米ニューヨーク大学とジョージア大学の学生らが、新型コロナ対策のため入学直後に求められる14日間の自己隔離(外出自粛)期間中に大学当局が提供する食事があまりにも粗末だと、TikTokに投稿して訴えている。
食事が届かなかったり、一度に3食分届いたこともあったという。
これは、学生の1人が投稿した動画だ。ニューヨーク大学は秋からの新学期にむけて学生寮に入寮する際、新型コロナが流行している30を超える州から来る学生に対し、ニューヨーク州当局が求める感染対策の一環として、自室での14日間の自己隔離を求めている。また、こうした学生には無料で食事を提供している。
同大学の授業料と寮費は、年間7万4000ドル(約786万円)にのぼる。さらに新学期が始まると、学生は1学期につき約2,600ドル(27万円)ほどの食事付きプランを購入する必要がある。
ニューヨーク大学の広報担当者ジョン・ベックマン氏はBuzzFeed Newsに対し、大学は学生たちを「失望させてしまった」と話す。「事態を改善する」ため、いくつかの改善策を実施しているという。
またベックマン氏は、学生に食事の提供を委託した業者「チャートウェルズ」を批判した。
「学生にとって食事は非常に重要です。外出自粛中の学生の食事に対するチャートウェルズの管理には、失望しています」
「全く量が足りない」「食事が遅れて届く日もある」大学生たちの訴え
@zeinab.ymさんが投稿した動画によると、ニューヨーク大学では午後12時30分頃まで、朝食が提供されなかった日があったという。
別のユーザーの@nautica.nさんによると、午後6時まで食事が一切提供されなかったこともあるという。
コーンフレークと、プラスチックの容器に入ったスイカサラダだけの日もあった。なお、コーンフレークに牛乳はついていなかった。
ニューヨーク大新入生のタラ・シアさんは8月26日、大学から届いた夕食をTikTokで公開した。
夕食はグラノーラバー、クッキー、レモン1個だけだったという。
シアさんによると、ヴィーガン(完全菜食主義)の学生にステーキサラダが届くということもあったという。
自身はヴィーガンではないが、「ヴィーガン」の欄にチェックが入った食べ物を何回か受け取ったと、シアさんは話した。キャンパスで外出自粛を続ける中で、大学から学生に提供される食事は「全く量が足りない」と、シアさんはBuzzFeed Newsに語った。夕食が数時間遅れて届くこともよくあるという。
「食事はグラノーラバーばかりです。たまにフルーツジュースが付いています」とシアさんは語った。
「多くの学生が、食事が届かない、数時間遅れて食事が届くといった経験をしています」
「午後10時~11時頃に食事をするのは健康に良くないとは分かっていますが、小さな箱に入ったお菓子のような食事を、何時間も待っています」
大学は学生たちに食事制限の有無を記入するフォームを送ったが、食事制限は厳密には守られていないと、シアさんはBuzzFeed Newsに語った。
大学での自粛期間中、何人かの学生はデリバリーサービスを使って食べ物を注文していたという。
シアさんも人気のデリバリーアプリを使っての食事を考えたが、お金がかかるのが気がかりだと述べた。
「大学が1日3食の食事を無料で提供すると言っているのに、1回の食事に20ドル以上かけている学生もいます」
「ニューヨーク大学には、今の学生の食事の実態を理解してほしいです」
高い料金を払っても質の悪い食事。不満を募らす学生たち
ジョージア大学では、カフェテリア(学食)での1年分の食事代金をすでに支払った学生らが、食事の質が下がり、量もかなり少ないと訴えている。
アメリカの大学の場合、学期や年間を通して1日3食分の食事代を払い、チケットやIDカードなどで食事回数を管理することが多い。
ジョージア大学2年生のウィル・オーバノンさんは、学食でのメニューが大幅に減ったうえ、食事制限のあるユダヤ教徒のための「コーシャミール」がなくなったと、BuzzFeed Newsに語った。
学生は食事のためソーシャルディスタンスを取って並ぶ必要がある。
「食事を提供するプロセスは、なんとか効率的だと思います」とオーバノンさんは語った。「しかし、食事の量は非常に少なく、メニューの選択肢は減りました」
「時々、学食以外で食事することもあります。一日の終わりに再び長い列に並ぶことや新型コロナに感染するリスクを考えると、その方がいいです」オーバノンさんによると、新学期は週に一コマ、対面式の授業を取った。あとは寮の自室からのリモート授業だという。
@ ............. lolzさんはTiktokで、「ジョージア大学に2,000ドル(約21万円)払った食事がこれ」という動画を投稿している。
動画では、玉ねぎとチーズしか入っていないハンバーガーや、少量のレタスとトマト一切れだけ入った袋など、大学が出す食事の質が伺える。
大学側の対応は
ジョージア大学の広報担当者はBuzzFeed Newsに対し、8月26日に大学が学生に送信した学内メールを転送した。
このメールでは、大学は「学生からのフィードバックに耳を傾けている」とし、食事に関していくつかの変更を行ったとしている。
今回の件を受け、大学側は学食で学生が食事を選べるように、食事ができる場所とメニューを増やしたという。
またカフェテリアの営業時間を延長し、生徒たちが座って食事ができるよう、さらに多くの座席を開放したという。
ニューヨーク大学からも似たような返事が帰ってきた。チャートウェルズは「この事態を迅速に対処している」という。
またベックマン氏は、「大学が提供する食事の量が十分ではない場合、通常のデリバリーサービスを使って食事を注文するか、学生にデリバリーサービスを使用するためのお金の提供を学生寮スタッフに許可している」と述べた。
「学生たちが外出自粛中に自分の部屋で過ごす場合、何よりも食事を楽しみにしていることを、私たちは認識しています」
「今回のことは特に残念な問題で、学生たちを失望させてしまいました」
この記事は英語から翻訳・編集しました。