猫と長年向き合うことで掴んだ"猫になる"コツ
猫は猫でも、華やかに歌い踊る猫を見たことがありますか? そんな猫たちと出会えるのがミュージカル『キャッツ』。イギリスの作家T.S.エリオットが書いた詩集『キャッツ―ポッサムおじさんの猫とつき合う法』を原作とする、世界的に有名なミュージカル作品です。日本では劇団四季によって1983年から上演されてきましたが、2018年8月11日(土・祝)、9年ぶりの東京公演が華々しく開幕しました!
「歌い踊る猫」といっても、演じるのはもちろん人間! ですが、人間とは思えぬ、猫さながらの動きに魅了されます。猫を演じるため、猫という動物と長年向き合う中で得た気付きを『キャッツ』出演歴5年、2018東京公演にも出演予定である劇団四季の俳優・松山育恵さんに教えていただきました。明日から使える「舞台経験がなくても“猫になれる”コツ」も伝授してもらいましたので、猫好きさんは最後まで読んでくださいね。
お答えいただいた松山育恵さん。
引用元:画像提供/劇団四季
今回の『キャッツ』では、オレンジの縞猫ディミータ役の一人として出演予定です。“猫”姿はこんな感じ……!
引用元:撮影/堀勝志古
左が松山さん
猫の大きな魅力のひとつは「目の美しさ」
編集スタッフ(以下、編):メイクをした姿はもう完全に猫ですね! 猫になりきるためにさまざまな工夫をされていると思うのですが、まず「ビジュアル」面ではどのようなところにこだわっていますか?
松山さん(以下、松):とくに猫の目は本当に美しいなと思います。ですので、『キャッツ』に出演するとき、目のメイクにはこだわっています。
編:「目の美しさ」は猫の大きな魅力の1つですよね。では、「しぐさ」の面ではどうでしょう? 松山さんは『キャッツ』での「猫さながらの動き」をどのように身に付けられたのですか?
松:猫の動画はよく見ますね。人間にはない「ヒゲや肉球の感じ」や「肩甲骨のなめらかな動き」など、どうすればうまく表現できるか日々研究しています。あとは、道でノラ猫を見つけたらついつい立ち止まり、見入ってしまいます。人間に対しての反応が猫によって全然違うので、とても勉強になります。
★松山さんの研究の成果、演じる様子は記事の後半でご覧いただけます。お楽しみに。
編:ほかのキャストのみなさんもそのように研究されているのですか?
松:そうですね。神秘的で野性的な猫の表情や動きを表現するため、ノラ猫の観察や動物園でネコ科の動物を見るなど、『キャッツ』にキャスティングされた俳優はそれぞれに研究を重ねていると思います。
今回の『キャッツ』上演のため、東京・大井町に建てられた「キャッツ・シアター」。その舞台に登場した“猫”たちの動きには思わず「す、すごい……」と感嘆してしまいます!
演じてみてとくにすごいと感じるのは「高いジャンプ」
編:私たちは『キャッツ』に登場する“猫”たちの動きに見入ってしまいますが、松山さんが猫という動物と向き合う中で「すごいなぁ……」と思う動きはありますか?
松:猫が驚いたときにとても高くジャンプするのはすごいなと思います! ですので、私もダンスではなるべく高いジャンプを心がけています。
編:高いジャンプは注目ポイントですね。では、猫という動物を深―――く知った今、松山さんが感じられる猫の魅力とは?
松:やはり「神秘的」なところでしょうか。
月夜にくつろぐ“猫”たちはまさに神秘的! 後ろにいるオレンジの縞猫が松山さんです
編:わかります! 猫に魅せられて飼いたくなったりはしないのですか?
松:猫を飼っている友人の家に遊びに行ったとき、とてもかわいくて! 夢中で遊んでいたらくしゃみが止まらなくなり、そのとき自分が猫アレルギーだと知りました……。でも大好きなのです!
編:そうでしたか……。猫アレルギーならどうしようもないですね(涙)。この記事を読んでいる猫飼いさんの多くは愛猫の動きを真似しようとする機会もたくさんあると思うのですが(……そんなことはない!?)、その動きを極めるにはどうしたらいいですかね? こっそりコツを教えて頂けないでしょうか!
松:日常でもできる猫らしい動き……。そうですね、猫は何かを見るとき、目だけで見ることはないんです。つねに顔と目が連動しているので、そういったところを意識してみるといいかもしれません。また、体全体で表現することはあまりないかもしれませんが、四つん這いで歩くときは、すべての関節をなめらかに使うことを意識すると、人間ではない動物的な動きになりますよ!
さっそく見てみましょう!
そんな松山さんが猫を演じている様子はこちら!
jstream_t3.PlayerFactoryIF.create({ b:"eqd227hwsc.eq.webcdn.stream.ne.jp/www50/eqd227hwsc/jmc_pub/jmc_swf/player/", c:"MzYxMQ==", m:"MjE3", s:{ hp:480, il:"off", rp:"fit", sn:"", tg:"off", ti:"off", wp:640 }});このコンテンツを見るためにはJavaScriptを有効にしてください。Please enable JavaScript to watch this content.
右から2番目が松山さん。顔を洗うしぐさがまさに猫です!
jstream_t3.PlayerFactoryIF.create({ b:"eqd227hwsc.eq.webcdn.stream.ne.jp/www50/eqd227hwsc/jmc_pub/jmc_swf/player/", c:"MzYxMQ==", m:"MjE4", s:{ hp:480, il:"off", rp:"fit", sn:"", tg:"off", ti:"off", wp:640 }});このコンテンツを見るためにはJavaScriptを有効にしてください。Please enable JavaScript to watch this content.
左が松山さん。ほかの猫と目が合ったときの反応が猫を思わせますよね
松山さんの話をお聞きしながら、最初から最後まで通しで観たくなってしまった筆者は、東京・大井町の「キャッツ・シアター」へ。
さっそく観劇してきました!!!
その感想は……スゴイ!!! そのひと言に尽きます。24匹の“猫”たちが歌い踊るゴージャス感と迫力にとにかく圧倒されました。舞台と客席の距離が近く、前方の席ではなくても『キャッツ』の世界を堪能できるのは、この劇場ならではの魅力といえるかもしれません。じつは筆者は20年来の舞台ファンなのですが、劇団四季の俳優によるパフォーマンスはかなりハイレベル! ダンスも歌も素晴らしくて、ミュージカルってスゴーイ! とあらためて感じました。“猫”たちがときどき客席に下りてきてくれるのもワクワクポイント。“猫”たちと戯れているような気分になりますので、猫好きとしてもオススメです。
劇場内で猫を探してみて!
ちなみに、「キャッツ・シアター」の客席にはたくさんのゴミが。どのゴミも、見つけたお客さんが懐かしく感じられるようなものになっているそうですよ。その中には……
なんと、猫も!!!
さらに劇場のお化粧室にも……
猫が!!!
猫好きさんにはグッとくる工夫がいっぱいでしたよ~。
最後に松山さんからひと言!
「『キャッツ』に登場する猫は一匹一匹見た目も性格も違うので、自分に似た猫や共感できる猫を探してみても楽しいかもしれません!」
運よく『キャッツ』ワールドに潜入できた方は、ぜひお気に入りの猫を探してみてくださいね!
■公演概要
『キャッツ』
日程:8月11日(土・祝)開幕
会場:キャッツ・シアター(品川区広町2-1-18)
公式サイト:https://www.shiki.jp/
お問い合わせ:劇団四季 予約センター 0120-489444
文/ねこのきもちweb編集室