cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_47b2435c9666_川崎市の知財マッチング、クリエーターが解放特許の活用アイデアを紹介 47b2435c9666 47b2435c9666 川崎市の知財マッチング、クリエーターが解放特許の活用アイデアを紹介 oa-newswitch

川崎市の知財マッチング、クリエーターが解放特許の活用アイデアを紹介

 川崎市や川崎信用金庫(同市川崎区)などが、地域中小企業に大手企業の開放特許を紹介して製品開発を後押しする「知財マッチング」を加速している。定期開催している交流会で、新たにクリエーターがプレゼンターとして参加。クリエーターが製品化アイデアを紹介し、特許の活用の仕方が浮かばず悩む中小企業を手助けする取り組みだ。今後、市は他の自治体でも交流会を開く予定で、各地域の経済活性化にもつながりそうだ。

 「特許選びの際は、各社の強みを生かせるものにするのが良い」―。川崎市や川崎信用金庫が9月に市内で開いた「かわしん知財マッチング交流会」の冒頭、同市産業振興財団の西谷亨知的財産コーディネータはこう強調した。当日は市内外の中小企業関係者約50人が参加した。

 会では大手企業の富士通、富士通セミコンダクター(横浜市港北区)が特許技術についてプレゼンテーションを実施。書類を挟み、ひとまとまりのタスクとして内容を無線で遠隔管理できる「スマートクリップ」技術などを富士通が紹介したほか、富士通セミコンダクターは電子タグを用いた「迷子検知システム」などを説明した。

 今回は特許紹介に加え、全国8万人のクリエーターが登録するクリーク・アンド・リバー社(C&R社)も主催者側で参加。クリエーター5人が特許の活用アイデアを提案した。このうちエージェントゲート(東京都千代田区)社長室の祖上仁氏は、富士通のスマートクリップ技術を活用した主婦向けの家事管理ツール「タスクリップ」というアイデアを提案した。子どもが学校でもらってきたプリント類などを挟み、スマートフォンで期限を管理しアラームも出せるという案を紹介。「さまざまなタスクを抱えるものの会社と違い、手伝ってくれる同僚がいない主婦の助けになる」と説明した。

 参加した中小企業経営者の反応も良かったようだ。川崎信用金庫の担当者は「終了後のアンケートでは、『特許の製品化に自社も取り組めると思った』など前向きな声が多く寄せられた」と手応えを得た。「事業化を具体的にイメージできるよう工夫したのが良かったのだと思う」と話す。

 今後、川崎市やC&R社による同様の知財交流会を2018年度内に3回行う。同市の取り組みに関心を持つ静岡県富士宮市などで開く予定だ。川崎市イノベーション推進室の木村佳司創業・知財戦略担当課長は「大手企業の特許で中小企業を盛り上げる川崎市の手法を広めることで、各地に特許の活用事例が増え、川崎市内中小企業と市外企業のマッチング機会増加にもつながるだろう」と期待する。
(文=大原翔)

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これから経済封鎖がなくても10%減収、ビール各社の業績はどこまで落ち込む?

ビール・飲料大手4社のうち2020年12月期連結業績予想(国際会計基準)を公表した3社がそろって減収を見込む。新型コロナウイルスの感染拡大による自粛要請で4―5月に飲食店が休業し、業務用のビール類の販売が低迷。下期も感染収束が不透明なことから、3社が減収を見込むほか、サッポロホールディングス(HD)は22年ぶりの当期赤字を予想する。


サントリーHDは業績予想を未定としたが、「今後経済封鎖などがなければ、5―10%の減収とみている」(川崎益功常務執行役員)とした。


アサヒグループホールディングスは酒類事業の売上収益で前年同期比13・7%減の7656億円を見込む。小路明善社長は「スーパードライを中心に酒類事業におけるビール構成比55%を維持する」と、厳しい環境下でもビールに注力する方針を示した。


キリンHDは国内ビール・スピリッツ事業の売上収益で同4・7%減の6497億円を見込む。「業務用は選択肢が少ない一方、家庭用は価格、機能性など多様な商品が好まれる。顧客ニーズに基づき対応したい」(吉村透留常務執行役員経営企画部長)と、第三のビールを中心に販売を強化する考えだ。


サッポロHDは酒類事業の売上収益で同13・1%減の2869億円を見込む。定番のビール「黒ラベル」や第三のビールを中心に拡販し、ビアホール「サッポロライオン」など外食事業のマイナスをカバーしたい考えだ。



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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_936c53aa91ac_プラスチックの新用途にロボット、金属の代替で軽量化なるか? 936c53aa91ac 936c53aa91ac プラスチックの新用途にロボット、金属の代替で軽量化なるか? oa-newswitch

プラスチックの新用途にロボット、金属の代替で軽量化なるか?

化学各社は、プラスチックなどの新たな用途として、ロボット分野の開拓に注力している。三井化学は特にユニークな活動を展開。メルティンMMI(東京都中央区)のアバターロボット実証試験機「MELTANT―β」のスキン向け素材や、人間の拍手を再現したロボハンドを開発した。ロボの部材は金属製が多く、プラ代替による軽量化も期待される。(梶原洵子)


三井化学は、MELTANT―βのスキン向けに、弱い力でも伸びて元に戻る特徴を持つ素材「アブソートマー」を配合したシートを開発し、供給している。ゴム弾性の強い素材をスキンに使うと筋トレのように多くのエネルギーを消費するが、弱い力で伸びるアブソートマーによって余分なエネルギー消費を抑えられる。また熱をかけてつなぎ合わせられるため、縫製で穴を開けずに済み、防滴防塵性を実現した。「デザイナーさんがやりたいことと素材屋の技術を組み合わせると、面白いことができる」(三井化学)という。


また同社は拍手や声で人を楽しませる、バイバイワールド(東京都品川区)のエンターテインメントロボ「ビッグクラッピー」向けに拍手ハンドを開発した。肌に近い感触のゲル新素材をベースに、素材の分子構造を変えて硬度や反発性の異なる拍手ハンドを作り、音響テストで最適な素材を選んだ。


三菱ケミカルは、自動車などで軽量化部材として使われているエンジニアリングプラスチック製品を、ロボ分野でも販売拡大を図る。軽量化による動作時のエネルギー削減は、車もロボも共通の課題だ。また新たな素材も、ロボ向けにサンプルワークしているという。


ENEOSは、熱刺激で伸縮するエラストマー系新素材を開発した。将来、介護や体の動きを補助する用途でソフトアクチュエーターとしての採用を目指す。


介護ロボや体の動きを補助する装着型ロボの開発は多様化しており、柔らかく、音の出ないアクチュエーターが求められる分野も出てくると予想する。

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_7a06678e73ea_「 果物の缶詰」から見える、日々の暮らしとデザインの接点 7a06678e73ea 7a06678e73ea 「 果物の缶詰」から見える、日々の暮らしとデザインの接点 oa-newswitch

「 果物の缶詰」から見える、日々の暮らしとデザインの接点

いまはデザインの範囲が非常に広くなった。生活の中にコンピューターが入ってきたせいで、ロゴやウェブなどのデザインが身近になった。グランドデザインといった言葉も一般化している。柔らかな語感が好まれるようだ。社会学的な文脈ではコミュニケーションをデザインするといった具合だ。多岐にわたるデザインを、日々の暮らしとの接点から拾い上げていきたい。あまり専門的な難しい話にはならないと思う。お気軽にお付き合いください。


子どものころ、お中元やお歳暮は楽しみだった。お中元の定番は缶詰で、他にはそうめんやジュースが多かったように思う。「カルピス」の3本セットとか、子どものころはうれしかったなあ。


ビールはあまり見かけなかった気がする。まだ缶ビールが普及していなかったせいかもしれない。贈答の品というのは、風呂敷に包んで持参するものだった。そして玄関先で「お世話になっております」とあいさつしてから手渡しする。だからビールの大瓶が24本も入ったケースを担いでごあいさつに伺うというのは、力士かプロレスラー以外はあまりやらなかったのではないだろうか。


一番のお目当ては果物の缶詰である。黄桃、白桃、みかん、みつ豆といったところが主なラインアップだ。1列に並べた缶詰を前に、妹と「今日はどれを食べようか」と相談する。白桃などは最後に残しておく。みかんのように人気のないものから食べていく。さあ、缶を開けるぞ。もちろん缶切りである。いまのようにプルリングを引っ張って開けるのではない。


缶詰セットに付属したチープな缶切りを使っていたように思う。1枚の鉄の板を曲げて、片方を取っ手、もう片方を刃にしたデザイン。栓抜きも付いていない。シンプルきわまりない缶切りを一人前に扱えるというのが、お兄ちゃんの印である。幼い妹にはまだできない。


「グリグリグリ」と少しずつ切っていく。中から甘いフルーツの香りが漂ってくる。セミが鳴き、ヒマワリの咲く夏休み。子どもたちにとっては至福のひとときだった。




片山恭一氏



【略歴】かたやま・きょういち 81年(昭56)九大農卒、同大学院博士課程中退。86年に『気配』で『文学界』新人賞を受賞。95年に『きみの知らないところで世界は動く』で単行本デビュー。01年の『世界の中心で、愛をさけぶ』が累計320万部以上のベストセラーとなり、“セカチュー”現象を巻き起こした。19年の『世界の中心でAIをさけぶ』で再び話題を集めている。愛媛県出身、61歳。

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_c33ac1a1b22e_産業用ロボットメーカー6社が共同で基礎技術研究!成果は業界で共有 c33ac1a1b22e c33ac1a1b22e 産業用ロボットメーカー6社が共同で基礎技術研究!成果は業界で共有 oa-newswitch

産業用ロボットメーカー6社が共同で基礎技術研究!成果は業界で共有

産業用ロボットメーカー6社が業界の底上げに向けて共同で基礎技術研究に乗り出す。技術研究組合を通じて課題を持ち寄り、産学の知見を結集して未解明な領域や1社単独では難しいリスクの高い内容に取り組む。ロボット分野に関わる人材の拡大や研究の裾野を広げ、5―10年後を見据えた種まきの場として技術革新や普及障壁の引き下げを目指す。


技術研究組合は「産業用ロボット次世代基礎技術研究機構(ROBOCIP)」の名称でこのほど設立。単年度で数億円規模の基礎技術研究を展開する。立ち上げには川崎重工業、デンソー、ファナック、不二越、三菱電機、安川電機が参加し、理事長にファナックの榊原伸介ロボット事業本部技監が就く。


参加企業が抱える共通課題から研究内容を選定し、東京大学や東京工業大学、慶応義塾大学などの研究者に委託する形で展開する。成果は各社に持ち帰り、応用研究や独自の製品開発など実用化への流れを生み出す。








初年度は14人の研究者がプロジェクトに参加し、次年度以降さらなる拡大を図る。2024年度までに一定の成果を出し、特許やオープンソースとしての公開も進め、参加企業だけで囲い込まず業界の底上げにつなげる。


研究項目は「モノのハンドリング及び汎用動作計画に関する研究」「遠隔制御技術に関する研究」「ロボット新素材とセンサ応用技術に関する開発」を軸に設定する。従来、ロボット分野との関係が薄かった研究者も巻き込んで検証や評価を進め、各社個別で展開していた基礎技術研究の高度化を図る。


三つの軸による研究を通じ、将来的な普及拡大に欠かせない内容を追求する。ティーチング作業の簡素化のほか、普及が近づく第5世代通信(5G)や後継となる「ポスト5G」への対応、軽量化によるエネルギー効率向上などを想定し、共同で課題解決に取り組む体制を築く。



ロボットメーカーも一目置く、異能の技術者集団の正体

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_5a4ff9238269_次期戦闘機「国産主導」は大丈夫なのか。1社単独契約の裏側 5a4ff9238269 5a4ff9238269 次期戦闘機「国産主導」は大丈夫なのか。1社単独契約の裏側 oa-newswitch

次期戦闘機「国産主導」は大丈夫なのか。1社単独契約の裏側

防衛省は、2035年に配備を始める次期戦闘機の開発体制を、全体インテグレーションを統括するプライム企業1社へ単独契約方式にすることを決めた。単独契約にすることで、日本主導イメージをより強く打ち出すとともに、将来の機体改修も自由度を保つ狙いがある。ただ、実現には多くの課題が横たわる。戦闘機開発は実際は米英企業などと共同作業になるとみられるが、武器輸出管理規則や第三者非開示の問題をどうするのか。「F2」の時のように、米国が重要軍事技術をブラックボックス化し開示を拒んだ場合、独自開発できるのか。米大統領選挙の行方も含め、まだ目が離せない。


次期戦闘機の開発スケジュールは、全体のインテグレーションを担う機体担当企業を、20年末までに決定。ミッション・アビオニクスやエンジンの担当企業は、機体担当企業の下請けとして参画する形をとる。仮に日本の三菱重工業が機体を統括するプライム企業になった場合、米ロッキード・マーチンや米ボーイングも、三菱重工の下請け企業になる。エンジンに関しては、エンジン単独で完結する開発作業について、防衛省はエンジン担当企業と直接契約する方針だ。


1社との主契約方式にすることで、戦闘機システム全体のインテグレーション強化が期待できる。現在の「F2」では防衛省は機体インテグレーションが三菱重工、エンジンが米ゼネラル・エレクトリック(GE)、レーダーや管制装置は三菱電機などと、部門ごとに担当企業と直接契約する形を採用している。


新世代の次期戦闘機は機体・エンジン・アビオニクス間の高度な連携が不可欠で、途中で不具合が生じても別々の契約だと航空自衛隊のニーズを的確に反映させることが難しいため、シングル・プライム方式になった。航空自衛隊が求める理想の戦闘機イメージの実現に、関係者が一丸となって開発を進められる体制が整う。


次期戦闘機の開発コンセプトで、防衛省は空対空戦闘能力、改修の自由度と拡張性、日米共同対処のためのインターオペラビリティー確保の3点を挙げている。開発に米企業が共同参画することになった場合、問題になるのはインターオペラビリティーの項目だ。


米国には武器輸出管理規則がある。軍事用に設計・改造された品目を武器品目リストで規制し、規制品目を日本が再輸出する場合には米政府の事前承認が必要になる。武器品目リストに載ると技術仕様が非公開になるため、プライム企業や主企業が下請け企業に情報開示できなくなる不便も生じる。1回ごとに米政府の承認や調整作業が必要となり、開発スケジュールが大幅に遅れる恐れが強い。米国の輸出許可は数カ月、輸出許可のライセンスには半年間かかるとの指摘もある。


他目的利用の禁止や派生技術規制の問題もある。戦闘機開発で培った技術を日本側は民間航空機や自動車、半導体などの分野に自由に応用できない。効果が戦闘機市場だけに限定されれば、波及効果も限られる。自民党議員の間では、インターオペラビリティーの適用範囲や品目について、日米両国の間で事前に十分なすり合わせが必要だとの声が多い。


次期戦闘機開発に携わる主企業は日本側は三菱重工業やIHI、川崎重工業、三菱電機、富士通、米国ではロッキード・マーチンやボーイング、ノースロップ・グラマン、英国ではBAEシステムズやロールスロイス、レオナルドなどが見込まれる。


ロッキード・マーチンは空自のステルス戦闘機「F35」や、空戦性能で世界最強とされる「F22」開発企業であり、売り込みも熱心だ。ボーイングも空自主力戦闘機「F15」を開発。ノースロップ・グラマンは電子戦機「E2D」や無人機「グローバルホーク」を開発している。中国軍機やロシア軍機に備える日米共同作戦の場合、米企業のこうした実績は十分にアドバンテージになるだろう。


日本はIHIが開発した推力15トンの「XF9」で米国に肩を並べたとはいうものの、戦闘機の実運用経験がないのが悩みだ。三菱重工も「F1」支援戦闘機や先進技術実証機「X2」の開発実績はあるものの、実運用経験は欧米に大きく劣る。カタログ性能やシミュレーションでは分からない、こうした「実運用経験の差」をどうカバーするのか。


他方で日本主導方式ならば、国内企業が開発した空対艦ミサイルやレーダーなどの新兵器も、容易に搭載できる。米開発の機体だと主要性能はどうしても米空軍や米海軍の要求に沿ったものになるため、空自の要求とはずれが出る場合も生じる。機体改造や設計変更も場合によっては数年の歳月を必要とし、結果として機体価格が大幅にはね上がる。安全な飛行にかかる、メンテナンス維持の問題もある。外国製の機体が、必ずしも安いとは限らない。






(文・嶋田歩)

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_62a8ea3e0365_脱炭素社会へ活躍、“電力系ユーチューバー”の正体 62a8ea3e0365 62a8ea3e0365 脱炭素社会へ活躍、“電力系ユーチューバー”の正体 oa-newswitch

脱炭素社会へ活躍、“電力系ユーチューバー”の正体

電力制度を分かりやすく解説した動画を配信する“電力系ユーチューバー”が登場した。伊藤奈々さんと棚瀬啓介さんの2人だ。2人とも趣味で活動するが、オンラインでの取材や再生可能エネルギーの電気を使った配信もする。“コロナ時代”や脱炭素社会のユーチューバーと言えそうな2人はどんな人物なのか。ベンチャーの社長と対談する動画中継にお邪魔した。


7月のある日、ユーチューバー2人がデジタルグリッド本社(東京都千代田区)のモニターに現れた。同社の豊田祐介社長とは初対面だが、画面越しにあいさつを済ませ、動画の生配信を始めた。


デジタルグリッドはブロックチェーンを駆使し、使った電気がどの発電所で作られた電気か分かる技術を開発して2017年に創業した。豊田社長が「電気に色を付けて売買する」と説明すると、伊藤さんは「今後はどんなジャンルの色(電気)が出てきますか。アイドルが作った電気もやってほしい」とリクエストして場を和ませた。


棚瀬さんは「金融がどう事業に関わりますか」と鋭い質問で切り込んだ。豊田社長は「再生エネ発電所は建設資金が必要。発電側と買う側が契約していたら安心感があり、金融機関も資金を貸しやすくなる」と解説。発電所を選んで電気を購入できるデジタルグリッドの技術が、資金調達にも生かせる。同社社員の飲み会での会話にも話題がおよび、1時間の配信が終わった。


棚瀬さんはインフラ関連企業に勤務する会社員。異動した電力事業部門では「電力について知っていて当然という空気。専門用語が飛び交っていた」という。適当な参考書もなく理解に苦しんだ体験から、電力の解説を始めた。初めの1年間は解説文をネットに公開し、20年からは動画に切り替え、配信は180本を超えた。「1、2人は視聴者がいたので続けられた」と胸を張る。


伊藤さんは5年ほど勤務した新電力を退社後、19年8月から別の仕事をしながら「電気予報士」を名乗って活動する。「地方を訪ねるうちに、電気の価値観が広いと気づいた」ことがきっかけだ。


今年5月の連休、共通の知人を通してお互いの存在を知り、オンラインで打ち合わせをして共同配信も始めた。再生エネの価値を訴えた動画で「私たちが使わなければおかしい」(伊藤さん)と思い、動画配信の電気を再生エネで賄うことを決意。デジタルグリッドの技術を活用し、沖縄県の琉球大学にある太陽光パネルの電気を活用した形で配信を始めた。この縁で豊田社長との対談が実現した。




伊藤さん(モニター)から質問を受ける豊田社長(右)

感染症対策でテレワークやオンライン会議が増え、デジタル関連のエネルギー消費に伴う二酸化炭素(CO2)排出増加が懸念されている。趣味で活動する電力系ユーチューバーが、デジタル化と温暖化対策の両立に先鞭(せんべん)を付けたかもしれない。


動画配信に再エネ証明 ブロックチェーン活用

デジタルグリッド(東京都千代田区、豊田祐介社長、03・6256・0063)は、ブロックチェーンを使って再生可能エネルギーを使った価値を取引可能にした「CREV」を動画配信チャンネルの運営者2人に提供した。2人は配信に必要な電気を再生エネで賄ったと訴求できる。スポーツイベントやTシャツの印刷を“実質・再生エネ100%”化した事例はあるが、動画配信は初めて。


CREVは家庭や工場などが再生エネ電気を自家消費した価値で、デジタルグリッドが独自に取引できるようにした。2人とも個人の活動として動画配信サイト「ユーチューブ」で電力や再生エネを解説している。デジタルグリッドは沖縄県の琉球大学で稼働する太陽光パネルの電気をCREVとして届けた。カーボンフリーコンサルティング(横浜市中区)が、2人が合計2000キロワット時の再生エネ電気を使用した証明となる「再エネ証明書」を発行した。


動画配信でCREVの活用例ができたことで、デジタルグリッドはオンライン会議での利用も見込んでいる。

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_9a3b6f752fa0_コロナ禍でもオンライン化は進めない葬儀社の思い 9a3b6f752fa0 9a3b6f752fa0 コロナ禍でもオンライン化は進めない葬儀社の思い oa-newswitch

コロナ禍でもオンライン化は進めない葬儀社の思い

新型コロナウイルス感染拡大が葬儀業界に大きな影響を与えている。人の密集を避けるためオンライン配信など新たな葬儀の形を提案する葬儀社が増えている。しかしティアの冨安徳久社長は、その流れに異を唱える。「オンライン化は進めない」と断言する冨安社長に考え方を聞いた。


―足元の状況は。

「3―5月は葬儀参列者が減り、売り上げは減少した。近年の葬儀規模の縮小傾向が、今回の新型コロナによって加速している。これを受け当社は元々無借金だったが、即座に資金調達を実施した。年内は店舗の家賃の引き下げを継続してもらえるよう(土地所有者に)お願いしている」


―今後の見通しは。

「年末までに必ず単価と売り上げを新型コロナ前の水準まで戻す。そのため感染対策はしっかりした上で、葬儀は不要不急ではないと従業員やお客さまに訴える。併せて固定費のスリム化を進める。広告や駐車場の契約状況を精査し、過剰なものは削る。売り上げが戻れば新型コロナ前より利益は増える」


―葬儀のオンライン配信サービスに乗り出す同業が増えています。

「当社も海外の方に対応するため設備は整えている。ただ、進んではオンライン化に取り組まない。対面してきちんとお別れをするのが原則。これを怠ると東日本大震災の時のように、心の行き場を無くす人々が出てくる。葬儀への向き合い方の根本は変えてはいけない」

(聞き手=名古屋・岡林里奈)

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_a0c8166ea2d4_緊急地震速報、AIは予測精度を高められるか a0c8166ea2d4 a0c8166ea2d4 緊急地震速報、AIは予測精度を高められるか oa-newswitch

緊急地震速報、AIは予測精度を高められるか

防災科学技術研究所は、人工知能(AI)を使い、地震の揺れ予測を高度化する新手法を開発した。AIと物理モデルを組み合わせることで、まれにしか起こらない非常に強い揺れも高精度に予測できる。地震ハザード評価や緊急地震速報の精度向上につながる。


地震予測へのAI活用が期待されるが、機械学習は大地震のような発生頻度の少ない事象の予測が苦手で、データ中に偏りがあると予測精度が下がる。


研究チームは、従来から使われている物理モデルに基づく地震動予測式とAIによる機械学習を組み合わせて2段階で予測することで、まれな事象の予測精度を高めた。


全国約1700カ所の強震観測網の約20年間の観測記録から、2082地震の計18万6310の地震動記録を学習データとしてAIに機械学習させた。


208地震の計2万以上の記録で性能を確かめた。2016年の熊本地震における震央付近の1000ガル超の非常に強い揺れも実観測に近い予測結果が得られた。


従来手法や機械学習のみの予測ではこの揺れは過小評価されていた。

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cat_oa-newswitch_issue_47b2435c9666 oa-newswitch_0_b2aea960938c_トヨタが参戦する「世界ラリー選手権」、10年ぶり国内開催を地域活性化につなげろ! b2aea960938c b2aea960938c トヨタが参戦する「世界ラリー選手権」、10年ぶり国内開催を地域活性化につなげろ! oa-newswitch

トヨタが参戦する「世界ラリー選手権」、10年ぶり国内開催を地域活性化につなげろ!

愛知県は11月に同県と岐阜県を舞台に開かれる世界ラリー選手権(WRC)「ラリージャパン」を契機に県の魅力を発信する事業を展開する。10年ぶりのWRC国内開催となるラリージャパンの高い注目度を生かし、大会を盛り上げる演出とともに愛知県の魅力をアピール。来県者の増加、地域活性化につなげる。事業費として最大約1740万円を投入する。


まずラリージャパン自体の盛り上げを図り、自動車情報雑誌に特集記事を掲載して観戦を促すほか、大会と開催自治体の魅力を発信する事前のPRイベントを開く。ラリージャパンの見どころなどの情報や、地域の商店などで使えるクーポン券などを盛り込んだ観戦ガイドブックを、15万部以上作成する。旅雑誌との共同制作を検討し、地域の魅力を広く発信する。


また初日の11月19日に愛知県庁と名古屋市役所で開かれるスタートイベントでは、プロジェクションマッピングやライトアップなど光を使った演出を行う。大会期間中には長久手市の愛・地球博記念公園にステージを設け、来場者参加型のイベントも開く。県や自治体のブースを設け、産業観光や武将観光、食文化関連の企画を行う。


同公園に設けられるサービスパークでは大学生や専門学校生を対象にした見学会を開く。大会や車の整備状況を解説してもらってモータースポーツへの関心を高めてもらうほか、海外の文化に触れる機会とする。


WRCは世界各地の一般道を使用し、市販車を改造したラリーカーで速さを競うモータースポーツ。日本勢ではトヨタ自動車が参戦している。ラリージャパンは20年シーズン最終戦として11月19―22日に開かれる予定で、約40万人の観戦者が見込まれている。

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