cat_oa-bengo4com_issue_e0125a88b5df oa-bengo4com_0_e0125a88b5df_Amazon税逃れ、法人税が「楽天の30分の1」報道…多くの利益が米国に流れる仕組み e0125a88b5df e0125a88b5df Amazon税逃れ、法人税が「楽天の30分の1」報道…多くの利益が米国に流れる仕組み oa-bengo4com

Amazon税逃れ、法人税が「楽天の30分の1」報道…多くの利益が米国に流れる仕組み

ネット通販大手のアマゾン日本法人が、本来は日本で計上するべき売上高を米国で計上し、その結果、日本での課税を逃れていると「しんぶん赤旗」が伝えた。

米アマゾンが公表している年次報告書によると、2014年12月期の日本での売上高(営業収益)は8387億円だが、同じ2014年12月期のアマゾン日本法人2社(アマゾンジャパンとアマゾンジャパン・ロジスティクス)の営業収益はあわせて899億円と約1割にすぎなかったという。

この結果、同じ期にアマゾン日本法人2社に課された法人税(法人3税)は11億円。これは、イオンなど日本の小売り大手10社の平均法人税額(329億円)の30分の1で、ネット通販大手の楽天と比べても30分の1程度にすぎなかったという。

しんぶん赤旗は、米アマゾンが「アマゾンは日本を含むすべての国で、要求された税金の全額を払っている」と回答したことを伝えた一方、「日本事業の売上高を米国に移していることは否定しませんでした」と付け加えた。

こうした「税逃れの疑い」についてどう考えるか。李顕史税理士に聞いた。

●日本で得た利益の多く、アメリカに

ーーしんぶん赤旗の指摘には、どのような感想を持ちますか

「まず、しんぶん赤旗は営業収益と税金額を比較していますが、日本の税制度では利益に対して法人税が課税されます。アマゾン関連会社2社の2014年度の決算公告をみると、税引前当期純利益に対して約35%の税金を支払っていて、概ね妥当でしょうし、日本の法律に基づいて税金を支払っていると考えられます。

今ではアマゾンは合同会社となっており、合同会社は日本で決算公告の義務はないため、決算情報を公開していません。したがって、アマゾンの日本の活動実態は分かりにくくなっています。そして、アマゾンが日本で得た利益の多くを米アマゾンに付け替え、日本で本来払うべき税金を支払わずに、アメリカで支払うような仕組みになっているのも事実でしょう」

ーーどのような仕組みをイメージすればいいでしょうか

「例えば、アマゾンで書籍を購入すれば購入者は日本の消費者、販売者は米アマゾンという関係で、あくまでもアマゾンの日本にある販売・物流施設は、米アマゾンの支配下にあるという考え方です。これにより、消費者の支払代金は米アマゾンが受け取るという理屈です」

●実態に応じた課税には、まだ時間がかかりそう

ーー国をまたぐと課税が複雑になりますね

「日経新聞(2009年7月6日付朝刊)はかつて、日本の税務当局がアマゾンの日本法人に140億円を課税しようとしたところ、アマゾンが不服申立をしたと報じました。不服申立をした結果、日本の税務当局が負けて、アマゾン側の見解が通ったそうです。このように国をはさむと、二国間協議となり日米税務当局同士の協議が行われます。

二国間協議は、アマゾン以外でも過去にありました。1994年3月26日付の産経新聞朝刊は、日本コカ・コーラ社に対して360億円の追徴課税をしたところ、日米税務当局の協議が行われる旨を報じています。20年以上前にも、国同士の税金争奪戦が行われていたのです」

ーーアマゾンは近年業績を伸ばしていて、本来なら課税額もさらに増えそうです

「はい。新聞報道の2009年当時と比較しても、今ではアマゾンが日本でネット販売する金額も量も飛躍的に増えていて、2017年度では119億米ドル(日本円で約1兆3,200億円)にもなり、2014年と比べても約55%増えています」(出典:アマゾンのアニュアルレポート)

ーーアマゾンが日本であげた利益に対してしっかり課税されないのでしょうか

「現状、日本政府としても手をこまねいている訳ではありません。日本であげた利益に対して課税されないというのは、国民感情からしても、許されないでしょう。

2018年3月28日に国会で可決成立した税制改正(平成30年度税制改正関連法)では、物流施設のみがある外国会社にも日本で課税できるように法律が改正されました。しかし、だからといってすぐにアマゾンに課税できるかといえば、そう話は簡単ではありません」

ーーなぜでしょうか

「条約の規定が、日本国内の法律よりも優先されるためです。日米租税条約の規定がアマゾンのような物流施設の定義を明確にしていないことから、すぐにアメリカ企業に課税ができないという事情があります。

なかなか難しい問題ですが、個人的には早く問題を解消して、アマゾン以外の会社でも、日本で実質的に活動し利益をあげていれば、実態に応じて課税してもらいたいと思います」

【取材協力税理士】

李 顕史(り・けんじ)税理士

李総合会計事務所所長。一橋大学商学部卒。公認会計士東京会研修委員会委員。東京都大学等委託訓練講座講師。あらた監査法人金融部勤務等を経て、2010年に独立。金融部出身経歴を活かし、経営者にとって、難しいと感じる数字を分かりやすく伝えることに定評がある。また銀行等にもアドバイスを行っている。

事務所名 : 李総合会計事務所

事務所URL:http://lee-kaikei.jp/

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cat_oa-bengo4com_issue_e0125a88b5df oa-bengo4com_0_763g1924agf4_ラルク30周年ライブ「座席レイアウト」予告なく変更、批判の声…法的に問題ない? 763g1924agf4 763g1924agf4 ラルク30周年ライブ「座席レイアウト」予告なく変更、批判の声…法的に問題ない? oa-bengo4com

ラルク30周年ライブ「座席レイアウト」予告なく変更、批判の声…法的に問題ない?

ロックバンド「L'Arc-en-Ciel」結成30周年の記念ライブ「30th L'Anniversary LIVE」が5月21日・22日に東京ドームで開催されるが、会場の座席レイアウト変更をめぐり、SNSなどで話題となっている。

記念ライブの公式ホームページによると、座席は全席指定で、ステージに近い座席順に「W会員シート(2万2000円)」「SS席(2万2000円)」「S席(1万6500円)」「A席(1万1000円)」が設けられている。

変更前の座席レイアウトでは、「W会員シート」と「SS席」はアリーナ席(野球のグラウンド部分)、「S席」は1階スタンド席、「A席」はバルコニー席と2階スタンド席となっていた。

ところが、変更後の座席レイアウトでは、「W会員シート」こそ変更なかったものの、「SS席」はアリーナ席のほかに1階スタンド席の一部を追加、「S席」は1階スタンド席のほかにバルコニー席全席と2階スタンド席の一部を追加、「A席」はバルコニー席がなくなり2階スタンド席のみとなった。

たとえば、1階スタンド席に座れると思って「S席」のチケットを購入したのに、もし2階スタンド席を割り当てられたら「話が違う」と思う人もいるかもしれない。

SNS上でも、今回の変更について、「ありえないよ」「アリーナがスタンドになったらそりゃ怒るよ」など否定的な意見が多くあがっている。

ホームページ上の座席レイアウト表には、「座席図はイメージとなります」「ステージや座席レイアウトは予告なく変更になる場合がございます」との注意書きが変更前から記載されているが、今回のような座席レイアウトの変更は問題ないのだろうか。

芸能・エンターテインメント分野にくわしい河西邦剛弁護士に聞いた。

●「返金などの対応が必要では」

——「座席図はイメージとなります」「ステージや座席レイアウトは予告なく変更になる場合がございます」との注意書きがあったとはいえ、今回のような座席レイアウトの変更は法的には問題ないのでしょうか。

法律的な問題が生じうると考えます。

ポイントは、座席ランクごとに異なる価格設定をしていることと、座席レイアウト図の大きさです。

ファン側はレイアウト図を見た後に、これに基づいて、たとえば「SS席」として案内された範囲内のチケットを購入する意思で申し込みをしている可能性が十分にあります。

そうすると、法律的には当選後のチケット代金の支払いにより、SS席ゾーンのチケット購入契約が確定しているといえます。

したがって、事前のレイアウト図でSS席と表記のあった範囲外の席を割り当てれば契約違反になる可能性があり、応募者からの契約解除つまり返金請求がなされた場合には応じざるを得なくなる可能性は十分にあります。

「座席図はイメージとなります」「ステージや座席レイアウトは予告なく変更になる場合がございます」との注意書きが変更前から記載されているようですが、写真イメージとして大きくレイアウト図が表示され、たしかに文字で表記はされているものの、レイアウト図に比較し極めて小さい文字で記載されています。

ファン側としてはレイアウト図を見てどこに申し込むか判断することは容易に想定できます。

消費者契約法も事業者による一定の行為により消費者が誤認した場合の取消権を定めています。

今回は事業者側の「断定的判断」とまでは言えず、消費者契約法が直接的には当てはまらないとしても、異なる価格設定がなされている以上、主催者側が無制限に座席変更する選択権が与えられているとは法的には考えにくいです。

——たとえば、主催者側が「アリーナより段差があるスタンドの方がむしろ見やすいから問題ない」と反論した場合にはどうでしょうか。

事前のレイアウト図があり、それに応じてファン側は支払いをしているのですから、法的にはそのような反論は認められにくいでしょう。

たとえば、逆に「私は身長が低いからあえて段差ありのスタンド席を申し込んだ」という人に、フラットアリーナ席が割り当てられたら納得できないでしょう。

——今回のような座席変更はよくあることなのでしょうか。また、主催者側は、今回のような変更をおこなう場合、どう対応すべきなのでしょうか。

このような座席変更はほとんど聞いたことがありません。

主催者側としては、変更後の座席図が確定した時点でウェブサイトで告知し、返金を求めるファンには返金し、変更に応じるファンには差額を返金するなどの対応をするべきではないでしょうか。

●主催者側のコメント

ライブを主催するSOGO TOKYOは、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、「取材は受けていない」と回答した。

【取材協力弁護士】
河西 邦剛(かさい・くにたか)弁護士
「レイ法律事務所」、芸能・エンターテイメント分野の統括パートナー。多数の芸能トラブル案件を扱うとともに著作権、商標権等の知的財産分野に詳しい。日本エンターテイナーライツ協会(ERA)共同代表理事。「清く楽しく美しい推し活 ~推しから愛される術(東京法令出版)」著者。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:http://rei-law.com/

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cat_oa-bengo4com_issue_e0125a88b5df oa-bengo4com_0_edvr3ki3czhc_4630万円「誤給付」事件で男性逮捕、電子計算機使用詐欺罪ってどんな罪? 今後の展開は? edvr3ki3czhc edvr3ki3czhc 4630万円「誤給付」事件で男性逮捕、電子計算機使用詐欺罪ってどんな罪? 今後の展開は? oa-bengo4com

4630万円「誤給付」事件で男性逮捕、電子計算機使用詐欺罪ってどんな罪? 今後の展開は?

自分の口座に誤って振り込まれた「給付金4630万円」の一部を決済代行業者の口座に振り替えたとして、山口県阿武町の20代男性が5月18日、電子計算機使用詐欺罪の疑いで逮捕された。

報道によると、男性は取り調べで「ネットカジノで使った」と話しているという。不可解なことが多い事件だが、そもそも電子計算機使用詐欺罪とはどんな罪なのだろうか。今後の展開はどうなるのか。元検事の西山晴基弁護士に聞いた。

●電子計算機使用詐欺罪とは?

刑法は、コンピューターなど「電子計算機」に「虚偽の情報または不正な指令」を入力して財産上の利益を得る行為を電子計算機使用詐欺罪と規定しています。

たとえば、架空の入金データを入力して利益を得たり、偽造したプリペイドカードや窃取したクレジットカードを使用して利益を得たりする行為があげられます。

●自分の預金口座にある金銭であっても犯罪になるの?

自分の預金口座にある金銭であっても、「正当な権限なく」利用する場合には、(1)詐欺罪、(2)窃盗罪、(3)電子計算機使用詐欺罪のいずれかが成立する可能性があります。

たとえば、振り込め詐欺などの犯罪行為により振り込ませた金銭を利用する行為は、正当な権限がない利用行為といえ、犯罪になります。

そして、正当な権限なく、(1)窓口係員から金銭を受け取る場合には、詐欺罪、(2)ATMで出金する場合には、窃盗罪、(3)ATMやインターネット上で送金する場合には、電子計算機使用詐欺罪となります。

詐欺罪は、人をだまして財物の交付を受ける犯罪です。

そのため、窓口係員という「人」に正当な権限があると誤信させて、金銭を受け取る行為は、詐欺罪になります(窓口係員は正当な権限がないとわかっていれば金銭を渡すことはないので、その点で金銭をだまし取っていると評価されます)。

それに対して、ATMで出金する場合には、「人」から財物をだまし取ることにはならないため、詐欺罪にはなりません。

次に、窃盗罪は、万引きなどのように、財物を占有者(管理者)の意思に反して(譲渡する気がないのに無断で)移転させる犯罪です。

ここでポイントになるのは、過去の裁判例では、預金口座の名義人を窃盗罪の占有者としているわけではないことです。

なぜなら、金庫内にある金銭とは異なり、預金口座の金銭は「記録」(債権)として存在するものにすぎないからです。

つまり、ATMで引き出す金銭は「物理的」には各ATM内に存在するので、各ATMを管理する銀行支店長などが窃盗罪の占有者であると解釈されています。

ですので、正当な権限なくATMで出金する行為は、ATMの管理者である銀行支店長などの意思に反して金銭を移転させる行為と評価され、窃盗罪が成立するわけです。

一方で、預金口座の金銭を送金する行為は、「人」から金銭をだまし取ることにはなりませんし、そもそも金銭を「記録」上で移転させるにとどまり、「物理的」に金銭を移転させるわけでないため、詐欺罪や窃盗罪として刑事責任を問うことはできません。

そのため、刑法は、「人」を介した取引であれば詐欺罪に当たるような不正な行為(人をだます行為)を電磁的「記録」を操作して行う場合(コンピューターをだます行為)について、補充的に電子計算機使用詐欺罪として処罰の対象としているわけです。


●誤って振り込まれた金銭を利用する行為は刑事責任を問えるか?

判例に照らすと、誤振込された金銭についても、名義人には利用する「正当な権限」は認められず、犯罪になると考えられます。

最高裁は、被告人が誤って振り込まれた金銭であると知りながら、自己の借金の返済に充てようと考え、窓口係員に対し、誤った振込みがあった旨を告げることなく、払戻しを請求して現金88万円の交付を受けた行為について、誤振込があった場合の紛争予防手続きが設けられていることなどを根拠に詐欺罪の成立を認めています。

「銀行にとって、払戻請求を受けた預金が誤った振込みによるものか否かは、直ちにその支払に応ずるか否かを決する上で重要な事柄であ(り)」「受取人においても…誤った振込みがあった旨を銀行に告知すべき信義則上の義務がある」「社会生活上の条理からしても、誤った振込みについては、受取人において、これを振込依頼人等に返還しなければならず、誤った振込金額相当分を最終的に自己のものとすべき実質的な権利はない」(最高裁決定・平成15年3月12日)

この決定は、窓口係員から金銭を受け取る行為についてのものにとどまるので、解釈論に争いはあるかもしれませんが、ATMでの出金や送金も「正当な権限なく金銭を利用する」という点で実態は変わりありませんから、誤振込金をATMで出金する行為には窃盗罪、誤振込金を送金する行為には電子計算機使用詐欺罪が成立すると考えられます。

阿武町の事件については、男がすでに町の職員から誤送金であったことを理由に返還を求められたにもかかわらず、それを拒否して決済代行業者に送金していることから、より悪質であり、電子計算機使用詐欺罪が成立する可能性は高いといえます。また、仮に銀行窓口で受け取っている場合は詐欺罪、ATMで出金している場合は窃盗罪が成立することになるでしょう。

●今後の捜査の展開

男性は誤って振り込まれた4630万円のうち、決済代行業者に400万円を送金した疑いで逮捕されました。

今後、捜査機関は、残りの送金行為についても、男性を再逮捕するなどして捜査を進めていくと思われます。

量刑のポイントは被害金額の大きさであり、起訴される被害金額が数千万円単位ともなれば、刑事責任は重く、懲役3年〜4年前後の求刑がなされる可能性があります。弁済されなければ、前科がなくても実刑判決になる可能性もあります。

●そもそもネットカジノの利用は問題ないのか?

日本では、公営ギャンブルを除く賭博は法律で禁止されており、刑法では賭博罪として処罰の対象とされています。

ですが、日本の刑法は、あくまで国内において罪を犯した者に適用するとされているため、日本人がラスベガスなどの海外のカジノに行ってプレイすることは違法にはなりません。

一方で、海外で合法に運営されるネットカジノを利用する行為については、(ⅰ)カジノの場(サーバ)は海外にあり、(ⅱ)利用者は日本にいるという状況であり、この場合に、現在の日本の刑法が適用されるかは定められていません。

過去には、海外で合法に運営されるネットカジノの利用者が逮捕された事例がありますが、争われた結果、不起訴とされた事例もあり、グレーゾーンになっています。

ただし、日本でネットカジノを運営することは当然違法ですから、それを利用すれば賭博罪として刑事責任を問われる可能性があります。

また、海外で運営されるネットカジノであっても、その一部が国内で運営されている場合には刑事責任を問われる可能性があるので、注意が必要でしょう。

【取材協力弁護士】
西山 晴基(にしやま・はるき)弁護士
2017年検察官に任官。さいたま・福岡・東京地方検察庁を経た後、2021年よりレイ法律事務所に入所。検察官として、強制性交等致死、強制わいせつ致傷、児童福祉法違反、公然わいせつ、盗撮、児童買春等の性犯罪事件に加え、詐欺、業務上横領、特別背任等の経済犯罪事件も数多く経験し、捜査機関の考え方や動き方を熟知。現在は、弁護士として、刑事分野、芸能分野の案件を数多く扱う。
事務所名:レイ法律事務所
事務所URL:http://rei-law.com/

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cat_oa-bengo4com_issue_e0125a88b5df oa-bengo4com_0_c9f6f595pi72_「ゆっくり茶番劇」商標騒動、ドワンゴが「動画投稿しても問題ないと考える例」発表 c9f6f595pi72 c9f6f595pi72 「ゆっくり茶番劇」商標騒動、ドワンゴが「動画投稿しても問題ないと考える例」発表 oa-bengo4com

「ゆっくり茶番劇」商標騒動、ドワンゴが「動画投稿しても問題ないと考える例」発表

ニコニコ動画を運営するドワンゴは5月20日、「ゆっくり茶番劇」の商標登録問題について、同社の見解を発表した。「【ゆっくり茶番劇】<動画タイトル>」のような動画をニコニコ動画に投稿することは問題ないという考えを明らかにした。

同社見解の公表理由として、動画投稿者が「自分の動画を削除しなくてはいけないのか」「ゆっくり関連の単語も使えなくなるのか」などの不安にかられている現状を受けて「当該商標権の効力が及ぶ範囲をご理解いただき、少しでも動画制作者の皆様に安心していただければ」と説明。

『「【ゆっくり茶番劇】」や「【ゆっくり劇場】」のような動画をニコニコ動画に投稿いただくことは、当該商標登録にかかる商標権を侵害することはなく、問題はないと考えております』との見解を示したうえで、同社が問題ないと考える例や商標権侵害と主張される可能性があると考える例を挙げている。

【同社が問題ないと考える例】
・「【ゆっくり茶番劇】私のモーニングルーティーン」という動画タイトル
・「【ゆっくり劇場】俺のオススメ商品TOP5」という動画タイトル
・タグや説明文中、セリフでの「ゆっくり茶番劇」という文字列の利用
・ゆっくりキャラクター等が登場する、各種の合成音声ソフトウェアを使った動画
・東方Projectに関する動画

【当該商標の商標権者から商標権侵害と主張される可能性があると考える例】
・「ゆっくり茶番劇 Part1」「ゆっくり茶番劇 Part2」や、「ゆっくり茶番劇 (1)」「ゆっくり茶番劇 (2)」等、「ゆっくり茶番劇」というタイトルの下に定期的に異なる内容の動画が投稿されている場合
・「ゆっくり茶番劇」という文字列を、投稿者名やチャンネル名など動画の投稿元や提供元の表示として使用する場合

ゆっくり茶番劇は、「東方Project」の二次創作キャラクター「ゆっくり」による会話劇。ゆっくり自体の創作とは無関係とされる動画投稿者の「柚葉」さんが5月15日、「商標権を取得した」とSNSで発表して以降、SNSなどで反発する声などが上がっていた。

ドワンゴは5月23日15時より、今後実施するアクションについての記者会見をおこなうとしている。

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cat_oa-bengo4com_issue_e0125a88b5df oa-bengo4com_0_56p5147rwzbl_朝倉未来さんの母、FLASHの自宅直撃で「転居も考えた」 著名人の家族への取材どこまで許される?(裁判記録詳報) 56p5147rwzbl 56p5147rwzbl 朝倉未来さんの母、FLASHの自宅直撃で「転居も考えた」 著名人の家族への取材どこまで許される?(裁判記録詳報) oa-bengo4com

朝倉未来さんの母、FLASHの自宅直撃で「転居も考えた」 著名人の家族への取材どこまで許される?(裁判記録詳報)

格闘家でユーチューバーの朝倉未来さんが、ニュースサイト「Smart FLASH」から「一般人」の母親を取材され、無断で写真を掲載されたとして、法的措置をとることを表明していた。

この考えを明らかにしたのが昨年末のこと。その後、朝倉さんから特段の発信はなかった。

しかし、今年に入って、母親が、サイトを運営する光文社と直撃取材をした男性記者を相手取り、慰謝料など110万円の損害賠償と「写真」の削除を求める裁判を東京地裁に起こしていたことがわかった。

母親はどのような考えで裁判を起こしたのか。そして、光文社はどのように取材の正当性を主張するのか。

弁護士ドットコムニュースは裁判記録を閲覧し、双方の主張を確認してみた。(ニュース編集部・塚田賢慎)

●話題のストリートファイト企画について、未来さんではなく母親を直撃した

まずは経緯に触れてみたい。ことの発端となったのは、朝倉さんが出演したABEMAの番組「朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円」(2021年11月20日)だ。この企画で、朝倉さんはオーディションで選ばれた3人の男性と戦い、圧倒的な差をつけて勝利した。

プロ格闘家が「素人」にケガをさせる結果となり、「弱い者いじめ」などの批判があがったことを受けて、試合後の朝倉さんは賛否両論あるとしつつ、「一つ言えることは2度とこういう企画に挑戦することはないです」としていた。

そんな中、朝倉さんの母親を取材した「Smart FLASH」の記事が12月1日に公開された。

〈朝倉未来 噂の“美魔女母親”●●さんが「弱い者いじめ」批判に困惑の胸中告白…小倉優香との結婚は「聞いていません」〉(編集注:記事のタイトルに書かれた母親の実名を伏せています)

見出しや記事本文では母親の実名が出され、顔の写った写真も掲載されている。

朝倉さんの地元に住む母親に対して、ストリートファイトの感想を取材するため突撃したものだ。

記事が出てから1時間もしないうちに、朝倉さんは自身のツイッターに「もう顧問弁護士に伝えたので動きます」と投稿し、翌2日には動画(タイトル「さすがに許せない事が起きました」)をアップした。

「僕は公人といわれる存在で、記事にされるのは仕方ない。母親はまるで関係ないし、一般人。さすがにおかしい。法的措置を取ることが決まりました。顧問弁護士に相談して動いている」(動画から)

その後も朝倉さんは、週刊誌を訴えた経験があるというメンタリストDaiGoさんとの対談で、裁判の際の具体的なアドバイスを受けるなど、着々と法的措置の準備を進める動きを見せていた。

それ以降、この件について朝倉さんからの発信は確認できていなかったが、裁判は実際に起こされていた。

2022年5月10日、母親が原告となり、光文社と突撃取材をした記者を相手取った損害賠償請求等事件の第1回口頭弁論が東京地裁でおこなわれた。

法廷には双方の代理人弁護士と、光文社側関係者と思われる男性らが現れたが、母親や朝倉さんの姿はなかった。

●未来さんたちは著名人だが、母親は「一般私人」であると主張

弁護士ドットコムニュースは5月16日、この裁判記録を閲覧した(記録の情報は5月16日時点)。

提訴は今年2月。訴状の中で、未来さんの母親は〈一般私人〉と説明されている。

母親は未来さんたちの動画チャンネルに数回出演し、自身も一般私人としてプライベートでSNSを利用する一方で、〈原告自身の固有のメディア活動はしておらず、またメディア活動を通じて収益を得ているということもない〉。また、仕事についても〈公職や公的業務に携わっているということはない〉としている。

●取材から掲載まで許可の申し出はなかった

訴状では、母親からの視点で、直撃取材の様子について説明がされている。

取材は2021年11月24日夕方のこと。母親が自宅マンション(住所非公開としている)に帰宅し、駐車場に車をとめて出てくると、被告記者ともう1人から、質問が矢継ぎ早にされたという。記者から名刺を差し出されたが、その際は受け取らず、取材の終盤に改めて受け取ったという。撮影したのはもう1人の記者だったそうだ。

あらかじめ取材の申し込みはなく、取材、撮影、記事の掲載についても許可取りはなかったとする。

〈番組および未来の話題に便乗するように、被告らは、原告に、番組の感想等に対する取材を試みたものと思われる〉

母親はいずれの質問にも、軽い相槌や「何も言えません」など、ノーコメントの対応に終始したとしている。

●敷地内に突撃する取材手法への批判

また、自宅マンション敷地の駐車場内での取材・撮影について、記者の立ち入りを許可していないと主張。この点、駐車場は公道に面した場所だったが、〈自己の容ぼうを殊更に撮影されることを想定して受忍すべき場所ではない〉と指摘している。

そして、肖像権に関する最高裁の判例(平成17年11月10日判決)を参照しながら、この突撃取材による写真の撮影は、明示的にも黙示的にも、母親が承諾していないとして肖像権の侵害にあたるとしている。

同様に、その写真の公開もまた違法行為であり、光文社と記者に責任があるとしている。

また、従前通り、母親は〈公人や公人に準ずる立場や、社会的影響力のある立場とは言えない〉、つまり公人ではないと主張している。

このような非公開の自宅住所への無許可取材により、「私人」である母親は無断で姿を撮影・公開されたことで困惑し、転居を検討せざるをえない状況に追いやられたという。

また、未来さんが動画で抗議するも、いまだに母親に一切の謝罪をしていないなどとして、取材や記事の公開による精神的苦痛の慰謝料は100万円とした。また、肖像権の侵害を理由に、記事に使われた母親の写真の削除を求めた。

●母親の撮影には必要性もなく、公益目的もない「営利目的に過ぎない」

記事そのものではなく、記事の写真の削除を求める理由は、訴状の以下の記載に詳しい。

〈番組や未来に関して報道すること自体には一定の公益性や必要性が認められるとしても、それを未来の母親であるというだけで原告まで取材する必要性はないし、仮に原告に取材することに一定の公益性を認めるとしても、それは原告の言葉だけを掲載すれば足りるのであって、殊更に原告の容ぼうを写した本件写真を引用して掲載する必要性は一切ない〉

つまり、百歩譲って母親を取材するにしてもコメントだけで十分であって、写真まで使う必要はなかったとの主張だ。次に続く。

〈それにもかかわらず、本件記事はそのタイトルに「噂の”美魔女母親”●●さんが」と記載されていることからすると、本件番組や未来に関する報道を直接的に試みるものではなく、私人である原告についても視聴者の興味を引くべき訴求ポイントとして利用し、その訴求力を高めるために本件写真を利用するために撮影したと認められる。とすれば、撮影の必要性はなく、撮影の目的についても何らかの公益目的ではなく、被告会社の営利目的を主たる動機として原告の容ぼうを撮影したといえる〉

●光文社側「あの記事のPVより、息子たちの動画のほうが再生回数多い」

光文社側は、答弁書で請求棄却をもとめた。なお、記者とは現在、契約関係はないという。

そもそもの取材目的については、このように説明する。

〈未来の企画した番組内容が社会的に適切なものかどうかについて社会的に大きな議論になっており、社会的関心事になっていたことから、未来の関係者である原告にも取材を試みたものである〉

私人である母親の容ぼうを無断で撮影・公開したという主張に対しては、母親が未来さんと弟の海さんの動画チャンネルに少なくとも計5回出演(2020年11月以降)していたことから、すでに〈原告の容貌は自身の意思によって全世界に広く公開されている〉と反論した。

5つの動画の再生回数はいまや計1400万回を超えており、SmartFLASHの問題の記事の視聴回数を遥かに超えているという。そのため〈本件記事によって新たな損害が生じることもおよそ考えにくい〉という理屈だ。

また、母親自身のSNS(インスタグラム)では、母親の姿や、未来さんたちの姿も公開していることに加え、フォロワーも1万人を超えていることなどから、その規模は〈著名人運営のSNSに匹敵する〉とした。

●自宅マンションの情報は未来たちの動画で公開されているものと主張

なお、取材に関する母親側の主張に対しては、アポなしの突撃取材であったことや、記者から明示的に撮影許可を求めた事実はないと認めた。

その一方で、記者が「週刊FLASHの●●ですが」と声をかけると、母親が取材に応じる姿勢を見せたことから、車道から2、3歩敷地内に入って、話を聞いたものだとする。また、撮影においても、それを拒否することがなかったから、母親は撮影に黙示の同意があったものだと主張した。

さらに、母親の自宅住所は、未来さんたちの動画の情報や映像のみから、位置が確認できたとして、〈記事掲載以前から原告の所在地は自ら広く公開していたものである。したがって、本件記事により転居の必要性が生じることはおよそ考えられない〉とある。

結局のところ、母親の取材には理由があり、肖像権の侵害は認められないとする反論だ。

●「有名人の家族への取材」どこまで許されるのか

母親が独自に裁判に向けて動いたのかどうかはわからない。ただ、訴状の母親の住所が、朝倉未来さんに関係のある住所になっていることから、未来さんの何らかのサポートがあることはうかがえる。

母親は未来さんと海さんの動画(それぞれ登録者数約240万人・約110万人)に出演していることから、少なくとも未来さんたちのファンの間では知られた存在かもしれない。しかし、それでも著名人の家族である「一般人」への取材がどこまで許容されるのか裁判所の判断が注目される。

【肖像権をめぐる最高裁の基準】 人はみだりに自己の容ぼう、姿態を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有し、ある者の容ぼう、姿態をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは、被撮影者の社会的地位、撮影された被撮影者の活動内容、撮影の場所、撮影の目的、撮影の態様、撮影の必要性等を総合考慮して、被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍すべき限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。

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cat_oa-bengo4com_issue_e0125a88b5df oa-bengo4com_0_0v1z7gojwaqn_朝倉未来さんの母、「FLASH」のネット記事めぐり光文社と記者を訴えていた 0v1z7gojwaqn 0v1z7gojwaqn 朝倉未来さんの母、「FLASH」のネット記事めぐり光文社と記者を訴えていた oa-bengo4com

朝倉未来さんの母、「FLASH」のネット記事めぐり光文社と記者を訴えていた

格闘家でユーチューバーの朝倉未来さんの母親が、ニュースサイト「Smart FLASH」の突撃取材による記事を公開されたとして、サイトを運営する光文社と記者を相手取り、110万円の損害賠償と写真の削除をもとめて東京地裁に提訴したことがわかった。

提訴は今年2月。第1回口頭弁論が5月10日にあった。

容貌を写した写真の公開によって、私人である母親の肖像権が侵害されたとしている。光文社側は請求の棄却をもとめた。

サイトは昨年12月1日、朝倉さんが挑んだストリートファイト企画をめぐり、母親に直撃取材したうえで「噂の美魔女」として実名と写真付きで報じた。

朝倉さんはそれを受けて、ツイッターや自身のユーチューブチャンネルで「僕は公人といわれる存在で、記事にされるのは仕方ない。母親はまるで関係ないし、一般人。さすがにおかしい。法的措置を取ることが決まりました」との考えを示していた。

記事は今も閲覧可能な状態だ。

有名人の家族への取材記事がどこまで許容されるのか、裁判所の判断が注目される。

弁護士ドットコムニュースは裁判記録を閲覧した。訴状や答弁書から双方の主張を別記事で報じる。

【詳しい解説を読む】 母親「一般私人が住む敷地内で無断撮影された」・光文社「母親出演の動画は1400万回視聴されている」

(ニュース編集部・塚田賢慎)

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cat_oa-bengo4com_issue_e0125a88b5df oa-bengo4com_0_kg9iqxq94ayo_IBM「AI人事評価」、元人事責任者も知らない全容 労使紛争、都労委で証人尋問 kg9iqxq94ayo kg9iqxq94ayo IBM「AI人事評価」、元人事責任者も知らない全容 労使紛争、都労委で証人尋問 oa-bengo4com

IBM「AI人事評価」、元人事責任者も知らない全容 労使紛争、都労委で証人尋問

AI(人工知能)による賃金査定や人事評価を巡る日本で初めての労使紛争が、東京都労働委員会(都労委)で係争中だ。救済申し立てをしているのは日本IBMの従業員でつくる労働組合、JMITU日本アイビーエム支部。同支部は2020年4月、AIを使った人事評価と賃金決定について同社が団体交渉に誠実に応じないのは不当な団交拒否と支配介入だとして、都労委に救済を申し立てた。

5月16日に証人尋問が行われ、日本IBM側の人事労務の元部長が証言した。元部長は「AIが考慮する項目について全ては知り得ていない」「(AIの)レコメンデーション通りに(賃金査定)できないというのは各マネージャーが感じていることが多かったと思う」などと述べ、AIによる賃金査定の実態は、なかなか見えてこない。(ライター・国分瑠衣子)

●プライバシー侵害や賃金査定のブラックボックス化の懸念

申立書などによると、日本IBMは2019年に、IBMが開発したAI「ワトソン」を給与調整をサポートするツールとして導入したことをグループ社員に通達した。組合は複数回の団体交渉でAIの学習データや、評価する側の上司にAIが表示するアウトプットの内容などの開示や説明を求めたが、同社は「AIが上司に示す情報は、社員に開示することを前提としていない」と主張し、開示や説明を拒否した。

労組側が挙げるAIによる不利益の可能性は次の4点だ。

①プライバシーの侵害個人の業績や職務遂行能力以外の情報の収集や利用は、労働者のプライバシーを侵害する懸念がある。

②公平性、差別の問題会社の中で、優位性が高い立場にいる人に親和的な言動をとる人が高く評価され、逆の人は低く評価される懸念がある。AIは正義や倫理を持たないので、差別を認識して是正することができない。

③ブラックボックス化何が正しいかAIは判断できないし、判断に至った過程を説明することができない。低評価を受けた従業員は、どのような理由で低評価になったのか分からないままでは、労働者が成長しようとする機会が失われる。

④自動化バイアス(コンピューターによる自動化された判断を過信してしまう傾向)ある組合員は、上司から「ワトソンが昇給させろと言うから、今回、(賃金を)上げといたよ」と説明を受けたことがあった。日本IBMはワトソンは人事評価を「サポート」するツールと位置付けるが、自動化バイアスが働き、マネージャーはAIに逆らえない可能性が高い。

●AI「ワトソン」、スキルや業務の専門性など40項目を考慮

日本IBMの給与調整は、従業員の職務内容とスキル、個人の業績、給与の競争力などを総合的に勘案して決まる。

ワトソンはどのようなデータに基づいて、従業員を評価しているのだろうか。都労委の調査でIBM側が出した資料によると、ワトソンは昇給に関する提案をするために40項目のデータを考慮するという。40項目には「市場におけるスキルの多寡」「主たる業務の専門性」「IBMにおけるスキルの必要性」「過去の昇給」などがある。ただし、会社側は40項目のうち一部のデータしか開示していない。ワトソンは40項目のデータを「スキル」「基本給の競争力」など4つの要因ごとに評価した上で、具体的な評価提案をパーセントで示す。

同社は、報酬アドバイスを表示したワトソンのテスト画面も提出した。画面には従業員の役職や所属、現在の給与、パフォーマンスなどの項目があり、一部には「8%to12%(8%から12%)」と書かれていた。労組側の代理人は「ワトソンが評価する側に対して、具体的に賃金査定を明示した提案をしていることが分かる」と指摘する。

●日本IBM側の責任者「ワトソンと評価が異なることはかなり多い」

5月16日の証人尋問ではワトソンの評価項目や、賃金査定にどのぐらい影響を与えているかなどが問われた。

日本IBM側の証人として、人事労務の元部長がワトソンの位置づけや評価項目について語った。元部長は「ワトソンは、マネージャーが社員の給与をよりスマートに効率的に判断できるツール」と述べ、あくまで補助的なツールで、最終評価するのはマネージャーだと説明した。

その上で、組合側が開示を求める40項目の中身について「全ては知り得ていない」と主張。「全ての項目はマネージャーがバンドごとに管理する。IBMにおいて重要な情報なので全て開示できない可能性もある」と答えた。

また、40項目には組合員か否かということは含まれておらず、有給休暇の消化率や育児休暇の取得率なども「確認はしていないが、そういったキャラクターのものは入っていないだろう」と説明した。

この日、証言した日本IBMの元部長もワトソンを使い、給与調整をしていた立場だ。組合側の代理人は「ワトソンの提案した(賃金査定の)パーセントと、マネージャーの最終的な判断が食い違った例は1年間でどれぐらいあるのか」と質問した。

これに対し元部長は「確認したことはないが、違った結果になっていることがかなり多いと思う。記憶としては(ワトソンの)レコメンデーション通りにできないというのは各マネージャーが感じていることが多かったと思う。6、7割はあるのではないか」と答えた。

ワトソンが賃金の減額提案をすることがあるかどうかについては「自分は経験していないので、わからない」と話した。また、尋問の中で、ワトソンはグローバル共通のツールで、日本の規定に合うようにプログラムを変えていないことも分かった。

証人尋問では組合側の中央執行委員長も証言し、「ワトソンの賃金査定の内容が分からないため、集団的な労使交渉が成り立たない。どのようなデータが使われているのか非常に心配だ」と訴えた。

組合側の代理人の穂積匡史弁護士は、記者の取材に対して、「実際にワトソンを使っていた担当者が、40項目のデータについて知らないということはあり得ない。AIのアルゴリズムやデータを考慮し、何を出力するのか、上司がどう使うかを団体交渉で話し合ってできる限り合意形成するというのが本来あるべき姿。無責任な状態で、賃金査定に使うということがいかに危険かということを考えてほしい」と話している。

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cat_oa-bengo4com_issue_e0125a88b5df oa-bengo4com_0_xlvdurbhoctf_西野亮廣さん「ストーカーに婚姻届を出されました」 被害にあったら、どうすればいい? xlvdurbhoctf xlvdurbhoctf 西野亮廣さん「ストーカーに婚姻届を出されました」 被害にあったら、どうすればいい? oa-bengo4com

西野亮廣さん「ストーカーに婚姻届を出されました」 被害にあったら、どうすればいい?

お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さんが5月15日、「ストーカーに婚姻届を出されました」と題したYouTubeを更新。勝手に婚姻届が出されていたことを報告した。

西野さんは動画で「どうやらガチガチのストーカーが勝手に婚姻届を出した。びっくりしてます」と切り出し、経緯を説明。

品川区の戸籍住民課戸籍届出係から「本年5月2日に届出がありました婚姻届について、内容に不備がございましたので受理ができない状況にあります。つきましては不備の内容のご説明をさせていただきたく、下記までご連絡願います」と書かれた文書が速達で届いていたという。

「そもそもそんなことできるの?」と驚きながら、「被害に遭われた方の話を聞くと、籍入れる時に気づいたりするんです。みなさん気をつけてください」と注意を呼びかけた。

ファンからは「内容に不備があってほんとによかった」「犯罪なのできちんと届け出を出してください」などのコメントが寄せられている。今回は不備があったことで受理を防ぐことができたようだが、勝手に婚姻届を出す行為にはどのような法的問題があるのだろうか。高橋麻理弁護士に聞いた。

●「知らない間に婚姻届受理」はありえる

——そもそも、自分が役所に提出に行っていないのに、婚姻届が受理されるということがありえるのですか?

自分が役所に提出に行っていないのに、全く知らないところで婚姻届が受理されるということはありえます。

婚姻届に署名のあるどちらか一方が提出に行った場合も、そもそも、婚姻届に署名のない第三者が提出に行った場合も、その婚姻届に、形式面の不備がない限りは、受理されます。

受理の際になされる本人確認手続きは、婚姻届を持参した人に関するもののみです。

その上で、役所は、後日、婚姻届の夫婦署名欄に記載のあるかたのうち、役所に来なかったかたに対し、書面を送ります。書面は、「〇月〇日付で婚姻届を受理しています」という内容のものです。

提出に心当たりがないかたは、この書面を受け取ることで、自分の知らぬ間に婚姻届が提出されていたことを知るということもあるようです。

●受理されてしまったら戸籍を元に戻すのは大変

——受理された場合の法的な問題はありますか?

自分が全く知らないところで婚姻届が受理されているということを知った上で、どうしたらいいか?というところが気になるところですよね。

受理された場合に生じ得る法的な問題としては、大きく2つ考えられます。

1つ目は、婚姻届が受理されたことで書き換わってしまった戸籍を元に戻すためにはどうすればいいかということです。

まず、前提として、婚姻は、夫婦双方に婚姻意思があって初めて成立します。この点、自分が知らないところで婚姻届が受理されたという場合は、そもそも、一方に婚姻意思がないわけですから、婚姻は無効です。

でも、役所に、「私は、婚姻意思なんてないから、婚姻は無効なのです。婚姻届が出されたことも全然知らなかったのですよ」と訴えても、それだけで戸籍を元通りに戻してもらえるわけではありません。

法的な手続きが必要になります。具体的には、まず、「婚姻無効確認調停」を申し立てることです。

調停で、その婚姻届が、相手方により、勝手に提出されたもので、申し立てた側には婚姻の意思がないことについて、相手方との間で話し合いがまとまれば、それをもとに、裁判所が「審判」という形で、婚姻が無効であることを確認します。

話し合いがまとまらないときには、婚姻の無効を確認する訴訟を提起し、無効であることを確認する判決を取得する必要があります。

その裁判の中では、たとえば、その婚姻届の署名欄にある署名捺印が自分のものではないことを示すために、自分の本来の筆跡や印鑑を証拠として提出することになるでしょう。

審判または判決を取得したら、その謄本を添付して、判決の確定から1カ月以内に、役所に、戸籍の訂正を申請することになります。

●私文書偽造などの犯罪にあたる

——勝手に出されたのに、調停を起こさないといけないのですね。2つ目はなんでしょうか?

2つ目は、勝手に婚姻届を提出した者に対する刑事責任追及の問題です。

他人になりすまして勝手に署名し、捺印して、その婚姻届を提出し、役所に受理させれば、その行為は、有印私文書偽造、同行使罪、電磁的公正証書原本不実記載罪に該当します。

私文書偽造、同行使罪の法定刑は、いずれも、3月以上5年以下の懲役、電磁的公正証書原本不実記載罪の法定刑は、5年以下の懲役または50万以下の罰金です。

このたび報道された件に関しては、報道の限りでしか把握していないため、事実関係はわかりません。

ただ、報道されているように、提出された婚姻届に不備があり、受理に至っていないということであれば、今お話しした1つ目の問題、つまり、書き換えられてしまった戸籍を元通りにするための手続きは不要になります。

——今回のように不備があって受理されなかった場合にも、法的な問題はありますか?

他人の署名を偽造して、これを役所に提出したという行為については、仮に提出された婚姻届に不備があったとしても、有印私文書偽造、同行使罪が成立する可能性はあります。

ただ、その不備が一見して明白で、文書として信頼される体裁を備えていない場合は別です。文書偽造罪により保護されるのは、文書のもつ社会的信用です。

ですから、そもそも、あまりに不備の程度が大きく、それ自体信頼を寄せられる体裁を備えていないとすれば犯罪の成立が否定されるケースもありえます。

もっとも、今回のケースで、いったん役所も婚姻届を受け取ったという事実があるのであれば、一見して不備がわかるような状態ではなかったとも考えられ、その場合は、やはり有印私文書偽造、同行使罪が成立し得るものと考えます。

このように、勝手に婚姻届を出されてしまうと、対処方法はあるものの、法的手続きを経なければならず、大きな負担になりますよね。

●予防する方法は?

——予防する方法はないのでしょうか?

あらかじめ予防する方法として、婚姻届の不受理届を提出しておく方法があります。ただ、そもそも、何の予兆もなかったら、だれかが自分との婚姻届を提出するかもしれないと予想もできないはずで、その場合、不受理届を提出する必要性を認識するきっかけすらないわけですから、実際は予防が難しいケースもあるでしょう。

結婚しようと、婚約者と婚姻届を提出に役所に行ったら、そのタイミングで、自分の知らないところで婚姻届が提出されていたことが発覚するなどというケースもあると思います。 そのような事態に直面したら、まずは、弁護士、警察に相談することをお勧めします。

【取材協力弁護士】
高橋 麻理(たかはし・まり)弁護士
第二東京弁護士会所属。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。殺人事件、詐欺事件、薬物密輸事件などに加え、女性検事として、多くの性犯罪事件の主任検事を務めた。検察官退官後は、弁護士として、刑事事件(刑事弁護、被害者代理人、告訴・告発事件)、離婚等家事事件、一般民事事件を担当。2020年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
事務所名:弁護士法人Authense法律事務所
事務所URL:https://www.authense.jp/

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cat_oa-bengo4com_issue_e0125a88b5df oa-bengo4com_0_e1ydi8f3icm4_福島第一原発の過労死、東電の責任認めず 救急医療体制めぐり争うも遺族敗訴 仙台高裁 e1ydi8f3icm4 e1ydi8f3icm4 福島第一原発の過労死、東電の責任認めず 救急医療体制めぐり争うも遺族敗訴 仙台高裁 oa-bengo4com

福島第一原発の過労死、東電の責任認めず 救急医療体制めぐり争うも遺族敗訴 仙台高裁

東京電力福島第一原発(イチエフ)で働いていた自動車整備士の猪狩忠昭さん(当時57)が急病で倒れた際、イチエフ内の緊急医療体制が不十分だったとして、遺族が東京電力ホールディングスなどに損害賠償を求めていた訴訟の控訴審判決が5月19日、仙台高裁であった。

小林久起裁判長は「東電に過失があったとまでは認められない」と指摘し、遺族の控訴を棄却した。

判決によると、猪狩忠昭さんは2014年6月頃から、車両関連会社「いわきオール」(福島県いわき市)の従業員として、イチエフ構内の車両整備工場で自動車整備に携わっていた。その整備業務は、物流・港湾事業を展開する「宇徳」(本社横浜市)が管理していた。

猪狩さんは2017年10月26日午後、車両整備工場で致死性不整脈を発症し、意識を失った。同僚たちは携帯電話を持っておらず、整備工場には固定電話が無かった。このため、同僚たちは事前連絡なしに、自分たちで猪狩さんをイチエフ内の救急医療室の前に搬送し、救急医療室に通じる扉をたたいて医療班に急病人発生を知らせた。その後救命措置が行われたが、猪狩さんは死亡した。

●判決は設備不備を指摘するも…

判決はこの点について、「(猪狩さんの)異常に気がついた時点で救急医療室に事前連絡が入っていれば、(治療前に必要な)放射線のスクリーニング検査の準備をし、(実際に救急医療室に搬送された)午後1時10分より数分前に医師の治療を受けることができた。イチエフという最先端の技術を扱う事業所であれば、インターフォンを設置するなど、もっと迅速かつ確実に急病人の症状を伝えられる設備も十分に考えるべきであった。作業員全員に携帯電話を貸与するか、少なくとも作業グループごとに1台携帯電話を貸与し、急病人や事故等が発生した際に速やかに救急医療が受けられる体制が維持、整備されることが望ましい」と指摘した。

一方で、「事前連絡によって短縮できる時間が数分程度であったことを考えると、救急医療について専門的な知識までは持っていない東電において、救急診療までの時間短縮の大切さと体制整備の重要性について具体的な問題意識をあらかじめ持つということは、相当に困難なことであった」という評価を示した。

「あの時に何ができたのかを分刻みに検討している現時点の知識に基づいて、控訴人(遺族)が主張するような対応をとるように要求することは、相当とは認められず、東電に、速やかに救急医療を受けられるために必要な措置を講じなかった注意義務違反ないし結果回避義務違反の過失があったとまでは認められない」と述べ、一審判決に続いて、東電に対する遺族の請求を棄却した。宇徳に対する請求も認めなかった。


●遺族側のコメント

猪狩忠昭さんの妻は判決後の集会で、「判決結果は想定内でしたが、どこかで奇跡が起きてくれたらと考えていました。原発労働で苦しむ人をこれ以上出してはいけないと願ってやみません」と話した。

遺族側代理人の霜越優弁護士は「根本的には発注者(東電)が責任を取るような法制度にはなっていないという前提がある。しかし、イチエフという特殊な環境での救急医療体制を整備していくことについては、東電にも一定の責任が求められてしかるべきだと考えている。判決も、猪狩さんが亡くなるまでに13件の労働災害等があったとし、その上で東電にも緊急医療体制の構築義務があることを前提としている」と指摘した。

東電ホールディングス広報室の担当者は「廃炉作業に取り組んでいただいた方が亡くなったことはお悔やみ申し上げます。判決の詳細は把握しておりませんが、当社の主張が認められたものと考えております」とコメントしている。

宇徳の担当者は「この件についてのコメントは差し控えております」と回答した。

●裁判の経緯

猪狩さんの死亡直前1カ月の時間外労働は100時間を超え、いわき労働基準監督署から労災が認定されていた。

遺族は雇用主の「いわきオール」と同社の経営者、宇徳、東電に損害賠償を求めて提訴。2021年3月の福島地裁いわき支部判決は、「いわきオール」と同社の代表者については安全配慮義務違反を認め、計2500万円の賠償を命じた(この部分については一審判決が確定済み)。

一方で、東電・宇徳の責任については、「(イチエフの)作業員全員に携帯電話を支給するためには相当な維持費の支出および管理が必要となる(中略)原告らが主張するような体制がイチエフにおいて構築されているとの期待が一般に広く共有されているとはいえない」と指摘し、遺族の請求を退けていた。遺族は東電・宇徳に関する地裁判決を不服として控訴していた。(牧内昇平)

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cat_oa-bengo4com_issue_e0125a88b5df oa-bengo4com_0_t7sdsiq9vbls_医学部不正入試、順天堂大に賠償命令 原告「医師の道を閉ざされたこと忘れないで欲しい」 t7sdsiq9vbls t7sdsiq9vbls 医学部不正入試、順天堂大に賠償命令 原告「医師の道を閉ざされたこと忘れないで欲しい」 oa-bengo4com

医学部不正入試、順天堂大に賠償命令 原告「医師の道を閉ざされたこと忘れないで欲しい」

順天堂大医学部を過去に受験した女性13人が、性別を理由に入試で不利に扱ったのは不当だとして、同大に計約5470万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(加本牧子裁判長)は5月19日、同大に対し、13人に計約805万円を支払うよう命じた。

判決後に「医学部不正入試における女性差別対策弁護団」が会見を開いた。弁護団によると、医学部不正入試をめぐって元受験生が集団提訴した訴訟の判決は初めて。

原告女性3人は「確固とした信念を持って医師をしていた受験生が、医師への道を閉ざされ泣く泣く別の人生を歩んだということを忘れないでほしいです」、「今回の判決が、今後の差別や判断基準のひとつとして前例になってくれると嬉しい」、「国民の方々にも、医師の長時間労働の問題と女性医師差別の問題が密接に関わっていることを知っていただきたい」とコメントを出した。

●判決「意思決定の自由を侵害した」

判決などによると、原告は、2013年度〜2018年度に1回または複数回にわたり、順大医学部を受験した13人の女性。医学部の道を諦めて別の学部を選んだり、別大学の医学部に入ったりした人もいる。

順天堂大は2017〜18年度の入学試験で、女性受験者には異なる合格判定基準を設定。遅くとも2008年以降、受験者の属性によって異なる合格判定基準をもうけた入学試験を実施していた。

加本裁判長は、判定基準があることを隠して募集をかけ受験させた行為は、原告らが順天堂大医学部あるいは他の大学を受験するかどうかの意思決定の自由を侵害したものだとし、不法行為を認定した。

具体的な損害については、入学検定料や交通費、宿泊費にくわえ、「女性受験者を不利に取り扱う内容の判定基準を用いた入学試験を受験させられ、不合理な差別的取扱いを受け、大きな精神的苦痛を被った」などとし、原告1人につき1年度の受験あたり30万円の慰謝料を認めた。

●弁護団の評価は

弁護団は、判決の以下の部分について評価した。

・私立大学においても入学者の選抜に関して性別による不合理な差別的取り扱いを禁止した平等原則など憲法の趣旨を尊重する義務があると認めたこと
・性別という属性のみによって一律に不利益な取り扱いをすることは、医師としての資質や学力の評価とは直接関わりのない事柄によって合否の判定を左右するもので、不合理な差別的取り扱いであると明確に判示したこと
・判定基準によって合否を左右されたか否かにかかわらず慰謝料を認めたこと
・被告の行為によって他の大学を受験するか否かの意思決定の自由を侵害したことを認め、原告らが差別的な判定基準の存在を認識していたなら、受験しない選択をしたものと推認するのが相当として、交通費なども因果関係があると認めたこと

一方、1年度の受験あたり30万円という慰謝料額については「低額すぎる」と指摘。

「裁判所の判断は性別のみを理由に差別されたことについて正面から損害として評価していない。受験生は大学受験という人生の選択に関わる重要な場面において信じて出願したのに、その不正によって信頼を裏切られたことに対する慰謝料としても金額としては低すぎる」と批判した。

また、大学側が判定基準を廃止し入学試験の是正措置をとったことを「(原告らにとって)一定程度、精神的苦痛を緩和する」と判断したことについて、「女性差別を是正するのは当たり前。過去に受験によって被害を受けた原告らの慰謝料額の認定にもちいるのはおかしい」と指摘した。

角田由紀子弁護団長は「平等に取り扱われないことがどんなに人間の尊厳を損ない、苦痛であるかを理解しなければいけないが、判決はまだそこには至っていない。日本の裁判所は、女性差別に関する慰謝料額の判断が甘く、低額しか認めないことが続いている」と述べた。

●原告女性のコメント全文

・原告A(医学部以外に進学)

「法の裁きによって不法行為と認められたことはよかったですが、それでも時間は戻ってきません。 順天堂大学の入試の対策に要した時間、授業料や受験料それらのお金をまかなうために バイトした時間や労力、合計すると慰謝料の金額よりも何十倍にもなります。

私立大学の中で学費捻出が可能なため受験校に選びましたが、初めから男尊女卑をする大学とわかっていれば、絶対に受験校から除外していました。

確固とした信念を持って医師をしていた受験生が、医師への道を閉ざされ泣く泣く別の人生を歩んだということを忘れないでほしいです。」

・原告B (別大学医学部に進学)

「このような判決となり、非常に嬉しく思っております。クラウドファンディング下で弁護士の先生方には大変御尽力をいただきました。本当にありがとうございます。

今回の判決で一番嬉しかったのは、 『性別による差別を憲法14条1項の旨に違反する』 という解釈がされたことです。 この裁判は性別による差別が主題でした。しかし世の中には、他にも本人の努力以外の要因でさまざまな差別や評価がなされている事例が数多くあると思います。今回の判決が、今後の差別や判断基準のひとつとして前例になってくれると嬉しいなと思います。

また、『本件大学を受験するか否かあるいは他の大学を受験するか否かについて、自由な意思により選択する機会を奪われ、』という言及があったことも嬉しく思います。

個人的な事情ではありますが、理由は二つあります。一つ目は、 順天堂医大の受験はセンター試験明けすぐであるため、センター試験対策から私大対策への切り替えやスケジュールの組み方に非常に労力がかかったということ。

もう一つは浪人1年目の順天堂医大の二次面接の日程が、他の私立医学部の二次面接と重なったことです。当時の私は志望順位の高かった順天堂医大の面接に進みました。結局実力不足で順天堂医大は不合格となりましたが、浪人2年目の受験で私立医学部に進学することになりました。

順天堂医大を受験することを決めたのは私自身です。そのため浪人したことや順天堂医大を受験したこと自体に悔いはありません。不合格も自分の実力不足だったのだと思います。しかし、順天堂医大で男性と女性の合格率に差があると事前に知っていたら、順天堂医大を受験していたかはわかりません。とても複雑な気持ちでした。

また本件とは異なりますが、 東京医科大の不正入試問題が発覚したのは、私の4年次の夏季CBT試験の頃でした。試験前にとても大きなショックを受けたことを覚えています。

すでに順天堂大では入試において是正措置が取られていると聞きました。是正措置をとったことで、順天堂医大の受験倍率が上昇したとも聞きました。順天堂医大で行われている医学教育そのものは優れていると思っております。また、性差別があった上で合格された女子医学生の方々は平均よりさらに優秀なのだと思います。

医師ひとりあたりにかかるコストを考慮すると費用対効果を考えたくはなりますが、それはまだ医学部生にもなっていない受験生たちの責任ではないと思います。今後も未来ある優秀な学生に、歪んだシステムの皺寄せがいかないよう願っております。」

・原告C

「女性医師を育成するのは割にあわないと思っているのかもしれませんが、周囲のサポートがあり長時間労働が可能な男性医師が大部分を占める多様性のない職場で、様々な背景 を抱えた患者さんに寄り添った治療ができるのか、そういった職場で働き続けたいと思うスタッフがどれだけいるのかかなり疑問です。

医師の働き方改革の面からしても、性別に関わらず様々な人が働きやすい病院であることが、これからの医療従事者が働く病院を選ぶ基準になってくると思います。国民の方々にも、医師の長時間労働の問題と女性医師差別の問題が密接に関わっていることを知っていただきたいです。」

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