――どんな家庭で育ったんですか?
「実家は埼玉です。父は明治生まれの人で、僕は父が70歳のときの子供なんですよ。あとは、母と兄と。
――複雑ですけど、裕福な家庭だったんですね。
「いやいや、それが全然なんですよ。すごく小さくて、ボロボロの家でしたもん。父もどこからかゴミを拾って家に持って帰るような人だったんで。社長だとか言っても、そんな感じはまったくなかったですよ。母は自分で事業をやっていたんで、父親のお金に頼っているわけじゃなかった。とはいえ、貧乏というわけでもないんですよ。兄は大学の医学部を出て医者になっていますからね」
――ご両親は、今?
「父は僕が17歳の時に亡くなりました。資産は結構あったようで、やはり遺産相続では福井の家族と揉めたようです。それで母親に『遺産放棄していい?』と聞かれたので『いいよ』って。まだ17歳ですから、訳も分からないまま言っちゃった。今だとどうしてましたかね(笑)。母親は77歳になりましたが、元気にしていますよ」
――息子さんが2人。芸能界に入られたということですが。
「長男が26歳。次男は18歳。2人とも一時は芸能事務所に入れていただいて、仕事もしていたんですが、もう事務所を辞めています。
――子育てのポリシーって何かありましたか?
「子供のやりたいことについては、一切口出しをしないことにしています。ポリシーってほどのことじゃないですけどね(笑)。
――我聞さんが19歳の時の子供が26歳。あっという間におじいちゃんになるかも。
「そうなんですよ!楽しみだなあ。孫、欲しいです。子供がまだ小さかったころのこと、懐かしくないですか。じいちゃんになったら、絶対甘やかしますね、孫のこと。なんなら、自分が面倒をみたいくらいですよ」
――若い時の所属事務所で苦労されたり、ラーメン屋をやれば横領されたり、何かと大変な人生だと思うんですが…。
「う~ん、そうですねえ…。何かあるたびに、その瞬間、瞬間は大変ではありました。でも、そのたびに周りの人が助けてくれたりとか、何とかやってこれましたからねえ。基本的に、自分からケンカしていくタイプではないので、そういうのが良かったのかもしれません。
かあいがもん
1975年5月24日生まれ。埼玉県出身。俳優、ナレーター、ミュージシャン。ドラマ「天までとどけ」にレギュラー出演して以降、テレビドラマを中心に活躍。近年では舞台や映画のほか、体験談をユーモラスに綴ったブログや書籍なども評価されている。また、企画ものの動画を制作するなど、クリエイターとしての仕事も楽しんでいる。11月スタートのWOWOWドラマ「殺意の道程」に出演