夏に欠かせないアイテムといえば日焼け止め。けれども、秋になるとくすみにも似た日焼け跡やシミに悩んでしまうこともしばしば。そこでUK版「エル」が肌のエキスパートたちに日焼け止めにまつわる陥りがちなエラーをインタビュー。適性量やニキビのできない処方の目安、そして日焼け止めを塗る場所まで、明日から使えるTIPSを味方に、夏の日差しを思い切り楽しもう。
夏の日差しを思い切り楽しむために必要なのは大金ではなく、日焼け止めと少しの知識だけ!
【エラー1】消費期限を守らない
サンスクリーンについてはさまざまな意見がある。けれども、多くの皮膚科専門医の間で一致した意見のひとつは、日焼け止めには賞味期限があるということだ。
英国のスーパーマーケット「アズダ」による直近の調査によると、57%の英国人は期限が切れたローションを使っていることが判明している。他のアイテムと同様、日焼け止めに含まれる成分は劣化し、その効力を失うのだ。
もし分離していたり匂いに変化を感じたりしたら、それは廃棄するタイミング。一般的なルールとして、1年ぐらい経ったら新しいものにアップデートを。もし例外があるとしたらスプレータイプのアイテムだ。加圧缶なので、もう少しだけ消費期限が延びるのだとか。
【エラー2】ニキビの原因と思い込む
少なからずニキビの要因ともなりうるサンスクリーン。しかし、SPFを含むすべてのアイテムが悪いということではないので、日焼け止めに苦手意識を持つのは残念なこと。
「ラ・ロシュポゼ」のリサーチによると、肌が太陽光線にさらされると皮脂腺が汗と共にシミを生成することが判明している。抗炎症作用のあるシールドを使う場合は、“non-comedogenic(角栓ができにくい)”と記載されたアイテムが最適だ。UK版「エル」は「アヴェンヌ」“クリナンス ターマルウォーター サンスクリーン SPF30”と「ユーセリン」“サン ジェル クリーム オイル”をレコメンド。
【エラー3】少ない量を薄くのばす
英国皮膚科専門医協会のリサーチによると、ほとんどの人が必要量の半分程度の日焼け止めしか塗っていないとのこと。
フランスのコスメブランド『ガニエ』の主任皮膚科医であるジャスティン・クルッ博士は、「ボディ全体を紫外線から守るには、ゴルフボール大の日焼けクリームが必要。顔と首にはティースプーン1杯分が目安です」と説明。
クルク博士は肌をよりプロテクトするためにも、日焼け止めをミルフィーユのように薄く、そして何度も重ねるように塗ることを勧めている。また、UVアイテムは日陰で風のない場所でのばすことが大切。そうすると、塗り忘れに気づきやすいからだ。
【エラー4】日焼け止めはレジャーだけのもの
皮膚科医のもとには連日「本当に毎日サンスクリーンが必要なんですか?」といった質問が寄せられている。もちろん、答えは常に「イエス」だ。
紫外線ダメージはレジャーよりも、日々の生活のなかで着実に蓄積されている。曇りの日でも、だ。太陽光、なかでもUVAは肌の奥深くまで浸透し、エイジングを引き起こす。今愛用している日焼け止めにはそれをブロックする機能があるかどうかなど、成分設計に気を配る必要があるといえそうだ。
【エラー5】高SPFであれば日焼けはしない
チューブに記載してある数字をチェックするのは簡単。そして、どんな肌タイプであってもサンスクリーンであれば肌をずっと守ってくれると思いがち。けれども、英国の日焼け止めブランド「ウルトラサン」の創始者アビー・クリーブ氏は、肌色や住んでいる環境に合ったSPF値を選ぶことが必須だと言う。
「紫外線を受けた肌はそれに順応しようと、10日以内にメラニン色素を生成します。肌が紫外線に順応する期間、つまり紫外線が強くなるシーズンの少し前から常にSPF50を使うようにしてください」
「それ以外の季節で、英国や北ヨーロッパ在住の成人であればSPF20がおすすめ。そして紫外線のピークシーズンにはSPF30へとステップアップしてください。子供には、英国であれば常にSPF30を、外国に行くときはSPF50+を使うようにしてください」
【エラー6】苦手なフォーミュラでも我慢する
日焼け止めのべたつきや白浮きに関する悩みは、誰しもが経験したことあるはず。テクスチャーがしっくりこないのに使い続けてしまうと、使用する量が少なくなってしまったりムラができてしまったりと、正しい用法から遠ざかってしまうことも。
今年は日焼け止めスプレーが流行。スプレーは綺麗に広がり、ヒアルロン酸やビタミンEといった、肌に優しい成分を含んでいる。これらの成分は使いやすく、肌をより保湿してくれる。