cat_oa-bengo4com_issue_e9c847e97744 oa-bengo4com_0_e9c847e97744_【インスタ映え】転落死亡事故招いた伊良部大橋 観光客の危険行為が常態化 e9c847e97744 e9c847e97744 【インスタ映え】転落死亡事故招いた伊良部大橋 観光客の危険行為が常態化 oa-bengo4com

【インスタ映え】転落死亡事故招いた伊良部大橋 観光客の危険行為が常態化

プロポーズ直後、ふざけて橋の欄干に立った男性が転落し、死亡する事故が起きた沖縄県宮古島市の伊良部大橋。現場となった伊良部大橋は、「インスタ映え」するスポットとして知られ、大勢の観光客が訪れている。しかし一方で、風景写真や自撮り写真を撮ろうと、駐停車禁止の路肩に車を停めたり、車道に座り込んで撮影したりする観光客やインスタグラマーの危険な行為が常態化している。

あまりのマナーの悪さに、地元の男性が転落死亡事故が起こる約2か月前、その実態を訴える動画をYouTubeに投稿。「本当に危ないので、注意喚起をしてほしい」と訴える。伊良部大橋での観光客やインスタグラマーの危険行為は防止できるのだろうか。その後の安全対策について聞いた。

●欄干に登り、車道に座り込むインスタグラマー

Instagramで「#伊良部大橋」というハッシュタグの写真を検索すると、2万件以上の写真が見つかる。青い海を背景にポーズを決めるインスタグラマーが多いが、中には欄干に腰掛けた男性や車道に座り込んでポーズを取る女性など、「インスタ映え」を求めるあまりの危険な行為の写真も少なくない。

伊良部大橋は、2015年に宮古島と伊良部島を結ぶ橋として開通した。無料で通行できる橋としては国内最長の3540mで、自動車のほか自転車や徒歩で渡ることも可能だ。開通以来、観光客の足は絶えないが、本来は駐停車禁止であるにも関わらず車を停め、風景を眺めたり、撮影したりする人が続出。旅行口コミサイトにも、「駐停車禁止なのに、みんな橋の途中で記念撮影していました」「駐停車している車が多いので要注意」といった内容が投稿され、違法な駐停車が常態化していることがわかる。

伊良部大橋は歩行者と自転車の通行は可能だが、幅1.25メートルの「幅広路肩」と呼ばれる路肩があるだけ。車道と路肩は色分けで区別されているのみで、縁石や柵などは設けられていない。そのため、以前から地元では歩行者や自転車の事故の危険性が指摘され、沖縄県議会でも歩道設置が取り沙汰された経緯がある。しかし、事業費のコスト削減などのため、歩道の設置実現には至っていない。

●地元男性が投稿した動画に写っていたものは…

そうした伊良部大橋でのマナーの悪さや事故の危険性を訴えるのが、宮古島などでシュノーケリングツアーを開催している「清水万次郎商店」の清水靖さんだ。転落死亡事故が起こる約2か月前に、清水さんはYouTubeに伊良部大橋の様子を撮影した動画を投稿していた。



「ひどすぎる伊良部大橋のマナー」というタイトルの動画には、両脇の路肩に違法駐車している車が邪魔となり、はみ出し禁止のセンターラインを飛び出して走行せざるを得ない車が写っていた。停車している車の中にはタクシーもある。動画は反響を呼び、再生回数は2万2000回を超えた。

「違法駐車が多く、車で走っていると危ないです。歩いて渡っても良い橋なのですが、中には車道を横断する人もいて危険です。違法に駐停車している車には、プロのタクシーまでいます。他の人が投稿した動画でも同じような状況です」と清水さんは指摘する。転落死亡事故でも、亡くなった男性は橋の上に駐車していたと報じられている。旅行口コミサイトでは、「途中で停車できるスペースがあります」と緊急車両用の退避スペースに駐停車できると勘違いしている観光客もいる。十分な周知がされていないと清水さんは考えている。

清水さんによると、宮古島に他にも、池間島との間に池間大橋(全長1425メートル)、来間島との間に来間大橋(全長1690メートル)という橋が、やはり観光名所となっているが、それぞれ歩道が設置されており、伊良部大橋が最もひどい状態という。

●求められる伊良部大橋の安全対策

観光客やインスタグラマーたちの危険な行為について、対策はとられているのだろうか。伊良部大橋を管理する沖縄県土木建築部宮古土木事務所に聞いたところ、駐停車禁止の標識は伊良部大橋上に設置されているという。歩行者がむやみに車道を歩いたり、撮影のために座り込んだり行為は、道路交通法に抵触する恐れもあるが、手すりの上に登る行為については、「取り締まることはできず、あくまで個人の方にお任せするしかない」と話す。

しかし、これまでは利用者の良識に委ねる形となってきたが、転落死亡事故が起きたことからも、「今後は県警と連携して、どのような対策ができるのか、模索している段階」とする。

伊良部大橋の危険性を訴えてきた清水さんは、「伊良部大橋では取り締まりもあまりされず、注意を呼びかける看板もない。役所や警察、レンタカー会社は、観光客の人たちに対して、もっとしっかり注意喚起をしてほしいです」と話している。

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cat_oa-bengo4com_issue_e9c847e97744 oa-bengo4com_0_7f82815eaeb0_03からの着信、信用して特殊詐欺被害に…悪用される「電話転送サービス」法整備を求める意見書  7f82815eaeb0 7f82815eaeb0 03からの着信、信用して特殊詐欺被害に…悪用される「電話転送サービス」法整備を求める意見書  oa-bengo4com

03からの着信、信用して特殊詐欺被害に…悪用される「電話転送サービス」法整備を求める意見書 

固定電話番号を使用した電話転送が特殊詐欺へ悪用されることを防止するため、日本弁護士連合会(以下、日弁連)は、法整備を求める意見書を公表した。意見書は2月18日付。

特殊詐欺は平成26年に被害総額が過去最高の約565億円5000万円に、平成29年には認知件数が過去最高の1万8212件に及んだ。その後、減少には転じているが、令和元年においても認知件数1万6581件、被害額は約315億8000万円と高齢者を中心に多額の被害が発生している。

過去においては、プリペイド携帯など携帯番号が使われるケースが多かったが、その後、本人確認の厳格化により減少。かわりに、電話転送システムが多用されるようになったという。

日弁連は3月3日、記者会見で「特殊詐欺では、いくつもの電話番号により複雑な転送システムが使われている。被害者は固定電話の発信であることから信用してしまい、複雑な転送のため警察の捜査は著しく困難になっている」(山下勇樹副会長)と話した。

転送サービスをおこなう事業者は、NTTなど固定電話番号の卸元事業者による承認を得なければいけないなど具体的な法整備を求めている。意見書全文は日弁連のサイトで読むことができる( https://www.nichibenren.or.jp/document/opinion/year/2021/210218_3.html )。

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cat_oa-bengo4com_issue_e9c847e97744 oa-bengo4com_0_5c2069b4412f_「慶應虐待」で潰れる子どもたち 受験強要、親の「ブランド信仰」が招く地獄 5c2069b4412f 5c2069b4412f 「慶應虐待」で潰れる子どもたち 受験強要、親の「ブランド信仰」が招く地獄 oa-bengo4com

「慶應虐待」で潰れる子どもたち 受験強要、親の「ブランド信仰」が招く地獄

大学入試改革と定員数の削減により、首都圏では大学の附属校人気が加速する一方だ。ある大学受験予備校の講師は「あくまで感覚的な印象ですが、数年前なら早慶に入れたレベルの学生でも、GMARCHに進学が決まるケースは珍しくない。早慶は激戦です」と話す。

そのため、附属の系列校からほぼ100%の内部進学となる私学の雄・慶應義塾大学の各附属校の人気は高い。早稲田大学の場合、内部進学が保証されない附属校もあり、附属校人気の早慶戦では慶應が一歩リードするようだ。

慶應人気の背景には「一度、慶應に入れば、不祥事を起こしたり、本人が他大学の進学を希望したりしなければ、大学入学が保証されている」(子どもを慶應義塾横浜初等部に通わせる父親)という安心感がある。

しかし、それだけに慶應生の肩書きを得るためには、親子の相当な努力(そして財力、時に運)が必要となる。



●岩田剛典さんも「慶應に行け」と言われ壮絶な中学受験

卒業後も「塾員」として慶應OB・OGたちは「三田会」を通して強い結束力と母校愛を育んでゆく。その結果、卒業生でなくとも三田会の結束力を知るからか、親となった暁には「我が子を慶應に進ませたい」と強く願うようになるのも自然なことなのだろうか。

三代目J SOUL BROTHERSの岩田剛典さんもその1人だ。テレビ番組(日本テレビ系、2021年1月22日放送「アナザースカイ」)にて、慶應出身の父親から「慶應に行け、三田会に入れと言われ続けた」小学生時代を回想している。

見事、普通部(中学)に入学した岩田さんだったが、番組では「絶対に慶應に合格しろ」と言われ続けた時代を「窮屈だった」と、振り返っていた。



●父の希望学部に進学できず「おまえは我が家の欠陥品だ」

勝者の陰には敗者もいるものだが、勝者に見えても当の本人が複雑な事情を抱えていることは珍しくない。子どもの教育をめぐり、親が子どもを追い詰める「教育虐待」という言葉が知られるようになっているが、受験エリートの勝者でも地獄を味わうことがある。

ある女性(30代)が親から受けたのは、「慶應虐待」と言えるものだった。

「小学生の頃から『慶應に入れ』と言われ続け、100点を取らないと家の中に入れてもらえませんでした。中学受験に失敗してからは『バカ』と言われる日々で、父親に1度も褒められたことはありません。

高校でようやく慶應に入りましたが、家族で合格祝いをするという日に、父に『慶應に入るのは当たり前。たいしたことないくせに、くだらないことで盛り上がるな』と怒鳴られ、用意されたケーキも食べられませんでした」

さらに、慶應に進学した後も地獄の日々は続いた。附属校では大学に進学する際、希望学部に入れるかどうかは成績順で決まる。中でもパイの少ない医学部進学できる生徒は、主要学科だけでなく音楽、体育といった総合的な成績でも優秀なまさに天才たちだ。文系でも、法学部や経済学部は優秀な成績をおさめなければ進学できない。


「父は私に行かせたい学部がありました。高3になって、その学部に進学できる成績でないと分かったとたん、父はほかの親族の前で『おまえは我が家の欠陥品! 恥だ!』と怒鳴り出し、テーブルをひっくり返し、大騒ぎでした」

驚くべきことに、家庭が地獄絵図になっているのは、この女性だけではなかった。同級生に相談すると、彼女も「うちも似たような感じ、分かるよ。うちは怒り狂った父親にペットを捨てられたから」と答えたそうだ。

女性は現在、一児の母となった。子どもの進学については「子どもが行きたければ反対しません。私自身は慶應で培った人脈や教育は財産となっていますが、うちの子には合わないような気がします。少なくとも、父のようにむりやり進学させることは絶対にないですね」と冷静に話す。

女性の父親は親族に慶應がチラホラいるものの、本人は慶應出身ではない。なぜそこまで慶應にこだわっているのか、理由はわからないままだ。父親とは現在、疎遠になっている。



●「バカ」と罵倒する父、ストレスで体重30キロ台のママ

親の意向が反映されやすい中学受験や、「本人の意思」とは言い切れない時期である小学校受験において、親の意向は大いに影響してくるだろう。その際、親の歪んだ「慶應愛」が暴走するケースは珍しくないようだ。


お受験をする子どもが多い幼稚園に通っていた保護者たちは次のように証言する。

「夫の家系が代々、慶應というお家のママが、小学校受験のストレスで体重が30キロ台になっていました。何でも義母から『孫ちゃんを慶應に入れなさい』と、教育費も提供されていたようです。幼稚園でも園長先生の前で泣き出したり、精神不安定になっていて心配になりました。最終的に慶應にご縁がなかったようで、引っ越してしまい、その後が気になっています」(30代女性)

「子どもの幼稚園の同級生が、両親からすさまじいプレッシャーをかけられていて、ハラハラしました。送迎時にお見かけすると、連日、父親が子どもに問題を出して『バカ。どうしてお前はわからないんだよ』などと罵倒。子どもは慣れているからか泣くわけでもなく『ごめんなさい』と。かわいそうでしたね。父親だけでなく、母親も子どもを責め立てていたのが気の毒でなりませんでした。最終的には幼稚舎(小学校)に入れたのでよかったですが…」(40代女性)



●「勉強さえできれば親に愛される」という歪んだ価値観

親としては「子どものため」なのかもしれない。しかし「子どものため」が時に、虐待につながることは、過去の事件からも明らかだ。

行き過ぎた親の「慶應愛」は、時に教育虐待にあたるのではないか。教育問題に詳しい高島 惇弁護士は次のように警告する。

「保護者が特定の学校への進学を希望するあまり、児童に対し過度の勉強を強いてときに罵倒すれば、児童は次第に自己肯定感を抱けなくなるとともに、『勉強さえできれば親に愛されるのだ』という歪んだ家族観を抱きかねません。

その結果、児童が将来親になったときに、生まれてきた子へ同様の価値観を押し付けかねず、不勉強を理由とした暴力や暴言も正当化してしまうおそれがあります。

いわゆる教育虐待は、児童福祉の世界では近年意識的に議論されていますが、児童虐待の防止等に関する法律上は、暴力や暴言を伴わない限り当然には児童虐待に該当しません。

しかしながら、教育虐待については、身体的虐待や心理的虐待、ネグレクトでは評価しきれない側面を含んでいるため、新たな児童虐待の類型として法律上規定する余地はあると考えます」

【取材協力弁護士】
高島 惇(たかしま・あつし)弁護士
退学処分、学校事故、いじめ、体罰など、学校内におけるトラブルを精力的に取り扱っており、「週刊ダイヤモンド」にて特集された「プロ推奨の辣腕弁護士たち」欄にて学校紛争問題が得意な弁護士として紹介されている。
事務所名:法律事務所アルシエン
事務所URL:http://www.alcien.jp

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cat_oa-bengo4com_issue_e9c847e97744 oa-bengo4com_0_81f5549d8bd7_離婚後デートのお金はあるのに、養育費は払わない…そんな親に「一括請求」はできる? 81f5549d8bd7 81f5549d8bd7 離婚後デートのお金はあるのに、養育費は払わない…そんな親に「一括請求」はできる? oa-bengo4com

離婚後デートのお金はあるのに、養育費は払わない…そんな親に「一括請求」はできる?

養育費が支払われないーー。弁護士ドットコムに、そのような相談が複数寄せられています。

「元夫は当時不倫していた不倫相手と交際しており、SNSにバーベキューや遊園地に行った写真をアップしていますが、養育費は払ってもらえません」、「元妻が養育費を支払いません。再婚し、専業主婦なので収入がないと主張しています」など、悩んでいる人は少なくありません。

離婚や養育費が決まったばかりという人からも、実際に支払われないのではないかという不安の声が寄せられています。

離婚が決まって間もないという女性は「これまでの経験から、ダメ夫は絶対に支払いません。どうしたら確実にもらえるのでしょうか」と質問しています。相談者によると、夫は浪費家ではあるものの、収入も高く、親から相続した不動産など財産もあるようです。

相談者は「養育費の一括請求をしたい」と考えているようですが、そのようなことはできるのでしょうか。また、一括払いの場合は課税対象となるのでしょうか。森本明宏弁護士の解説をお届けします。



●夫婦間で合意が成立すれば、一括請求は認められる

ーー養育費の一括払いを請求することはできるのでしょうか。

養育費は、子の成長段階に応じた必要な監護養育のための費用であり、月々具体的に発生するものです。原則として一括払いの請求は認められず、定期金による支払(毎月ごとの支払)をするよう家庭裁判所は判断を示しています。

夫婦間で養育費の一括払いの合意が成立すれば、一括請求は認められます。しかし、後で述べますとおり、課税上の問題を検討する必要があり、注意が必要です。

養育費は、原則として子が成人に達する月まで支払が継続されます。離婚時の子の年齢によっては離婚後10年、15年、20年近くの期間をかけて毎月支払われることになります。

したがって、その間に養育費を支払う者が、亡くなったり、職を失って収入が途絶えたり、再婚により、新たに扶養すべき子が産まれたりするなど、養育費の支払いが滞ることも十分に考えられます。

そこで、長期間にわたる確実な履行が期待できない場合、養育費の一括払いを受けることには大きなメリットがあるともいえるでしょう。



●一括払いを受けた場合、贈与税の課税対象になる場合も…

ーー養育費の一括払いを受けた場合、贈与税の課税対象になる場合があるのでしょうか。

はい、一括払いの場合、その点は注意すべきです。毎月ごとに支払われる養育費は原則として課税されません。しかし、将来の養育費はまだ具体的に発生していません。そのため、支払を一括で受けた場合には贈与にあたると判断されます。

ただし、一括払いを受けた場合でも、非課税とされる場合もあります。

信託銀行との間で、毎月一定額の均等割り給付を受けるものとする金銭信託契約を締結し、一方的な信託契約の解約をできないようにして、支払われる養育費の一定額が「子の年齢その他一切の事情を考慮して相当な範囲内のもの」であれば非課税とされています。

(弁護士ドットコムライフ)

【取材協力弁護士】
森本 明宏(もりもと・あきひろ)弁護士
愛媛弁護士会所属(2002年弁護士登録)。2010~2011年度、愛媛弁護士会副会長。2020年度、愛媛弁護士会会長。日本スポーツ法学会会員。
事務所名:四季法律事務所
事務所URL:http://www.shiki-law.com/

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cat_oa-bengo4com_issue_e9c847e97744 oa-bengo4com_0_84ddcacfe1e6_武蔵小杉の水害、被災住民の訴え「市は最後まで責任を認めなかった」 署名7648筆、タワマン住民からも 84ddcacfe1e6 84ddcacfe1e6 武蔵小杉の水害、被災住民の訴え「市は最後まで責任を認めなかった」 署名7648筆、タワマン住民からも oa-bengo4com

武蔵小杉の水害、被災住民の訴え「市は最後まで責任を認めなかった」 署名7648筆、タワマン住民からも

2019年10月に東日本を襲った台風19号。神奈川県川崎市の武蔵小杉駅周辺も浸水被害にあい、街には泥水があふれた。駅前のタワーマンション1棟が全館停電したことも記憶に新しい。

この水害で被災した川崎市の住民約70人が3月9日、市に損害賠償を求めて提訴する。住民有志は被災2カ月後に「台風19号多摩川水害を考える川崎の会」を結成し、市へ要望書を提出したり勉強会を開いたりしてきたが、裁判で市の責任を追及することに決めた。

原告団の船津了(69)さんは「市は最後まで責任を認めなかった。これ以上行政を頼れないなら、司法に訴えるしかない」と語る。



●黒い水が自宅を襲った

「2019年9月の台風15号の方が、よほどひどい印象だったんです」と話すのは、多摩川にほど近い中原区上丸子山王町に住む川田操さん。住み始めて10年ほどになるが、2階建ての戸建てが床上浸水したのは初めてだった。

ペットがいるため自宅避難を選んだ川田さん。10月12日の夜、自宅は停電し車や携帯から警報音がピーピーと鳴り響いた。あれよあれよという間に床上浸水し、黒い水が床や壁の間、クローゼットの奥などあらゆる所から溢れ出して来た。タオルでふさぐも到底追いつかず、1階から必要最低限のものを2階にあげた。


翌朝、家の外に出ると、道路には泥が田んぼのように10〜15センチほど溜まっていた。床裏の断熱材はびちゃびちゃになり、撤去に追われた。水につかった扉やクローゼットは歪み、自宅は半壊扱いになった。

「10年も住んでいると、土地に愛着もわいてくるし、戸建てなので近所付き合いもある。当初は市に対して感情的になっていたが、再発防止を求める気持ちがうまれてきた」と原告団に加わった。




●タワマン住民からも署名集まる

冒頭の船津さんは、JR南武線向河原駅周辺の川崎市中原区下沼部に25年ほど住んでいる。台風19号により、3階建ての戸建てが半壊扱いになった。

あの夜、家の前を勢いよく流れていた水は、途中から流れが変わり、透明から濁った水になった。外に置いていた車はハンドルのところまで浸水し廃車。1階の洋間や寝室は、床上20センチまで浸水した。


有志で勉強会を開いていた船津さんらは2020年1月、市に対して原因究明と賠償、再発防止を求める署名活動をはじめ、7648筆もの署名が集まった。うち1780筆が、武蔵小杉駅周辺のタワーマンション計11棟から寄せられたものだ。

武蔵小杉駅周辺のタワマン管理組合などで構成するNPO法人「小杉駅周辺エリアマネジメント」(エリマネ)は、市に対して賠償を求めないとしている。原告団にタワマン住民はいないが、船津さんは「署名の数を見ると、それだけ市に対しておかしいと考えている人がいるのではないか」と話す。




●川崎市「ゲート操作は手順どおり」

川崎市は台風19号の際、内水氾濫の危険をかんがみ、排水管の水門ゲートを閉めなかった。その結果、川崎市内の多摩川沿い5カ所から逆流し、浸水被害が発生。その面積は、計約110ヘクタールに及んだ。


市は検証報告書で「ゲート操作の判断は、操作手順どおり行われていた」「内水氾濫の危険を考慮した判断はやむを得ない」と結論づけているが、原告団は「対応が間違っていた」と批判する。



●裁判の争点は?

裁判でも「ゲートを締めないという市の判断が正しかったかどうか」が大きな争点となる。 弁護団の川岸卓哉弁護士はこう話す。

「操作手順書には、内水氾濫を引き起こす恐れのある降雨予測だけでなく、逆流を引き起こす原因となる河川水位の状況なども見ながら総合的に判断するとありましたが、今回の市の対応は河川水位への視点が欠けていました。

本来、多摩川へそそぐ排水樋管の操作は河川課と下水道事務所両方の判断が必要ですが、今回、下水道事務所が内水氾濫をおそれるあまり、目の前で逆流が生じているにも関わらずゲートを締めないという判断に至っています。これは、川崎市の縦割り行政の中で起きてしまった不合理的な判断だったのです」

また、今回の台風19号の被害を受け、川崎市は操作手順書を改定。逆流が確認できた場合は、ゲートを閉めることとしている。

川岸弁護士は「これまでの操作手順書が誤りということを認めたようなもの。こうした水害が二度と起きないようにすることが裁判の大きな目的です」と話した。

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cat_oa-bengo4com_issue_e9c847e97744 oa-bengo4com_0_e72e44265d56_出入国管理法の改正案に批判 「国連から指摘された問題点がまったく解消されていない」 e72e44265d56 e72e44265d56 出入国管理法の改正案に批判 「国連から指摘された問題点がまったく解消されていない」 oa-bengo4com

出入国管理法の改正案に批判 「国連から指摘された問題点がまったく解消されていない」

政府が国会に提出した「出入国管理法」改正案について考える院内集会が3月2日、東京・永田町の参院議員会館で開かれた。難民問題などに取り組む弁護士などが登壇して、政府案の問題点を指摘した。



●新たに「監理措置」という制度を設ける政府案

迫害を受けるなど、さまざまな理由で帰国できず、オーバーステイになるなどして在留資格がなくなった外国人たちの収容が長期化している。国連の作業部会からは、国際人権規約に反するとして、改善をもとめられている。

こうした状況を受けて、政府は2月中旬、出入国管理法の改正案を閣議決定して、国会に提出した。今回の政府案では、新たに「監理措置」という制度を設けるとされている。

現在でも身柄を一時的に解放する「仮放免」があるが、国外退去処分を受けた外国人のうち、逃亡のおそれが低い場合は、収容せず、家族などと「社会的生活」をすることを認めるという。

一部メディアで好意的に報じられている場面もあったが、収容されている外国人を解放するかどうかは、入管が判断することになっているため、結局のところ「改善されていない」などといった批判の声があがっている。



●「生きていくために働いたら処罰される」


難民問題などに取り組んでいる高橋済弁護士は、この日の院内集会で次のように「監理措置」を批判した。

「国連(の作業部会)から指摘された『行政による恣意的な拘禁・解放』がまったく解消されていません。また、(同部会からは、収容について)裁判所の令状(審査・承認)も必要だと指摘されていますが、(国は)『令状も不要で適切に判断する』としています。

また、これまで、仮放免中(の外国人は)『働いていい』とはされていなかったが、処罰規定はありませんでした。『監理措置』になると、生きていくために働いた場合、処罰規定が適用されます。働かなかったら食べていけないので、逃げた場合、これも処罰です。健康保険も今まで通り入れません。これのどこが社会内生活なのでしょうか」



●ナイジェリア女性「日本、助けて難民」

国外退去処分を受けながらも、身柄を一時的に解かれている「仮放免」の当事者も登壇した。来日して30年を迎えたナイジェリア人のエリザベスさんは、女性器切除から逃れたことや、熱心なクリスチャンであることから、帰国すれば危害が及ぶおそれがあるという。

エリザベスさんは「帰国できない。(日本にいても)何もできない。なんで日本は厳しいのか。なんで難民を助けないのか。バイデン(米大統領)は(難民に)ビザをあげてる。日本はなぜ変えれないのか。何をやっているの、日本の政府は。日本、助けて難民」と訴えた。

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cat_oa-bengo4com_issue_e9c847e97744 oa-bengo4com_0_b006d078ee42_母親の依頼で「ベビーカー」を運んで、階段から乳児が転落…駅員は責任を問われるのか b006d078ee42 b006d078ee42 母親の依頼で「ベビーカー」を運んで、階段から乳児が転落…駅員は責任を問われるのか oa-bengo4com

母親の依頼で「ベビーカー」を運んで、階段から乳児が転落…駅員は責任を問われるのか

駅員が乳児をベビーカーに乗せたまま階段を下ったら、乳児が転落して頭部を骨折——。こんな悲しい事故がネットで話題となった。

NHK(2月27日)によると、駅員は2月25日、滋賀県大津市にあるJR湖西線の志賀駅で、幼児と乳児を連れた母親の依頼で、ホームから改札階までベビーカーを運びながら階段を下りた。

その際、乳児はベビーカーに乗ったままで、ベルトを装着していなかった乳児がシートから床に落ちた。JR西日本のマニュアルでは、ベビーカーの移動の際は子どもを下ろした状態でおこなうと決まっているが駅員は忘れていたという。



●「心が痛いニュース」

ツイッターでは「心が痛いニュース」「普段からベルトしてないのかな…」「お母さんも駅員さんもどっちも不注意だったと思う」と様々な意見が集まっている。

中には、「全駅にエレベーター設置しておけば悲劇は起こらなかった」「JRなんでいまだにエレベーターない駅多いの?」とエレベーターがあれば防げた事故だと話す人もいた。

果たして、今回の事故で駅員は法的責任を問われてしまうのだろうか。田沢剛弁護士に聞いた。



●「安全に行うべき業務上の注意義務がある」

——乳児が転落した原因は複数ありそうですが、駅員は法的責任を問われてしまうのでしょうか。

鉄道旅客である母親に代わってベビーカーをホームから階下に下ろす駅係員の行為については、これが旅客に対して提供されるサービスの一環であるとすれば、安全に行うべき業務上の注意義務があります。

乳児を乗せたままベビーカーを下ろそうとして、乳児を転落させてしまったというのであれば、駅係員自身にその義務違反があったものとして、不法行為責任は免れないでしょう。JR西日本も、その使用者としての責任を問われることになります。

——ベビーカーに乗った乳児がベルトを装着していなかったと報道されています。駅員の責任は過失相殺されますか。

問題は、その乳児がベルトを装着していなかったことについて、母親にも責任があるとして、過失相殺の対象となるのかという点です。

これについては、賛否両論あるとは思いますが、母親がベビーカーを階下に下ろすことを駅係員に委ね、駅係員がこれを引き受けた以上は、乳児の安全は、全面的にその駅係員の支配下に置かれたものと考えられます。

そのため、駅係員に委ねられる前の段階で、ベルトが装着されていなかったことを捉えて過失相殺の対象にするというのでは、その駅係員の業務上の注意義務を軽減してしまう結果となりかねず、疑問があります。

JR西日本のマニュアルでは、乗客のベビーカーの移動を手伝う際には安全確保のために子どもを下ろした状態で移動させることになっていたと報道されています。

そのマニュアルに従わず、ましてやベルトを装着させないままベビーカーを運ぼうとした駅係員の行為は非常に危険であり、その責任は非常に重いというほかありません。

【取材協力弁護士】
田沢 剛(たざわ・たけし)弁護士
1967年、大阪府四条畷市生まれ。94年に裁判官任官(名古屋地方裁判所)。以降、広島地方・家庭裁判所福山支部、横浜地方裁判所勤務を経て、02年に弁護士登録。相模原で開業後、新横浜へ事務所を移転。得意案件は倒産処理、交通事故(被害者側)などの一般民事。趣味は、テニス、バレーボール。
事務所名:新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
事務所URL:http://www.uc-law.jp

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コロナ禍の危機意識を増幅させた「ワイドショー」の存在感 橋元良明教授が語る「情報行動」論

1月に出された2回目の緊急事態宣言で、人々の意識はどう変わったのだろうか。

日本人の情報行動について長年研究を続ける東京女子大学の橋元良明教授によると、2回目の緊急事態宣言をめぐる意識調査を実施した結果、人々の危機感や自粛意識と、テレビのワイドショー番組の視聴時間に強い関連性がみられたという。

橋元教授は「マスメディアの影響は非常に大きい。特に、ニュース番組よりも、連日、コロナ関連のニュースを取り上げ続けるワイドショー番組によって、危機感が増幅されている」と語る。調査結果と、その分析について聞いた。(新志有裕、武藤祐佳)




●2回目の緊急事態宣言、1回目よりも危機感や自粛の意識は低下した

――どのような調査を実施したのでしょうか。

1回目の緊急事態宣言が出されていた2020年4月15日から17日、約3000人を対象に意識や行動を尋ねるアンケート調査を行い、結果を公表しました。そして、2021年1月7日に緊急事態宣言が出された後、1月20日、21日にも約3000人を対象とした同様の調査を実施しています。調査はいずれも橋元研究室グループとNTTセキュアプラットフォーム研究所の共同研究の一環として行われました。

――2回目の緊急事態宣言時の人々の意識や行動の変化は、1回目と比べてどう変わったのでしょうか。

結果を比較すると、2回目は1回目に比べ、「新型コロナウイルス感染症に対する危機感」や「外出を自粛しなければいけないという気持ち」が宣言後に増えたという人の比率がかなり低下しています。

危機感が「とても増えた」と回答した人の比率は、1回目の59.6%から、26.5%に減少しました。外出自粛の意識も同様で、1回目の62.7%から、29.7%に減少しています。

新型コロナウイルスの致死率などに関する実態の認識が広がり、恐怖心自体がかなり減少しているからだと考えられます。

――年代による違いはないのでしょうか。

若年層の危機意識が低い、と言われることはありますが、とくに2回目の調査では、「とても増えた」という回答比率には年代による大きな差は見られませんでした。



●ワイドショーがコロナの話題をずっと放送することで、人々の意識に影響を及ぼした

――多くの人が外出自粛やマスク着用を続けているのは、日本人ならではの同調圧力が働いているという指摘もありますが、どうみますか。

数値データがあるわけではありませんが、日本のように同調志向が強い社会では、同調圧力が外出自粛やマスク着用につながっている側面は強いでしょう。

しかし、2回目の調査では、「マスクを着用するのは他人の批判をさけるためだ」という質問に対する肯定的回答は13.6%にとどまっています。他者の目を気にしてというばかりではなく、それなりに自分の意志が外出自粛やマスク着用につながっていることも否めません。

この点に関して、マスメディアの報道の影響がかなり大きいと考えています。2回目の調査では、「この先の1カ月であなたまたはあなたの家族が新型コロナウイルスに感染する確率は何%程度だと思うか」という質問を設けました。

これは、「カルティベーション効果」という、マスメディアの情報に接触し続けることで現実に対する認識が影響を受けてしまうという理論を検証しようとしたものです。

例えば、テレビはドラマやニュースなどで現実よりも暴力を多く描くため、テレビをたくさん見る人は自分が暴力に遭遇する可能性を高く見積もることが実証されています。

調査結果では、テレビ番組全般やニュース番組、ワイドショー番組の視聴時間が長い人、SNSのコロナ関連投稿との接触が多い人ほど、コロナの感染確率を高く見積もっています。特に、ワイドショーの視聴時間との関連が高かったのです。

また、「危機感の増加」「自粛をしなければならないという意識の増加」についても同じような傾向が見られましたが、やはりワイドショー番組の視聴時間との関連が高くなっています。

つまり、ワイドショー番組を始めとするテレビ番組で連日、コロナ関連のニュースが取り上げられることで、不安度が増し、危機感が増幅されていると言えるでしょう。特にワイドショー番組では、緊急事態宣言を出すか出さないかも含め、コロナに関する話題をずっと放送していました。それが人々の関心をひきつけ、頭の中を占拠する効果があったと思います。

――緊急事態宣言は、人々に対する自粛要請であり、行動を直接的に制限するものではありませんが、緊急事態宣言が発令されることで、ワイドショー番組がコロナ一色になるので、宣言は大きな影響を及ぼしていると考えてもいいのでしょうか。

そういうことになります。間接的と言ってもいいかと思いますが、大きな影響を及ぼしています。



●ネットの影響が大きくなっていたが、コロナ禍ではテレビの影響が目立った

――SNSなどインターネットの影響よりも、テレビの影響の方が大きいのでしょうか。

インターネットも、接触時間が長い人の方が危機感や自粛意識が増加しているのは同じですが、テレビの方がその関連は大きいですね。長い時間見ていると、頭の中がその情報に染まっていきます。

1回目の調査では、トイレットペーパーの買いだめ騒動に関して、トイレットペーパー不足の情報源を尋ねましたが、テレビで知った人というが圧倒的に多かったですね。

――「日本人の情報行動」について、5年おきに大規模な調査をするなど、長年にわたって、日本人とメディアの関係を分析してきた中で、今回のコロナ禍をどう位置付けていますか。

コロナ禍では、テレビの影響力の強さを改めて実感しました。「日本人の情報行動」に関する調査で、これまではネットの影響が大きくなり、テレビは小さくなる傾向でした。しかし、5年おきの調査が、たまたまコロナ禍の2020年3月だったのですが、テレビが持ち直している、という特徴がありました。

普段テレビを見ない人でも、コロナに関しては「ネットだけだとわからなくなるから、テレビで何を報道しているか確かめるようになった」という人もいます。中長期的にネットの影響力が大きくなる傾向は変わらないと思いますが、改めてテレビの強さを実感しましたね。

ーー国際的にみて、コロナ禍の日本人の情報行動にはどのような特徴があると推測しますか。

日本では、他国と比べてテレビを始めとするマスメディアの影響力が大きいという仮説があります。

10年ほど前、不安度に関する国際調査を行った際には、日本人の不安度はほかの国と比べて高い結果でした。テレビの視聴時間が長い人ほど不安度は高くなっていたのです。

日本のように数少ないチャンネルで、長い時間テレビを見ている国民はあまりおらず、しかも放送する内容が似たり寄ったりですから、コロナ禍でもそれが影響したのではないでしょうか。

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cat_oa-bengo4com_issue_e9c847e97744 oa-bengo4com_0_b8be290a81fa_職場をかけ回る「社長の犬」、動物アレルギーの社員は「咳がとまらない」と息苦しさに悲鳴 b8be290a81fa b8be290a81fa 職場をかけ回る「社長の犬」、動物アレルギーの社員は「咳がとまらない」と息苦しさに悲鳴 oa-bengo4com

職場をかけ回る「社長の犬」、動物アレルギーの社員は「咳がとまらない」と息苦しさに悲鳴

「社長が毎日職場に飼い犬を連れてきます。私は動物アレルギーがあるため、症状が出て困っています」。弁護士ドットコムに、このような女性からの相談が寄せられています。

相談者は、入社の面接時には職場に犬がいることを知らされていなかったそうです。入社したその日、職場に犬が連れてこられるのを見て、愕然としたといいます。

社長の犬は社長室を飛び出して事務所全体を走り回り、アレルギーがある女性のそばにも寄ってくるのだそうです。

「キャンキャン鳴かれるのも迷惑なのですが、それは100歩譲るとして、舐められたり擦り寄られたりすると、目まで痒くなってきます。フロアで走り回っているだけでも、喘息のような咳が出ます」。息苦しさがあると相談者は綴っています。

相談者は、アレルギー症状が出ることについて社長のすぐ下の役職の人に伝えたものの、「だったら近づかないでください」とけんもほろろな対応をされたとのこと。とはいえ、自分から社長に直接言うことも難しく、何とかならないものかと困惑しているようです。

アレルギー症状が出ることを理由に、社長に対して、職場に犬を連れてこないよう要求することはできるのでしょうか。土井浩之弁護士の解説をお届けします。



●診断書などを提出して、社長に要求を

ーー社長に対して、職場に犬を連れてこないよう要求することはできるのでしょうか。

原則としては、犬を会社に連れてこないでくれと要求することはできます。

アレルギーは、呼吸停止やショック症状を引き起こすなどかなり危険な場合もあります。診断書などを提出して、社長に犬を連れてこないように要請することができると思います。

なお、かなり重篤なアレルギー症状が出ているにもかかわらず、社長が犬を連れてくることをやめないならば、直ちに会社を辞めるべきです。危険状態から離脱することを最優先に考えるべきでしょう。



●労災申請はできる?

ーーでは、アレルギー症状について、労災申請はできるのでしょうか。

労働災害と認められるためには、業務をしている過程で起きたという「業務遂行性」と、業務に内在している危険性が現実化したという「業務起因性」が必要です。

今回の場合、会社施設内での仕事中にアレルギー症状を発生していますから、業務遂行性は認められるでしょう。

一方、会社に犬がいることと業務とは関係がないので、問題は業務起因性が認められるかということになるでしょう。労災申請よりはむしろ、会社に対する損害賠償請求の方が、認められる可能性が高いと思われます。

ただ、労働者と使用者の力関係に鑑みれば、ある程度は使用者の趣味趣向のもとで働くことを余儀なくされるわけです。

使用者の趣味の下で働くことの危険性が現実化したというならば、業務起因性も認められるべきです。すなわち、労働災害は認定されるべきだと思います。少なくとも、はじめから申請をあきらめるべきではないでしょう。

(弁護士ドットコムライフ)

【取材協力弁護士】
土井 浩之(どい・ひろゆき)弁護士
過労死弁護団に所属し、過労死等労災事件に注力。現在は、さらに自死問題や、離婚に伴う子どもの権利の問題にも、裁判所の内外で取り組む。東北学院大学法科大学院非常勤講師(労働法特論ほか)。
事務所名:土井法律事務所
事務所URL:http://www.doihouritu.com/

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cat_oa-bengo4com_issue_e9c847e97744 oa-bengo4com_0_0c6845bc69ee_NHKと契約結ばないなら「割増金」、改正案に「まるで罰金じゃないか」と批判の声 0c6845bc69ee 0c6845bc69ee NHKと契約結ばないなら「割増金」、改正案に「まるで罰金じゃないか」と批判の声 oa-bengo4com

NHKと契約結ばないなら「割増金」、改正案に「まるで罰金じゃないか」と批判の声

正当な理由なく、NHKとの契約を結ばない世帯に対し、割増金を課すーー。政府が2月26日に閣議決定した放送法改正案に対しては、「いずれネット利用者も契約すべしって世の中が待ってるぞ」など、批判的な声も目立つ。

背景には、ワンセグ付き携帯やチューナー付きカーナビなど、放送の受信が主目的ではない機器にもNHKとの契約義務があるとした判決が続いたことがあるとみられる。

さらに、2020年からNHK番組のネット同時配信が始まったことから、契約対象の拡大に危機感を覚えたネットユーザーが多いようだ。

実際には民事上の措置で、刑罰や行政罰ではないが、「まるで罰金」との声もある。



●ワンセグやカーナビからも割増金?

割増金をめぐっては、総務省の「公共放送の在り方に関する検討分科会」で議論されてきた。

契約拒否に対する罰則がないことが、「公平負担」を妨げる一因という見方がある一方、放送事業者などから懸念も示されていた。

以下、同分科会のとりまとめ案に寄せられたパブリックコメントを紹介する。

日本民間放送連盟は、ワンセグ携帯やカーナビなどを念頭に置いたとみられるコメントを残している。

「テレビ視聴を主目的としない機器のみの所有を理由として割増金を課すことは、一般的な社会通念から乖離し、国民・視聴者の理解を得られない」

また、日本新聞協会メディア開発委員会も「割増金の運用は抑制的であるべきだ」と主張する。

「刑事罰・行政罰と異なる民事上の措置であることは理解するが、国民・視聴者からある種の『罰金』と捉えられかねない危うさがある。導 入するのであれば、NHKの在り方と受信料制度に踏み込んだ抜本的な三位一体改革の道筋を示し、国民・視聴者から理解を得ることが前提である」

実際、パブコメの概要をまとめた資料の中では、「罰金は設けるべきではない」との意見が紹介されており、分科会が刑事罰・行政罰ではないとの説明を加えている。




●参考になるNHKの督促・裁判件数

NHKの受信規約では、現状でも受信契約を結んでいる世帯に対しては、一定の要件を満たしたときに、受信料の2倍に相当する割増金を課せる(規約12条)。これに対し、改正案は契約を結んでいない世帯も対象になる。

ただし、現行規約が適用された事例はゼロだという。そうした意味で、新しい割増金案は、現行規約でいうと支払い延滞者に対する「延滞利息」(同12条の2)のイメージに近いかもしれない。

NHKによると、延滞利息については繰り返し説明をしても、受信料を払ってもらえず、裁判所を介した支払督促や訴訟になったときに請求するという。

訴訟などを含め、NHKが督促を申し立てた件数は約15年間で1万件超。ただし、2020年4月〜21年3月までは、コロナ禍を考慮して延滞利息は発生しないそうだ。

いっぽう、今回対象となる未契約者に対する裁判は450件ほど。



●視聴者の納得

放送法64条は、テレビなどの持ち主に対して、契約の義務を定めているものの、支払い義務にまでは言及していない(規約には明記されている)。

それゆえに、NHKには視聴者の納得を丁寧に取ることが求められているとされる。たとえば、2004年に発覚した不正支出問題では、100万件を超える支払い拒否が生まれた。

割増金制度が、どのような仕組みになり、どこまで抑制的に運用されるのか。今後、慎重な審議が求められそうだ。

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