米カリフォルニア州のYouTube本社で4月3日午後(日本時間4日未明)に起きた発砲事件で、Twitter上でデマが次々と出回っている。
代表的なものは、「実行犯はこれだ」と全く関係ない人物の顔写真をアップしたツイートだ。
こうした銃撃事件の時、必ずと言っていいほど「実行犯」としてあげられるコメディアンSam Hyde氏の写真が今回も出回った。「銃撃犯の32歳のイスラム教徒の難民サミール・アルハイイド」とするツイート内容すべてが、デマだ。
ネタにされたことを自ら嘆く人も
「銃撃犯だ」と勝手に自分の顔写真をあげられたことを、ため息とともに「明らかに、僕は銃撃犯じゃない」と嘆くツイート。
現場にいるYouTube社員のアカウント乗っ取りも
現場に居合わせたYouTube社員のアカウント。最初に事件の発生を伝えたアカウントの一つで、内部から状況をツイートしていた。しかし途中で何者かに乗っ取られ、同性愛を揶揄する内容のコメントがツイートされた。乗っ取りはのちに解消された。
Twitterは「違反行為に対応する」としている
Twitter社は安全管理を行っている担当部門の公式アカウントで「この悲劇を巡り、偽の情報で他人を騙そうとする人たちがいる。私たちはこうした動きを追跡しており、ルール違反に対処する」との声明をツイートした。
実際に、「これが犯人だ」と、別の人物の顔写真をあげたりした複数のアカウントが数時間以内に凍結されている。
だが、情報の激しい流れの中で、偽情報を完全に封じ込めるには至っていない状況だ。
マサチューセッツ工科大のチームは3月、ツイートを分析した結果として、正しい情報と誤情報を比べると、投稿がリツイートされる早さもその回数も、誤情報の方が上回ったという研究結果を発表している。
それによると、虚偽の情報がリツイートされる確率は正しいものよりも70%高く、正しい情報が1500人に拡散するのに要する時間は、虚偽のものが同じ人数に拡散する時間より約6倍長いという。
日本時間4月4日正午段階で、地元の警察当局は、実行犯は女であり、3人が負傷させたのち、自ら自殺したと発表している。
警察当局は日本時間4日午後、容疑者の身元を「Nasim Aghdam」と発表した。
同容疑者はホームページなどを通じ、菜食主義や動物愛護運動などの主張を続けてきたといい、複数のメディアは「以前からYouTubeが不当にビデオを削除したと主張していた」と伝えている。
アップデート
地元警察当局が容疑者の身元を発表したため、その内容を付け加えました。
2018/04/04 17:22