げが立ち大型の共同開発もまとまった。VCに提示していた売り上げ計画は1年前倒しで達成する見込み。20年春に量産を始める。


アーキテック 退職金支えに長期戦
退職金などが支えとなり、事業が軌道に乗るまでの長期戦を闘えるのもシニア世代の特徴だ。ArchiTek(アーキテック、大阪市西区)は画像認識などの人工知能(AI)チップのアーキテクチャー(設計概念)を開発する。演算素子は試作するだけでもお金がかかる。高田周一社長兼CTOは「参入障壁が高く、国内はライバルが少ないと考えた」と振り返る。


11年に創業し、黙々と技術開発に打ち込む期間が5年ほど続いた。試作用資金のめどはなかなか立たない。黒田剛毅最高マーケティング責任者(CMO)は「当時は3人。かすみ食べるようだった」と説明する。藤中達也最高財務責任者(CFO)の参画で状況が好転する。15年に三菱UFJキャピタル(東京都中央区)の紹介で、トヨタ自動車などが出資する未来創生ファンドから投資を受けた。これを機に豊田自動織機などと新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の開発プロジェクトに採択された。1月中には念願のチップが形になる。9月にはより小さな試作チップが完成する。


新チップはAI処理に用いる基本処理回路を多数用意し、処理に応じてつなぎ直す。これをハードで実行するため、ソフトで実行していた現行品に比べ約1000倍高速化する。GPU(画像処理半導体)に比べて消費電力を数十分の一に抑えられる見込みだ。


アーキテクチャーは実際にチップを作らないと実力を測れなかった。設計概念が形になることで、ユーザーが性能を確かめられる。回路をライセンスし、ユーザーのチップに組み込めるようにする。高田社長は「本来は時間をお金で買うべきだった」と振り返る。「アーキテクチャーを普及させ、上位のソフトで稼ぐ」と力を込める。


50代になると定年後が心配になったり、後輩が上司になったりと大企業に勤めていても心中穏やかでなくなる。藤中CFOは「60歳で寿命が来るわけでもなく、どこかでもう一勝負しないといけない。あと10年、20年と一緒に頑張れる仲間に出会えるかどうか」という。細くて長い隘(あい)路を抜けようとしている。




アーキテックの5人。左から古川洋介専務、黒田剛毅CMO、高田周一社長、藤中達也CFO、寅巴里ハッサンCOO、全員50代(同社提供)

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_f872788fc9e6_トヨタも6カ月ぶり減。自動車メーカーが米中市場の新車販売で大苦戦 f872788fc9e6 f872788fc9e6 トヨタも6カ月ぶり減。自動車メーカーが米中市場の新車販売で大苦戦 oa-newswitch

トヨタも6カ月ぶり減。自動車メーカーが米中市場の新車販売で大苦戦

部品調達の停滞に伴う自動車の減産が、米国と中国の2大市場の新車販売を押し下げている。米国では日系自動車メーカー4社合計の8月の新車販売台数は前年同月比7・9%減の約38万台。中国では日系車6社合計の8月の新車販売台数は同20・5%減の約37万台だった。世界的な半導体の供給不足に、東南アジアでのコロナ禍に伴う部品生産の低迷が加わり、車の生産や販売の行方は不透明な状況が続きそうだ。







米国の8月の新車販売は日系車各社でマツダを除く3社が前年同月実績を下回った。トヨタ自動車は同2・0%減と6カ月ぶりに減少した。ただ8月は20年8月と比べ稼働日が1日少なく、稼働日ベースでは同2・0%増と踏みとどまった。


調査会社マークラインズによると米国市場全体の8月の新車販売台数(推定値を含む)は、同17・2%減の約110万台だった。


中国の8月の新車販売は日系車各社で、三菱自動車を除く5社が前年同月比で二ケタを超える減少となった。日産自動車の幹部はコロナ禍、原材料不足、国内各地の自然災害など「外的環境に起因する逆風が続き、今後も不透明な状況が続く」とみている。


中国汽車工業協会によると中国市場全体の8月の新車販売台数は同17・8%減の約180万台と、4カ月連続で減少した。


野村証券の桾本将隆アナリストらは14日付のリポートで「日系完成車メーカーの生産は半導体の前工程の不足には制約されていないため、世界生産は11月に正常化する」との見方を示す。

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_a0f4d7d72b4c_半導体投資が旺盛で民間設備投資が持ち直し。機械受注は2カ月ぶりに増加 a0f4d7d72b4c a0f4d7d72b4c 半導体投資が旺盛で民間設備投資が持ち直し。機械受注は2カ月ぶりに増加 oa-newswitch

半導体投資が旺盛で民間設備投資が持ち直し。機械受注は2カ月ぶりに増加

内閣府が発表した7月の機械受注統計は、民間設備投資の先行指標とされる「船舶・電力を除く民需」の受注額が前月比0・9%増の8597億円と2カ月ぶりに増加した。半導体関連の投資が旺盛で、自動車関連の投資も堅調だった。3カ月移動平均は2・3%増。基調判断は「持ち直しの動きがみられる」とし、3カ月連続で表現を据え置いた。






 船舶・電力を除く民需のうち、製造業は同6・7%増の4311億円だった。「電気機械」が同33・5%増、「自動車・同付属品」が同11・0%増とけん引した。新型コロナウイルス感染症の拡大で東南アジアの自動車部品生産が滞っている影響について、「先行きは注視する必要があるが、電気自動車(EV)、環境対応などの必要な投資は行われている」(内閣府)という。


 非製造業は同9・5%減の4259億円だった。「卸売業・小売業」が同36・9%減、「建設業」が同34・1%減、「運輸業・郵便業」が26・7%減とマイナスに寄与。小売業や運輸業は先月の大型案件受注からの反動減となった。


 受注総額は同11・7%増の2兆8759億円。このうち官公需は同14・0%増の2937億円、外需は同24・1%増の1兆5148億円だった。外需は半導体製造装置の受注が多くを占めるという。


主要機種別は、「電子・通信機械」が前年同月比11・1%増、「産業機械」が同10・9%増「工作機械」が同84・8%増だった。

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_d53e1fb6872e_自動運転時代へ、トヨタ・ホンダなど高精度地図の開発に知恵絞る d53e1fb6872e d53e1fb6872e 自動運転時代へ、トヨタ・ホンダなど高精度地図の開発に知恵絞る oa-newswitch

自動運転時代へ、トヨタ・ホンダなど高精度地図の開発に知恵絞る

自動車メーカーが、自動運転用の高精度地図の開発を活発化している。ホンダは自動運転技術を活用した移動サービス実用化のため、9月中に同地図の作成を始める。トヨタ自動車傘下のウーブン・プラネット・ホールディングス(HD、東京都中央区)は8月、同地図を手がける米カーメラを買収したと発表した。安全性が高く滑らかな自動運転を実現するためには、地図の善しあしも重要な要素となる。各社が知恵を絞る。(江上佑美子)


ホンダは米ゼネラルモーターズ(GM)と協業し、一定条件下で完全自動運転が可能な「レベル4」技術を用いた移動サービスを2020年代半ばに始める予定。これに先立ち独自の高精度地図を作る。22年に開始予定の公道での自動運転車両の技術実証などに用いる考えだ。


ホンダは3月、一定条件下で自動運転が可能な「レベル3」機能を持つ高級セダン「レジェンド」を発売した。このレジェンドには、ダイナミックマップ基盤(東京都中央区、DMP)が開発した高精度3次元地図データ(HDマップ)を採用した。


ホンダ子会社の本田技術研究所の波多野邦道先進技術研究所エグゼクティブチーフエンジニアは「目標とするサービスによって地図の精度や格納する情報を最適化する必要がある。(22年から公道で実施する)技術実証の目的とレベルを考えると(今回は)独自でやる方がスムーズ」と説明する。


DMPは国内の自動車メーカーなどの出資で設立され、センチメートルレベルのHDマップを提供している。国内の高速道路や自動車専用道の整備は完了しており、23年度には整備する対象を一般道に広げる。19年に買収した同業の米アッシャーの自動化ツールなどを活用し、「大幅な低価格化を実現」(吉村修一DMP副社長)する計画だ。


ウーブン・プラネットHD傘下のウーブン・アルファ(東京都中央区)は自動地図生成プラットフォーム(AMP)の高度化に取り組んでいる。買収したカーメラが持つ、地図更新やセンシングの知見を活用し、車線や道路標識などの変化点を、ほぼリアルタイムで地図上に反映できるようにする。


ウーブン・アルファは6月、いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バスと、AMPの活用で合意した。商用車分野の高精度地図の課題の検証などを進める方針だ。


自動運転で用いる高精度地図には、道路標識などのデータのほか、車線の中心線や勾配など多くの情報を格納する。精度が上がれば、安全性向上とともに、滑らかな走行を実現でき、乗り心地も高まる。


一方、普及のためにはコスト低減も課題。低コストで優れた高精度地図を開発し運用するために、自動車メーカー同士や自動車メーカーとスタートアップが連携する動きが続きそうだ。

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_f0bfa1d7cf35_コロナ後のSDGs、日本企業はいかに経営戦略に落とし込むべきか f0bfa1d7cf35 f0bfa1d7cf35 コロナ後のSDGs、日本企業はいかに経営戦略に落とし込むべきか oa-newswitch

コロナ後のSDGs、日本企業はいかに経営戦略に落とし込むべきか

新型コロナウイルスで傷ついた経済と社会の復興に向けた議論が国内外で始まっている。持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献を宣言した企業にとっては、新しい経済・社会構築に参加できるチャンスだ。しかし、海外に比べると日本企業の参加意欲は弱く思える。社会変革を支えるリーダー育成に取り組むNELIS代表理事のピーターD・ピーダーセン氏は「日本企業は自らの意思で進むべき道を選ぶべきだ」と提言する。(聞き手・編集委員・松木喬)


【オンラインセミナー開催】『SDGsビジネス戦略 ~2030年に向けて日本企業はいま何をすべきか』


―“コロナショック”がSDGsに与えた影響は。


「コロナはSDGsに大きな影響を与えた。国連の報告では貧困に置かれた人は増加し、非正規労働者も増えた。弱い立場の人ほど影響を受けており、SDGsの後退は否めない」


―欧州では後退を取り戻すというよりも、持続可能な形に経済・社会を作り替える議論が起きています。


「フランス政府はコロナで経済的影響を受けた企業への融資条件として環境対策を求めている。例えば航空業界は、環境負荷の低い機体への移行が支援条件だ。欧州は未来に投資しようと考える。ハンコやテレワークの議論をしている日本とは様子が違う」


「ビジネスリーダーも声を上げている。パリ協定達成を目指す企業の国際活動『SBT』は、各国政府と連携したグリーンリカバリー(緑の回復、脱炭素社会への移行)を求める宣言を出し、世界的な企業170社以上の経営トップが署名した」


―日本の署名は5社(※取材時)にとどまっています。


「日本企業は安定を望む。元に戻すために努力は必要としないが、変化を起こすには意図と努力が求められる。コロナ後はグリーン戦略に進むチャンスだが、日本の経済界はリーダーシップを放棄しているように見える。日本企業は政府の意向を気にせずに、世界を見て進むべき道を選んでほしい」


―コロナ後のSDGsの取り組みは。


「バッジをつけて『SDGsをやっています』というだけなら意味がない。コロナは一過性だが、食料、水、資源、気候変動・エネルギーの四つの問題は人類史最大のピンチであり、最大のビジネスチャンスでもある。世界的な人口増加もあり、解決への時間を無駄にできない」



―日本企業にもビジネスチャンスです。


「サステナビリティー(持続可能性)に向けたイノベーションを起こせるか、どうか。それにはコロナ危機を契機と思えるか、どうかにかかっている。日本企業はそろそろ本領を発揮する時だ」(ウェブで実施)



ニュースイッチでは、オンラインイベント{{「SDGsビジネス戦略 ~2030年に向けて日本企業はいま何をすべきか」|https://select-type.com/ev/?ev=jskzmVkpdrE|https://news.line.me/reflink/71/3/94f268308028153a389d176c5290c2da99164426}}を開催します。

2030年まで残り9年。コロナ禍からのより良い社会への回復、カーボンニュートラルといった最新状況をふまえ、SDGsの具体的な取組み方法、企業戦略への落とし込み方など、実践的な内容をご紹介します。

サステナビリティへの取り組みをレベルアップさせたい方向けの「SDGs実践」ウェビナーです。

「SDGsを経営戦略に落とし込みたい」と感じている方、「SDGsに取り組んでいるが、どうも成果が出ていない」と悩んでいる方の参加も歓迎です。


ご登壇いただくのは、環境・サステナビリティ分野で20年以上、企業コンサルティングやビジネスリーダー育成に携わってきたピーター D. ピーダーセン氏です。

「第4の波の到来」「SDGsは単なる“大衆のアヘン”なのか」など最新情報を解説いただくとともに、これからの企業や次世代リーダーに求められる要素についても教えていただきます。



2021/10/8(金) 14:00 ~ 16:00

{{<<詳しくはこちら>>|https://select-type.com/ev/?ev=jskzmVkpdrE|https://news.line.me/reflink/71/3/94f268308028153a389d176c5290c2da99164426}}

参加料(書籍代込):¥33,000(税込)

申し込み締切 2021年10月7日(木)12:00


【こんな方におすすめ】

・自社の取り組みを見直したい方

・SDGs戦略とは何か、いま必要なツールが知りたい方

・企業戦略への落とし込み方を知りたい方

・これからの経営層や次世代リーダーに求められる要素(いままでのリーダーとの違い)を知りたい方

・SDGsに取り組んで自社にどのような影響があるのかが分からず、いまだに踏み込めていない方

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_dd5493b47c62_孫さんが「日本復活の鍵」と熱弁する“スマボ”とは? dd5493b47c62 dd5493b47c62 孫さんが「日本復活の鍵」と熱弁する“スマボ”とは? oa-newswitch

孫さんが「日本復活の鍵」と熱弁する“スマボ”とは?

“スマボ”が日本を強くする―。ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は15日の講演で、人工知能(AI)により学習する「スマートロボット(スマボ)」の普及に力を注ぐ方針を示した。人によるプログラミングで動くロボットと比べて柔軟な運用が可能な点などに将来性を見込んでいる。人手不足や生産性の伸び悩みに直面する国内産業界にとっての意義も強調したが、実際に高い導入効果を示していけるか試される。
(編集委員・斎藤弘和)


「今まで日本はロボット大国だと言われ、あらゆる製造現場でさまざまなロボが活躍しているが、僕はこれを“ガラボ”だと思っている。これから、スマボがロボの世界を一瞬で塗り替える」―。孫氏は、従来型携帯電話(ガラケー)がスマートフォン(スマホ)に置き換わって人々の生活に変化をもたらしたことを引き合いにしつつ、こう熱弁した。ガラボやスマボは孫氏の造語とみられる。


スマボの優位性に関しては「ガラボは人がいちいちプログラミングをし、決まった動作をする。スマボはAIで自ら学習し、臨機応変に動いていく」と説明。応用が利きやすいため、より多様な産業で使われるようになるとみており、SBGはこの分野へ積極的に投資していると訴えた。


投資先の例として、自動倉庫型ピッキングシステムを手がけるノルウェーのオートストアや、物流拠点向けロボット開発会社である米バークシャーグレイを紹介。「この両方(の商材)を統合すれば、世界最強の倉庫システムができる」(孫氏)。国内ではSBG傘下のソフトバンクロボティクス(東京都港区)がオートストアの製品を発売した。バークシャーグレイについては2022年以降に販売を始める見通し。


また、詳細な時期は明らかでないが、中国キーンオン・ロボティクスの配膳ロボットなども日本での展開が計画されている。


スマボが必要な背景として孫氏が指摘したのは、日本の競争力低下だ。「労働人口は急に増えない。生産性も低迷したままだ。スマボが日本復活のカギを握る」と分析。加えて「僕に特技があるとするなら、時代の流れを人よりも少し早く的確に読むこと。昔から得意」と豪語した。


SBGはスマボの領域でソフトバンクロボティクスやオートストアなど18社を抱える。孫氏はこれについても「最先端のスマボ企業軍団」と自賛する。思い描いた未来の実現に向け、今後は投資先の業績向上や自社グループ企業同士の相乗効果拡大をどれだけ進められるかが問われる。

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_86efd374e773_【キーワード・30秒解説】空飛ぶクルマ 86efd374e773 86efd374e773 【キーワード・30秒解説】空飛ぶクルマ oa-newswitch

【キーワード・30秒解説】空飛ぶクルマ

素早く“点から点”へ空を移動できる
電動航空機の一種で、一般には「垂直に離着陸して、滑走路がいらないもの」を指す。「eVTOL(イーブイトール、電動垂直離着陸機)」とも呼ばれる。従来の航空機とは異なり、好きな時に素早く“点から点”へと移動できることが特徴で、次世代のモビリティーとして注目されている。世界で200-300社が開発を急いでいるとされ、日本ではトヨタ自動車の出身者らが設立したSkyDrive(東京都新宿区)や川崎重工業などが参入。政府も法整備の検討などを進めており、2023年にも実用化する目標を掲げている。



《「空飛ぶクルマ」の今がわかるニュース》

 トヨタも出資する“空飛ぶクルマ”、2040年には150兆円市場に!

 実現近づく「空飛ぶクルマ」、政府も期待する裏で浮かび上がる課題

 東大発スタートアップが米国で発売する「空飛ぶクルマ」の全貌

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スカイドライブが手がける空飛ぶクルマ「SD―03」

cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_1872481ff8e1_楽天がSDGs目標を達成するために「市場」で発信する情報 1872481ff8e1 1872481ff8e1 楽天がSDGs目標を達成するために「市場」で発信する情報 oa-newswitch

楽天がSDGs目標を達成するために「市場」で発信する情報

ECでサステナブルな商品提供

楽天グループは、電子商取引(EC)サイト「楽天市場」内に特設ページを設け、サステナブルな商品を紹介している。自然環境やフェアトレード(公正取引)に対する消費者の関心を高め、商品選びの手段の一つにしてもらう考えだ。また、出店者向けに国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関するセミナーも開催している。大手EC事業者として、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に向き合う。


同社は2018年に「アースモール・ウィズ楽天」を提供開始。海洋管理協議会の「MSC」認証や水産養殖管理協議会の「ASC」認証など、環境や社会に配慮した八つの認証取得が確認できた商品を中心に約7万点を紹介している。取扱商品数が当初の10倍に増えたほか、コロナ禍を背景に暮らしを見直す消費者が増加し、売上高も前年比2倍と好調に推移している。


商品を紹介するだけでなく、生産者がどのような課題に向き合っているか、生活の中にサステナブルの視点をどう取り入れるかなどの情報も併せて発信。消費者に身近に感じてもらうことで利用増につなげている。今後は認証取得の有無にとどまらず、脱プラスチックや国産、省エネルギーなど多様な視点を取り入れ、対象商品を拡大する考えだ。







また、19年から出店者向けにSDGsを経営に落とし込むための啓発活動を実施。セミナー参加者の中にはアースモールに出品するために楽天市場を選んだケースもあるといい、ECモールとしての差別化にもつながっている。このほか、セミナー参加を契機に一から勉強し、楽天グループの支援を受けて自社の置かれた環境と課題を認識、整理し、目標策定まで至った出店者も出てくるなど効果が上がっている。


今後は出店者向けの大型イベントで関連セミナーを開催するほか、オンラインセミナーの内容も拡充する。また、「SDGs未来都市」である長野県と協力し、同県内の出店者への啓発活動で連携する計画だ。


オンラインセミナーのご案内






ニュースイッチでは、SDGSに関連したオンラインイベントを開催します。本イベントはSDGsを学ぶための講座ではありません。サステナビリティへの取り組みをレベルアップさせたい方向けの「SDGs実践」ウェビナーです。
「SDGsを経営戦略に落とし込みたい」と感じている方、「SDGsに取り組んでいるが、どうも成果が出ていない」と悩んでいる方の参加も歓迎です。
2030年まで残り9年となりました。コロナ禍からのより良い社会への回復、カーボンニュートラルといった最新状況をふまえ、
SDGsの具体的な取組み方法、企業戦略への落とし込み方など、実践的な内容をご紹介します。ピーター D. ピーダーセン氏に直接アドバイスを受けるコーナーなども設けます。


2021/10/8(金) 14:00 ~ 16:00

{{<<申し込みはこちらから>>|https://select-type.com/ev/?ev=jskzmVkpdrE&ui_medium=display&ui_source=newswitch&ui_campaign=sdgs-webinar|https://news.line.me/reflink/71/3/f836b80c32e86b68669fe967a619f3e7e8935d1e}}

参加料(書籍代込):¥33,000(税込)

申し込み締切 2021年10月7日(木)12:00

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_73f4a8ebe260_三菱重工グループが進める水素貯蔵プロジェクト。石油メジャーが参画する事情 73f4a8ebe260 73f4a8ebe260 三菱重工グループが進める水素貯蔵プロジェクト。石油メジャーが参画する事情 oa-newswitch

三菱重工グループが進める水素貯蔵プロジェクト。石油メジャーが参画する事情

三菱重工業グループなどが米国で進める水素貯蔵プロジェクトに石油メジャーの米シェブロンが参画する見通しになった。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向け、シェブロンは水素を重点分野に位置付けており、インフラ整備に向け業界を超えて連携する。


三菱パワーの米国法人が、岩塩空洞の開発・運営会社である米マグナムデベロップメントと運営する先進的クリーンエネルギー貯蔵事業の合弁会社にシェブロンが出資する方向だ。マグナムが米ユタ州で運営する岩塩坑に、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー由来の水素などを貯蔵する施設を整備し、地域の発電に利用する計画。


三菱パワーは水素を燃料に使う発電設備も同州で受注済み。大型ガスタービンの燃料転換に必要な技術開発を強化している。同社とマグナムは世界最大級となる100万キロワット級エネルギー貯蔵施設の開発を目指している。


三菱重工は環境負荷の低いエネルギーへの転換を成長戦略に位置付ける。水素の製造から貯蔵、輸送、利用に至るエコシステムを外部と連携しながら構築する。10月をめどに三菱パワーを三菱重工に統合し、総合エナジーカンパニーとしての体制を強化する。


一方、シェブロンは脱炭素への対応が課題だ。水素などの次世代エネルギーの事業化を狙う部門を設け、温室効果ガスの排出抑制が難しい産業における水素需要を取り込む戦略を進めている。

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cat_oa-newswitch_issue_dcb4254cb523 oa-newswitch_0_70221f105827_「コンピューターを盲信しないように」。知能ロボット専門の教授が大切にする学び 70221f105827 70221f105827 「コンピューターを盲信しないように」。知能ロボット専門の教授が大切にする学び oa-newswitch

「コンピューターを盲信しないように」。知能ロボット専門の教授が大切にする学び

大学生、伝えること学ぶ
福岡工業大学情報工学部情報システム工学科の木室義彦教授の研究室では、学生が小学生にロボットをプログラミングで動かすことを教えている。木室教授は知能ロボットが専門で、ロボットの周辺環境にさまざまなセンサーを設置し、ロボットの動きに役立てることを提案している。ロボットに関する教育は、学生が学ぶことも多いとして力を入れる。(西部・関広樹)


木室教授は「ロボットを含めコンピューターとは『こういうことができて、できないこともある』と教えることが必要」と話す。







プログラミングを教える手段にはゲームもあるが、対象物が動く方が分かりやすいと考えロボットにした。「ゲームで壁にぶつかることはあってもそう見えるだけ。実際にぶつかるとなると、そうならないためにどうすればいいか真剣になる」と説明する。


木室教授は以前、盲学校の中高生にロボットのプログラミングを教えた経験もある。その際は2輪駆動のロボットを使用。生徒らはロボットを触り、走行時の音などで動きを実感した。


小学生に対して教える内容は、基本的には中高生向けと同じだ。ただ、角度の概念など年次によって習っていない言葉や事柄もあり、配慮や工夫が求められている。現場で相談しながら進めて、反応を見つつ改善を重ねる。そんな場合でも「難しくても動きを見せると理解が進む」のがロボットの強みだとする。


強調して教えるのはロボットがプログラムで動くこと。電話同様のキーパッドの数字で前後左右の動きや動作時間を入力して実行させる。子どもが飽きないように、できるだけ早く動かせる仕様にすることがポイントの一つ。2019年には飛行ロボット(ドローン)を導入した。


「コンピューターを妄信しないような経験をさせたい」とする。人間が誤ったプログラムを入れれば、間違い通り動くことを実感してもらう。間違うこと自体や、他の数字を入れてみようと数字を変えることは歓迎する。思った通りに動かないことを、なぜだろうと考えることを重視する。「想定外のことをしてくれるほうが盛り上がる」とする。


小学生に教えることを通じて大学生が学ぶことは多い。プログラム作成のためのプログラムは学生が作る。それは先輩から受け継いだもの。子どもたちと一緒に使っていると足りない部分が分かる。プログラムのコードを解析して課題に対処したり、新しい機能を加えたりする。


小学生との交流は学生が社会に出てからのコミュニケーションに通じることがある。木室教授は「小学生に分かるように伝えてみて、それで伝わらないのは、学生自身が知識があってもよく理解していないということ」と指摘する。こうしたことは、コミュニケーションをとってみて初めて分かるという。


学生が社会の中で、専門家ではない上司や関係者に自分の言いたいことを伝えられるか。その技能を鍛える場にもなっている。

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