多くの観光客やビジネスマンでごった返す東京駅。そんな混沌とした駅前を見下ろすように掲げられたこの看板を、あなたはご存じだろうか。
大きなQRコードと口の大きな忍者(?)が書かれた赤い看板。よく見ると、
「この看板が自撮り棒っ?」
と書かれている。一体どういうことなのか。
ツイッターではQRコードを読み取ったと思われるユーザーから、
「看板に設置してあるカメラを遠隔操作して、自分の写真を撮れた。チョーおもちろい」「結構しっかり映るもんで、最新の技術を感じた」「面白いというより感心」
といった声が寄せられている。
そう、これはQRコードを読み取ることで、看板付近に設置されたカメラから「自撮り」ができるというもの。筆者も東京駅は幾度となく訪れているが、こんな看板があるとは気づかなかった。設置しているのは医療機器メーカーの「アールエフ」(本社:長野市)だ。
ツイッターを見る限り、看板と被写体の距離は結構離れている。本当に上手く撮影することができるのだろうか...筆者はさっそく現場に向かってみた。
カメラワークも自由自在
撮影場所は、八重洲中央口を出てすぐ横にある建物「GRANROOF(グランルーフ)」のデッキ。大きな帆のような屋根が特徴だ。
さっそくQRコードを読み込んでみると...
看板の下にはカメラが2台。それぞれの撮影ポイントをわかりやすく図解してくれている。下の画面には現在の状態が映し出され、他の人が使用している場合はその旨が記載されている。
使用したいカメラを選択し「自撮り画面へ」を押すと、そのカメラで撮影する風景が表示される。上下左右の矢印でカメラの移動、プラス・マイナスでズームインとズームアウトができる。カメラワークも自由自在だ。
カメラマークを押すと写真が保存できる。自撮りというか防犯カメラに写っているような画像だが...。シャッターを押すときに携帯を見ないよう注意だ。
看板を設置した理由は...
Jタウンネットは2019年12月9日、アールエフの広報担当者に話を聞いた。
看板を設置したのは今年のゴールデンウィークごろ。東京駅前のほか、長野駅前にも看板を設置している。
なぜ、自撮り看板を設置しているのかを聞いてみると、
「東京駅前という立地から、全国各地から観光に来られる方も多く、東京駅をバックに写真を撮られる方もいらっしゃるかも...という発想からです。いっそのこと、看板にカメラをつけたらどうかな?と、自撮りできる看板を設置しました」
とのこと。たしかに、場所によっては新幹線のホームが映り込み、東京に来た記念になるかもしれない。
看板の認知度については「結構あると思います」と話す広報担当者。PRなどは特にしておらず、
「東京および長野駅前に来ていただいた方にご利用いただければと思います」
としている。ちなみに看板に描かれているのは「はなげ忍者」というキャラクターだ。
みなさんも東京駅もしくは長野駅に来た際は記念に撮影してみてはどうか。
(12月17日13時30分追記)運営会社からの要望を受け、掲載した写真のQRコード部分をぼかし加工しました。