cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_43f08422c6c8_揺さぶるイスに匂い装置も、VR体験をよりリアルにする技術の数々 43f08422c6c8 43f08422c6c8 揺さぶるイスに匂い装置も、VR体験をよりリアルにする技術の数々 oa-newswitch

揺さぶるイスに匂い装置も、VR体験をよりリアルにする技術の数々

 広島市立大学の脇田航助教らは、VR(仮想現実)コンテンツ用に搭乗者を揺さぶる駆動いすを開発した。球面と受け皿でいすを支える構造をもち、球面を滑らせることで前後左右に回転する。ジェットコースターやトロッコなどの座席が動く乗り物系VRコンテンツに提案していく。

 半球と受け皿でいすを支え、2本のシリンダーでいすをつり上げるように駆動する。搭乗者といすの重心が低いため、起き上がり小法師のように搭乗者を揺さぶる。身体全体を持ち上げて揺するよりも小さな力で済む。

 いすの回転角度は前後左右いずれも25度で、振れ幅は50度。搭乗者が揺らされると身体がしなるため、頭部の振れ幅は90度近くなる。新たにいすとシリンダーの接続部に回転継ぎ手を採用して、動きの表現を広げた。

 現在は半球を切削加工で製作しているが、金型を用意すれば製造コストを抑えられるという。50万円程度での製品化を目指す。VRアミューズメント施設などに提案。耐久性試験を経て2月を目標に同大発ベンチャーのランバス(広島市中区)で受注生産を始める。
日刊工業新聞2019年1月23日

歩行できる装置も開発
 広島市立大学の脇田航助教は、仮想現実(VR)ゲーム用の360度方向の歩行入力装置を開発した。腰を囲むドーナツ状のクッションの中に荷重センサーを配置し、移動方向を検出する。歩くように脚を上げた動きを計測して歩行や走行としてVRゲームに入力する。直径1メートル程度の装置の中で無限に歩き続けるようなVR体験ができる。

 VRゲームでは全身の動きを狭いスペースで計測し、コンテンツに反映させることが課題になっている。本当に歩いたり走ったりすると広いスペースが必要になり、ヘッドマウントディスプレー(HMD)などの配線の取り扱いが問題になってくる。

 そのため乗馬やサーフィンのような乗り物に乗せて下半身の動きを制限するコンテンツがアミューズメント施設では主流だった。

 今回、脇田助教は、クッションで腰を囲い、脚を動かしても実際には移動しない計測装置を開発した。クッション内部には腰の高さに荷重センサーが配置され、装置に体重をかけるとその力を検出する。さらに膝の上げ下げを、膝の付け根の高さのセンサーで計測する。膝の角度の計測分解能は5―15度程度。膝を上げ下げする速度を移動速度に反映できる。

 検出システムの部品原価2万円で構成できる。研究用試作ではドーナツ状のクッションや架台が高価になっているが、構造自体はシンプルなため量産機ではコストを抑えられると見込んでいる。

 ベンチャーを立ち上げて事業化する計画。まずは施設用のVRアトラクションに提案する。将来は家庭用の歩行入力システムに展開したい考えだ。

日刊工業新聞2019年12月26日
東工大は香りで演出
 東京工業大学の加藤真悟大学院生と中本高道教授らは、消臭機能付き嗅覚提示ヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)を開発した。部屋ににおいが充満しにくく、匂い情報を切り替えやすい。VR(仮想現実)コンテンツに香りを加えてよりリアルな体験を演出できる。

 HMDに後付けする形で、芳香部と消臭部を鼻を挟むように配置した。芳香部では香料を吐出すると弾性表面波素子に液滴がのり、高周波振動で霧状になって漂う。消臭部では霧を吸い込み、活性炭で吸着する。4種の香料をセットできる。

 1度に吐出する液滴は3ナノ―10ナノリットル(ナノは10億分の1)。においの強さは滴下量で調整する。香料1ミリリットルで10万回滴下できる。香料を混ぜることで幅広い香りを表現できる。

 HMD上で芳香・消臭することで部屋全体ににおいがこもりにくくなる。残り香が混ざらず、VRコンテンツ中のシーンの切り替えがしやすくなる。

 VR映画館のように同時に複数の人がVRコンテンツを鑑賞する場合でも、鑑賞者全員でのにおいの時刻同期が要らない。HMDなどの装着から鑑賞終了まで一人ひとり運用できるため、セットアップの人員を抑えられる。鼻の周辺にだけ香料が漂うため、空間全体に香りをまく例に比べて香料を減らせると期待される。HMDのVRコンテンツでは第一人称視点の作品が多く、鑑賞者が目を向けないと状況が伝わらないことがあった。においで視覚を補完することができる。

日刊工業新聞2019年1月16日

【ファシリテーターのコメント】
東映が映画館で公開したVR映画を以前、体験したのですが、音の迫力によって没入感がこんなにも違うのかと感じました。上記紹介した技術によって没入感がどの程度変わるのか、ぜひ体験してみたいです。
葭本 隆太

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_6e491aa013ad_世界初!住友林業が参加する10階建て木造ビル振動台実験の中身 6e491aa013ad 6e491aa013ad 世界初!住友林業が参加する10階建て木造ビル振動台実験の中身 oa-newswitch

世界初!住友林業が参加する10階建て木造ビル振動台実験の中身

住友林業は2022年6月に米国で実施される10階建て木造ビルの振動台実験(イメージ)に参加する。試験体の建物には、耐力部材に通した高強度の鋼棒やワイヤロープに引張力を与えて部材間の固定度を高める「ポストテンション耐震技術」を使い、中高層木造ビルの耐震性能、建築技術を検証する。住友林業は中大規模木造建築の実現へ、14年から同技術を研究しており、実験費用の一部を負担し、実験で得られる情報、知見を国内の耐震設計に生かす。


実験はコロラド鉱山大学が中心となり計画し、米国科学財団(NSF)が助成する「NHERI TallWood Project」。米国で各州の建築基準の模範となる国際建築基準(IBC)が20年に改正されたことを受け実施する。21年12月に試験体を着工、22年6月に米国カリフォルニア大学サンディエゴ校(USCD)で屋外振動台を使い実験する予定。94年にカリフォルニアで発生したノースリッジ地震(マグニチュード6・7)で観測された地震波で木造10階建ての試験体を揺らし、耐震性能を検証する。木造10階建て実大試験体を使った振動台実験は世界で初めて。


試験体は高さ約34メートル。材料は柱梁に単板積層材(LVL)を、耐力壁には直交集成板(CLT)、米国で開発された大断面木質材料の「MPP」を使う。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_990c61a15e2a_家庭用愛玩ロボ「LOVOT」とクリスマスをお祝いしませんか 990c61a15e2a 990c61a15e2a 家庭用愛玩ロボ「LOVOT」とクリスマスをお祝いしませんか oa-newswitch

家庭用愛玩ロボ「LOVOT」とクリスマスをお祝いしませんか

グルーブエックス(東京都中央区、林要社長)は、家族用愛玩ロボット「LOVOT(らぼっと)=写真」に関連した販促企画「心も体もあったかいキャンペーン」を31日まで実施する。期間中、LOVOTのウェブでの購入者全員に、LOVOTと初めて過ごすクリスマスを家でお祝いできるアイテムとして、ミニロールケーキを自宅へ冷凍配送する。


遠方の親らへLOVOTをプレゼントした場合は、その住所がケーキの届け先になる。ケーキは直径9センチメートルサイズ。LOVOTは小犬サイズでかわいがってくれる人の後を付いていくなどの機能がある。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_fa4a7a29af0d_利益の「利」より道理の「理」。ミズノのDNAに沁み渡るSDGsの精神 fa4a7a29af0d fa4a7a29af0d 利益の「利」より道理の「理」。ミズノのDNAに沁み渡るSDGsの精神 oa-newswitch

利益の「利」より道理の「理」。ミズノのDNAに沁み渡るSDGsの精神

スポーツ用品から国際貢献、地方創生にまで広がるミズノの事業

次の二つのプロダクトには共通点がある。おわかりだろうか。

 (1)トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」に搭載された水素タンクの外殻素材

 (2)佐川急便のユニフォーム


正解は「どちらもミズノの製品」である。


ミズノは、野球やサッカーはもちろん、カーリング、アーチェリーといった多くのスポーツで使用されるウェアやシューズ、用具などを手がける。だが一方で、佐川急便やサカイ引越センター、セブン-イレブンなどのワークウェアも受注生産する。さらに炭素繊維をはじめとする「素材」のメーカーでもある。


こうしたミズノの「意外な顔」を次々と教えてくれるのが、『ミズノ本 - 世界で愛される“日本的企業”の秘密 -』(ワニブックス)だ。


同書は、ミズノが支えるトップアスリートたちの華々しい世界、裏方で選手を支えるミズノのクラフトマンたちの努力など、あらゆる側面からミズノを紹介。著者の村尾隆介さんはブランディングの専門家で、地域のスポーツ用品店の活性化、スポーツを軸とした地域ブランディングなどを通じてミズノともかかわりを持つ。


さらに“意外”なのが、国際貢献や地方創生支援などの、事業としての展開だ。


例えばベトナムで、経済成長に伴う子どもの肥満対策として、一人のミズノ社員が小学校の体育の授業改革に奮闘。ミズノが開発した、運動が苦手な子でも楽しめるプログラム「ヘキスサロン」を現地に導入するために、日本政府にプロジェクトをプレゼンして採択された。


山形県の朝日町では、ミズノが行政と組んで地方創生をサポートしている。まち全体をスポーツチームになぞらえ、朝日町×ミズノのタグが入ったコラボアイテムを製作し限定販売。さらにシニア層向けの健康増進プログラム、トップアスリートを招いた講演会など、幅広い継続的な事業を展開する。


サントリーとミズノの創業者の共通点は「三方良し」


「高校野球大会や実業団野球大会をはじめたのはミズノ」「20年以上もアムステルダムマラソンのパートナーを務めている」など、この本にはミズノの“トリビア”的なエピソードが満載だ。


だがここでは、ミズノの「出発点」に注目したい。創業のいきさつが、現在まで連綿と受け継がれた企業文化や経営方針に大きく影響したと考えられるからだ。


ミズノは1906年、大阪市北区にて水野利八(幼名・仁吉)、利三兄弟が創業した「水野兄弟商会」が起源だ。現在の水野明人社長は利八の孫にあたる。


利八は岐阜県大垣市に生まれた。9歳で父親を亡くし、12歳で大阪のくすり問屋へ丁稚奉公に出た。その後、京都で丁稚をしている時に、第三高校(後の京都大学)の学生たちがプレーする様を見て野球に強く惹かれる。また、日露戦争で兵士として戦地に赴いた際に戦友と交わした野球談議も面白く、忘れがたいものだった。その2つの経験から、野球用具やスポーツウェアを販売する店を構想するに至ったという。


さて「大阪」「くすり問屋」「奉公」というワードから思い出されるのは、サントリー創業者の鳥井信治郎だ。サントリー創業は1899年だから、ミズノと7年しか違わない。


サントリーとミズノは、世襲企業であること、財団を有し利益を社会還元していることなどでも似ている。そして「売り手良し、買い手良し、世間良し」という「三方良し」を標榜することも共通する。


利八は、「三方良し」の延長線上にある「利益の利より道理の理」という言葉を残している。「いくら儲かるか」よりも「道理が通っているか」「その事業が世のため人のためになるか」といった点を、利八は重視していた。そして、曲がったことは絶対にしなかった。戦後、物資が乏しい時代であっても、決して闇市には手を出さなかったそうだ。


この言葉はミズノのDNAとなっているようだ。だから市場が小さいマイナー競技用の商品をつくり続ける。前述のベトナムや朝日町での取り組みも「道理の理」によるものだろう。


古賀稔彦元選手の依頼で子どもが「正々堂々と闘える」柔道衣を開発

「曲がったことはしない」という利八の意志が、ミズノに受け継がれていることを納得させられるエピソードがある。


今年3月に亡くなったバルセロナ五輪柔道金メダリストの古賀稔彦元選手は、現役時代のみならず引退後もミズノと深く関わっていた。2000年に引退後、柔道教室「古賀塾」を開いた際には、ミズノに「子どもに合った柔道衣を開発してほしい」と要望したそうだ。


ミズノはそれに応え、握力の弱い子どもでもしっかりと相手の柔道衣を掴める、帯が結びやすいなど、古賀元選手のこだわりを反映したキッズ向け柔道衣シリーズ「三四郎」を開発した。


実は当時の柔道界では、「違反柔道衣」が横行していたという。勝ちを重視し、襟を厚手にして相手が掴みにくくしたものなどだ。勝利という「利」を重視したものであり、利八が見たとしたら「曲がったこと」の最たるものだったろう。


もちろんミズノは違反柔道衣をつくっていない。それどころか、「三四郎」シリーズでは「正々堂々と闘う柔道衣」を目指した。


私は中学高校時代、柔道部にいたのだが、思い返せば、ミズノの柔道衣は特別だった。他社製に比べて明らかに柔らかくて握りやすく、着心地も良かった。快適で、正々堂々と戦うベストコンディションに、体も気持ちも持っていってくれる柔道衣。それには利八の「道理の理」が込められていたのだな、と、今さらながら納得した。


昨今は、SDGsやESG投資が注目されている。「ステークホルダー資本主義」や社会課題解決型のビジネスへの注目、新興国の劣悪な労働環境に対する問題意識の高まりなどからすると、利八の「三方よし」や「利益の利より道理の理」の考え方は、現代を先取りしていたと言っていいのではないだろうか。


『ミズノ本 - 世界で愛される“日本的企業”の秘密 -』で著者の村尾さんは「事業自体が社会貢献的であるミズノは、どこを切り取ってもSDGsアクション」と書いている。今だからこそ、ミズノの歴史と現在の経営から学ぶべきことは多そうだ。


(文=情報工場「SERENDIP」編集部 前田真織)







『ミズノ本 - 世界で愛される“日本的企業”の秘密 -』

村尾 隆 著

ワニブックス

288p 1,700円(税込)

cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_5b89f6d2030a_工作機械が相次ぎ値上げ、コスト高で価格転嫁に踏み込む 5b89f6d2030a 5b89f6d2030a 工作機械が相次ぎ値上げ、コスト高で価格転嫁に踏み込む oa-newswitch

工作機械が相次ぎ値上げ、コスト高で価格転嫁に踏み込む

工作機械業界で、部材価格や海上運賃の上昇を製品価格に転嫁する動きが広がっている。オークマは10月分から工作機械などの価格を3%上げた。牧野フライス製作所やDMG森精機も2022年から値上げする。各社とも従来から取り組んでいる生産や部品調達の効率化と合わせ、コスト高に対応。収益を改善して事業基盤を強化し、工作機械の安定供給につなげる。


オークマは工作機械などの製品と、施工や修理のサービスを含めて3%値上げした。牧野フライス製作所は22年1月の受注分から約3%値上げする。またDMG森精機は「現在顧客と交渉しており、22年からは(価格を)3%は上げたい」(森雅彦社長)としている。芝浦機械も成形機と同様、工作機械も値上げを決めた。


シチズンマシナリー(長野県御代田町)は現状は値上げを予定していない。ただ、中島圭一社長は「この状況がしばらく続けば検討する可能性もある」と価格見直しを示唆する。


工作機械の受注環境は好調が続いている。日本工作機械工業会(日工会)によると、21年9月の受注額は18年9月以来3年ぶりに1400億円を超え、8カ月連続で1000億円を上回った。各社の工場操業率も高水準の状態が続いている。


一方、半導体や電装品をはじめとする部品・部材の不足が続き、製品納期が延びている。さらに鋼材などの部材価格上昇やコンテナ不足による海上運賃高騰が重なっている。


工作機械メーカー各社はこれまで、製造現場の効率化や部品の集中購買などの自助努力により、製品価格の維持に努めてきたが、コスト高は一段と進んでいる。「今後もしばらく部材価格が落ち着く兆候はない」(高山幸久牧野フライス製作所執行役員営業本部長)との見方もあり、各社とも価格転嫁に踏み込む。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_fa0fd0d1ddc5_GAFAに対抗、東工大とデンソーITラボが推進する共同研究講座の異“才” fa0fd0d1ddc5 fa0fd0d1ddc5 GAFAに対抗、東工大とデンソーITラボが推進する共同研究講座の異“才” oa-newswitch

GAFAに対抗、東工大とデンソーITラボが推進する共同研究講座の異“才”

東京工業大学情報理工学院とデンソー子会社のデンソーアイティーラボラトリ(東京都渋谷区)がユニークな共同研究講座に取り組んでいる。同社が派遣した2人の特任准教授は研究室主宰者となり講義に加え、学位取得の研究指導や教授会にも出席する。独立独歩の色合いが強いはずの同大の教員7人とともに「モビリティーへの人工知能(AI)応用」をテーマに多面的な研究を進めている。 (編集委員・山本佳世子)


産学共同研究を始める際に企業から派遣された教員は研究テーマや活動場所が限定され、学生の学位に関わる研究指導ができないことが多い。学位授与は大学だけの役割で責任も大きいためだ。しかしデンソーアイティーラボラトリが派遣した特任准教授2人は修士・博士研究の指導のほか、教授会への出席、国の科学研究費助成事業への応募など、かなりの自由度と責任が与えられている。


これを新制度ではなく、既存の枠組みで実現できている点が大きい。背景には大学の研究マネジメントを手がけるリサーチアドミニストレーター(URA)や事務局側の工夫のほか、AI研究を取り巻く問題があった。


技術の基礎と応用が近く「GAFA」を代表する巨大IT企業などとの競争が激しさを増す中、産学の伝統的な分業制では研究がうまくいかない。そのため現場重視の産学連携としつつ、自由度を持って学内を動き回れるスタイルとしたのだ。


東工大の篠田浩一教授は「大学、特に情報理工系は教員のグループ化がなじまない。しかしGAFAに対抗し、我々の基盤技術をデンソーアイティーラボラトリの次世代モビリティーと掛け合わすことで気持ちがまとまった」と振り返る。


コンピュータービジョンを核に機械学習や高性能計算、3Dデータ認識、最適化理論などの教員7人が集まった。研究の補助的活動をする大学院生のリサーチアシスタントも、共同研究から刺激を受けられる。


一方で、同社派遣の川上玲特任准教授は「文部科学省や経済産業省のプロジェクト経験もあるが、今回の仕組みは議論の途中で別の研究者が参加するなどの変更が容易だ」とメリットを強調する。「実験に必要なプログラムコードを別の研究室から提供してもらい、時間短縮できた例もあった」という。


当初、共同研究講座は2020年度から3年間の予定だった。だが、すでに共著論文が数件出ていることから、同社は派遣教員の研究力向上を実感し、期間を5年間に延長した。今後は長期の博士学生指導や共著論文など、さらなる成果が期待されそうだ。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_376de56b3374_来年4月に福岡で開業する「ららぽーと」、新規雇用3000人 376de56b3374 376de56b3374 来年4月に福岡で開業する「ららぽーと」、新規雇用3000人 oa-newswitch

来年4月に福岡で開業する「ららぽーと」、新規雇用3000人

三井不動産、九州電力、西日本鉄道は、福岡市青果市場跡地で開発中の商業施設「三井ショッピングパークららぽーと福岡」を2022年4月に開業する。旧青果市場に従事していた仲卸が食品雑貨店とレストランを組み合わせた新形態の店舗を開くなど、食品関連の店舗を充実させる方針。同施設は3000人を超える新規雇用を見込み、11月から合同説明会形式で従業員の募集活動を始める。


仲卸による店舗はグロッサリー(食品雑貨)とレストランを掛け合わせた「グローサラント」という新形態の店舗。目の前の旬の食材を調理して振る舞い、来店者はその場で食べられるほか、持ち帰りもできる。このほか、西鉄ストアの産地とつながる食をテーマにしたスーパーなど約20店舗が出店する“フードマルシェ”をオープンする。


服飾や雑貨なども合わせ、現時点で183店舗の出店を公表。各店舗の従業員採用支援のため、「ららぽーと福岡採用センター」を立ち上げ、11月中旬からイベント会場「FFBホール」(福岡市博多区)で従業員募集の合同説明会を開く。

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ノーベル賞・真鍋氏が生みの親。未来の気象を計算する「全球気候モデル」

 2021年のノーベル物理学賞は、気候変動モデルを提唱し、地球温暖化と二酸化炭素濃度の関係性を予測した功績で、米プリンストン大学の真鍋淑郎氏と、ハンブルク大学のクラウス・ハッセルマン氏、ローマ・ラ・サピエンツァ大学のジョルジョ・パリージ氏に授与されることが決まりました。

 日刊工業新聞社が発行した書籍『トコトンやさしい異常気象の本』(一般財団法人日本気象協会 編)から、全球気候モデルに関わる項目を抜粋して紹介します。


仮想空間の実験装置で地球の将来を占う

 何かわからない事柄に出くわした時、私たちはどのように対応するでしょうか。小学校の理科の時間では、まず「こうなるであろう」という仮説をたて、その仮説に基づいた実験を実施し、その結果をみて仮説が正しいかどうかを確認することを学びました。例えば今から250年以上前、アメリカのフランクリンも「雷は電気である」との仮説をたて、それを確かめるべく凧を揚げ糸に電気が流れるのを確認することで、雷は電気であることを明らかにしています。これも「実験による証明」の一つです。

 それでは同じ大気現象である地球温暖化などを実験で確認することはできるのでしょうか。

 この100年の間、地球上のCO2濃度は上昇し続けています。この結果がどうなるのか、まさに私たちはその結果を「実験器具」の中に入る形で固唾をのんで見守っているところです。しかし、この状態が続いた場合に100年後にどうなるかということはわかりません。100年前に戻り、現代と同じレベルのCO2ガスを放出することができないからです。

 このように地球のような大きな対象物に対し長い期間にわたる現象を評価する場合、「全球気候モデル」という計算機上の仮想の実験装置を用いて仮説を検証します。

 これまでの研究結果から、地球上の大気や海の状態はすべて物理計算により再現できることがわかっています。例えば現在の気象条件を最初の状態として計算機上に再現します。このあと、例えばCO2が現在と同じだった場合、あるいは倍増した場合、100年後がどのような気候状態になるのかといった「実験」を計算により求めることができます。この計算装置が「全球気候モデル」といわれるものです。

 全球気候モデルはアメリカやヨーロッパの他、日本も気象庁気象研究所などがモデルを開発し、地球の気候に関する研究を進めています。



イラスト:小島サエキチ


(「トコトンやさしい異常気象の本」p.30-31より一部抜粋)











<書籍紹介>

書名:トコトンやさしい異常気象の本

編者名:一般財団法人日本気象協会

判型:A5判

総頁数:160頁

税込み価格:1,650円




<販売サイト>

Amazon

Rakuten ブックス

日刊工業新聞ブックストア



<目次(一部抜粋)>

第1章 異常気象とは

異常気象とはどんな気象?/私たちの社会生活が気候を変える?/21世紀末は極端現象が極端でなくなる/大規模な火山噴火が大きな気候変動をもたらす/100年後、異常気象は増えるのか


第2章 雨の異常気象

大雨が降る頻度が増えている?/大雨が降る地域が全国に広がっている/極端な大雨と都市化が内水氾濫をもたらす/豪雨災害をもたらすバックビルディング現象


第3章 風の異常気象

近い将来、台風が強大化する?/突然に襲いかかる猛烈な風/発達した低気圧による強風災害/砂漠化の進行と砂塵嵐


第4章 気温の異常気象

四万十はなぜ暑くなったのか/北半球を襲った異常高温/冷害をもたらすやませはどこから吹くのか/風のない晴れた夜が霜害をもたらす/つるつる路面はどうしてできる?


第5章 雪の異常気象

豪雪年と少雪年の違い/どうして大雪が降るのか?/白魔が視界を奪う!ホワイトアウトとは?/空から降ってきた雨が凍る?


第6章 海の異常気象

南太平洋の島々が海に沈む?/海水温の上昇が異常気象を呼ぶ/不意に襲う沿岸の高波/船舶を襲う沖合の高波/気圧の低下と強風が高潮を招く/海洋生物に悪影響をもたらす海の酸性化


第7章 異常気象から身を守る

大雨の降っている場所を知る/大雨から身を守る/強風や突風から身を守る/災害時に身を守る情報を知る/ 熱中症から身を守る/吹雪から身を守る/自助・共助・公助の考えで身を守る/情報だけでは人は動かない/もしもの時のために


第8章 地球温暖化への挑戦

地球温暖化にどう向き合うのか/地球温暖化対策に向けた世界的な取り組み/二酸化炭素を回収・貯留する/天気予報で二酸化炭素を削減する/将来の水害を防止軽減するために/農作物の栽培適地は北上するのか?

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_9ea296ece582_ロームが中国・正海集団とSiCパワーモジュール合弁を設立する狙い 9ea296ece582 9ea296ece582 ロームが中国・正海集団とSiCパワーモジュール合弁を設立する狙い oa-newswitch

ロームが中国・正海集団とSiCパワーモジュール合弁を設立する狙い

ロームは、中国・正海集団(山東省)と炭化ケイ素(SiC)パワーモジュール事業に関する合弁会社を設立する。12月めどにパワーモジュールの開発や生産などを担う新会社を上海市に設立する。正海集団のインバーター技術とロームのSiCチップを融合し、電動車のトラクションインバーターに向く高効率なパワーモジュールを開発する。


新会社「上海海姆希科半導体(シャンハイハイモシック)」の資本金は2億5000万元(約44億円)を予定。出資比率は正海集団完全子会社の上海正海半導体技術が80%、ロームは20%となる。開発するモジュール製品は電動車へ採用が決まり、2022年にローム本社工場(京都市右京区)で量産する。


新会社の本社所在地に現在、工場を建設中で23年中に稼働予定。従業員は約120人でスタートする。総経理には、トヨタ自動車で14年間ハイブリッド車(HV)の開発に従事し、17年から正海集団でSiCパワーモジュールなどの開発に関わる高崎哲氏が就く。


正海集団は1990年に創立。傘下に自動車向けインバーター、モジュールメーカーなどを有し多角的に事業展開を行う。ロームとは協力関係にあり、合弁会社設立を機に、今後拡大が見込まれるSiCパワーモジュール事業を強化する。


高崎氏は同日、上海市内で会見し「技術革新に努め、SiCパワーモジュール販売で中国ナンバーワンを目指す」と意気込んだ。ロームの松本功社長は「(新会社は)中国で勢いを増す新エネルギー車へのSiCパワーデバイス搭載を後押しし、他の応用研究にも重要な役割を果たす」とコメントした。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_9d54f9d98fe1_ジョブ型・副業制度を計画するJVCケンウッド、期待する波及効果とは? 9d54f9d98fe1 9d54f9d98fe1 ジョブ型・副業制度を計画するJVCケンウッド、期待する波及効果とは? oa-newswitch

ジョブ型・副業制度を計画するJVCケンウッド、期待する波及効果とは?

JVCケンウッドは、2023年度をめどに人事制度を大幅に改正する。職務を明確にして報酬と対応させる「ジョブ型」制度や、正社員を対象に短時間勤務制度の導入を計画する。副業や兼業に関しても柔軟に認める方針。働き方に関する選択肢を増やして、社員がライフワークバランス(仕事と生活の調和)をとりやすくすると共に、能力を発揮し充実感を持って働けるようにする。


JVCケンウッドは、ジョブ型制度を導入し、専門性を持つ人材を多く採用したり、各職場に適材配置できるようにする。短時間勤務制度に加え、フレックスタイム制度の導入も目指す。同社の製品やサービスにおけるイノベーション創出への波及効果も期待する。


同社は事業体質の強化に向け、働き方改革を進めてきた。これまでに長時間労働の解消のための取り組みを実施した。


社員が自分の出退勤予定時間をデスク上のモニターなどにカードで掲示して社内に周知することで、その時間にスムーズに退勤できるようにした。また定時退社日の設定も始めた。その結果、20年度の年間総実労働時間は17年度比5・6%減の平均1875時間に短縮した。


またコロナ禍対策として取り入れたテレワークを21年度に正式導入した。オンライン決裁を進めて「脱ハンコ」を実現するなど、生産性向上も図っている。オンラインツールなどの普及で今後、単身赴任が必要な案件も減ると見ている。

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