《吉村知事、公務で来れないんだって。カレーパン差し入れいただいた。なう》
「11月に入って、複数のアカウントが、このパン店の経営者が『日本維新の会』の議員や関係者であること、そしてパン店が大阪府庁の中で販売していることを指摘し、吉村知事や維新の会が便宜を図って販売の場所を与えているのではないか、という可能性を指摘するツイートをしたのです」(府政関係者)
「このパン店は大阪府枚方市にある『パン工房 ラビット』で、同店を経営しているのは議員ではなく、橋下徹のボディガード兼運転手を務めたといわれる最側近・高石康氏なんです。高石氏は党内では『入道さん』と呼ばれる、知らない人はいない大物です。
「自分は悪いことは何もしていないのに、勘違いが勘違いを生んで、精神的に参っています。SNSはつい見ちゃうし、見たら『この野郎』と反論したくなるので、いったんアカウントを消したんです。ネットの写真を見られましたか。あれはね、演説のときに知らない人に『無敵』と書かれた鉢巻を渡されて、無理に撮られたんですよ」
「大阪府庁でパンを売っているといっても、府庁舎に入っている『こさえたん』という福祉コンビニで、ほかの業者さんと日替わりで、月に2、3回パンを置かせてもらっているだけなんです。『こさえたん』はお弁当やカップ麺のほか、僕らのような施設でつくったパンや、手作りのぬいぐるみなどを売っている店です。
「もともと、僕は25年くらい測量士をやっていました。3年ほど前に、兄貴が脳梗塞で半身不随になったのがきっかけで、自分で施設を作ったんです。兄貴は、『身内の世話にはならん』と、来ないですけど(笑)。ちょうどそのタイミングで、僕の後輩のお父さんがパン屋を廃業するということで、器材を一式もらったのが、『ラビット』の始まりです」
「僕は、もともと橋下徹の後援会員なんです。測量屋さんをやっていたころに、後輩が橋下の秘書になり、手伝ってほしいと頼まれたんです。この前の総選挙で辻本清美さんに勝った池下卓とかも、地元の後輩です。そんな風に、維新の議員には先輩後輩や友人が多くて、いろいろ手伝うようになったんです。
「いや、ふつう友達だったら『こういうことを始めたから買うてよ』と言いますよね。『買っておいしかったら宣伝してや』と。吉村府知事も、市会議員のころから知っていますから、『食べて書いてや』と。あるとき、吉村知事が『ラビットのパンが欲しい』というので箱に入れて渡したら、それを高須さんに差し入れたことを後で知ったんです。それに、知事自身は『ラビット』という名前を出していないですからね」
『カレーパングランプリ』の最高金賞受賞は維新の組織票だった?
「それはないですね。パンを買ってくれた人向けに、『投票してください』というハガキは100枚くらい刷りました。その中に、維新の人が入っていた可能性はありますが、基本的にはネットショップで買ってくれた人に送っただけです。ツイッターでも投票を呼びかけましたが、人気投票的なコンテストですから。パンをおいしいと言ってくれる方は多いし、味に自信はあります」
「既得権打破」を旗印に、総選挙で躍進した日本維新の会。今後も、「これは維新の既得権では」と、ネット上を探し回る動きが続きそうだ。