cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_aaf0625f77e7_VRゲームを進化させる、直径1m内で無限に歩け続けられる装置 aaf0625f77e7

VRゲームを進化させる、直径1m内で無限に歩け続けられる装置

 広島市立大学の脇田航助教は、仮想現実(VR)ゲーム用の360度方向の歩行入力装置を開発した。腰を囲むドーナツ状のクッションの中に荷重センサーを配置し、移動方向を検出する。歩くように脚を上げた動きを計測して歩行や走行としてVRゲームに入力する。直径1メートル程度の装置の中で無限に歩き続けるようなVR体験ができる。

 VRゲームでは全身の動きを狭いスペースで計測し、コンテンツに反映させることが課題になっている。本当に歩いたり走ったりすると広いスペースが必要になり、ヘッドマウントディスプレー(HMD)などの配線の取り扱いが問題になってくる。

 そのため乗馬やサーフィンのような乗り物に乗せて下半身の動きを制限するコンテンツがアミューズメント施設では主流だった。

 今回、脇田助教は、クッションで腰を囲い、脚を動かしても実際には移動しない計測装置を開発した。クッション内部には腰の高さに荷重センサーが配置され、装置に体重をかけるとその力を検出する。さらに膝の上げ下げを、膝の付け根の高さのセンサーで計測する。膝の角度の計測分解能は5―15度程度。膝を上げ下げする速度を移動速度に反映できる。

 検出システムの部品原価2万円で構成できる。研究用試作ではドーナツ状のクッションや架台が高価になっているが、構造自体はシンプルなため量産機ではコストを抑えられると見込んでいる。

 ベンチャーを立ち上げて事業化する計画。まずは施設用のVRアトラクションに提案する。将来は家庭用の歩行入力システムに展開したい考えだ。

外部リンク

cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_02a51b9c50c2_どうして男は小さな面倒を押し付けるのか?男女間の「失敗」を紐解く 02a51b9c50c2

どうして男は小さな面倒を押し付けるのか?男女間の「失敗」を紐解く

 恋愛にまつわる話の収集という一風変わった活動を行うユニット「桃山商事」の清田隆之氏は、これまでに約1200人の恋愛相談や悩み相談を受けてきた。それぞれのエピソードに共通する男性のコミュニケーションにおける「失敗」を20項目に分類し解決策を考えた著書『よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門』が話題だ。目次には「小さな面倒を押し付けてくる男たち」「謝らない男たち」「付き合い始めると油断する男たち」といった項目が並ぶ。失敗に対し、「男をひと括りにするな!」と反発する方も多いだろう。「しかし、女性たちから聞くエピソードの中には、このような男性たちが繰り返し登場するのもまた事実です」と同書の中で清田氏が指摘するように、多くの男性に共通する「失敗」は存在する。(取材・昆梓紗)

「男らしくない」と言われて育つ男たち
―この本は桃山商事の活動がベースになっていますね。
 大学時代から約20年間、桃山商事の活動でたくさんの恋愛相談を受けてきました。相談を寄せるのはほぼ女性で、初めの頃はその悩みも「女性の問題」だと思っていて。でも相談を受けているうちに、それぞれの内容の共通点が見えてきてこれは男性の問題でもあるのでは、と考えるようになりました。

―そもそもなぜ男性からの相談が少ないのでしょうか。
 思うに、感情の言語化があまり得意ではないこと、弱みを見せることへの抵抗、さらに自分の心身に対するケア意識の希薄さといった要因があるように感じています。これらの条件が重なって相談に来にくい環境にあるのではないでしょうか。自分の中にもそういうところがあって、悩みごとや苦しい出来事があっても人に相談するのがわりと苦手なので……。

―本書では1つの項目に対して注釈や具体例の列挙、論理的な説明にかなりの分量を割いています。誤読リスクを考慮しているのでしょうか。
 どうしても「男性性」や「男らしさ」といったものに対して批判的な本になるだろうことは想定していたので、男性の耳の痛い話をどう届けるか、そこは長いこと悩みました。僕自身、決して高みに立つような人間ではなく、様々な失敗をやらかしている“当事者”なので…そのあたり正直に書いた方が届きやすくなるのではと思い、自己反省も含め自分のエピソードを多く書き込みました。
 また「Not all men(男をひと括りにするな)」という話ではあると思うので、事例や論拠を示す・攻撃性を薄める・意見を押し付けない、ということは書く上で強く意識しました。行間を持たせず、「こういう男性のエピソードがあり、自分はこう考えているけれど、皆さんはどう思いますか?」というスタンスで書きました。

―そもそもコミュニケーション上の失敗に気づけるのか?という問題もありますね。
 コミュニケーションは相手があってのものなので、他人に見えている自分の方がリアルに近いのではないかと個人的には考えています。アクションした時の相手の反応を見て、「いまの言い方はまずかったかな」などと考えますよね。しかし自分起点になってしまうと、「何でわかってもらえないの?」などと独りよがりの見方になったり、失敗を相手に指摘されたとき防御反応をとったりしてしまうのではないかと思います。

―失敗を認められない、防御反応などの背景には個人の性格や環境の問題もあると思いますが、こうも共通してエピソードの中に登場しているところを見ると、それだけではない気がします。
 やはり弱みを見せづらいというのが男性をとりまく環境にあると思います。子どものころから「泣いたら男らしくない」などと言われて育ったり、友人同士でも弱みを見せるといじられたり、最悪いじめられたり…。そういった「男らしさ」の型をつくる圧力が複雑に混ざって失敗を認められない何かを形成しているのだとは思います。
いったんジェンダーのせいにして、失敗を認めてみるのもひとつの手だと思っています。失敗を認められないままでいると、周囲の信用を食い潰すことになります。失敗を認めた上でその原因や対策について考える方が前向きです。
 不満が蓄積した結果、ふとしたきっかけで感情が爆発することを「コップの水があふれる」と表現をします。男女関係において、コップの水があふれた瞬間(例えばケンカ)や表面張力の部分(不機嫌や一触即発の雰囲気など)に注目しがちですが、そもそも「水」はどんなときにたまるのか、「水」とは何なのかを一冊かけて考えた本にしたつもりです。

―いくつかの問題の根底にあるのは「軽視」だと思います。相手との関係もそうですが、自分に対しても「軽視」する傾向にあるように感じます。
 いわゆる「セルフネグレクト」というものですよね。男性社会には自分のことを省みない人がかっこいいという風潮すらあるように感じます。本書の中で紹介した「上下関係に従順すぎる男たち」は、乗り気でなかったり他の予定を後回しにしてまで、上司や先輩からの誘いを断れないという例です。また「身体のことを考えていない男たち」では体調不良を軽視して病院に行かない、不摂生を栄養ドリンクやサプリなどで一発逆転しようとするエピソードなどを紹介しました。
 これらには「いやだな」「つらい」という自分の気持ちを無視して、ガンガン進むのをするのを良しとする風潮に流されていることから生まれているように思います。その価値観に染まってしまうのは怖いなって思います。

―女性でもそうですが、「いやだな」などと思っても感情を整理して言葉にすることって意外と難しいですね。
 本書中には失敗のパターンの1つに「不機嫌になって黙り込む」「不機嫌の理由を述べず相手に忖度を求める」を紹介しました。不機嫌な態度を取る男性たちって、自分の中にどのような不快感が発生しているのか、それを理解(=言葉で捉える)しないまま相手に「取り除け!」「ケアしろ!」と求めているわけですよね。これは感情の言語化がうまくいっていない典型的な例だと思います。
 本書でも紹介した『ソーシャル・マジョリティ研究』(綾屋紗月ほか著、金子書房)という本によれば、感情の言語化とは「身体的把握」と「言語的理解」がうまく結びついて初めて実現されるそうです。つまり、「お腹が痛い」とか「ドキドキする」という身体的反応が先にあり、「それは緊張しているからだ」とか「相手から威圧感を感じてビビっているからだ」という文脈的な理解ができて初めて、感情が言語化される、という感じです。
 しかし身体反応に対し、実感とは異なる言葉を貼りつけてしまうと、間違いが起こる。例えば恐怖によって足が震えているはずなのに、その恐怖を認めず「これは武者震いだ」「ビビってないぜ!」など実態と乖離した言語的理解をしてしまうと、自分の感情がよくわからなくなっていく。特に男性はこういうことをやりがちなのではと感じています。


―なんだか“中二病”というか小学生男子みたいですが…
 大人でもついこういうことをやってしまいますよね(笑)。これを避けるためには、まず自分の身体反応に敏感になることと、その反応に対し適切な言葉を割り当てていく習慣を身につけることが必要だと思います。
 その時に問題になるのが「ネガティブな感情を認めることができない」という傾向です。本当は悲しいのに「これは悲しみではない」などと否定してしまう男性は少なくないと思います。あとはボキャブラリーの貧困さ。「つらい」とか「いやだ」と思うことはとても大事だと思いますが、その言葉だけだと解像度が低く、ざっくりとしか把握できない。また、身体反応に間違ったラベルを貼ってしまう、身体反応そのものを無視する、というのも起こりがちです。

―ボキャブラリーを増やしたり、間違ったラベルを正しく貼りかえたりするにはどうしたらよいのでしょうか。
 誰かに自分の話を聞いてもらうと、話しているうちに「自分はこう思っていたんだ!」と発見することってありますよね。そういう体験を重ねることで感情の言語化能力は養われていくように思いますが、一方で自分の感情を「話しきる」ことって意外に難しく、特に男性同士の会話の場合、話の途中で茶化しやイジりのようなものが入り、話し手もそれに乗ってふざけてしまったり…ということが少なくありません。
 特に今の時代、コミュニケーションの“持ち時間”が少なくなっているように感じています。バラエティ番組のように「ボケ」「ツッコミ」など役割が決まってしまったり、テンポの良さが求められたり。自分の話を未整理のままダラダラ話す機会は果たしてあるのだろうか?と。

失敗は青春に似ている
―「男」と括らずに「男女限らず人間こういうとこありますよね?」という書き方もできたと思います。
 この本は女性たちから聞いたエピソードをもとにしているので「男たちの失敗学」としていますが、もちろん男性だけの特徴というわけではないと思います。ただ、すべて異なる男性のエピソードにも関わらず、なぜこんなにも似通った話が多いのか…。自分としてはそこがとても気になる部分でした。僕には集まったエピソードをもとに考察することしかできませんが、例えば多くの女性たちが不満に思っている「小さな面倒を押し付けてくる男たち」という問題の背景には、家事やケアを“女性の仕事”と見なす価値観が関与しているかもしれない…。そういうアプローチでひとつひとつの問題と向き合っていきました。
 ただ、本を読んでくれた女性からは「私にも当てはまるところが結構あります」という声をよく聞きます。一方の男性からは「これって男だけの話じゃないよね?」という声が多い。女性のほうが自責的な傾向があるのか、この違いも興味深いところだなと感じています。

―家庭や夫婦、親子をとりまく環境は過渡期にあると感じています。従来決められていた男女の役割的なものが変化しているので、次の世代の男性は本書にあるような傾向とはまた変わってくるかもしれません。
 そうかもしれませんね。本書ではアラサー世代の女性から聞いたエピソードがもとになっているので、その恋人や夫、あるいは会社の上司まで含めても、ここに登場する男性は20代後半から上はアラフィフ世代くらいになると思います。桃山商事でもここ数年は大学生男子からの相談も増えていますが、確かにジェンダー観の変化は感じています。

―清田さんにとって失敗とはどういうものなのでしょうか。
 ありふれた言葉で恐縮ですが、失敗は人生を豊かにしてくれるものでもあると思います。失敗をしたときって、ものすごく落ち込みますよね。自分の存在が認められなかったり、拒絶された気持ちになったり、そういった苦しさや悔しさを避けては通れないし、今まで当たり前だと思っていたものが通用しなくなったり、時間の流れが急に変わってしまったような感覚に陥ったり…。人は失敗をすると、一挙にいろいろなことを感じると思います。自信もプライドも傷つくし、できれば避けたいものではあるのですが、そういった体験が自分を耕してくれる部分は確実にあると思います。渦中にいるときは苦しいけど、振り返ってみると今の自分を構成する大事な要素にもなっている。それが失敗というものではないかと思います。
 くさい言い方ですが、失敗は「青春」にも似ていますよね。青春って先行きの見えない時間の中で言葉にならない膨大なエネルギーに振りまわされる季節のことだと思うんですが、七転八倒やトライアンドエラーを繰り返しながら、少しずつ成熟していき、人は大人になっていく。あとから振り返ったときに思い出として残るのは、無難な日々よりも手痛い失敗の経験ではないかと思います。

―年齢を重ねてくると、失敗が起きていることに気づかないふりをしがちなのかもしれません。失敗をどんどん流していくと、周りの人に負担や歪みが押し付けられることが多発していくのではないでしょうか。
 確かに失敗と向き合うのはエネルギーが要るし、忙しい日々にあっては、なるべく気づかないふりをして過ごしたほうが生産性やコストパフォーマンスは向上するのかもしれません。しかし、たとえ失敗が表面化しなかったとしても、そのしわ寄せが誰かに行ってしまったり、まわりの人から秘かに冷ややかな目で見られていたり…そういったことが怒っているかもしれない。失敗を認めて恥ずかしい思いをすることと、知らぬ間に他者からの信頼を失うことでは、はたしてどっちが怖いですかって話だと思うんですよ。どう考えても後者のほうが恐ろしいですよね…。そうならないためにも、失敗と向き合えるマインドをキープしていきたいなと、個人的には思っています。

おっぱいじゃなく失敗を見つめよう
―ジェンダーの話が盛り上がって忘れかけていましたが、「ニュースイッチ」は一応ビジネス系のウェブサイトなので、「職場で起こりやすい男の失敗例」も教えていただけますでしょうか。
 最も恐ろしいのは「失望され、信頼を失うこと」だと思います。職場は一種の公共空間であるはずなのに、まるで自分の家かのように振る舞い、後輩や女性たちから失望されてしまう。使った備品を戻さない、小さな面倒を押し付ける、相手の話をろくに聞かない、セクハラめいた発言を繰り返す……など、失敗の種はそこかしこに広がっているように思います。

―上司、部下など力関係も相まってより失敗が起こりやすい環境にありますね。
 仕事の文脈で出会う人は、女性であろうと男性であろうとすべて「仕事相手」として接する。これを原則に振る舞うのが大事だと思います。たとえ女性の部下に褒められたり頼られたりしても、それは「上司として」頼られているのであって、「男として」褒められているわけではありません。また男性の部下に対しては、「同じ男だから」といった感覚は一切捨てるべきでしょう。例えばご飯に行けばライスの大盛りを強要する。激務を嫌がる男性社員を「軟弱者」と見なす。最悪の場合、飲み会のあとに風俗やキャバクラへ連れて行く。こういった振る舞いは相手が同じ男性であっても「ハラスメント」になるという意識を持つべきだと思います。

―これからの時代、新しいジェンダー観を持って働くには。
 性別に囚われず、まずは相手の話にしっかりと耳を傾けることが大事だと思います。その中でもし「これは男女の差に起因する問題だ」と感じるものがあれば、背景にあるジェンダー構造を学び、日々の仕事やコミュニケーションに反映させていく。そういう態度でのぞむことが、後輩や女性たちから失望されないための道ではないかと、個人的には考えています。

―「敗戦に学ぶ」「企業不正の歴史」「PDCAビジネス術」などどいう類の本やエピソードは好んで読まれます。ビジネスにおいての失敗はしっかり認識され、研究されていますよね。
 ビジネスの文脈においては、「失敗は成功の母」という格言がリアリティを持って受け止められているように感じます。でも、こと人間関係、特に男女間のコミュニケーションにおいては、はたして失敗というものはしっかりと直視・検証されているのか。個人的にはそこに疑問を抱いています。
 以前ツイッターで「男は落ち込んだとき、『おっぱい揉む?』って言われると元気になる」という内容のつぶやきが話題になったことがありました。傷ついた心を優しく癒やして欲しいという心情の表れだとは思いますが、それでは具体的な振り返りにはなりませんよね…。韻を踏みたいわけじゃありませんが、「おっぱいじゃなくて失敗を見つめよう!」と声を大にして言いたいです。そのほうが絶対、イケてるメンズになれると思うので。


【略歴】
清田隆之(桃山商事)
きよた たかゆき
1980年東京都生まれ。文筆業、恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。早稲田大学第一文学部卒業。これまで1200人以上の悩み相談に耳を傾け、それをコラムやラジオで紹介している。恋愛とジェンダーの問題を中心に執筆活動を行い、雑誌、ウェブメディアなど幅広く寄稿。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)、『生き抜くための恋愛相談』(イースト・プレス)、『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』(同)、トミヤマユキコさんとの共著に『大学1年生の歩き方』(左右社)がある。

『よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門』
目次
PART1 モヤモヤさせていること
 その1 小さな面倒を押し付けてくる男たち
 その2 何かと恋愛的な文脈で受け取る男たち
 その3 決断を先延ばしにする男たち
 その4 人の話を聞かない男たち
 教えて、先生! テーマ「セクハラ」金子雅臣先生
PART2 軽く引かれていること
 その5 謝らない男たち
 その6 女性の身体について無理解な男たち
 その7 仕事とプライベートで別人のようになってしまう男たち
 その8 プライドに囚われる男たち
 教えて、先生! テーマ「性教育」村瀬幸浩先生
PART3 迷惑だと思われていること
 その9 イキるくせに行動が伴わない男たち
 その10 男同士になるとキャラが変わる男たち
 その11 すぐに不機嫌になる男たち
 その12 何ごとも適当で大雑把な男たち
 教えて、先生! テーマ「ホモソーシャル」前川直哉先生
PART4 悲しい気持ちにさせていること
 その13 付き合い始めると油断する男たち
 その14 「ほうれんそう」が遅すぎる男たち
 その15 上下関係に従順すぎるたち
 その16 話し合いができない男たち
 教えて、先生! テーマ「DV」中村正先生
PART5 理解できないと思われていること
 その17 お金のつかい方が意味不明な男たち
 その18 身体のことを考えていない男たち
 その19 保守的で変化を嫌う男たち
 その20 シングルタスクな男たち
 教えて、先生! テーマ「ハゲ問題」須長史生先生

連載・なぜ?なに?失敗(全6回)
【01】動物ライター 丸山貴史氏(8月19日配信)
【02】元JAL機長 小林宏之氏(8月20日配信)
【03】元芝浦工業大学大学院教授 安岡孝司氏(8月21日配信)
【04】離婚式プランナー 寺井広樹氏(8月22日配信)
【05】恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表 清田隆之氏(8月23日配信)
【06】感性リサーチ社長 黒川伊保子氏(8月24日配信)

【ファシリテーターのコメント】
「男の」と一括りにすることに賛否はあると思いますが、実際に起きている失敗に目を背けて良いのでしょうか。もちろん男女問わずジェンダーバイアスに囚われたことによる失敗は起こります。コミュニケーションの失敗で特徴的なのは、本人が自覚しにくいことだと思いました。気づかぬうちに、静かに信頼を失っているかもしれません。
一見刺激的な本ですが、清田さんの優しく細やかな文章で耳の痛い話も受け入れやすくなっています。
昆 梓紗

外部リンク

cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_71df5c12751e_SOMPO、フィンテックでアフリカに熱視線の理由 71df5c12751e

SOMPO、フィンテックでアフリカに熱視線の理由

 SOMPOホールディングス(HD)がアフリカのフィンテック企業に熱い視線を送っている。2018年にケニアなどアフリカ諸国を中心に仮想通貨を活用した国際送金サービスを展開するスタートアップに出資。現在同サービスの活用方法を検討している。28日から横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)では併催の展示会に出展予定で、これを一つの弾みとして、アフリカのデジタルイノベーションに参画する。

 SOMPOHDの出資先であるビットペサは、仮想通貨ビットコインを活用した国際送金サービスを提供するスタートアップ。13年にケニアのナイロビ市で設立。ケニアやタンザニア、コンゴ民主共和国、セネガル、ガーナなどアフリカ10カ国のほか日本や欧州でも事業を展開している。

 SOMPOHDの楢崎浩一最高デジタル責任者(CDO)は同サービスの活用方法について「いろいろな可能性がある。特定するのは時期尚早だ」とし「(実際の事業化は)2020年以降になる」としている。アフリカでは、スウェーデンの小口保険、BIMA(ストックホルム)がガーナやセネガルなどでモバイルによる保険商品の提供を行うなど、フィンテック分野への参入が盛ん。楢崎CDOは「今後は保険や農業のスタートアップに出資する可能性もある」としている。

 SOMPOHDは、14年に日系の損害保険会社初となるアフリカ駐在員事務所を南アフリカのヨハネスブルグに開設。17年には、SOMPOHD傘下の損害保険ジャパン日本興亜などがアフリカの大手保険グループであるサンラム・グループ(南アフリカ)、サハム・グループ(モロッコ)と提携し、再保険の引き受けを行っている。



【ファシリテーターのコメント】
                        
日刊工業新聞 記者

外部リンク

cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_dde1e25af413_資金をかけずに「SDGs」を導入した造園業者が実現したこと dde1e25af413

資金をかけずに「SDGs」を導入した造園業者が実現したこと

 中小企業の多くが持続可能な開発目標(SDGs)を経営に活用する上でコストを課題と感じている。ただ、SDGsの推進に決まり事はなく、資金をかけずに導入できる。造園業の日比谷アメニス(東京都港区)は、コンサルタントなどに頼らず自前でSDGsを取り入れた環境宣言を策定した。従業員500人の同社にCSR専門部署はなく、多くの企業が参考にできそうだ。

業務別に目標設定、一覧に
 日比谷アメニスの環境宣言が記載されたパンフレットを開くと、同社グループとSDGsとの関係を一覧できる。業務別にSDGsの17目標が整理され、取り組むと好影響、注意を怠ると悪影響を与える目標も分かる。1枚にまとまっているので携帯しやすく、そのまま壁に掲示できる。同社は自前で作った。

 環境宣言の策定作業は2017年夏に始まった。環境緑花研究室の上杉哲郎室長は「造園業なので環境に関わるのは当然だが、もっと明確に環境貢献を発信しようとなった」と経緯を語る。事業の社会的価値の再確認などの狙いもあったが、発信によって同業者との差別化や新たなパートナー獲得につなげようとするビジネス上の動機も大きかった。 

 宣言は、十数人で立ち上げた委員会で検討した。委員長は工事部の課長、他のメンバーも現場社員だ。検討過程でSDGsに着目するようになった。SDGsに当てはめると、活動が社会的要請に合っているのか確認できるからだ。委員会メンバーは社外のシンポジウムや勉強会に出かけて関連情報を収集。建設業者や取引先、先進的と言われる企業のホームページも見てSDGsの活用例を学習した。18年8月、委員会で練った環境宣言を小林定夫社長が社員向けに公表した。

 現在、建設業とSDGsとの関連に詳しい専門家を招いた社内勉強会を開いている。「具体的に何をしたら良いのか、ヒントを得るため」(上杉室長)という。SDGsに取り組む初期段階で講師を招いた研修会を開く企業が多い。目標設定でコンサルタントによる指導を受ける企業も珍しくない。日比谷アメニスは勉強や目標づくりで自前を貫いたが、実際の活動に移す段階で必要に応じて外部に頼る。「宣言をして終わりではない。活動の方が重要」(同)とメリハリをつける。

事業に直結する目的を
 関東経済産業局の18年10月の調査によると、中小企業のSDGsの認知度は15%だった。SDGs推進の課題では「資金不足」「マンパワー不足」「何から取り組んでいいのか不明」という回答が多かった。

 日比谷アメニスでは、資金をかけずにSDGsを経営に導入した。また社員が参加する委員会活動にすることで人材不足も補った。SDGs推進の目的も明確だった。

 「社会の流れだから」と漠然とした理由ではなく、同業者との差別化やパートナー獲得などの具体的なメリットを意識していたので、委員会メンバーが情報収集に取り組む動機付けになった。事業に直結する目的があると、社内でSDGsを推進しやすい。
日刊工業新聞2019年8月9日

【ファシリテーターのコメント】
8月9日付「SDGs面」から。費用をかけず、社内にSDGsを浸透させた事例です。以前、パンフレットを見せてみただいた時、個性的と感じていました。その答えが今回の取材でわかりました。大手企業のSDGsの示し方は統一的すぎる気がしませんか。
松木 喬

外部リンク

cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_795fba6ed8c8_「カメラは縮小するが、“目”の膨大な市場がある」(キヤノン・御手洗会長) 795fba6ed8c8

「カメラは縮小するが、“目”の膨大な市場がある」(キヤノン・御手洗会長)

 キヤノンは2026年めどに売上高全体に占める新規事業の構成比率を40%(18年実績23%)に引き上げる。スマートフォンの普及などにより、稼ぎ頭だったデジタルカメラ事業が市場縮小の逆風を受けている。主力事業の落ち込みを補うため、M&A(合併・買収)を駆使して医療機器や監視カメラなど新規事業の強化・拡大を目指す。

 同社の御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO)が21日に日刊工業新聞社の取材に応じて明らかにした。「まだカメラなどの落ち込みをカバーしきれていないが、新規事業は順調に成長している」と強調した。

 19年12月期連結業績予想を2度下方修正するなど、足元の経営環境は厳しい。ただ、御手洗会長は「今はポートフォリオの入れ替えを行っている最中の端境期だ。来年以降は楽観している」と見通しを語った。

 現中期経営計画では21年前後に新規事業比率30%を目標に掲げる。15年は9%だったが、16年に当時の東芝メディカルシステムズ(現キヤノンメディカルシステムズ)を買収し、その比率が急拡大した。次期中計でさらに高い40%を目指す。

 御手洗会長は「カメラは縮小するが、光学産業で見れば自動車やロボット向けで、レンズとセンサーを組み合わせた“目”の膨大な市場がある」と光学技術の強化・応用を目的にしたM&Aを進める考えも示した。

外部リンク

cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_9254d17e265a_AIの研究を推進する上で俳句がよい題材になる深い理由 9254d17e265a

AIの研究を推進する上で俳句がよい題材になる深い理由

 人工知能(AI)について、さまざまな分野で社会実装に向けた取り組みが活発化している。こうした中、北海道大学大学院情報科学研究院の川村秀憲教授は、数多くの企業と共同研究を進めているほか、AIを使って俳句をつくる「AI俳句」の研究にも力を入れている。北海道でのAI研究をリードし、多くの課題に取り組む川村教授に研究の狙いや方向性を聞いた。

 ―企業との共同研究に積極的ですね。
 「常に10社ぐらいとやっている。長期的に考えると、国のプロジェクト頼りでは採択されないリスクがある。企業と共同研究することで、生きた課題に取り組め独自のデータも扱えるほか、研究費も提供してもらえる。成果はビジネスに生かされ世の中に出ていく。その課程で学生教育もできる利点がある」

 ―どのような研究分野がありますか。
 「例えば、ファッションを理解するAIや、ラジコンカーを用い多くの車両がスムーズに自動運転するための研究も行っている。競輪の結果を予測する記事の作成や、効果的なロードヒーティングの実施などもある」

 ―「AI俳句」を研究しています。
 「AIで俳句を作ることが目的ではなく、研究を進めるための一つの切り口だ。俳句を理解するということは人の価値観や生活、人生などを理解できるということ。AIがそれをできたらほとんど人と同じ能力を持っていると言える」

 ―AIと俳句の組み合わせは意外です。
 「AI研究は工学の専門家だけになりがちだが、AI俳句をやることで俳句を詠む人たちと関わり、議論する中で気づきがある。俳句の善しあしは人間の中にしか正解がない。俳句はAIにとっていい研究題材だ」

 ―現在はAIでどの程度の俳句ができるのですか。
 「過去の俳句をディープラーニングで学習させ、言葉のつながりを作る中で、俳句のようなものができているという状況だ。人が言葉をどう考えているのか、何をどう伝えているのか、価値観とは何なのか、これらを理解できるようなAI技術の開発を進めたい」

【記者の目/“人”の可能性を再発見】
AIの活用ニーズはさまざまな分野に広がっている。川村教授は多くの企業と共同研究しており、その成果の普及が期待される。一方、AI俳句の研究は人間を理解するという意味で奥が深い。AIが人間に置き換わるという視点で論じられることが多いが、AI俳句の研究では、人間の可能性を再発見できるのではないか。(文=札幌支局長・村山茂樹)

外部リンク

cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_093a31d346d3_日本一働きやすい自治体目指し「ありがとう」を送りあう奈良・三宅町 093a31d346d3

日本一働きやすい自治体目指し「ありがとう」を送りあう奈良・三宅町

 奈良県三宅町とNECソリューションイノベータ(東京都江東区、杉山清社長、03・5534・2222)は、情報通信技術(ICT)を活用し、職員間で感謝の気持ちを送りあう「ありがとうキャンペーン」を10月1日から12月27日まで実施する。対象は同町の職員約100人。ワークライフバランスに配慮した「日本一働きやすい自治体」を目指す。住民サービスの向上を通して、暮らしやすい街づくりにつなげる。

 キャンペーンでは米アップルの「iOS」に対応した、NECソリューションイノベータの感謝アプリケーション(応用ソフト)「Thanks App」を活用。キャンペーン期間中に、同アプリを使うために特化した端末を全職員に貸与する。

 1日の業務を振り返った時に感謝したい人がいる場合、その気持ちを同アプリのキャラクターなどで相手に伝える。匿名でも送れる。送られた人を中心にした人的ネットワークを可視化することで、職場での人間関係、風通しなどを分析する。キャンペーンの前後に、職場での働きがいや人間関係、組織文化などに関するアンケートも行い、キャンペーンの結果を可視化する。

外部リンク

cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_d4e569d89694_夏休み、子どもだけの留守番で最も不安なのは? d4e569d89694

夏休み、子どもだけの留守番で最も不安なのは?

 綜合警備保障(ALSOK)は小学生の子どもを持つ共働きの男女を対象に「小学生の子どもの防犯に関する意識調査」を実施した。それによると、半数以上の親が子どもの夏休みの生活に不安を感じていることが分かった。実際には、6割以上の親が、子どもだけで留守番をさせることがあり、訪問者対応への不安が最も多かった。

 また知らないうちに外出するなど想定外の子どもの行動を不安視する親が多いことも分かった。登下校時には約5割が防犯ブザーを持たせているが、放課後や休日に子どもだけで外出するときは15%以下に減る事が分かった。

 7月23日から26日までインターネットで調査した。対象者数は男女各250人の合計500人。
日刊工業新聞2019年8月22日

【ファシリテーターのコメント】
 ALSOKは、子どもだけで留守番をさせるときの約束事として「いいゆだな」を提唱しています。
 い…いえのカギを見せない
 い…いえのまわりをよく見る
 ゆ…ゆうびん受けをチェック(郵便受けがいっぱいだと空き巣に留守だと思われる)
 だ…だれもいなくても「ただいま!」
 な…なかに入ってすぐ戸締り
昆 梓紗

外部リンク

cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_61fd7acf04db_サービスの独自性出しにくいが…日立が特許情報の提供を強化する事情 61fd7acf04db

サービスの独自性出しにくいが…日立が特許情報の提供を強化する事情

 日立製作所は、知的財産の状況を示し、企業の経営や事業に貢献できるよう、特許情報提供サービスを強化している。6月には海外特許の要約を手がけるクラリベイト・アナリティクス・ジャパン(東京都港区)と国内で初めて協業。また、特許公報に記載されている技術を人工知能(AI)で自動分類する機能などをサービスに追加した。特許を経営戦略や研究開発に生かせる環境の整備に商機を見いだしている。(文=川口拓洋)

 日立製作所は世界100カ国の特許公報が調査できる特許情報提供サービス「シェアリサーチ」を提供する。日本の特許庁や米国の特許商標庁などは無料で公報を公開しており、サービスの独自性は出しにくいが、同サービスの有償データベースでは企業のニーズに沿った検索や解析、分類、複数の国にまたがった場合の調査などに有益だ。

 公報の記載内容は一般社員だけでなく経営者、研究者にとっても難解。その最大の要因は国ごとの用語や概念、分類項目の違い。例えば国によっては、特許で「ウエアラブルデバイス」と言えば「コンタクトレンズ」のことを指す。

 「日本では課題や用途、優位性など項目を分けているが、欧米はもちろん中国は申請者によってバラバラ」(公共システム営業統括本部知財ソリューション担当の小野雄一郎主任)と課題を話す。

 そこで日立は6月にクラリベイト・アナリティクスと連携。同社は59カ国8400万件の特許を自社で要約している。クラリベイトを利用した場合、ブリヂストンや村田製作所は、知財担当者が一定時間内に読解できる海外特許の件数が約40%増加した。現在の日立とクラリベイトの連携範囲はタイトルと抄録だけだが、今後は企業グループごとの特許データの見える化など連携範囲を拡大したい意向だ。

 AIの活用も難解な内容が多い特許の理解促進につながると期待される。日立ではシェアリサーチに概念検索、タグ付け、技術マップの三つの機能を追加。読解や分析に要する時間を短縮できる。「別のソフトウエアを使う必要もない。開発者が自分の目線で探せる」(同知財ソリューション担当の山下信也主任)という。同サービスの使い方やメリットなどを理解してもらう「知財ソリューションセミナー」も19年度は7回(すでに4回開催、18年度は6回)開催する計画だ。

 日立は今後3年間でAI機能の追加により新たに100社、クラリベイトとの連携で70社の同サービスの活用を目指す。「日本の研究開発費は18兆円。中国は40兆円、米国は50兆円と差がある。シェアリサーチで自社や他社の特許情報を分析・判断・活用する効率を上げ、企業の競争力強化を支援したい」(小野主任)と話す。

<関連記事>
日立のIT子会社が照準を定めた新たなビジネスモデル

外部リンク

cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_7c3fa29f01f5_子どもが目の検査嫌がらない、新器具を監修した北里大教授のアイデア 7c3fa29f01f5

子どもが目の検査嫌がらない、新器具を監修した北里大教授のアイデア

 “ポケモン”で目の検査を楽しく―。北里大学の半田知也教授が監修し、ヤグチ電子工業(宮城県石巻市)が製造販売する検眼用器具「ポケモンオクルーダー=写真」が好評だ。ピカチュウなどのポケットモンスターが描かれており、小さい子どもに親近感を与えることで斜視や弱視の検査時の不安を軽減している。

 同オクルーダーは、両目を使った立体視や斜眼の度合いを確認する簡易眼位スケールと、左右どちらの目を「利き目」に使っているかを見るホール・イン優位眼テストの2種類。無機的なテストより親しみやすく、子どもが検査を嫌がらないという。胸ポケットに差し込めるため、子どもとの話題の接ぎ穂にもなる。

 子どもの弱視や斜視は早期の治療が必要で、ある程度の期間がたってしまうと治療効果が薄れる。検査を嫌がらないことはとても重要で、ポケモンは海外でも人気のため世界中で活用できる。

 ポケモンを使ったのは半田教授のアイデア。半田教授は眼科で使う器具が子どもの利用を考えていないことを課題として捉え、オクルーダーのほかにも多くの子どもが受け入れやすい検査、治療用器具を開発してきた。「楽しく検査することが重要」とし、今後も企業などを巻き込み、さまざまな眼科向けの機器を作りたいとしている。
日刊工業新聞2019年8月22日

【ファシリテーターのコメント】
                          
日刊工業新聞 記者

外部リンク