cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_47b2435c9666_川崎市の知財マッチング、クリエーターが解放特許の活用アイデアを紹介 47b2435c9666 47b2435c9666 川崎市の知財マッチング、クリエーターが解放特許の活用アイデアを紹介 oa-newswitch

川崎市の知財マッチング、クリエーターが解放特許の活用アイデアを紹介

 川崎市や川崎信用金庫(同市川崎区)などが、地域中小企業に大手企業の開放特許を紹介して製品開発を後押しする「知財マッチング」を加速している。定期開催している交流会で、新たにクリエーターがプレゼンターとして参加。クリエーターが製品化アイデアを紹介し、特許の活用の仕方が浮かばず悩む中小企業を手助けする取り組みだ。今後、市は他の自治体でも交流会を開く予定で、各地域の経済活性化にもつながりそうだ。

 「特許選びの際は、各社の強みを生かせるものにするのが良い」―。川崎市や川崎信用金庫が9月に市内で開いた「かわしん知財マッチング交流会」の冒頭、同市産業振興財団の西谷亨知的財産コーディネータはこう強調した。当日は市内外の中小企業関係者約50人が参加した。

 会では大手企業の富士通、富士通セミコンダクター(横浜市港北区)が特許技術についてプレゼンテーションを実施。書類を挟み、ひとまとまりのタスクとして内容を無線で遠隔管理できる「スマートクリップ」技術などを富士通が紹介したほか、富士通セミコンダクターは電子タグを用いた「迷子検知システム」などを説明した。

 今回は特許紹介に加え、全国8万人のクリエーターが登録するクリーク・アンド・リバー社(C&R社)も主催者側で参加。クリエーター5人が特許の活用アイデアを提案した。このうちエージェントゲート(東京都千代田区)社長室の祖上仁氏は、富士通のスマートクリップ技術を活用した主婦向けの家事管理ツール「タスクリップ」というアイデアを提案した。子どもが学校でもらってきたプリント類などを挟み、スマートフォンで期限を管理しアラームも出せるという案を紹介。「さまざまなタスクを抱えるものの会社と違い、手伝ってくれる同僚がいない主婦の助けになる」と説明した。

 参加した中小企業経営者の反応も良かったようだ。川崎信用金庫の担当者は「終了後のアンケートでは、『特許の製品化に自社も取り組めると思った』など前向きな声が多く寄せられた」と手応えを得た。「事業化を具体的にイメージできるよう工夫したのが良かったのだと思う」と話す。

 今後、川崎市やC&R社による同様の知財交流会を2018年度内に3回行う。同市の取り組みに関心を持つ静岡県富士宮市などで開く予定だ。川崎市イノベーション推進室の木村佳司創業・知財戦略担当課長は「大手企業の特許で中小企業を盛り上げる川崎市の手法を広めることで、各地に特許の活用事例が増え、川崎市内中小企業と市外企業のマッチング機会増加にもつながるだろう」と期待する。
(文=大原翔)

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_92725db85717_“知の巨人”立花隆さんが語っていた日本を浮上させる科学技術のあり方 92725db85717 92725db85717 “知の巨人”立花隆さんが語っていた日本を浮上させる科学技術のあり方 oa-newswitch

“知の巨人”立花隆さんが語っていた日本を浮上させる科学技術のあり方

多くの調査報道や作品を発表し、「知の巨人」と称されたジャーナリストで評論家の立花隆(たちばな・たかし、本名・橘隆志=たちばな・たかし)さんが亡くなった。立花さんの執筆分野は幅広く、日本人科学者がノーベル物理学賞を受賞した素粒子ニュートリノ研究など、最先端科学技術の取材にも力を入れ、サイエンスライターとしても知られていた。日刊工業新聞社は2013年1月に日本を浮上させる科学技術のあり方についてインタビューしている。その模様を再掲する。

インタビュー/ジャーナリスト・ノンフィクション作家の立花隆氏

出典:日刊工業新聞2013年1月28日

第2次安倍晋三内閣は成長戦略の柱にイノベーションを据えると表明。科学技術政策の企画立案や調整を行う総合科学技術会議の権限強化や、先端技術研究への投資を強化する方針を打ち出している。科学の分野にも精通したジャーナリスト・ノンフィクション作家の立花隆氏に日本を浮上させる科学技術のあり方について聞いた。(聞き手・政年佐貴恵)

―2012年は山中伸弥京都大学教授のノーベル賞が決まるという明るい話題がありました。がん闘病の様子をドキュメンタリーにするなど、病と付き合いながら過ごしてきた立場として、この成果をどう見ますか。


「ずいぶん前から薬で肉体トラブルを癒やしながら生活するという世界ができてきたが、これからもこのやり方は続くだろう。創薬・薬分野は将来も有望だ。万能細胞(iPS細胞)は再生医療に役立つと取り上げられることが多いが、何に一番利益を与えるかと言うと、創薬の分野だ」


「創薬にはいわゆる生体実験が欠かせない。(iPS細胞で臓器などを作れるようになれば)従来は人体で行っていた試験を細胞でできる。これまでにない発見だ。患者の細胞から作ったiPS細胞を使えば、開発の仕方はより合理的になる。試験投与の現場では実際に使われつつある。iPS細胞を具体的にどう利用するか、すでに始まっている」


―山中教授はマネジメントが優れていたという評価も高いですね。


「オーガナイザーとしての彼の功績は、山中因子の発見者としてのそれよりも大きい。全体を俯瞰(ふかん)する力があり、問題点は何かを見極め、早いうちから必要な所にアプローチしていた。官庁も支援したが、日本全体でiPS細胞を活用する下地を作った」


「特定の遺伝子を導入するとiPS細胞になることは証明したが、原理はまだ分かっていない。原理の解明はこれからだというのは本人がきちんと分かっている。何度か会ったことがあるが、謙虚でなかなかの人という印象だ」


―産業の芽の先端技術が実を付けるようになるには、何が必要なのでしょうか。


「企業は数十年、最低でも20―30年のスパンで、その技術にどんな意味があるのか、将来はどうなっていくのかを見据えて投資しなければいけない。日本には短期の指標を重視する米国の株主とは違い、長い目で見る土壌もある」


「日本は1995年に科学技術創造立国をうたい、その後、財政が傾き始めても科学技術予算は聖域として残していた歴史がある。その20年の成果が出ているのが今だ。しかし民主党政権からこの仕組みがおかしくなった。『悪いのは官僚』と攻撃していたが、官僚は社員のようなもの。それを否定して成り立つわけがない。あの3年3カ月で本当に日本は後退してしまった」


―昨年12月に政権交代がありました。


「安倍首相は失敗を学んできており、手堅いのでは。科学技術予算にも力を入れると言っているし、当座は悪くない格好が続くだろう」


―「アベノミクス」という造語もでき、期待は高まっているようです。


「いずれにしても経済は常に回っていないといけないが、ネガティブな方向で回そうとしても無理。経済そのものが社会を回す人の心による所が大きい。アベノミクスは日本人の日本に対するマインドが変わったからではないか」


―「景気は気から」ということですね。


「その通り」


―11年3月11日に発生した東日本大震災で人々の科学技術不信が起きていると言われますが、どう解決していくべきでしょうか。


「東京電力福島第一原子力発電所の事故に対する今の日本人の反応は異常だ。4種類の調査報告書が出たが、どれを読んでも原発技術そのものが悪いとは言っていない。人災かシステム災かで言えば、ほとんど全て人災だ。あの事故を見て世界中で(原発の稼働を)やめたかと言えば、やめていない。一つの問題は放射性廃棄物だが、中性子を当てて物質そのものを変えてしまうなど、廃棄物を減らす研究は世界中で行われている」


「放射性廃棄物を燃料とする『第4世代原子炉』が実現すれば、原発の問題の半分以上を解決できる。小型化できるため、どの家庭にも置けるプロパンガスのように、東京でもどこでも置ける。過去には構想されたこともあったが、どこかで電力会社が効率を求めて巨大化の方向へ進んでしまった。もともと原子力のポテンシャル(潜在力)は大きいのに、巨大化したことが失敗の原因の一つだ。今は未来を含めた技術ポテンシャルを見ない議論ばかりが横行している」


―科学技術が「神の領域」を侵すことはあるのでしょうか。


「技術開発の歴史は失敗の歴史といっても過言ではない。神の領域などという言葉を使う限りは、その国の科学技術レベルは低いと言っても良い」

cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_092ecf66cf23_過去に駐車した場所を記憶して自動で駐車するシステムの仕組み 092ecf66cf23 092ecf66cf23 過去に駐車した場所を記憶して自動で駐車するシステムの仕組み oa-newswitch

過去に駐車した場所を記憶して自動で駐車するシステムの仕組み

フォルシアクラリオン・エレクトロニクス(FCE)は、車両が過去に駐車した場所を記憶し自動運転で駐車するシステムを、2022年をめどに実用化する。まず全地球測位システム(GPS)で把握した位置情報と、人の運転による駐車パターンを組み合わせて車両が記憶。次回以降はその情報に基に自動駐車する。運転手の負担や、人為ミスによる事故の軽減につながる利点を訴求し、自動車メーカーに提案する。


FCEが実用化するのは「メモリーパーキング」。自宅や職場の駐車場など、複数回利用する場所での利用を見込む。運転手はスマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)を通じて自動駐車を指示する。自動駐車時はカメラやソナーを用いて周辺の障害物を検知して位置情報と統合し安全性を確保する。


車載カメラで得た映像を基に作成した俯瞰(ふかん)映像を、車内モニターに映して安全運転を支援する「サラウンドアイ」などの自社技術を活用しメモリーパーキングを開発した。自動車メーカーなどと連携し、精度向上を図った。


メモリーパーキングとは別に、人工知能(AI)を用いて駐車スペースや障害物を検知し、自動駐車する「リモートパーキング」の技術開発も進めている。まずはよりスムーズな自動駐車が可能とみてメモリーパーキングの商品化を優先する。その後、他社との連携などを通じてAIの精度を上げ、リモートパーキングの実用化を目指す方針だ。


事前に記憶した情報を活用したり、センサーなどを用いたりする駐車支援システムを備えた自動車は増えている。一方、操作の煩雑さや精度に関する信頼性が普及の課題になっている。

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_7b95edef59af_後継者候補を募集するクラウド専業インテグレター社長の狙い 7b95edef59af 7b95edef59af 後継者候補を募集するクラウド専業インテグレター社長の狙い oa-newswitch

後継者候補を募集するクラウド専業インテグレター社長の狙い

テラスカイの佐藤秀哉社長がオンラインで会見し、「後継者育成プロジェクト」を立ち上げ、経営幹部候補者を最大5人程度採用する意向を示した。公募締め切りは7月末。随時面接し、9月に候補者を確定、年内に執行役員として採用する予定。その後は佐藤社長や現経営陣とともにテラスカイの全社的な課題解決に共同で取り組む。


後継者候補を募集した理由について、佐藤社長は「ひっそりと準備して、世代交代を行うのではなく、公明正大にやっていきたい」と強調。「オーナー社長のため、次世代の幹部を独裁的に決めていくととられがちだが、そこを払拭するために公募し、(社員を含め)皆が判断できるような環境で進めていく」と思いを語った。


応募者に求める人物像は、ITビジネスの損益責任を持った経験やグローバル経験、起業・新規事業開発・M&A(合併・買収)の経験、経営企画などの経験を列挙。加えて「全社的なイノベーションと革新的な思考を促進するために必要な組織能力とカルチャーをつくり出す能力」「危機感を持って高いゴールを達成しようとする強い意志と明確なビジョンを持った人物」を求めると言及した。


テラスカイは2006年にクラウド専業インテグレーターとして創業。21年2月期の売上高が111億円と、直近7年間で10倍に伸長した。

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_fc6061bf455c_国内初の「レベル3」飛行!ドローンが東京湾縦断に成功した意義 fc6061bf455c fc6061bf455c 国内初の「レベル3」飛行!ドローンが東京湾縦断に成功した意義 oa-newswitch

国内初の「レベル3」飛行!ドローンが東京湾縦断に成功した意義

大都市間「レベル3」国内初

先端ロボティクス財団(東京都中央区、野波健蔵理事長)と千葉市、横浜市は、飛行ロボット(ドローン)で東京湾を縦断する長距離飛行の実証実験に成功した。飛行距離は約50キロメートル、無人地域を目視外飛行する「レベル3」で行った。大都市間のドローンによるレベル3飛行は国内初という。


横浜市金沢区幸浦を8時40分に離陸。逆風の中を約1時間25分かけて千葉市美浜区の稲毛海浜公園に着陸した。歯科技工物の搬送にも成功した。


使用した機体はカイト(たこ)状の翼を搭載したカイトプレーン。故障してもカイトが抵抗力となり、急降下しないのが特徴だ。ドローンの頭脳に当たるフライトコントローラーは国産製で、簡単な手続きで使用できる351メガヘルツ帯のデジタル簡易無線局を採用。


今後、飛行速度を現在の時速50キロ―60キロメートルから同150キロメートルに引き上げるとともに、垂直に離着陸できる新型機を開発する計画だ。また、現在はガソリンエンジンを搭載しているが、大都市上空の飛行を想定し、電動化して静音性と環境への配慮を両立する。


インタビュー/先端ロボティクス財団理事長・野波健蔵氏 “空の道”で渋滞回避



先端ロボティクス財団理事長・野波健蔵氏



野波理事長との一問一答は次の通り。


―東京湾縦断飛行に成功した意義は。

「羽田空港を離着陸する飛行機が飛び交い、多くの船舶が停泊する東京湾上空に渋滞がない“空の道”ができた。渋滞を回避できることは、二酸化炭素(CO2)排出を抑制できるエコシステムであることも意味する。このようなインフラの構築に、ドローン以外には投資も必要ないというメリットも大きい」


―DSデンタルスタジオ(千葉市美浜区)が製造した歯科技工物を搬送しました。

「容器を含めて重さが50―60グラム、価格が20万円程度のジルコニア製差し歯を搬送した。軽量で緊急性が必要で高価な搬送物はドローン物流と相性が良い。2023年に歯科技工物や関連する薬品からドローン物流を事業化する」


―災害時の活用も期待されます。

「首都直下型地震を想定すると災害時には陸路は寸断され、地上交通はまひするだろう。その際にはドローンの出番で、救援物資搬送や被災地調査に活用できる。そのためには平常時からドローンによる物流ハイウエーを稼働し、迅速に対応できるよう準備する必要がある」(千葉・八家宏太)

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_2046bc7b34aa_サントリー食品が自販機事業を改革。収益拡大を狙う「AIコラミング」とは? 2046bc7b34aa 2046bc7b34aa サントリー食品が自販機事業を改革。収益拡大を狙う「AIコラミング」とは? oa-newswitch

サントリー食品が自販機事業を改革。収益拡大を狙う「AIコラミング」とは?

サントリー食品インターナショナルは、自動販売機事業の構造改革と収益性の向上に着手する。自販機を通じた直販事業を手がける3社を統合するほか、自販機1台当たりの収益性を向上させるため、人工知能(AI)や無線を活用する在庫や販売動向の管理手法「AIコラミング」を導入。オペレーションの効率化と台数当たりの収益を高め、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む自販機事業の収益回復を目指す。(高屋優理)


サントリー食品インターナショナルは2022年1月に、サントリービバレッジソリューション(東京都港区)、サントリービバレッジサービス(同新宿区)、ジャパンビバレッジ(同)を統合し、自販機事業を再編することを決めた。3社は自販機を通じた直販事業を手がけており、サントリーではグループで同じ事業を展開する3社を統合することで組織をスリム化する。








自販機事業は自販機オペレーターに商品を販売する事業と直販事業の二つに大別される。サントリーでは、オペレーターなどへの販売事業をグループのサントリーフーズに集約し、直販事業3社をサントリービバレッジソリューションに統合。顧客満足度の向上と経営効率化を図る。サントリーが組織再編に踏み切る背景には、自販機を取り巻く厳しい市場環境がある。


飲料総研(東京都新宿区)によると、自販機での飲料の販売数量は他の販路との競合などがあり07年をピークに微減が続き、20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、前年比15%減と落ち込んだ。これに合わせて、1台当たりの販売数量も07年をピークに減少。19年までは年数%の減少幅で推移していたが、20年は前年比12%減となり、収益性の低下が課題となっている。


自販機事業を展開する飲料やオペレーター各社は2000年代まで、置けば売れる自販機の設置台数の拡大に注力していた。だが、07年以降、市場が徐々に縮小し、20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で販売数量が大幅に減少。1台当たりの収益性を高める戦略にシフトしつつある。


構造改革に加えてサントリーが取り組むのが、20年からテストを始めた「AIコラミング」だ。AIコラミングは自販機に無線を取り付け、在庫状況を常時把握。これにより、自販機の欠品を減らし、オペレーションのルートを最適化することで効率化を図る。将来的には需要予測につなげ、より売れる商品を売れる場所、売れるタイミングで置き、売れる自販機を効率よくオペレーションする仕組みを作りたい考えだ。

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_4a7077a722b6_鉄道業界で初!東京メトロがデプスカメラとAIで列車混雑をリアルタイム計測 4a7077a722b6 4a7077a722b6 鉄道業界で初!東京メトロがデプスカメラとAIで列車混雑をリアルタイム計測 oa-newswitch

鉄道業界で初!東京メトロがデプスカメラとAIで列車混雑をリアルタイム計測

東京メトロは、上野グリーンソリューションズ(横浜市)と共にデプスカメラと人工知能(AI)を用いた列車混雑計測システムの開発に取り組んでいる。奥行きの情報を取得する深度センサーを内蔵したデプスカメラを用いて列車混雑をリアルタイムで計測するのは、鉄道業界で初めての試みという。2021年度中をめどに、東京メトロ各路線の主要駅に順次設置していく計画だ。


号車ごとに算出

これまで列車の混雑状況は、車両の重さや駅ホームでの人による目視で把握するケースが一般的だった。だが「車両の重さを用いた手法では、相互に乗り入れをしている他社の列車の混雑状況までを把握することは難しかった」(吉野秀行運転部輸送課主任)という。


開発したシステムはデプスカメラをホーム端に設置し、駅を出発する列車内を撮影する。撮影した映像からエッジサーバーで混雑情報をテキストデータ化し、クラウドサーバーへ送信する。クラウド上では機械学習をしたAIによって分析、解析させることにより、駅を出発してから十数秒で列車の混雑状況を号車ごとに算出する。


一つのホーム当たりデプスカメラ1台を設置することで、駅を出発する列車内の混雑状況をすべて計測できる。このため「新たに開発したシステムでは、相互乗り入れする他社の列車であってもリアルタイムに計測することが可能」(同)という。解析したデータはアプリなどを通じ、リアルタイムで混雑状況を利用者に提供していく考えだ。




デプスカメラの撮影画像イメージ(東京メトロ提供)



状況を可視化

これまでに丸ノ内線新宿駅でデプスカメラを設置し、測定したところ、車両の重さとデプスカメラで計算した結果の決定係数は0・97で予測できることを確認した。「AIを使って混雑状況を可視化でき、さまざまな車両に対応できる」と運転部輸送課の足立茂章課長補佐は期待する。


東京メトロでは全駅改札口の1週間平均での時間帯ごとの混雑状況や、全路線全区間の1週間平均での時間帯ごとの混雑状況の情報をホームページやアプリで情報提供してきた。


今後はデプスカメラとAIを組み合わせた列車混雑計測システムにより、リアルタイムで車両ごとの混雑状況の把握ができるようになる。


安心な空間

新型コロナウイルスの感染拡大により、鉄道会社においても対策が求められるようになった。同社では安心な空間、パーソナライズド、デジタルに基づいた施策の一環として列車混雑計測システムを展開していく。(浅海宏規)

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_af53c17567af_燃焼ガスからCO2を高濃度で取り出す、九州大が開発したゲル薄膜がスゴイ af53c17567af af53c17567af 燃焼ガスからCO2を高濃度で取り出す、九州大が開発したゲル薄膜がスゴイ oa-newswitch

燃焼ガスからCO2を高濃度で取り出す、九州大が開発したゲル薄膜がスゴイ

九州大学の星野友准教授と研究当時に大学院生だった行部智洋氏らは、工場などで排出される燃焼ガスから窒素を分離し、二酸化炭素(CO2)を高濃度で取り出せるゲル薄膜を開発した。一度の膜透過で大気中に0・04%にとどまるCO2濃度を95%まで濃縮できる。スプレー塗布が可能で乾燥が不要。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に向け、低コストCO2回収技術として期待される。


多孔質膜上に厚さ数百ナノメートル(ナノは10億分の1)のゲル薄膜を作る。カルボン酸を持つ高分子にアミンを含ませてゲルにする。するとCO2が炭酸として溶け、アミンと中和して塩になる。ポンプで吸引するとCO2分圧が下がり膜からCO2が放出される。一度ゲルに含まれる水溶液に溶ける過程を経るためCO2のみを通して窒素は通さない。


ガス分離性能を表す単位のGPUは1270で、選択性を表すCO2と窒素の透過比は2380。選択性が高いことから、窒素を除くために何度も膜を透過させる必要がない。




多孔質膜にゲルを塗布した電子顕微鏡写真。微細な凹凸にも追従してゲル薄膜が形成(九大提供)



工場などで排出される燃焼ガスは大量の水分を含む。そのため分離膜の種類によっては乾燥工程のコストがかかる。開発したゲル薄膜は水分を吸収するため乾燥が不要。水蒸気によってCO2の分離濃縮が妨げられない。多孔質膜の細孔をゲルが全てふさぐように膜を作るプロセスも開発した。微細な蛇腹構造などで表面積を大きくしてもスプレー塗布により対応できる。

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_510d827d1657_富士電機が低圧インバーターの設計を共通化。開発期間が従来比3分の1以下に 510d827d1657 510d827d1657 富士電機が低圧インバーターの設計を共通化。開発期間が従来比3分の1以下に oa-newswitch

富士電機が低圧インバーターの設計を共通化。開発期間が従来比3分の1以下に

富士電機は、2023年度までに低圧インバーターの設計を共通化する。現在6シリーズで異なる設計を二つのプラットフォーム(基盤)に集約し、部品点数削減や生産性向上を目指す。海外での事業拡大に向けて地産地消戦略を推進しており、海外工場での生産立ち上げを容易にする設計共通化へ乗り出す。新製品の開発期間を従来比で3分の1以下に短縮できる見込み。


富士電機が手がける低圧インバーターの現行シリーズは工作機械や搬送装置、ファン・ポンプ、エレベーターなど用途別に幅広くそろえる。23年度までに全シリーズで設計の共通化を完了する。ハードウエアの個別開発を最小限に抑え、全機種合計のユニット部品点数が同約60%削減できるという。


製品の部品構成について、パワー半導体やヒートシンクなどを搭載する主回路部分と、マイコンやメモリーなどの制御回路部分に分けるプラットフォーム設計を採用する。「スタンダード」と「コンパクト」という2種類のプラットフォームを開発し、用途ごとの仕様変更は制御回路でのソフトウエアの入れ替えで原則対応する。


3月に刷新した低圧インバーターの汎用高機能シリーズでプラットフォーム設計を先行導入しており、今後、他のシリーズへ順次展開する。新製品の生産立ち上げ期間は同半分以下に短縮する見通し。


富士電機の低圧インバーター事業は国内に比べて海外市場での存在感がまだ薄い。グローバル展開を加速すべく、主力の鈴鹿工場やタイ工場、中国工場など世界6拠点体制を目指す。すでに現地生産を始めたインドに加えて、22年度からフランスと米国でも生産を予定。設計共通化で、より円滑に地産地消化を進める。



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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_05928b049df4_ニチコンが5Gスマホ向けに新放熱材を量産へ 05928b049df4 05928b049df4 ニチコンが5Gスマホ向けに新放熱材を量産へ oa-newswitch

ニチコンが5Gスマホ向けに新放熱材を量産へ

ニチコンは新しい手法を採用した放熱技術を事業化するためオキツモ(三重県名張市)、KISCO(大阪市中央区)と業務提携した。機能性塗料を手がけるオキツモと東北大学が開発したメタマテリアル放熱シートを量産化するのが狙いで、すでに15センチメートル角のシートタイプが完成し、サンプル出荷が可能になった。今後量産技術を確立し、第5世代通信(5G)スマートフォンなど向けに早期の発売を目指す。


オキツモと東北大学が開発した放熱シート「VSI(ヴィサイ)」は、電子デバイスの熱源が発する赤外線の波長を選択的に放射し樹脂製の筐体(きょうたい)を透過させて外部に熱を逃がすのが特徴。量産化に課題があったため、3社による協業で早期に実用化し、市場が拡大している電子機器、車載、LED照明機器など樹脂製密閉筐体の需要を取り込む。


ヴィサイをスマホCPU(中央演算処理装置)の放熱材に使用し一定の環境で検証した場合、従来放熱材に使われるグラファイトシート使用時に比べ、CPUの温度が1・12度C、カバー背面の樹脂表面温度は1・95度C下がった。熱伝導型の放熱材に比べ、熱源そのものの温度抑制や樹脂筐体のヒートスポットを解消できる。


量産化に向けてニチコンの電極箔開発におけるエッチング技術や、KISCOの形状加工、接着材などの知見を融合することでグラファイトシートの2倍程度の価格を目指す。


モバイル機器などの熱課題に合わせグラファイトシートの国内市場は年約500億円規模に上るという。このうち、スマホなど樹脂製筐体を使用する機器の市場を取り込みたい考えだ。

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