ダイノジの大谷ノブ彦が、4月12日放送の『放談ナイト〜Hold on Night〜』(フジテレビ系)に出演した。
番組で大谷は、『続・男はつらいよ』(1969年)を紹介。ストーリーは寅さんが生き別れた母親を探しに行く内容だ。これに関連して、大谷は自らの過去を振り返る。
「俺も4歳で親父に捨てられてる。3年前に、説得されて息子と一緒に会いに行った。下関で独り暮らしをしてて、死ぬんじゃないかって言われて。周りが『絶対会いに行った方がいい。会って対峙しないとダメです』と」
意を決して下関に向かったという大谷。
「最初、マンションに行って待ってても出ない。後から聞いたら、(ちゃんと)いたらしい。しばらくして、ガチャって開けた瞬間に(父親が)一方的にしゃべるの。
普通おじいちゃんからすると(大谷の息子は)孫だから溺愛するじゃん。俺らを捨ててるから、いきなり小さい子供が来ても(対応が)わからない。目を合わせないで、ずっと自分の近況をしゃべるの。うちの息子はどんどん引く」
久しぶりの再会にも関わらず、感動などはなかったという。
「しゃべっていくうちに、母親と父親の出会ったときの話にみたいになってきて。最後は自分(大谷)がカッコつけて『お金を振り込んであげるから、口座番号教えてよ』って言ったら、『いいんですか?』って急に敬語になった」
この話に、出演者は「しょうもない親父だな」と笑いながらツッコんでいたが、大谷本人は「(プライドとかなくて)やっぱこの人、かわいいなと思った」と明かしていた。
大谷は2014年の3月30日付けのオフィシャルブログで、父親蒸発の経緯を綴っている。
《親父を追いかけて、まだ10代だった母が押し掛けた街(下関)。そのまま居座り僕がお腹にできた。親父は言ってた あさま山荘事件を見ながら、あー俺父親になるのか。無理だろうなって。まるで他人事みたいに》
それから間もなく、妻を残し神奈川に出稼ぎに出たという大谷の父。最初の1カ月だけお金を送り、以降はすべてギャンブルに使ってしまったという。
<全てボートが悪いんだと遠い目で語る父。その堂々としたくずっぷりに笑った。なんかうちの親父のダメさってかわいい。愛嬌あるっつうか。40なったからこっちも笑えてるだけなんだろうけど>
そんな父親は、大谷に対して「伸彦は芸の道極めて、俺は悪の道極めて。こんなになるとはなぁ」とこぼしたという。そのとぼけた口調に、またしても大谷は笑ってしまったそうだ。
本体は憎むべき、苦労の原因を作った張本人であるが、同時に不思議な魅力のある人物なのだろう。