引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
地震などの災害や、なにか異常事態が起きたとき、猫も怖い思いをします。大阪北部を襲った大地震のときも、恐怖で逃げ出してしまうコが数多く見られたそうです。
「異常事態が起こると、猫はどんな行動をとる傾向にあるのか」
「屋内外で、どんなところに隠れやすいのか」
「地震などに備えて、愛猫のために日頃からできることはなにか」
など、気になることはたくさん!
いざというときのために知っておきたい猫の行動の傾向と、飼い主さんができることを、ねこのきもち獣医師相談室の先生にくわしく解説してもらいました。
地震などの異常事態が発生したときの猫の行動
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
動物は、特定の刺激によってなんらかの恐怖や危機を感じた際、その刺激から遠ざかる方向に速やかに移動しようと行動する傾向があります。猫においても、このような行動は見られます。
家の中にいても、地震のときに猫が外に逃げ出してしまうワケ
地震の場合、動物が恐怖や危機を感じるきっかけになる直接の刺激は、地面の振動や地鳴りなど。
とくに家屋の中にいる場合には、その振動によって家全体がきしむ音がしたり、高いところのものが落ちる音や衝撃があったり、実際に家具が倒れたりなど、動物が恐怖を感じる刺激がさらに多くなる傾向があります。
そのため、それらの刺激から遠ざかろうとして、結果的に屋外に出てしまっているのかもしれません。
猫自身の意思として外に出たくて出ているのではなく、「怖い」と感じた室内の刺激から遠ざかるために本能的に行動し、結果的に屋外に出てしまった状況なのだと考えられます。
地震などの異常事態の際、猫はどんなところに隠れがち?
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もともと猫は、リラックスしているときには家具の上やキャットタワーなどのような「周囲よりもやや高くて見晴らしの良い場所」にいる傾向があります。
一方で、気持ちを落ち着かせたいときには、押し入れやテレビの裏、段ボール箱など、人の目線が届きにくい、奥まった狭い場所を選びがちな傾向があります。
とくに強いストレスを感じたり、大きな物音など猫にとって不快な刺激を感じた際には、奥まった狭い場所に引きこもり、しばらく出てこないことも。
そのことから、たとえば地震のような不測の災害によって非常に怯えてしまった際には、奥まった狭い場所に逃げ込んで、しばらくじっとして出てこない可能性が考えられます。
家の中に隠れる場合、どんな場所にいるケースが多い?
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猫は基本的に、隠れ場所として比較的暗くて奥まった狭い場所を好みます。
平常時であれば、そのような隠れ場所は押し入れの中やベッド、ソファなどの家具の下の隙間などが考えられます。
また、稀にフタが開いている洗濯機の中に好んで隠れる猫もいるため、日常的に注意が必要です。
地震などの非常事態で隠れやすい場所
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地震の際に恐怖を感じて逃げ込む場合には、平常時よりもさらに目立ちにくい、奥まった場所を選びがちな傾向があります。
一般に、猫は頭の幅が通るところであれば、通り抜けることができる体の仕組みになっています。
そのため、転倒した家具の隙間や開いた戸棚の中、飛び出した引き出しの奥など、想像を超えるような狭い場所に隠れてしまう可能性もあります。
災害後にまだ猫が見つかっていない間は、家具を片付ける際にも隙間や奥を慎重に確認しながら行うほうが無難でしょう。
怖い思いをした家には帰らない猫も……
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地震などが起こったときに、猫がまずはじめにとる行動としては、逃げ出したり隠れたりという直接的で本能に基づいた行動が挙げられます。
なお、逃げた際に屋外に出てしまった猫については、怖い思いをした家には戻らずそのまま外に居続けたり、行方が分からなくなることもありますので注意が必要です。
さらに、その異常事態の恐怖から一時的に攻撃的になったり、逆に不安感から人のそばから離れなくなったり、人の後を追ってずっと鳴き続けるなど、行動の変化が見られることも。
また、ストレスからの多食や食欲不振、嘔吐や下痢などの消化器症状を起こすこともあります。
地震などの異常事態の際に、飼い主さんができること
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愛猫を抱っこして、人間と一緒にテーブルの下などに避難することが可能であればよいですが、恐怖でパニックになっている猫に無理に触ると、きつく噛まれるなど人間のほうが怪我をする場合もあるので、無理は禁物です。
なお、地震の際には外に飛び出してしまう猫もいます。あらかじめ「迷子札」、もしくは連絡先を直接記載してある首輪をつける習慣を持ったり、マイクロチップを装着するなど、万が一の際に捜索しやすくする工夫についても配慮してみてください。
日頃からの習慣が、緊急時にも役立つ!
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また、日頃から猫用の専用ケージやクレートなどを室内に設置し、居心地よく自由に出入りできる空間として慣らしておくことも、万が一の際には役に立つ場合があります。
猫が「ケージは安心できる場所」と理解していると、緊急時にケージを「隠れ場所」として身を隠す行動も、ある程度は期待できます。
地震の際にできることをすることも大切ですが、地震の前から、万一の状況に備えて準備できることも少なくありません。
日頃から環境や習慣などの工夫を、できる範囲で少しずつ対応しておくほうがより安心でしょう。
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もしものときのために、愛猫を守ることができるのは飼い主さんです。猫の行動の傾向を知っておくことや、日々の備えが、愛猫のためになります。
もしものために、ぜひ覚えておいて、参考にしてみてくださいね!
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/凜香