地球軌道を周るスペースXの宇宙船「クルードラゴン」(予想図)。
Kennedy Space Center/SpaceX via Flickr
・4月20日(現地時間)、スペースXは新型の有人宇宙船「クルードラゴン」の緊急脱出システムのテストを実施、だがテスト中「異常」が発生した。
・翌21日、宇宙船がテスト中に爆発した様子を撮影した動画がツイッターに広がった。
4月20日(現地時間)、スペースXはNASAの宇宙飛行士を乗せる新型宇宙船の緊急脱出システムのテストに失敗、ツイッターに出回った未確認の動画を見ると、最悪の結果となったようだ。
20日午後、スペースXは新型宇宙船「クルードラゴン」の緊急脱出システムの点火テストを行った。クルードラゴンは宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に往還させるためのNASAの商業乗員輸送開発(Commercial Crew program)に使用するためのもの。
だが20日のテストは予定通りには進まなかった。スペースXはステートメントで以下のように述べた。
「今日早く、スペースXはフロリダ州ケープカナベラルにある当社のテスト場、ランディング・ゾーン1(Landing Zone 1)でクルードラゴン宇宙船のテスト機のエンジンテストを何度か行った。最初のテストは成功したが、最終テストで異常が発生した。
我々のシステムが厳格な安全基準を満たしていることを確認し、このような異常をフライト前に検出することがテストを行う主な理由。我々のチームはパートナーであるNASAと密接に連携して調査を進めている」
Spaceflight Nowによると、テストでは「赤みがかったオレンジ色の噴煙が空に浮かぶ様子が数マイル先まで見えた」とのこと。これは、エンジンシステムにかなり深刻な不具合があったことを示している。
翌21日、ツイッターにはテストの様子を撮影した未確認の動画が広がった。動画には宇宙船が爆発、炎上する様子が映っている。
動画についてスペースXに問い合わせたところ、同社はただ上記の声明を述べただけだった。
3月上旬、同社はクルードラゴンの無人でのテストフライトに成功。「リプリー」と名付けられたヒト型のダミー人形と地球の形をしたおもちゃ(その後、すぐに売り切れた)を乗せ、ISSへのドッキングに成功、合計6日間のミッションを終え、大西洋に無事着水し、アメリカの新しい有人宇宙船の開発において重要な一歩を示した。
[原文:Video appears to show SpaceX's new spaceship for NASA exploding during a safety test]
(翻訳、編集:増田隆幸)