cat_oa-carwatch_issue_e367691abe61 oa-carwatch_0_e367691abe61_“日本ナンバー”で結束を呼びかけ。カーベルが全国7駅に広告を掲出 e367691abe61 e367691abe61 “日本ナンバー”で結束を呼びかけ。カーベルが全国7駅に広告を掲出 oa-carwatch

“日本ナンバー”で結束を呼びかけ。カーベルが全国7駅に広告を掲出

2020年7月28日 07:00 Car Watch

2020年7月27日から順次掲出


「100円レンタカー」の全国チェーン展開などを行なうカーベルは、札幌・仙台・大宮・品川・名古屋・大阪・博多の全国7駅に、“日本ナンバー”のナンバープレートをデザインした広告を7月27日から順次掲出している。

 この広告は、夏休み期間に再び懸念される“県外ナンバーへの過剰反応”に対して呼び掛けようと企画されたもの。新型コロナウイルス感染拡大による移動の自粛期間に、他の都道府県のナンバープレートを付けたクルマがあおり運転を受けたり、落書きをされたり、ナンバープレートが県外であるという理由だけで過剰な反応が起こる「県外ナンバー狩り」が話題となったことを受け、新型コロナウイルス第二波・第三波への不安、心の余裕のなさから起こる他人への差別や誹謗中傷などに対して、「今一度日本国民として結束し、不確実な問題に対し多様性を受け入れながら乗り越えていこう」というメッセージが込められている。




 メッセージは「車には、品川ナンバー、心には、日本ナンバーを」(掲出される地域によって品川や名古屋、大阪などナンバーの地域も異なる)から始まり、「新型コロナウイルスの影響で、県外ナンバーへの差別が起きた」「生活は大きく変わった。次は、私たちの心が変わるとき。今、私たちは試されているんだ。バラバラになるか、“日本というワンチーム”で乗り越えられるのかを。誰かが悪いなんてない。私たちは1つに繋がっている」と、一丸となっていこうという想いが込められたメッセージが続く。











 この広告を企画したのは、カーベル 代表取締役 伊藤一正氏。「カーベルだからできるメッセージを伝えたい」として、下記のとおりコメントをしている。


カーベル 代表取締役 伊藤一正氏のコメント全文


 クルマを通じて、お客さまに幸せを届けたい。「お客さまがハッピー×スタッフがハッピー×経営者がハッピー=ハッピートルネード」これがカーベルの目指す姿です。

 今回、クルマに関わる会社として身近に感じる「県外ナンバー狩り」問題をきっかけに「ナンバープレート」という形でメッセージを発信しました。カーベルには、「好きか、大好きか」という社訓があります。嫌い=敵を作らないポリシーで、生き方においても、ビジネスにおいてもライバルや競争は必要だが敵はいらないと思っています。

 新型コロナウイルスの拡大と同時に、見えないウイルスへの不安からか、不当な差別や誹謗中傷、いじめなど「心のウイルス」に感染している人を見聞きします。

 今、子供から大人までがやるべきことは、確かな情報を共有し、冷静な判断で“日本というワンチーム”になって前進することだと思います。

 今回のメッセージは、カーベルとしてだけではなく、みんなをハッピーにしたい、プロレスラーでもある私個人の思いでもあります。今回のメッセージを1人でも多くの人に見ていただき、県外ナンバー狩りに限らず、心のウイルスから「快復」し、1人ひとりが「日本ナンバー」の気持ちを持って、困難な状況を乗り越えていけたらいいなと思います。

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cat_oa-carwatch_issue_e367691abe61 oa-carwatch_0_1e224461dcdc_レクサス、2021年に初のPHEV量販モデル、2022年に全く新しいBEV専用車を導入 1e224461dcdc 1e224461dcdc レクサス、2021年に初のPHEV量販モデル、2022年に全く新しいBEV専用車を導入 oa-carwatch

レクサス、2021年に初のPHEV量販モデル、2022年に全く新しいBEV専用車を導入

2021年5月18日 14:20 Car Watch

2021年5月18日 発表


2021年4月末に電動車の全世界累計販売台数が200万台に


 レクサス(トヨタ自動車)は5月18日、2021年4月末に電動車の全世界累計販売台数が200万台に達したことを発表。この発表の中で、2021年に初のPHEV(プラグインハイブリッド)量販モデル、2022年に全く新しいBEV(バッテリー式電気自動車)専用車を導入する計画を明らかにした。

 2005年の「RX400h」発売以降、レクサスは世界約90の国と地域でHEV(ハイブリッド)/BEVを含む9車種の電動車を販売し、2020年の世界販売における電動車販売比率は約33%となった。また、これまでのCO2排出抑制効果は累計約1900万t(2005年~2021年4月末時点)とし、これは15年以上の期間で毎年約30万台の一般的な乗用車によるCO2排出をゼロにしてきたことに相当するという。


 一方、レクサスでは2025年までに10以上のBEV、PHEV、HEVの電動車を含む約20車種の新型や改良モデルを順次導入し、同年には全車種に電動車を設定することで電動車の販売比率がガソリンエンジン車の比率を上まわることを目指している。また、2050年には材料製造、部品製造、車両製造、物流、走行、廃棄、リサイクルの各段階を含めたライフサイクル全体でのカーボンニュートラルの実現に挑戦していくという。

 この電動車普及を加速すべく、2021年にはレクサスとして初となるPHEVを量販モデルに導入し、2022年には全く新しいBEV専用車の導入を計画。また、長年に渡ってHEVで培ってきたモーター、インバーター、バッテリーなどの電動化技術を活かし、レクサスの電動車ならではの新しい価値やドライビング体験を実現していくとのこと。

 具体的には、新しい4輪駆動力制御技術「DIRECT4」による高精度な駆動力コントロールや、ステアバイワイヤによる直感的なステアリング操作を組み合わせることで、ドライバーの操作とクルマの挙動がよりシンクロし、従来のクルマとは一線を画した高い運動性能や五感に訴える走りを実現していく。また、これらの技術を今後に市販する予定の電動車にも順次導入する計画も明らかにしている。




2005年~2021年4月時点の電動車累計販売実績


グローバル:約202万1000台

北米:約54万台

欧州:約48万台

日本:約40万1000台

中国:約38万7000台

東アジア:約13万8000台

その他:約7万4000台

モデル別


RX:約51万8000台

ES:約38万4000台

CT:約37万2000台

NX:約28万5000台

UX HEV/EV:約13万7000台

LS/IS/LC/RCほか:約32万4000台

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cat_oa-carwatch_issue_e367691abe61 oa-carwatch_0_941ae8e38025_マクラーレン、ガルフオイルのレーシングカラーに塗装された「720S」ビスポークモデル公開 941ae8e38025 941ae8e38025 マクラーレン、ガルフオイルのレーシングカラーに塗装された「720S」ビスポークモデル公開 oa-carwatch

マクラーレン、ガルフオイルのレーシングカラーに塗装された「720S」ビスポークモデル公開

2021年5月18日 13:59 Car Watch

2021年5月18日(現地時間)公開


 マクラーレン・オートモーティブの社内ビスポーク部門であるMSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)は5月18日(現地時間)、ガルフオイルのレーシングカラーに塗装された「720S」のビスポークモデルを公開した。

 マクラーレンとガルフオイルは2020年7月に長期にわたる戦略的パートナーシップの締結を発表しており、今回公開された720Sは同プロジェクトの一環として作られたもの。2020年のパートナーシップ締結を受けて、2021年からガルフはマクラーレン・オートモーティブの推奨潤滑油サプライヤーとなり、高性能エンジンに最適化したガルフのオイルと燃料が全車両に搭載されている。

 今回のモデルでは、ガルフ GTC チームのレーシングカー「マクラーレン F1 GTR」を彷彿とさせるカラーであるアイコニックなブルーとオレンジのレーシングカラーを採用するとともに、ブレーキキャリパーもガルフのソリッド・オレンジで塗装。外観のカラーはMSOの職人によって20日間をかけてハンドペイントされたという。







 インテリアは外観と同色のブルーとオレンジのステッチが施され、ヘッドレストには刺繍で、ドアシルにはペイントでガルフのロゴをあしらった。ステアリングホイールは、外観に合わせたガルフのソリッド・オレンジとソリッド・ダークブルーのストライプをセンターバンドとし、スポーク部にはビジュアル・カーボンファイバーを用いている。


 今回の発表について、マクラーレン・オートモーティブ CEOのマイク・フルーウィット氏は「マクラーレン・オートモーティブは、わずか10年で先駆的スーパーカーメーカーとして不動の地位を確立しましたが、マクラーレン・ブランドには、それ以前から素晴らしい歴史があります。お客さまが現代のマクラーレンにこの有名なリバリーを取り入れるのはとても楽しみです。ガルフカラーの720Sは、自動車とレースの歴史に深く根ざした2つのハイパフォーマンス・ブランドが、世界中のお客さまやファンの皆さまを楽しませるため新たに始動させた戦略的パートナーシップを記念して誕生しました。このプロジェクトは、MSOの技術力を証明しています。最近も1990年代にレースで活躍したMcLaren F1 GTR 25Rをフルレストアで蘇らせました。この720Sでは、ガルフとの協力で当時を彷彿とさせるリバリーとインテリアが実現し、お客さまがMSOの有能なチームと共に、ご自身のマクラーレンを幅広くパーソナライズできることを示しています」とコメント。

 また、ガルフ・オイル・インターナショナル CEOのマイク・ジョーンズ氏は「ガルフとマクラーレンの関係は1968年にまでさかのぼり、そのパートナーシップは傑出した成功と知名度を誇ります。720Sで、ガルフの名高いレーシングブルーとネオンオレンジのカラーリングを示すため、マクラーレン・スペシャル・オペレーションズと協力できたことを誇らしく思います。マクラーレンは、未来への志や革新を追い求める野心を私たちと共有するブランドです。今後も長期にわたり、関係をさらに発展させていくことを楽しみにしています」と述べている。

 なお、今回のペイントはマクラーレンを所有する“限られた数の”オーナーだけに提供可能としている。

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cat_oa-carwatch_issue_e367691abe61 oa-carwatch_0_20a9a5494e34_BMW、新型「2シリーズクーペ」プロトタイプ公開 直6エンジン搭載などFRレイアウトを継承 20a9a5494e34 20a9a5494e34 BMW、新型「2シリーズクーペ」プロトタイプ公開 直6エンジン搭載などFRレイアウトを継承 oa-carwatch

BMW、新型「2シリーズクーペ」プロトタイプ公開 直6エンジン搭載などFRレイアウトを継承

2021年5月18日 13:54 Car Watch

2021年5月17日(現地時間) 発表


 BMWは5月17日(現地時間)、新型「2シリーズクーペ」プロトタイプモデルの写真を公開した。現在、開発プロセスの最終段階にあり、2021年夏の終わりから生産されるという。

 新型2シリーズクーペは、スポーティでエモーショナルなドライビング体験を提供するために究極のテストとしてニュルブルクリンクにおいて、サスペンション、シャーシ、ステアリング、ブレーキシステムなどのテストやチューニングを実施するなど、2ドアコンパクトスポーツカーと位置付けられるモデルとなる。

 先行して発表された新型2シリーズではエンジンを横置きに搭載するFFレイアウトが採用されているが、新型2シリーズクーペではFRレイアウトを継承。直列6気筒エンジンを搭載しつつ、ほぼ50:50の前後重量バランスを実現させたことを特徴としている。


 トップモデルとなる「M240ixDriveクーペ」では、最高出力275kW(374HP)を発生する直列6気筒 ターボエンジンを搭載。8速ATステップトロニックスポーツトランスミッションを組み合わせ、駆動方式は4WDシステム「xDrive」を採用した。

 今後、新型2シリーズクーペはドライビングダイナミクスのチューニングとテストを完了させて、2021年夏の終わりに生産が開始される。







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cat_oa-carwatch_issue_e367691abe61 oa-carwatch_0_1c459d637983_三菱電機、「ダイヤトーン」車載用ハイレゾ対応スピーカー「DS-G400」 幅広い音域を高音質化 1c459d637983 1c459d637983 三菱電機、「ダイヤトーン」車載用ハイレゾ対応スピーカー「DS-G400」 幅広い音域を高音質化 oa-carwatch

三菱電機、「ダイヤトーン」車載用ハイレゾ対応スピーカー「DS-G400」 幅広い音域を高音質化

2021年5月18日 13:25 Car Watch

2021年6月8日 発売

11万円


高音質化をミドルクラスの価格帯で実現


 三菱電機は、オーディオブランド「DIATONE(ダイヤトーン)」から車載用ハイレゾ音源再生対応2ウェイ埋め込み型スピーカー「DS-G400」を6月8日に発売する。価格は11万円。

 DS-G400は、三菱電機のフラグシップモデル「DS-SA1000」にも採用している毎秒6300m(実測)の伝搬速度を誇るハイエンド振動板「NCV-R」を、ツィーター(高音用スピーカー)とウーファー(中低音用スピーカー)に採用し、高音から低音まで幅広い音域での高音質化をミドルクラスの価格帯で実現したモデル。

 このハイエンド振動版NCV-Rは、チタンやアルミなどの金属をしのぐ高い伝搬速度と、紙と同等の内部損失を併せ持つ三菱電機独自の樹脂製振動板素材「NCV(Nano Carbonized high Velocity)」を、繊維素材開発を手掛けるGSIクレオスとの共同開発により、さらに高性能化させた製品。

 また、高性能ウレタンをウーファーエッジの素材に採用したことで不要共振を抑え、1~2.5kHz帯域における音のざらつきも抑制し、より鮮明でクリアなヴォーカルの再現に成功。さらに、制振素材の貼り付け位置と大きさを最適化したことで、ツィーターではブラケットから放射されている不要共振とケース内の反響音を抑制。ウーファーでは振動板とキャップの不要共振を抑制し、聴感上のS/N(シグナル/ノイズ)感を向上させ、高音質化を実現した。


 そのほかにも、5本のリブをウーファー振動板の表裏に貫通させ強度を高め、正確かつ効率的に空気を振動させ、口径が大きくなったかのような力強さとともに、聴感上のS/N感が向上し、重厚感のある低音再生を実現する「Wサイド・ソリッドライン構造」を採用。また、ウーファーにはDCT(Distortion Canceling Technology)低歪大型フェライトマグネットを採用し、磁気回路シミュレーションで振動板の駆動力を最適化。歪みを減少させることで、ハイエンドクラスに匹敵する聴感上の高S/N感を実現している。

 さらに、金属製に匹敵する高剛性で高密度な樹脂「アドバンスドHDフレーム」をウーファーに採用することで、車両の振動を伝えず、原音に忠実な美しい低音再生を実現。くわえて、ドーム型とコーン型の接点部構造を改良し剛性を増した「Yコンタクト構造(ドーム&コーン型)振動板」をツィーターに採用。ボイスコイルの駆動力をそのまま振動板に伝えることが可能となり、よりクリアな高音を実現。特に金管楽器や弦楽器など再現が難しい楽器の音もリアリティの高い再生を可能とした。

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cat_oa-carwatch_issue_e367691abe61 oa-carwatch_0_258a383e8fec_アウディ、「A6」シリーズの価格を引き下げ「S lineパッケージ」に装備追加 258a383e8fec 258a383e8fec アウディ、「A6」シリーズの価格を引き下げ「S lineパッケージ」に装備追加 oa-carwatch

アウディ、「A6」シリーズの価格を引き下げ「S lineパッケージ」に装備追加

2021年5月18日 13:04 Car Watch

2021年5月18日 発売

759万円~825万円


価格を引き下げるとともに、利便性を向上する装備を追加


 アウディ ジャパンは5月18日、プレミアムアッパーミディアムクラスの「A6シリーズ」において「40 TDI quattro sport」「45 TFSI quattro sport」の価格、装備を一部変更して発売した。価格は759万円~825万円。

 なお、「A6 55 TFSI quattro S line」「A6 Avant 55 TFSI quattro S line」「S6」「S6 Avant」の価格は変更されていない。

 A6は、アウディの伝統と哲学、そしてテクノロジーを凝縮した中核モデルで、1968年に前身にあたる「Audi 100」の初代モデルが発売されて以来、50年以上にわたって販売を継続しているブランドの最長寿シリーズ。

 初代Audi 100から数えて8代目にあたる現行のA6シリーズは2019年に登場。マトリクスLEDヘッドライト、ダイナミックターンインディケーターの採用をはじめとしたエレガントで品質感のある内外装デザイン、アルミを多用した軽量ボディ、高効率なTFSIエンジンとSトロニック、“quattro(クワトロ)”フルタイム四輪駆動システム、運転支援アシスタンスシステムなど最新テクノロジーが惜しみなく投入されている。

 今回の変更では、「40 TDI quattro sport」「45 TFSI quattro sport」の価格を改定してエントリーグレードとし、40 TDI quattroと45 TFSI quattroを廃止した。新開発の直列4気筒2.0リッターディーゼルターボエンジンの40 TDI、および直列4気筒2.0リッターガソリンターボエンジンの45 TFSIは、ともに12Vのマイルドハイブリッドシステムを組み合わせており、ベルト駆動のオルタネータースターター(BAS)が6kWと60Nmの力でエンジンをアシストするなど、高効率と優れたダイナミクス性能を両立するハードウェア構成となっている。

 さらに、オプションのS lineパッケージの価格を9万円の値下げをした43万円へと変更。従来の装備(S lineエクステリア、5アームダイナミックデザイン19インチアルミホイール、デコラティブパネル、マットブラッシュトアルミニウム、ヘッドライニングブラック、バルコナレザーS lineロゴ、マルチカラーアンビエントライティング、HDマトリクスLEDヘッドライト)に加えて、サラウンドビューカメラ、パークアシストプラス(45TFSIではカーブストーンアシスト)、電動チルト/テレスコピックステアリング、電動トランクリッド(セダンのみ)を設定した。

新旧価格

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cat_oa-carwatch_issue_e367691abe61 oa-carwatch_0_4e81936c05be_佐藤琢磨、インディ500プラクティス前会見 燃費の悪化に対応するマシン作りで連覇に挑む 4e81936c05be 4e81936c05be 佐藤琢磨、インディ500プラクティス前会見 燃費の悪化に対応するマシン作りで連覇に挑む oa-carwatch

佐藤琢磨、インディ500プラクティス前会見 燃費の悪化に対応するマシン作りで連覇に挑む

2021年5月18日 12:45 Car Watch


 5月30日(現地時間)、世界三大レースの一つとなる「第105回 インディ500」がアメリカのインディアナ州にある「Indianapolis Motor Speedway(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)」で開催される。第105回と長い歴史を持つインディ500で、2017年にアジア人として初めて優勝し、さらに2020年には2勝目を挙げる(インディ史上20人目)など日本人ドライバーとして歴史に残る活躍をし続けているのが佐藤琢磨選手だ。

 その佐藤琢磨選手は2021年も、昨年優勝した同じレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからインディ500に挑む。予選は5月18日から始まるが、その前日となる5月17日、佐藤琢磨選手は現地からオンライン会見を行ない、3度目のインディ500制覇に向けた思いなどを語ってくれた。

佐藤琢磨選手



 今年のインディ500は105回を数えることになるのですが、自分自身は12年目です。インディアナポリスは、2017年の初優勝のときもそうだったのですけど、本当にたくさんの思い出があります。

 昨年、2020年の2回目の優勝というのはもちろん、自分にとっても本当に特別な瞬間だったのですが、それだけじゃなく、チームですね、やっぱり。2012年のときに優勝まであと一歩に迫った1コーナーで、ダリオ・フランキッティとの争いの末にスピンをしてしまって、優勝できなかった年に所属していたレイホール・レターマン・ラニガンレーシングです。

 今も所属しているチームなのですが、8年越しの夢がかないました。昨年、レイホールで優勝することができたのも自分にとって本当にうれしかったです。当時のメカニックもまだ自分のクルマに付いていたり、それからもちろんチームオーナー、当然変わっていないわけですけども、そういう意味でも本当に特別な優勝になりました。

 ただ(2020年は)パンデミックの最中でしたので、やはり観客がいないというのがものすごく寂しかったです。このインディアナポリス500マイルレースというのは、100年以上ある歴史もそうなんですけども、やっぱり会場との一体感といいますか雰囲気なんですね。

 通常であればその30万人を超える観客が本当に一体となったとてつもない高エネルギーといいますか、それこそインディ500だなっていうふうに自分ではずっと感じているんですけど。

 観客のまったくいないグレー1色のグランドスタンドの中で走って、もちろんレースが始まってからは自分たちは100%集中しているのですが、どうしてもやっぱり雰囲気が足りないっていうのはレース後にすごく感じたことでした。

 ただそんな中でも、世界中でいろいろなスポーツ大会やイベントが延期になったり中止になっている中でインディ500ができたっていうのは、本当にスポンサーさまをはじめ、インディシリーズ、インディアナ州の政府など本当にたくさんの方のご協力がありました。楽しみにしてくださってるファンのみなさんに、テレビ越しでありますけども白熱したバトルとレースを見せられたんじゃないかなと思います。

 今年は観客が戻ってきます。ただ100%というふうにはやっぱりいかないみたいです。収容人数の40%ということで14万人が戻ってくることになりました。14万人でも多分単日開催イベントとしては最大規模に近いと思うんですけど、現状、今本当にまだまだ大変な中で、14万人が入れるっていうのは本当にすごいことだと思っております。

 インディカーシリーズではリーグとして関係者全員にワクチンを提供をしてくれました。僕自身も2回目が終わって2週間近く経ちます。体調もすごくよいですし、インディカー全体が全員ワクチネイション、ワクチンを打ちました。もちろん検査はあるんですけど、バブルというかパドックの中に入ってしまってからは関係者以外と接触することがないようになっているので安心してレースができます。

 このインディカー500の施設になるインディアナポリス・モーター・スピードウェイも、インディアナ州とインディアナポリス市と協力し大量のワクチンを(観客向けに)会場で接種できるように手配しました。

 そのことによって観客のほとんどがワクチンを打った状態でレース観戦することができるようになっています。そういった本当にみなさん全員の力というか、本当にこの大会を盛り上げようということですね。もちろん大会を盛り上げるためにワクチンを打つのではないのですけど、そういうことでスポーツ大会もどんどんどんどん広めてやっていこうというのが今全米では広がっているように思います。

 全米という意味では先日のあの松山選手の活躍というのも本当に日本人にとっても歴史的なことで、自分もすごく興奮しました。あのとき僕はテレビで見てたんですけども、本当にすごいことだなと思いました。

 もちろんこれまでも過去に日本人の選手がそれぞれの舞台で世界の頂点に立っていますけど、自分も同じようにその中の1人として、今こうしてレースができてるというのは、すごく重く受け止めています。そういうふうにいただいてるチャンスなので、ディフェンディングチャンピオンとして戻っていく今年のインディ500は全力でがんばりたいと思います。

 もちろん言葉で優勝というのは簡単なんですけども、実際に連覇をするというのは多分ものすごくハードルが高いと自分では感じています。先月テストがありまして、ここインディで全員が走っているのですが、そのときは一応最終的には2番手タイムが出ています。

 ただし、2番手タイムというのはニュータイヤを履いた状態で、スリップストリームで集団の風を使って出した速度です。もちろんその速度が出るというところにいるというのは大きな意味があります。出したくても出せないクルマだとできないんです。

 ただ自分の中では全然納得がいってなくて、クルマの動きといいますか集団の中に動きといいますか。それから今年エアロパッケージがアップデートされて、より前のクルマに近づきやすくなっています。

 具体的な場所を言いますと、アンダーフロアですね。マシンの下面フロアの前方部にダウンフォースを逃がすための大きな穴が開いているんですけど、その部分にちょっと整流板がつきまして、それによって大きく気流の乱れが抑えられることになっています。

 その前に、ほかの分野でもよく見る、F1でも最近見ますけど、小さなバージボードがつきまして、その整流効果がすごく大きくてフロントウィングの効率がものすごく上がります。これによってウォッシュダウンと言われる、前のクルマについたときに、フロントのダウンフォースが減る頻度がすごく減るんですね。

 ただフロントダウンフォースが減らなくても全体のダウンフォースが減ってしまうと、結局後にはつけないことになってしまいます。逆に言うと、フロントウィングを立てれば同じ効果が基本的にあるのでそれを解消するためにリアのディフューザーの整流板の長さが変わりました。そこがすごく長くなったので、ダウンフォースとしてはものすごく増えてます。

 全体のダウンフォースだけじゃなくて空力効率が上がったのと、それから実際にその乱気流の中で効率よくダウンフォースを生み出すというクルマになっています。ですので去年とだいぶ違うんですね。

 去年はエアロスクリーンがついて、クルマの空力効率自体は19年よりもずっと落ちてるんですけども、そんな中でオフィシャルテストもなくなり、プラクティスが始まってからも日数が減った。減ったんですけど、そんな中でみんなクルマを合わせ込まなければならなくて。

 去年は自分たちが一番結果的にできたことになるんですけども、今年は去年あったその上に各チームはテストを重ねて、2回ほどテストをしています。そして明日からいよいよプラクティスが始まります。

 その中で見えるのは、去年よりもずっと前のクルマについて走るのが楽になっています。ということは、全体的に底上げされるので単独で逃げるというのはおそらく難しいと感じています。その中でどれぐらいのクルマが作れるかどうかというのを大きなチャレンジとしてチームと一緒に進めていきたいと思ってます。

 最終的にどうなるか分かりません。でもここにちょっとリングが2つありますけど。見えるかな? こっちが17年とこっちが20年ですね。日本でもみなさんにお見せする機会が昨年ありましたけど、ディフェンディングチャンピオンとして3つ目を狙って、全力を出していきたいと思います。

 それこそ一昨日ですか、大谷選手の逆転ホームランを放った気持ちとエネルギーをいただいて、インディ500をがんばっていきたいなと思っています。

 今年は本当に観客が入ってくれること、こういう状況でも40%のお客さんを入れて開催するところまでに至ったインディアナポリス関係者、そしてスポンサーのみなさま、そしてそれを支えてくれるたくさんのファンのみなさまに感謝したいと思います。

佐藤琢磨選手の質疑応答


 佐藤琢磨選手から3度目のインディ500制覇に臨むあいさつが述べられた後、質疑応答が行なわれた。

──佐藤琢磨選手は、近年インディ500において2017年の優勝、そして2020年の優勝と2度の優勝を成し遂げています。また、敗れたとはいえ、2019年は3位とオーバルを得意としている印象があります。今年のインディ500では昨年と比べてどの点を工夫してオーバルレースに臨みますか?

佐藤選手:オーバルは難しいですね、本当に奥が深いです。自分自身これだけ経験を積んできたので、参戦初年度のころに比べればずっとずっと上手くなってきたと思います。けれども、やはりクルマ作りという部分ではまだまだ毎回悩みます。

 例えば前回のテキサスのレースのときも、結局最後まで仕上げることができなかった。あと1回2回プラクティスがあったら大分違ったなっていうのはいつも残るんですね。そんな中でインディ500がどうしてここまでずっと強く走れてるかっていうと、やっぱりそのほかの開催とは違う長期にわたるプラクティス期間ですね。

 もちろんインディ500といっても実際走るのは4日間で、その後もすぐに予選になってしまいます。ただそれでもだいたいオーバルっていうと45分のセッションが1回とか、初めて行くコースでも2回とかっていう、すごく短い時間の中なのでそのクルマの本当のパフォーマンス、レベルで大きく変わってしまうんですけど。それがインディ500では4日間かけてじっくりと自分が理解しながら組み立てられるっていうところです。

 それからレース自体がやっぱり長いことですね。ピットストップが基本的に5回あります。4回から5回、長いときは7回入るんですけども、そのたびにウィングと内圧ぐらいしか大きくはできないんですけど(調整できる)。それでもだいぶ違うんですね。

 そうやって最後の環境に合わせ込むことができるっていう、自分としては一番やりやすい。というか難しいんですけど、走りやすい環境がインディ500には揃っている。

 だから特にここ最近は、走り方勝ち方が分かっているので、強く走れるのではないかなと思います。

 それに対して今年、エアロパッケージが最終的に500マイル走ったときに路面がどう変わっているか、その中で一つのスティントだとだいたい30周なんですけど、30周の最後の5周のタイヤの使い方っていうのを、まだまだ自分も分からないところがあります。そこを明日、明日から始まるプラクティスでしっかりと見極められるようにするのが、秘策と言えば秘策になるのかなと思います。

──インディ500では、前年の優勝者ポスターがコース沿いに大きく掲げられたり、前年の優勝者の名前が入ったミルクボトルが売られたりと、大きなリスペクトを持ってサーキットが前年の優勝者一色になります。すでに今年のサーキット見られたと思いますが、感想を教えてください。

佐藤選手:はい、インディアナポリスは確かに前年度の優勝者一色になります。これはもう本当に伝統なので、17年に勝って18年に帰ったときも、こっちが恥ずかしくなるぐらいもう街中自分の顔とかがあるわけです。

 今回空港に僕は入れてないので、どうなっているのかちょっと見えないのですが、街はもうすごいですね。バナーが、それからチケットが。

 パンデミックでチケットのアンベールも全部オンラインになってしまったのですが、ちょっと手元に小さいチケットがないんですけど、とてつもなく大きいチケットをいただきました。ちょっと待ってくださいね。(と、佐藤琢磨選手はオンラインの背景モードをOFFにして)こういうふうに作ってくれたんですね。こんな感じで大きなチケットなのですが、これがすごくうれしいです。自分としては。



 また、ファンのみなさんも(ファン歴が)長くですね。毎年レース前日にインディアナポリス市街を走るパレードがあるのですが、去年はパンデミックによってパレードが中止になってしまったのです。その代わりに、何十年もチケットをずっと買い続けてくれてるロイヤルファンといいますか、シーズンチケットホルダーですね。少なくとも10年以上買い続けているファンの方々の家に、自分たちがちょっとサプライズで届けました。

 遠目になりますが、サプライズプレゼントを届けるという催しをしたのです。僕は、もう60年近くインディアナポリスに通ってるおじいさんの家に行きました。1965年からずっとインディアナポリスに住んでいる、自分の家の住所にインディアナポリスを入れたいから引っ越してきたんだと(いう人に)。ツーブロックぐらい、かなり近いところ住んでるいるのですけど、50年ぐらい連続で来てると思うのですけど。

「2020年は初めてインディに行けないんだけども、庭に出るとエンジンの音が聞こえるから、庭に出て芝生の上で、椅子とテレビを持って応援するから」って言ってくれたんですね。

 そのおじさんは1965年からのチェッカーフラッグを持っていて、この50年の間にあった歴代のチャンピオンのサインが書いてあって、自分もそこに足しました。

 それぐらいインディ500はもう人生の一部になっているような方がここを支えてくれているんだなと思っています。だからこそその街も、そのウィナーを本当に称える。

 このレース期間中は全ドライバーの名前が道の名前になるんですね。街の中心にあるモニュメント近くに一番大きな通りがあるのですが、そこがSATOストリートになってました。そんなふうに勝者、あるいはインディ500に出場する33名のドライバーを支えてくれてるっていうのを感じながら走ると、本当にすごいすごいイベントなんだなっていうふうに改めて強く思います。

──先ほど佐藤琢磨選手の言葉の中に、松山選手とか大谷選手の活躍に元気をもらったというような話がありました。今ヨーロッパで活躍している日本人の2人のドライバー、角田裕毅選手と岩佐歩夢選手ですね、ちょっと苦労しているのかなと見えるのですが、そういう彼らに対して今回のインディ500の活躍で何かどんなこと伝えたいなとかあったりしますでしょうか?

佐藤選手:そうですね、自分が苦労してるんですよね。トラブル多すぎて。セントピーターズバーグでは唯一トラブルフリーでレースができた。もちろんポディウム、トップを狙っているので、シングルとはいえ悔しい思いをしながら。

 絶対的なチャンピオンであるディクソンの真後ろでゴールできたというのは一つよいレースだったと思います。

 ただそれ以外のレースでは、戦略の問題だったりというのもあるのですが、レースなのでそれぞれ問題を抱えている中で結果が出せてないっていうのは自分もフラストレーションが溜まっています。

 そんな中でもやっぱり常に気持ちを強く持ち続けるってのはすごく大変なんですよね。二、三戦であればすぐに流れを変えられる、あるいはこうすればっていうのありますけどそれがずっと長く続いてしまうと、なかなかそこから抜け出すのは心理的には難しくなるんですけども、とはいえ僕たちは体ももちろんバイオリズムが多少ありますけどやっぱりマシンスポーツでありチームスポーツなのでとにかく遅い、あるいは早い、強い上手くいかないことにはすべて科学的根拠と理由があるんですね。ですからそこはチーム一丸となってですね、見つけて改善していくことにとにかく全力を注げば、必ず結果は出るというふうに自分でも信じてます。

 もう一つは流れを変える大きなきっかけになるのは環境の変化なんですね。僕はレースで言えばやっぱり開催地が変わる、今回で言えばインディ500というやっぱりすごく大きな、シーズンの中では転換期になります。

 自分としてはここまで確かにあまりいい流れでは来てないんですけども、その原因ってのも分かってますし、逆にいくつかポジティブな要素もあるのでそこを最大限活かせるように今回のプラクティスから流れを自分で変えていこうと思ってます。

 角田選手にしても、岩佐選手にしても初めてのシーズンで初めての体験で本当に大変だと思うんですね。世界に慣れていくだけでも大変、もちろん角田選手はセンセーショナルなバーレーンでの、特にQ1での2番手タイムっていうのはすごい鮮烈だったと思います。F1の世界でも、ファンの誰もが本当にトップレベルで走れる選手だということをそこで確認できたと思うのです。とにかくがんばってもらいたいですね。

 いろいろなプレッシャーを感じているかもしれないのですが、まだまだ1年目ですし、自分の1年目はひどかったですね。F1もね(笑)。鈴鹿に戻るまで時間がかかったので、鈴鹿でようやく自分としては何かいいレースができたなって感じだったので。まだまだ全然これからと思ってますし、チームもアルファタウリですけど、たどっていけばミナルディですし、自分もトロロッソをテストしたときは、まだあのとき何%だったのかな? 半分以上ミナルディのメカニックが残ってたんですよね。

 多分今でも同じような雰囲気だと思いますし、チームとしてはドライバーを中心に一緒にやっていく。もちろんレッドブルの系列で厳しい側面もあるとは思うんですけども。1年目としては最高の環境でできていると思うので、自分自身を信じて、スタッフを信じて、がんばってもらいたいと思います。

 歩夢に関しては、細かくLINEしながらいろいろ話したりしてるんですけど、やっぱりジュニアフォーミュラ独特の難しさがありますね。

 チームもやっぱりドライバーに対する対応が、ドライバー中心にはなっていないのかなっていう感じがするので。特にハイテックだとそこそこ実績もありますし、トップチームの一つなので余計にそういうチームを自分の方向に変えていくといいますか。何かチームと作り上げていきたいことがあれば協力してやっていくってという、それを納得させるためには走りも一つなんですけど走りだけじゃなくて、説得させるための要素が必要になります。

 先ほども言った科学的根拠ですよね。これがあるからこうなんで、だから自分はこうするべきで、チームにもこういうふうにしてもらいたいっていう組み立てなんですけど、それをちょっと話しました。

 実際、スペインのヘレスで先週テストしたんですが、今回ドライバートレーニングみたいな形で予選の練習をするっていうプログラムを立てたらしいんですけどそうじゃないんだよと。ドライバーってやっぱりクルマがあってクルマに自信を持ってから初めてアタックすることができるので、それ以前にクルマがグリップしていなかったり、速くなかったりしたら予選で思い切り行けないわけですね。

 特にジュニアフォーミュラだとドライバーのウェイトが、クルマのパフォーマンスに対してずっと大きくなるので、そこはもう歩夢が説得してやるしかない。「いくつかどうしてもやってみたいことがあるんだけどチームとしてはそこはやる必要ない」って言われちゃったっていうから「それだったら自分がどう思うか、それからクルマを科学的に考えてこういう挙動だからこういうふうになるから、テストだからこそそこをやりたいって」いうふうに言ってみなという話をしました。そしたら、翌日のテストでトップタイムを取ってきたんでなんか面白いなと思いまして、本当に彼はすごく知的だし、静かな中にすごい熱いものを持ってるんですけど冷静にいろいろなことを判断できる本当に珍しいドライバーだと思います。あの年齢的にはね。

 だから、もちろん角田選手もすごい若いんですけど、歩夢選手もSRSで1年間見てきて、ここはもう絶対飛び級させたいって言って一気にフランスに持っていきました。その経験が活かされて、本当に知らない環境の中で自分を上手く作っていくっていうことが何かできるような気がしてます。

 なので、ちょっと確かにつまずいていますけども、FIA F4やF3というすごいコンペティティブなカテゴリーの中ですけど、きっとシーズン中盤以降メキメキと力を出してくれるんじゃないかなってそんな期待を持って、見守っていきたいなと思ってます。

──彼らから何か力を何かもらってるようなところも琢磨さんの方であったりしますか?

佐藤選手:やはり若い勢いというか特に先ほどの話、角田選手の予選のパフォーマンスだったり、F2時代に見せたうまさと鋭さみたいなのは、僕らドライバーから見てもやっぱりすごいなって思います。あと若さもあるなと思うので、そういう若さと勢いのあるとこですね。

 ここインディカーも10代の子もいるし、最近特に若い世代のドライバーたちがものすごく今頭角を現わしてきているので、本当にレーシングカートみたいなタイム差ですね。そんな中でやるとすごく刺激もあるので、まだまだ自分もここでがんばっていかないとなって考えてます。海外ドライバー組、自分のF3のときにそうでしたけども、お互いにいいライバルでもありますから、ポジティブにお互いに刺激し合って、がんばっていきたいと思ってます。

──2012年のことなんですけど、2012年のレースを見ていた多分佐藤選手もご存知の方が、こんなことをやっていたら絶対勝てないって言ったのがすごく印象に残っているんです。あれから2回も勝たれて、この間にブレイクスルーとかあったのですか?

佐藤選手:僕のスタイルは変わっていないです。2012年は確かに荒削りだったかもしれないですし、あのマシンとあの状況であのラインでは、うまくいかなかったからこそスピンしたのです。白線に乗ってスピンしてるんですけど。2017年のときも2020年のときも、オーバーテイクの仕方と勝ち方は変わってます、そこから。

 ただし、それはそこまでのレース運びがそうさせたのであって、自分の信念といいますか走り方のスタイルはまったく変わっていないんです。もちろん一か八かでやっちゃうみたいなそんなことではないんですよ。

 僕も2012年はそんなつもりでやっていないですし、上手くいけば勝てるみたいなそんな運を天に任せるみたいなそんな走りは今までに一度もしたことない。結果的に限界を超えてスピンしたり接触したり、うまくいかなかったレースってたくさんありますけど、その一つ一つから自分が学んでいって、次はこういうふうにしていこうと自分の中でも洗練させたっていう意識は確かにあります。

 でも、逆にその2012年はなんでうまくいかなかったのかっていう根本的なクルマ作りから入っていきます。それをベースに組み立てます。あれもファイナルラップの1コーナーしか風向きの関係でチャンスがなくて。多くの人があそこでうまくついていって3コーナーで抜けばいいじゃないって言ったんですけど、3コーナーも絶対無理なんですね、風向きの関係で。それはそこに行くまでガナッシのクルマと散々やり合ってきてストレート勝負をやってきて、抜けないことが分かっているので1コーナーで行ったのであって僕にとってあのチャンスしかなかった。

 であれば、本来は2位でフィニッシュすべきだったというふうにも言えるんですけど、もしあそこで2位でフィニッシュしたとしたら、その時点での日本人最上位にもなりますし、自分自身のインディカーにおける最上位にもなります。本当にハッピーなリザルトだったのかもしれないんだけど、もし僕はあそこで2位でゴールに運ぶような走りをしたら僕はおそらく2017年も2020年も勝ってなかったと思うんですね。

 ですから何が正しくて、何がわるいっていうのはもうこればっかりはひと言では言い表わせないので。自分としては勝つためにレースを走ってますし、うまくいかないときっていうのは、そのうまくいかないなりにたくさんのことを学べるというふうに感じているので。そうやってずっと挑戦を続けてきたからこそ、なかなかセカンドチャンスはないと言われるなかで、2回も3回も新しいチャンスが生まれたんじゃないかなと。

 そういう意味で、ずっと続けて、信じながら続けることに意味があるんじゃないかなって自分では感じてます。

──松田秀士です。今年のエアロパッケージが変わったということによって、おそらくいろいろな戦略とか変化すると思うのですけれど。今年のエアロパッケージによって、燃費がどう昨年と変化したのか? あと今まではどちらかというとラスト50周ぐらいに非常に照準を絞るというか、レースの流れの中で、そこに一番ポイントを持ってくようなレース展開を考えていった。今まで見てきてね、すごくそう思っていたんですけど、今年はそれがどう変化するんだろう、という。エアロパッケージが変わったことによって、そこがどういうふうな変化をもたらすのかなっていうところにまず興味があります。

 もう一つは、ヨーロッパのレースには日本人ドライバーがたくさん来ているわけなんですが、やはり個人的にアメリカのレースにも同じように、佐藤選手のあとに続く人たちが来てほしいと思っているんです。SRSの校長先生もやってらっしゃる中で、どのような展望を持っているのか教えていただきたいと思います。

佐藤選手:分かりました。1つ目のエアロパッケージ変わったことによって、先ほどもちょっと話したようにタービュランス(乱気流)の中で強いクルマにはなりました。上物のウィングでのダウンフォースではなくてやっぱりアンダーフロアでの空力パフォーマンスが上がっているので、よりついて行きやすくなった。

 ただそれだけじゃなくて、トータルのダウンフォースも上がってます。トータルのダウンフォースが上がってるということは、ダウンフォースはドラッグ(抵抗)ですから基本的にドラッグも上がっています。なので燃費わるいです。

 今回、どうするんだっていう話になってくる。これ本当に難しいんです。単独で去年のレベルまで(ドラッグを)下げることはできますし、バージボードの(取り外しも)自由なんです。それからディフューザーも自由なので。2020年のパッケージで走りたいって言ったら、2020年のパッケージでもいけますが絶対勝てないので、2021年のハイダウンフォース仕様に合わせ込むしかないんですね。

 ただ、その中でも例えばウィング迎角を押さえてトリムして、ダウンフォースを上げつつもドラッグを極限まで下げるという方向に多分みんなシフトしてくと思うんです。それでも去年のマシンよりは、ドラッグがやっぱり大きい状態で走らざるを得ない。

 それが何を意味するかと言えば、例えば去年であれば、(1スティントを)32周や33周くらいまで引っ張ろうと思えば引っ張ることができた。これがやっぱりマイナス1周くらいになるんじゃないかなと。全開で走って28周で燃料がつきてしまうドラッグレベルになると思います。

 それで何が起きるかというと、全員ついて行ってしまうことになるんです。1列の列車のようになって、誰もがついて行けるような状況になってくる。その中で勝つためにはどうするかというのをこれからやらないといけない。

 もちろん理論上はドラッグレベルを下げます。下げた中で単独で先頭を走りながら、なるべく抜かれないぐらいまでドラッグを削る。でもそれだと今度は2番手3番手に落ちたときにもう上がってこれない。あるいは10番手まで落ちたら絶対に上がってこれないクルマになるので、走っているトラックポジションの位置取りと予選が大事になってきます。

 去年の僕の勝因はとにかくコンシスタンシーというかタイヤを持たせられる安定したクルマ作りだったんです。予選でもそれはもう現われている。予選をそれで戦ったんですけど、結局去年の僕らのクルマっていうのは、トップチームのマシンに対して平均で1マイルぐらいスピードが足りなかったんです。

 絶対的なスピードで1マイルってのは小さいようでとても大きくて、この1マイルによって僕の実質的な予選ポジションは9番手でした。あの1日目の予選を見れば、実際そうなんです。2日目にフロントローに並べたのは純粋に4周の平均値を上げたからなんです。最高速はみんな1周目に出していて、それを見ると僕としては、おそらく1.5マイルから2マイルくらい負けてます。そこから平均値で勝って。

 それはレースでも言えると思います。レーススタート後、ライアン・ハンターレイが後ろから迫ってきて、ディクソンの真後ろに走ったんですけどあっさりと抜かれて3番手に落ちてます。

 その後も同じような展開が続いて、フレッシュタイヤのときは速く走りたくても速く走れない状況でした。ただほかのクルマはその後にやっぱり(速度が)落ちてしまうんですね。

 タイヤのデグラデーションによってどんどんどんどん落ちてしまうのを、僕はそこを、もう気持ちで言えば上がっていくような、実際にはほぼ落ちないという状況まで持っていってるんですけど、だからこそその後抜き返す。抜かれても抜き返す。

 そして一番大事な局面になる、レース残り25周から30周での最後のディクソンとの戦い(に挑む)。残り5周は去年イエローになっちゃいましたけど、その前の3周を見ると僕は引き離しにかかってるんですね。

 それはやっぱりタイヤをうまく使えるようになっている状況に持っていたから。それは今年もラスト50周そして、ラスト5周と2スティントですけど、そこでクルマを変えないで最後の30周、本当に全力で走れるようなマシン作りっていうのは今年も僕として考えても同じことです。

 ただ、タイヤとタイムの落ち込みが、今年は去年よりもずっと全員小さくなるはずなので、自分の強みであった最後にタイヤが厳しくなったときにペースを維持できるっていう、その戦略は今年引き続きやるにしても、アドバンテージがないに等しいです。

 そのため絶対的な速度を上げるべく、今年はちょっといろいろ予選からですけどアプローチを変えようとして今はプログラムを立てています。それがうまくいくことを自分でも願ってますね。

 だから予選はもちろんフロントローを狙っていきますけど、平均値を上げるだけじゃなく、絶対値ですよね。絶対速度をトップチームと同じぐらいにしたいなというのが僕の希望です。

 次に若手に関してなんですけど、もう本当にこれは毎年毎年才能のある若手が上がってきていて。日本で走りたいっていうドライバーもたくさんいるでしょうし、SRSに来る子たちはね当然F1を目指すんですけど。その中でも本当に、松田さんがずっとここを走ってきて、インディをずっと作ってきてくれて、その後先輩ドライバーがずっとつながってきて、今自分が12年間やってるんです。けど、(インディカーシリーズは)やはり日本人が走ってるからこそ注目されるところもありますし、インディ500っていう名前は知ってても、よく分からないレースというのが、多分日本でのこれまでの見え方だった。

 それがこの2017年と去年の優勝で、より多くの人に注目してもらえるようになった。それは関係者も同じだと思うんです。インティってどうなんだろうって言って、これまで公式で、その例えば野村さんの番組でレポーターとして来てくれた選手もいますよね。(笹原)右京もそうだったし大津選手もそうなんですけど、個人的にやっぱりやりたいって言ってインディカーを見に来る選手もポツポツいるんですね。

 そういうドライバーたちにもちろん走ってもらいたいです。ただやっぱり選手の思いだけではね、どうしてもつながらないのはこのモータースポーツの難しいところです。簡単に言ってしまえば活動資金なのですけど、バジェットをどう捻出して、どういうふうに支えるかという。

 SRSとしてもこれから若い子たちを世界で羽ばたかせたいという思いはあります。それは欧州だけにとどまらず、僕は北米の方にもチャンスを広げたいなって個人的に思っているので。そこはホンダさんとも相談していかなきゃいけないですけども。

 そういうスポンサー、あるいはそういう環境が整えば、若い子たちはどんどん行きたいと思うので。やはり最初からインディカーとなると、いきなりインディカーは敷居が高いですから、いろいろ超えなきゃいけない壁がある。

 ですけど、例えばジュニアフォーミュラのF4、F3はアメリカでもやってますし、HPD(Honda Performance Development)のエンジンなんですよね。

 同じ世界の規格の中で北米でもチャンスがゼロではないですし、若い選手が北米のフォーミュラからレースで活躍して。こっちではスカラシップのラダーシステムがすごくできているので、F3、F4を戦った場合、例えばHPDがあったらそこからスーパーフォーミュラへのスカラシップができましたよね。

 スーパーフォーミュラで活躍してからアレックス選手のようにインディカーへのスカラシップがまたできると。それからインディカーライツのチャンピオンになれば、自動的に上がれるシステムもこちらはある。全部が全部、自動車メーカーなど大きなスポンサーに頼らなくても厳しい状況ではあるけども、不可能ではないと思っているんです。

 ですからチャンスが少しでも増えるように、若い子たちにチャンスが増えるように、今後自分としても働きかけができればいいなと思ってます。

──(松田秀士)ありがとうございます。今年も予選やカーブデイ、決勝で解説させていただきますので、楽しみにしてください。

 佐藤琢磨選手のオンライン会見からは、今年のインディ500へ向けてマシンを作り込む戦略が伝わってきた。佐藤選手のドライバーとしての能力の高さ、マシンセットアップ能力の高さ、そしてインディ500に対する理解の高さがよく分かる。

 佐藤選手によると、今年のインディ500のポイントは燃費の悪化への対応とトップスピードの向上をドラッグ低減で行ないつつ、どれだけダウンフォースによるグリップを得ていくかになるのだろう。5月18日から始まるプラクティスからの作り込みに注目していただきたい。

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cat_oa-carwatch_issue_e367691abe61 oa-carwatch_0_08492cd75b50_アウディ、50台限定モデル「A8 Grand Touring limited」 10mm車高が低いアダプティブエアサスペンションスポーツなど特別装備 08492cd75b50 08492cd75b50 アウディ、50台限定モデル「A8 Grand Touring limited」 10mm車高が低いアダプティブエアサスペンションスポーツなど特別装備 oa-carwatch

アウディ、50台限定モデル「A8 Grand Touring limited」 10mm車高が低いアダプティブエアサスペンションスポーツなど特別装備

2021年5月18日 11:47 Car Watch

2021年5月18日 発売

1391万円


 アウディ ジャパンは5月18日、フラグシップセダン「A8」にスポーティなスタイリングやキャラクターに仕上げた50台限定モデル「A8 Grand Touring limited」を発売した。価格は1391万円。

 A8 Grand Touring limitedは、「A8 55 TFSI quattro」をベースにA8のドライバーズカー/グランドツーリングカーとしての特徴にフォーカスしたモデル。

 パワートレーンは最高出力340PS、最大トルク500Nmを発生するV型6気筒 3.0リッターターボエンジンを搭載して、トランスミッションに8速AT、駆動方式に4WDを採用。また、リチウムイオンバッテリーとクランク軸にベルトを介して連結されるBAS(ベルト オルタネーター スターター)によって構成される48Vマイルドハイブリッドドライブシステム(MHEV)を組み合わせており、高効率かつダイナミックな動力性能を備えたという。


 限定モデルには、Audiレザーライトパッケージや5Vスポークスターデザイン アンスラサイトブラック グロスターンドフィニッシュの20インチアルミホイール、スポーツエクステリア、プライバシーガラス、Bang & Olufsen 3Dアドバンストサウンドシステム、インディビジュアル電動シート(リア)、コンフォートヘッドレスト(リア)、シートヒーター(リア)、ランバーサポート(リアサイド)、4ゾーン デラックスオートマチック エアコンディショナーといったさまざまな装備を標準化。

 さらに、スポーティな魅力を際立たせる特別装備として、通常のアダプティブエアサスペンションに比べて車高が10mm低いアダプティブエアサスペンションスポーツ、またエクステリアには、ブラックAudi rings/ブラックスタイリングパッケージ、エクステリアミラーハウジンググロスブラックなどを備えた。





 ボディカラーは、RSモデルを中心に設定されてきた「Audi exclusive」カラーである「スズカグレーメタリック」を採用している。

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cat_oa-carwatch_issue_e367691abe61 oa-carwatch_0_faa7350634d2_オーテック、福祉車両「セレナ チェアキャブ スロープタイプ」の個別オンライン相談会 faa7350634d2 faa7350634d2 オーテック、福祉車両「セレナ チェアキャブ スロープタイプ」の個別オンライン相談会 oa-carwatch

オーテック、福祉車両「セレナ チェアキャブ スロープタイプ」の個別オンライン相談会

2021年5月18日 11:34 Car Watch

2021年6月26日~27日 開催


リアルタイムで実車撮影映像を交えながら紹介


 日産自動車の関連会社であるオーテックジャパンは、福祉車両「ライフケアビークル」の個別オンライン相談会を6月26日~27日に開催する。申し込みの締切は6月20日。

 個別オンライン相談会は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続く現状を考慮し、自宅にいながら気軽にライフケアビークルに関するさまざまな相談や質問ができる場として開催するもの。2月に初開催され、2回目となる今回は「セレナ チェアキャブ スロープタイプ」(車いす仕様車)を対象とし、さまざま疑問や相談に対してオーテックのスタッフがリアルタイムで実車撮影映像を交えながら、カタログやWebサイトでは確認できないような詳細情報とともに回答していく。

 特設サイトで事前予約を行なうと、Web会議システム「Microsoft Teams」または「Zoom Cloud Meeting」でビデオ通話に参加できる。相談会の時間は各日10時~11時、13時~14時、15時~16時、17時~18時の4枠が用意される。

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cat_oa-carwatch_issue_e367691abe61 oa-carwatch_0_08f358390598_日本TI、EVの製造コスト削減を実現する「EV向けパワートレーン・インテグレーション」記者説明会 08f358390598 08f358390598 日本TI、EVの製造コスト削減を実現する「EV向けパワートレーン・インテグレーション」記者説明会 oa-carwatch

日本TI、EVの製造コスト削減を実現する「EV向けパワートレーン・インテグレーション」記者説明会

2021年5月18日 10:48 Car Watch

2021年5月17日 実施


EVに求められるパワートレーンのインテグレーションとは


 日本TI(テキサス・インスツルメンツ)は5月17日、EV(電気自動車)向けパワートレーンのインテグレーション(統合)に関する記者説明会を行なった。

 登壇したのはドイツでHEV(Hybrid Electric Vehicle)を担当しているというパワートレーン部門 ゼネラルマネージャのカール・ハインツ・スタインメッツ氏。まず「パワートレーン・インテグレーションは、EV分野でもっとトレンドで主流になっているジャンルの1つ」とあいさつ。また、現状でEVが普及できない理由として、購入価格がICE(内燃エンジン)の車両に対して1万2000ドル(1ドル110円で132万円)と高価なことと、航続距離の問題があると解説。


 続けて、地域によって異なるがEVへの関心は徐々に高まっていて、EVを購入しようとしているユーザーは、日本では10%、ヨーロッパでは60%、中国では70%、アメリカは30%が「購入を検討している」と回答したというアンケート結果を紹介。そして、より消費者のEV購入を進めるためには、コスト的にも走行距離という点でもICEと匹敵させる性能を持たせる必要があり、「その解決策の1つが今日のテーマであるパワートレーン・インテグレーションにある」とスタインメッツ氏は言う。

 EVのコスト削減方法としては、より設計をシンプル化させ、機能と安全を合理化しつつも信頼性も高め、走行距離を伸ばす。つまりシステム全体の効率を高めることが求められる。TIは現在、パワートレーンシステムを1つの筐体に収めることで設計をよりシンプルにし、部品点数を削減。同時にハードウェアもシンプルにできるため、コストを削減するだけでなく、部品点数が減ることで重量も体積も削減可能としている。これらの統合により、業界でもトップレベルの電力密度を実現させつつ、システム効率98%という高効率を達成できるという。また、安全レベルについても「ASIL(Automotive Safety Integrity Level、自動車安全水準)」規格でもっとも高い「D」ランクも効率的に獲得できるようになるとしている。




 EVにおけるパワートレーンには「インバータ」「配電ユニット(PDU)」「高電圧DC/DCコンバータ」「オンボード・チャージャ」「BMS(バッテリ マネジメント システム)」などがあり、「2 in 1」や「3 in 1」あるいは「All in 1」など、組み合わせる中身や数はクライアントの求める要求によって異なる。もちろんインテグレーションする数が多いほど重量やコストの削減効果も大きくなるという。

 また、HEVであれば、これらに「エンジンコントロール」や「トランスミッションコントロール」もプラスされ、より複雑ながらその効果も大きい。しかし「インテグレーションには“熱”という課題がある」とスタインメッツ氏は言い、この熱性能は重要な要素で、TIのソリューションを展開することで熱性能の最適化も図れるのが特徴としている。



 TIではMCU(リアルタイム制御マイコン)のC2000シリーズの925MIPS(Million Instructions Per Second)とPWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)によりシステム効率が増大、また、2.2MHzの高速スイッチングゲート・ドライバや保護回路を集積したGaN(窒化ガリウム)FET(電界効果トランジスタ)を使うことにより、磁気回路を従来よりも59%削減できたという。

 このようなオンボード・チャージャやDC/DCコンバータを使うことで、1nsあたり150Vという高速の電力密度を実現することを可能とした。また、絶縁型ゲート・ドライバ「UCC587091」を使うことで、システムにおける電力密度を最大化できるという。これを達成するために、診断系など外部コンポーネントを省略化。このように統合されたソリューションを使うことで、パワーモジュールなどを省くことも可能という。さらに、温度センターの精度を高め、最高175℃の高精度温度測定が可能としたことで、より効率が向上したという。


EVの信頼性および性能の向上について


 混在型の信号はC2000シリーズで実現していて、これらをサポートするためにオンチップのADC、コンパレータモジュールなどを使い、応答時間を30nsレベルまで高めている。これらを実現しているのは、「センシング」や「診断」「保護」「ステート・マシン」など先進的なメカニズムをCPUの関与があってもなくてもできるようにしているためだという。

 さらにGaN FETの統合型デジタル温度レポート機能を使うことで、活発にパワーマネジメントをできるようになり、エンジニアはシステムの熱性能を最適化することができるとともに、より低いサーマルインピーダンス(熱抵抗値)を提供することで、エンジニアたちはGaN FETにより小さなヒートシンクを使うことができ、熱設計をもっとシンプルにすることができるという。

 そして、GaN FET内部の過剰電流、過剰温度、過小電圧の保護を実現し、統合型のゲート・ドライバを使うことで、ディスクリート(個別半導体)に比べてBOM(Bills of materials、部品表)における品目を10個ほど減らせている。


 絶縁型ゲート・ドライバを使うことで、短絡のトラブルから守り、ノイズの激しい環境でも200nsのもとでゲート・ドライバの堅牢性を保証しながら、CMTI(Common Mode Transient Immunity、相過渡電圧耐性)に関して150V/nsを超える状況を実現する。また、非常に強力なCMTIを使うことで通信をきちんと機能させることもできる。絶縁型ゲート・ドライバとフォルトデータ通信を通じて、さまざまな高電圧のノイズやスパイクなどに対処できるという。

 そして、システムの信頼性を向上させるためにゲート・ドライバのデバイスは診断系や防御系も統合していて、より高い電力密度を実現でき、より強化されたシステムのために“熱損失”も最小限に抑制。この温度センサを通じてドリフト電流を無視できるような状態に抑えられるだけでなく、ディスクリートセンサでRTD(Resistance Temperature Detector、測温抵抗体)や熱を伝わらないようにする抵抗体NTC(Negative Temperature Coefficient Thermistor、サーミスタ)に比べてよりよい結果を生み出すことができるという。

システムのコストとサイズを半分に


 スタインメッツ氏によると、TIではSiC(シリコンカーバイド)およびGaNベースのパワーマネジメントデバイスをマッチさせ、リアルタイムコントローラも使うことで最大切り替え周波数1MHzを達成し、これにより業界最速のリアルタイムコントロールループを実現。また、GaN FETを使うことでEVのオンボードチャージャ、あるいはDC/DCコンバータのサイズを最大50%までコンパクトにでき、さらに絶縁型ゲート・ドライバを使うことで50以上の安全メカニズム機能を統合してBOMも削減できるという。

 スタインメッツ氏は「何よりも大切なのは搭乗者の安全性の確保で、それは複数のメカニズムを通じて実現するわけで、例えば短絡や過剰温度などが絶対に発生しないようしなければならない」と言う。仮にディスクリートのコンポーネンツを使い、安全性のためのメカニズムが統合されていなかった場合、相当大きなBOMに膨れ上がってしまうだけでなく、システムのコストが増大し、PCB(Printed Circuit Board、プリント基板)の占める面積も膨れ上がる。さらに、PCBの中にディスクリートが増えるほどシステム障害の確立が高まってしまう。つまりドライバーICの中のインテグレーションは、大きくシステムの信頼性を向上させることになる。

 さらに、熱に関わるシステムを最適化することも小型化につながり、コストも削減できるという。より小さな温度センサがあれば、熱源の近くに配置できるし、熱応答時間の改善も図ることが可能になる。



 TIは絶縁型ゲート・ドライバやマイコン(MCU)などをTÜV SÜD認定の開発プロセスを使って設計することで、クライアントにも機能安全の証明となる「ASIL D」を合理的に取得できるようにしている。また、安全性のためのメカニズムを確保するための機能機構と機能安全分析資料も提供し、クライアントは独自に開発することも可能だ。TIDM-02009のトラクション・ドライブおよびDC/DC制御のリファレンス・デザインなど、TÜV SÜDの評価をすでに得ている製品もある。

 最後にスタインメッツ氏は「TIのパワートレーン・インテグレーションを使うことで、TÜV SÜDのレベルを達成でき、自動車メーカーは開発期間を短縮できるだけでなく、ISO 26262のASILの最高ランクDの取得に役立つ」とTI製品の優位性を語り発表会を締めくくった。

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