cat_oa-bengo4com_issue_8f26b764fbd6 oa-bengo4com_0_8f26b764fbd6_慶應大、渡辺真由子氏の博士学位を取り消し「学位論文に適切な表示を欠く流用があった」 8f26b764fbd6 8f26b764fbd6 慶應大、渡辺真由子氏の博士学位を取り消し「学位論文に適切な表示を欠く流用があった」 oa-bengo4com

慶應大、渡辺真由子氏の博士学位を取り消し「学位論文に適切な表示を欠く流用があった」

慶應義塾大学は3月20日、ジャーナリストでメディア研究者の渡辺真由子氏の博士学位を取り消したことを発表した。学位論文には、「先行研究の成果に関する適切な表示を欠く流用が含まれていた」という。

渡辺氏は同大に提出した論文「児童ポルノ規制の新たな展開-創作物をめぐる国内制度の現状及び国際比較による課題-」で2017年2月に博士号を取得していた。しかし、この論文をもとにして、『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』が2018年4月に出版されると、広範囲にわたって他の論文などからの無断転載があることがSNSで指摘された。出版元である勁草書房では、外国の事例に関する論文をかなりの文量で転載、「注」で出典を示していたが、執筆者から許諾を得ておらず、「本文の主従関係が逆転しており、(許諾のいらない)引用とすることは難しい」と判断、同書を絶版にしていた。

弁護士ドットコムニュースが確認したところ、SNSで主に指摘を受けていたのは、『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』の第6章で、これは国立国会図書館の刊行物に掲載された論文からの転載が多く見られた。国立国会図書館に取材したところ、これらの論文は、国会活動を補佐する目的で論文を執筆され、誰でも閲覧できるように国立国会図書館のホームページで公開しているものだった。その利用については、「掲載論文等を全文もしくは長文にわたり翻訳される場合、または抜粋して転載される場合には、別途郵送などによる書類の提出が必要な場合もあります」と定めている。第6章について、国立国会図書館でも確認しているとしたものの、適切な手続きがとられていたかについては、「個別の事案については回答を控えさせていただきたい」としている。



●渡辺氏は「文科省のガイドラインに反する」と反論

さらに、渡辺氏のこの著書のもとになった学位論文自体も無断転載があるという指摘があり、慶應義塾大学は調査委員会を設置。調査を行った結果、「先行研究の成果に関する適切な表示を欠く流用が含まれていた」ことが判明。「学位論文の著者(渡辺氏)が基本的な注意義務を著しく怠ったことにより、学位授与の審査に当該著者の学術的な貢献および資質に係る重大な誤認を惹起したもの」と認め、学位規定第17条の「不正の方法により学位の授与を受けた事実」に該当するとして、学位授与の取り消しを決定したという。

渡辺氏はこれに対して、調査委員会が文科省のガイドラインに反すると反論。不服申し立てをすることをTwitterで表明している。

https://twitter.com/mayumania/status/1108236518961737728

〈速報〉慶應義塾大学は本日、私に対し、博士学位を取り消す決定を通知した。こちらは不服申し立てをする予定。調査委員会による調査について、「これで適正といえるのか」との疑念が残るため。なぜなら……(続)

— 渡辺真由子 (@mayumania) 2019年3月20日(弁護士ドットコムニュース)

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cat_oa-bengo4com_issue_8f26b764fbd6 oa-bengo4com_0_3eh7vssgba9z_「映え」狙い? 車並べて公道ふさぐ画像がSNSで拡散 どんな違反になるか? 3eh7vssgba9z 3eh7vssgba9z 「映え」狙い? 車並べて公道ふさぐ画像がSNSで拡散 どんな違反になるか? oa-bengo4com

「映え」狙い? 車並べて公道ふさぐ画像がSNSで拡散 どんな違反になるか?

公道をふさぐ形で車を並べて写真撮影などをしていたとするインスタグラムでの投稿が、その様子が写っている画像や動画とともにネット上で拡散され、話題となっている。元の投稿はすでに削除されている。

インスタグラムで投稿された画像では、縦方向に3列、横方向には反対車線を含む公道の幅員目いっぱいに計8台の車を並べて、前照灯などで「ライトアップ」しているシーンが写っている。また、動画には、車の低いエンジン音がうなる中でじっくり撮影している様子が映っていた。

この投稿をめぐり、ツイッターなどでは「ださい」「公道ふさいだらダメでしょ」と批判が殺到。投稿者がインスタグラムの別の投稿(ストーリーズ)で「やっとることに文句があるなら、Twitterとかに書かんと面と向こうて、言ってこい!!」と述べたとされる画像も拡散され、火に油を注ぐ事態となったようだ。

もし反対車線を走行する車が来たら迷惑なうえに、場合によっては事故にもつながりかねない「危険な撮影」といえる。具体的にはどのような違反となるのか。

●複数の「道交法違反」に当たる可能性

道路交通法76条3項は、禁止行為として、「何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない」と定めている。車を公道で並べる行為は、この禁止行為に当たる可能性がある。罰則は、「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」となっている(同法119条1項12号の4)。

また、道交法76条4項2号は、「道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまっていること」も禁止しており、写真や動画を撮るために公道で立ち止まっていた場合、この禁止行為に当たる可能性もありそうだ。罰則は、「5万円以下の罰金」だ(同法120条1項9号)。

投稿された画像では、反対車線にも車が止められているが、その際、反対車線をわずかでも「逆走」した可能性がある。逆走した場合、「道路の中央から左の部分を通行しなければならない」とする通行区分違反(道交法17条4項)に当たる。罰則は、「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」となっている(同法119条1項2号の2)。

撮影のために公道の中央部分や反対車線に駐車しているとすれば、「駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない」と定める道交法47条2項に違反するおそれもある。

駐車方法違反をし、なおかつ「車両を離れて直ちに運転することができない状態」だった場合には、「放置車両」に該当することになり、罰則(15万円以下の罰金)の対象となる(119条の2第1項2号)。

●「映え」狙いの蛮行、空港の入り口でも…

道交法違反だけでなく、刑法犯罪に当たる可能性もあるかもしれない。

車を公道に並べて、第三者の車などの通行を妨げているとすれば、「陸路を閉塞して往来の妨害を生じさせた」として、往来妨害罪(刑法124条1項)が成立するおそれがある。罰則は、「2年以下の懲役または20万円以下の罰金」だ。

SNSへの投稿などのために「映え」を狙った撮影は今回だけではない。

2022年7月にも、高松空港の入り口付近の公道をふさいで、車を撮影したとするツイッターでの投稿が話題となり、空港側が「【警告】高松空港周辺において、許可なく無断で路上駐車することは禁止されております。悪質な場合は警察へ通報を行いますので、くれぐれも迷惑行為はご遠慮願います」とツイートする事態が発生した。

公道で撮影していた際に事故などが発生すれば、死傷者などが出る最悪の事態にもつながりかねない。撮影者は「極めて危険な行為に及んでいる」ことをあらためて認識し、違法行為や迷惑行為は厳に慎まなければならない。

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グローバルダイニング訴訟、舞台は控訴審へ 小池都知事の職務上「注意義務違反」の有無が争点に、証人申請再び

飲食チェーン「グローバルダイニング」が、東京都から受けた新型インフルエンザ対策特別措置法(特措法)に基づく時短命令は違憲・違法だとして、104円の損害賠償を求める訴訟の控訴審は、8月16日に第1回期日を迎える。

原審・東京地裁は5月16日、時短命令は違法と判断したものの、都知事の過失はないとして国賠請求を棄却する判決を下した。

原告側は、命令の違法性が認められたことにつき一定の評価をしたものの、過失を認めなかったことは不服だとして控訴。一審で認められなかった小池百合子東京都知事や政府コロナ対策分科会の尾身茂会長などの証人申請をあらためて求めていく。

原告および被告のこれまでの主張に加え、地裁判決の中身をあらためて確認する。(編集部・若柳拓志)

●原審での各当事者の主張

東京都は2021年3月、時短要請に応じなかった7事業者32店舗に対し、2回目の緊急事態宣言が終わる3月21日までの3~4日間、新型インフルエンザ等対策特別措置法(改正特措法)に基づく「時短営業命令」を発令した。

都から命令を受けた32店舗のうち26店舗を運営するグローバルダイニング社は、命令には応じたものの、命令期間終了直後の3月22日に、時短命令は違法だとして、都を相手取り、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

原告側は、損害賠償請求が主な目的ではないとして、請求額を104円(1店舗1円×26店舗×4日間)と設定。(1)時短命令は、同社を狙い撃ちしたもので、平等原則に反し、表現の自由及び営業の自由を侵害する、(2)同時短命令は特措法上の要件を満たしていない、(3)営業を一律に制限できる特措法の規定は、営業の自由を侵害しており違憲、などと主張した。

これに対し、都は全面的に争う姿勢をみせ、(1)狙い撃ちや見せしめの目的を否定し、(2)時短命令は特措法上の要件を満たしていることは明らかと主張。さらに、(3)特措法の規定は違憲との主張に対しては、「憲法適合性を審査すべき義務がない」と反論するなど、請求棄却を求めた。

原告側は、緊急事態かどうかの判断や緊急事態措置をおこなうプロセスなどを明らかにするためとして、小池百合子東京都知事や政府コロナ対策分科会の尾身茂会長、東京都コロナ対策審議会の猪口正孝会長、西村康稔前コロナ対策担当大臣などの証人申請。しかし、東京地裁は、客観的事実に関してはすでに出ている証拠等で足りるとの理由で、都知事らの証人採用を認めなかった。

●地裁判決の概要

5月16日の東京地裁判決は、(1)時短命令は原告を狙い撃ちしたなど違法な目的で命令されたとは認めず、(2)命令発出の要件である「要請に応じない」ことに「正当な理由」には経営状況等の理由は含まれないとした。

ただし、命令を発出することが「特に必要があると認めるとき」に該当していたのか否かについては、グローバルダイニング社の夜間営業の継続が市中の感染リスクを高めていたと認める根拠は見出し難いと認定。

当時は新規感染者数が大幅に減少するなど医療提供体制のひっ迫状況も緩和されており、統計学に基づく分析では時短営業による来客数減少で抑えられた新規感染はわずかだったとし、4日間しか効力を生じない時短命令をあえて発出したことの必要性などについて、合理的な説明がされていないとして、時短命令の発出は特に必要であったとは認められず「違法」だと結論付けた。

もっとも、初めての命令が発出された事例において、コロナ特措法の要件に該当しているかどうかを判断するうえでの先例がなかった当時、都知事が、専門家からの意見聴取より、「(コロナのような)弱毒性のウイルスを感染を完全に封じ込めるのは不可能」とする同社側の考え方を優先し、「命令の発出を差し控える旨判断することは、期待し得なかったというべき」とした。

結論として、都知事が今回の時短命令を発出するにあたって過失があるとまではいえないとして、職務上の注意義務違反を否定し、国家賠償法に基づく損賠請求を認めず、原告の請求を棄却した。

(3)営業の自由を侵害するなど「違憲」主張については、命令の違法性の判断で平等原則を事情として考慮していると述べた点を除き、認められなかった。

原告側は、原告の請求棄却という結論に対し、「このままでは納得がいかない」として、判決後すぐに控訴した。

●「裁判所の存在意義が問われる」

8月16日に第1回期日を迎える控訴審でも、原審と同じような点が争われるとみられるが、特に注目すべきは、「都知事が職務上の注意義務に違反したかどうか」という点だ。

原告側は、原審で採用されなかった小池都知事らの証人申請を控訴審でも再度請求している。都側の時短命令に至る判断過程における認識を問う構えだ。

原告側の弁護団長をつとめる倉持麟太郎弁護士は、「原告側の社長は尋問したにもかかわらず、一番肝心な小池百合子都知事の尋問をせず、職務上の注意義務違反を否定するのはおかしい」と強調する。

また、倉持弁護士は、「地裁判決は、時短命令が特措法の要件に適合しているかどうかを解釈する中で、実質的には憲法判断をしていた」と指摘。控訴審では、この憲法判断をするかどうかをめぐり、「裁判所の存在意義が問われるのでは」と話す。

「(地裁判決は)違法だとすれば足りるという判断でしたが、裁判所は個別具体的な紛争解決機関だけであっていいのか。客観的に見て憲法違反があるのであれば、単に紛争解決のためだけではなく、一歩進んで憲法判断するかどうかという点で、裁判所の存在意義が問われるのではないかと思います」

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cat_oa-bengo4com_issue_8f26b764fbd6 oa-bengo4com_0_z5zjrx257ocb_弁護士の4割「裁判官の居眠り見た」、働かせすぎや「退屈な尋問」を問題視する声も z5zjrx257ocb z5zjrx257ocb 弁護士の4割「裁判官の居眠り見た」、働かせすぎや「退屈な尋問」を問題視する声も oa-bengo4com

弁護士の4割「裁判官の居眠り見た」、働かせすぎや「退屈な尋問」を問題視する声も

仙台地裁で6月、裁判中に裁判員の男性がいびきをたてて居眠りし、辞任する事態がありました。しかし、弁護士や傍聴人の間では、法廷内での居眠りは裁判員に限らないとの指摘が上がっています。

弁護士ドットコムは登録の弁護士を対象に、法曹三者が裁判中に寝るのを見たことがあるか調査したところ、265人が回答を寄せてくれました。裁判官や弁護士については「ある」が約4割だった一方、検察官は1割にも満たないという結果が出ました。

6割強の弁護士が「居眠りはどんな状況でも許されない」と厳しい意見を出したものの、処分するかについては消極的な意見が目立ちました。むしろ、居眠りを引き起こすような裁判手続きの進行方法や、過労による体調管理の必要性といった課題が見えてきました。


●民事裁判の尋問中に目撃多数、実際に抗議した人は少ない

調査は今年7月に弁護士ドットコムの登録弁護士を対象にメールで実施しました。

裁判官の居眠りについては「かなり見かける」1.5%、「時々見かける」40.5%、「ない」58.0%でした。具体的エピソードを募ったところ、主に民事裁判での尋問中の目撃情報が多数寄せられました。中には「1時間以上眠っていた」「いびきをかいていた」などの強者もいたといいます。

「原発関係訴訟で右陪席がうとうと。傍聴席は満席でヒヤヒヤした」 「昼食後の時間帯の手続における居眠りが多い」 「開廷中に寝ていて、ネットで書き込みされていた」

こうした裁判官の居眠りの是非について、66%が「どんな状況でも許せない」と回答しているものの、実際に抗議した人は5%にとどまります。「裁判官と感情的に対立したくないので、黙っている」などと心証を悪くしたくないとの苦しい胸の内が透けて見えてきます。

中には「退屈な尋問をしてしまう方が問題ではないか、と思ってしまう」などと自責の念を述べる人もいます。対策として「興味のありそうなワードを複数回強めに言うなど流れを修正した」という人もいました。

「寝るようなつまらない訴訟活動をする方が悪いので、寝た方を処罰するというのはおかしい。寝られた方こそ猛省すべきである」との厳しい意見もありました。

●弁護士も眠気対策「つねる」「コーヒーを飲む」「尋問前は軽食にする」

今回、弁護士の居眠りについての目撃情報も聞いています。「かなり見かける」1.9%、「時々見かける」35.1%、「ない」は63.0%でした。弁護団を組んでいる場合や、自分があまり関係のない時に寝ている状況が多いことが見受けられます。

「弁護団が組まれているとき、他の弁護士にまかせて寝ている」 「ボスに連れてこられたイソ弁が寝ていることがある」 「70代のボス弁は、裁判、調停でも10分を超えると必ず寝てしまいます。早く引退してほしい」


自身が居眠りしたことがあるか問う質問に対しては「ない」61.6%「しそうになったがしなかった」32.7%と、ほぼ全員が寝ていないといいます。ただ「ごくたまに」と正直に独白する人も5.7%いました。

「自分がイソ弁の頃、熱くなるジイさんに丸投げして寝たことがある」「午後の集中証拠調べは眠気との戦い」と明かす人もおり、「つねる」「コーヒーを飲む」「尋問前は軽食にする」などさまざまな対策で居眠り回避の努力をしているようです。

●処分については消極的「働かせすぎな組織体制に問題がある」

法廷内での居眠りが数多く目撃されている実態が浮かび上がってきましたが、こうした法曹を処分すべきかどうかについて自由回答で質問すると、147人が意見を寄せてくれました。

「病気や過労の場合もある」「その場での口頭注意でよい」など懲罰は不要との意見が多数を占めましたが、何度も繰り返す悪質な場合について「人の生死にもかかわる仕事であるため、重く処罰されるべき」「職務時間中に寝るなど言語道断」「裁判官は始末書提出」などの強硬派もいました。

個人の処分をするよりも、居眠りを引き起こす原因や背景を特定し、予防策を検討すべきだとの提案が相次ぎました。裁判の進行のあり方や、法曹の働き方について改善することを求めています。

「1時間につき10分の休憩を入れるなど予防策を検討すべき」
「裁判官や検察官の場合、あまりに多い場合は睡眠障害か労働のさせすぎなので、むしろ組織体制に問題がある」
「刑事はともかく、民事においては証拠至上主義で、間接事実や補助事実を含めた『細かい争い(争点)』が乱発され、審理が長期化、複雑化することが要因なのでは」
「眠る隙もないような、スピーディーで密度の高い法廷を作るよう、法曹三者全員が努力すべき」
「書面主義の運用が居眠りを招いている側面がある」
「裁判官、検察官の深刻な人員不足が居眠りの形で顕在化しただけであって、まずは人員不足の解消が先ではないか」

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cat_oa-bengo4com_issue_8f26b764fbd6 oa-bengo4com_0_3848dx0w1nwv_「裁判所の外国人差別だ」協力金詐欺で無罪のベトナム人、保釈認められず「300日」以上も拘束 3848dx0w1nwv 3848dx0w1nwv 「裁判所の外国人差別だ」協力金詐欺で無罪のベトナム人、保釈認められず「300日」以上も拘束 oa-bengo4com

「裁判所の外国人差別だ」協力金詐欺で無罪のベトナム人、保釈認められず「300日」以上も拘束

経営する飲食店が新型コロナウイルス対策に伴う時短営業に応じていないのに、東京都の協力金をだまし取ったなどとして、詐欺などの罪に問われたベトナム人男性(会社役員)に対して、東京地裁(榊原敬裁判官)は、詐欺罪について無罪とする判決を言い渡した。

男性の勾留期間は300日以上に及んだ。保釈許可がおりなかったためだ。弁護人をつとめた趙誠峰弁護士は「外国人に対する差別といわざるを得ない」と憤る。なぜ、保釈が認められなかったのか、趙弁護士に聞いた。

●信頼し、申請手続きを依頼した男性は「税理士」ではなかった

詐欺罪について無罪となったのは、ベトナム国籍のグエン・ズイ・ドンさん(39)。

判決文によると、2005年に来日したグエンさんは、都内の大学を卒業後、ラーメン店の経営などを経て、2015年に会社を設立した。ベトナムから留学生を募集して、日本の学校に紹介する事業も始めた。

日本語で会話はできるものの、読み書きについてはおぼつかないところもあるという。

大学を卒業して間もないころ、グエンさんは、「税理士事務所で『監査部門主査』として働いている」という男性Aさんと知り合った。

Aさんを「税理士」だと思ったグエンさんは、経営する店舗の確定申告やさまざまな申請手続きなどを有償で依頼するようになった。

問題となった飲食店がオープンしたのは、2017年のことだ。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年に緊急事態宣言が出たあとは、しばらく営業を自粛していた。

そんなとき、グエンさんは、ニュースで、国の持続化給付金や東京都の感染防止協力金などの制度があることを知った。しかし、受給要件などがわからなかったため、Aさんに相談したところ、申請手続きができると言われて、有償で依頼した。

ところが、グエンさんの経営する飲食店は、対象期間中に決められた時間の時短営業をしていないなど、東京都の協力金の受給要件を満たしていなかった。


グエンさんは2021年3月、ベトナム国籍の2人の従業員に在留資格とは違う仕事をさせたとして、入管法違反の疑いで逮捕された。そして、保釈されたあとの6月8日、東京都の協力金をだまし取ったなどとして、詐欺の疑いで逮捕された。

趙弁護士によると、グエンさんは入管法違反については認めていたものの、詐欺の疑いで逮捕されたことに仰天していたという。まさか受給要件を満たしていないとは思ってもみなかったためだ。

衝撃を受けたのは、それだけではない。税理士資格を持っているのは「Aさんの父親」であり、Aさん自身に「税理士」の資格がないこともわかった。

さらに、グエンさんが支払った報酬は、Aさんが税理士事務所に入れていないことも判明した。Aさんはギャンブルなどで多額の借金があり、毎月の返済に追われていたという。

●保釈が却下され続け、300日以上勾留される

信頼していたAさんは「税理士」ではなかった――。そんな衝撃の事実に驚いたグエンさんに、さらに過酷な現実が待ち受けていた。

入管法違反事件については、早い段階で保釈が認められたにもかかわらず、詐欺については何度請求しても保釈が認められないのだ。

結果的に、保釈が認められたのは、今年4月28日の夜10時ごろ。グエンさんは、一人で拘置所から電車を乗り継ぎ、家族が待つ自宅に戻った。2021年6月9日からの勾留期間は300日以上。収入は途絶え、家族の生活にも影響が及んだ。


事件を担当したのは、趙弁護士のほか、服部啓一郎弁護士、須﨑友里弁護士の3人。趙弁護士は「今回は否認事件でもあり、本来であれば、こういう事件こそ起訴直後に保釈されなければならない」という。

では、なぜ長期間、保釈が認められなかったのか。保釈却下決定書には「罪証隠滅のおそれ」もあることが書かれていたが、趙弁護士は「裁判官は『外国人だから、保釈を認めない』と言っているようにしか思えなかった」と話す。

「グエンさんの在留期限は今年7月までだったので、保釈請求をした時点では、適法に日本に在留する資格がありました。

ところが、裁判官は、弁護人との面接で、在留資格の更新の可能性や、在留期限が迫っているために逃亡のおそれがあることなどをしきりに気にしていたんです。

たしかに、入管法違反事件もあるため、在留期限が更新されない可能性は考えられます。しかし、そもそも在留資格がなかったとしても、保釈は認めるべきです。在留期限が更新されない可能性があるからといって、『勾留してもよい』という理屈はどこにもありません。外国人差別そのものではないかとも訴えました」

裁判官には、弁護人がグエンさんのパスポートを預かることなども提案したが、まったく聞き入れられず、保釈請求は却下され続けた。

状況が変わったのは、今年4月のことだ。前任の裁判官が異動になり、新しく赴任したのが今回の無罪判決を言い渡した榊原裁判官だった。

3月に予定されていた被告人質問を4月27日におこない、その直後に保釈請求して、一転、保釈が認められた。

●「外国人」であるがゆえの不利益

7月5日の判決で、グエンさんは入管法違反事件について、懲役6カ月・執行猶予2年、罰金30万円の有罪判決が言い渡された。しかし、詐欺については無罪となり、検察側が控訴しなかったため、判決は7月20日に確定した。

今後、グエンさんは、日本に残るために入管と交渉をするとともに、刑事補償を求める手続きを進めているところだ。刑事補償の補償額は、身体拘束された日に応じて1日最大1万2500円が支給されることになっている。

ところが、この刑事補償の額についても、趙弁護士は「外国人は削られる傾向にある」と問題視する。

「刑事補償は、国が間違って人の身体を拘束し続けたことに対する補償ですが、外国人は不利な立場に置かれてしまうことがあります。実際に、同じ目にあったとしても、日本人と外国人との間に金額の差があると感じています。

たとえば、東南アジアから覚醒剤を持たされて来日し、密輸の疑いで逮捕・起訴されたものの、数年間勾留され、無罪になった人について、『東南アジアは物価が安いから』『日本では1万2500円の収入は見込めないから』などの理由で、満額を出さない裁判官も少なくありませんでした。また、事件によっては1日8000円しか認めないというケースもありました。

グエンさんのように日本に長く住んでいる人の場合、基本的には日本人と変わらない額になると思いますが、やはり、マイナスにみられる可能性はあります」


これまで、数多くの外国人事件を担当してきた趙弁護士は、保釈に限らず、外国人に対する日本の刑事司法手続きの厳しさや不合理を目の当たりにしてきた。不正確な通訳による裁判がおこなわれたケースもあれば、中には、無罪判決が言い渡された後も、控訴審の審理が始まる前に勾留されてしまう外国人もいるという。

海外からも、日本の刑事司法制度に疑問を抱く声はあがっている。カルロス・ゴーン氏の事件では、日本の「人質司法」が注目され、批判的に報じる海外メディアもみられた。

趙弁護士は「『間違い』も含めて、誰でも刑事事件に巻き込まれる可能性はありうる。外国人であるがゆえに不当な扱いを受けることがまかり通っているとすれば、海外から日本に行きたいと思う人も少なくなってしまうのではないか」と感じていると話す。

【プロフィール】
趙誠峰弁護士
2008年弁護士登録。第二東京弁護士会。Kollectアーツ法律事務所。裁判員裁判や否認事件を中心に、刑事弁護を専門的に扱う。「東京法廷技術アカデミー」でインストラクターを務めるほか、早稲田大学大学院法務研究科で実務家教員として教鞭をとる。

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「避妊してもらえない」「無断で撮影する夫が怖い」 性的DVに悩む妻たち

DV(ドメスティック・バイオレンス)というと、どのような行為を連想しますか。殴ったり蹴ったりする身体的暴力の他に、最近は、言葉などで精神的に相手を追い詰める「モラハラ(モラルハラスメント)」もDVの一つだと知られてきました。

そんな中、「性的DV」の深刻さも語られ始めています。具体例としては、性行為を強要するほか、避妊に協力しない、裸の写真や動画を撮影する、物を性器に挿入するなど多岐にわたります。

夫婦間での出来事のため、性暴力と認識しづらく、いやいや応じているケースも。弁護士ドットコムにも「性的DV」に関する相談が複数寄せられており、その一部を紹介します。

●寝込みを襲ってくる夫

数年前から夫との性行為が嫌で拒否してきたものの、断ると激昂される——。ある女性は夫の行為が「性的DV」にならないのか、疑問に感じています。

「最初の頃は拒否をすると逆ギレ、最終的には私の寝込みを襲ってきたり、水仕事をしていて手がふさがっているのをいい事に無理矢理と言うこともありました」

女性はこうした行為が「性的DVにあたる」と伝えたものの、夫は「性的DVにはならない。だったら立証しろ」と反論します。

「去年あたりからピルを飲むようになりました。それを伝えたら『避妊せず最後まで行為をし放題である』旨を言われたのを今でもハッキリ覚えていて、気持ち悪く思いました」

●避妊に協力してもらえない

「夫のことが怖いと思うようになった」と告白する女性もいます。女性は処方されている睡眠薬を飲んで寝ようとしたところ、夫から望まない性行為をされました。

「睡眠薬を飲んでうとうとしていたところ、夫が一方的に性交渉してきました。私は完全に眠っていたわけではないのですが、お薬の影響であまり意識がはっきりとせず、また身体も思うように動かない状態でした」

夫は「コンドームを着けていると、最後まで性行為ができないから」と避妊に協力的ではないそうだ。

「元々AVのようなことを強要してくることもあってか、その一件以来、何だか夫が怖くなってしまい、また体調を崩してしまうことが増えました」

●無断で撮影、やめてもらえない

裸の写真や映像の撮影を強制するのも「性的DV」の一つです。ある女性は「夫に触られるのが怖い」と訴えています。

「昔から夫は性行為中に無断で撮影をし、お尻を叩いてきます。『やめて欲しい』といってもやめてもらえません」。女性は夫に「DVにあたるのではないか」と言いましたが、「夫婦間だから問題ない」と返された。

この女性の夫も、避妊に応じてくれないという。そのため、望まないタイミングで妊娠してしまった。

「夫は『俺は子どもが欲しかったから嬉しい』と喜んでいます。『私はまだ妊娠したくないと伝えていたはずだ』と言っても、『もう妊娠してしまったから仕方がない』の一点張りです」

●「性的DV」証拠となるものは?

こうした性的DVを理由に、離婚することはできるのでしょうか。

男女問題に詳しい長瀬恵利子弁護士は「離婚事由や慰謝料の原因として、相談者が経験したような性的DVを主張することもできます。その場合、性的DVを主張する側は、性行為を嫌がっていたこと、避妊を希望していたことを立証していく必要があります」と話します。

裁判では客観的な証拠が重要となる。長瀬弁護士によると、性行為を拒否している旨が記載されたメッセージ・メール、会話の録音、性的DVが原因で身体的・精神的不調を医師へ相談していた場合は、その旨が記載されたカルテ、診断書などのほか、日々の状況が記された日記も有効な場合があるという。

「性行為の強要が離婚原因の間接事実として認定された裁判例も存在します。性的DVに悩まれている場合は、早めに弁護士に相談し、対策を検討されることをお勧めします」(長瀬弁護士)

【取材協力弁護士】
長瀬 恵利子(ながせ・えりこ)弁護士
東京弁護士会所属。得意分野は、離婚、遺言・相続、労働問題、その他一般民事。
事務所名:弁護士法人遠藤綜合法律事務所
事務所URL:https://www.endo-law.jp/

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大迷惑! 駐車場を通り抜ける「コンビニワープ」車両、違法じゃないの?

交差点での信号待ちを避けて、移動時間の短縮をしようと、交差点沿いにあるコンビニの駐車場を通り抜けて右左折する。赤信号での停止をスルーして、曲がって入ろうとしていた車線に進むことができるこの行為は、一般に「コンビニワープ」といわれる。

コンビニワープをしようとする車両は通過することだけを目的に駐車場に入ってくるため、安全確認や減速が不十分で、歩行者や他の車両に危険を及ぼすおそれがある。

また、コンビニワープをする運転者は店舗で買い物するつもりなどまったくないため、店側としても他の客に迷惑をかけ、無用なトラブルの種をまくだけの「招かれざる車両」といえる。

自己中心的で危険なコンビニワープだが、法的に問題ないのだろうか。森本明宏弁護士に聞いた。

●「直ちに」道交法の規制対象とすることは困難だが…

——コンビニワープは、何らかの道交法違反や刑法犯になるのでしょうか。

道路交通法は、「道路における」危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図ることを目的としています(1条)。

コンビニワープは、民間の私有地であり公道ではないコンビニ駐車場を通過するものですから、その行為自体を直ちに道交法の規制対象とすることは困難です。

しかし、コンビニワープを「公道からコンビニ駐車場に進入する行為」と、それに続く「コンビニ駐車場から公道へ出る行為」と考えた場合、以下の2点が言えます。

●その1)コンビニワープの多くが「道交法17条2項違反」

公道とコンビニ駐車場の間には、歩道や路側帯が設置されていることが通常です。

公道からコンビニ駐車場に入る場合も、同駐車場から公道に出る場合も、道交法17条2項により、「車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない」と定められています。

コンビニワープを行う車両は、移動時間の短縮を図ることが目的ですから、歩行者の有無などの安全確認が不十分なまま急いで駐車場を通り抜けることが多く、駐車場を出入りする際に歩道等の直前で一時停止を怠っていることが多いと思われます。したがって、コンビニワープの多くが、道交法17条2項違反に当たると考えられます。

●その2)「建造物侵入罪」に該当するおそれあり

コンビニワープは、コンビニを利用しないにも関わらず、単に移動時間短縮のために駐車場を通過する行為であり、コンビニ経営者からすると、本来の駐車場の利用目的とは異なる利用をされていることになります。

コンビニ経営者が「コンビニワープはお断り」という意思を有していることは明らかです。駐車場の出入り口に「コンビニ利用者以外の通過お断り」などの看板が掲示されているような場合には尚更のことです。

このような場合、私有地であるコンビニ駐車場を所有する、あるいは管理しているコンビニ経営者の望まない形での駐車場への出入りとなりますので、「正当な理由がない」建造物(コンビニ店舗およびそれと隣接し一体となったコンビニ駐車場)への侵入行為として、「建造物侵入罪」(刑法130条前段)に該当するおそれがあります。

コンビニ駐車場への単なる「進入」行為ではなく、刑法130条違反の「侵入」行為と評価される可能性がありますので、注意が必要です。

●私有地でも道交法上の「道路」と判断された事例もある

——コンビニワープはやはり法的に問題がありそうですね。

冒頭で「コンビニ駐車場は民間の私有地であり、公道ではない」と述べました。その一方で、過去の裁判例では、私有地であっても、容易に出入りができて不特定多数の者が行き交う場所は、道交法上の「道路」にあたると判断をした事案もあります。

したがって、例外的に、私有地であるコンビニ駐車場が、不特定多数の者が行き交う場所として、公道ではないものの、道路交通法上の「道路」と評価される可能性もあり得ます。

この場合には、コンビニワープというコンビニ駐車場を通過する行為自体が、「道路」を通過する行為として道路交通法の規制対象となり得ることには注意が必要です。

たとえば、コンビニワープ中に駐車場内の歩行者への危険を及ぼすような速度で進行した場合には、車両の運転者は「他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と定めた道交法70条の安全運転義務違反と評価されることもあり得ます。

——コンビニワープされる店舗側に、何か対策の取りようはあるのでしょうか。

コンビニ経営者としては、コンビニワープをする車両運転者に対して、前述の道交法違反や刑法犯違反の可能性があることを強く注意喚起する対策が必要となるでしょう。

たとえば、「利用者以外の利用お断り」「通り抜け禁止」「駐車場内の事故防止のため防犯カメラ作動中」などの看板を駐車場出入り口に掲示することが考えられます。

また、ポール等を設置して駐車場内を区切ることで2箇所からのアクセスを可能にしつつ通り抜けられないようにする、駐車場の出入口を1つに限定して通り抜けを一切不可能にするなど、より強力な物理的な対策を講じることもあり得るでしょう。

【取材協力弁護士】
森本 明宏(もりもと・あきひろ)弁護士
愛媛弁護士会所属(2002年弁護士登録)。2010~2011年度、愛媛弁護士会副会長。2020年度、愛媛弁護士会会長。日本スポーツ法学会会員。
事務所名:四季法律事務所
事務所URL:http://www.shiki-law.com/

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「カルト宗教」の法規制、寄付の上限設定やクーリングオフ案などの案も 弁護士278人に聞く

旧統一教会(世界平和統一家庭連合)を中心に宗教団体への多額の寄付や物品購入などの問題に関心が集まっている。生活・家庭崩壊など、悲惨な被害実態も報じられており、反社会的なカルト宗教について何らかの法規制が必要との声もある。

弁護士ドットコムが、弁護士を対象に法律による「カルト規制」が必要かを尋ねるアンケート(7月23〜31日)を実施したところ、278人が回答し、うち6割超が法規制が必要と答えた。不要は8.3%だった。

信教の自由や結社の自由に配慮しながらも、返金や脱会を容易にする仕組みの必要性を強調する声が大きかった。

カルト規制をめぐっては、宗旨ではなく、団体がおこなっている問題行動に着目したフランスの「反セクト法」も日本で報じられる機会が増えている。

●寄付の総量規制や一定額以上のクーリングオフ案など

カルト規制が必要かを尋ねたところ、必要が過半数となった。

<結果詳細:カルト規制の法律は必要と思うか?>
必要:64.0%
何とも言えない:27.7%
不要:8.3%


具体的にどういう法律が必要かを自由記述で尋ねたところ、以下のような回答があった。

・宗教団体の布教の自由よりも、個人の宗教的自己決定権の方が優先されるという憲法解釈が可能であろうと考えるので、近時成立したAV被害救済法のように、一定額以上の献金については無条件のクーリングオフを定める立法等を行っても違憲ではないと思う

・貸金法での総量規制のように、献金、寄付に上限を設ける

・フランスの反セクト法に近い法律の制定

・活動を制限することはできないが資金の流れを容易に開示できること、献金寄付に制限を設けること、あるいは宗教法人に対する課税の強化

・円滑な脱会を目的とした、宗教団体による脱会希望者に対する慰留を規制する法律

・信者の家族の要請で脱会を認める措置

●カルト案件、弁護士には珍しくない?

このほか、これまでにカルト宗教が絡んだ案件を受任したことがあるかも尋ねたところ、約3割の弁護士がそれらしき案件にかかわったことがあると答えた。

結果はあくまで参考値で、20~30年前のケースも含まれた結果だが、弁護士にとって、カルト宗教のトラブルは決して縁遠いものではないようだ。

<結果詳細:カルト絡みの案件を受けたことはあるか?>
ある:21.2%
疑わしい案件があった:7.6%
ない:71.2%


●返金や脱会以外にも…離婚問題が最多

「ある」「疑わしい案件があった」と答えた弁護士計80人に、どの分野の問題だったかも複数回答で尋ねた。

もっとも多かったのは離婚などの男女問題(40.0%)。続いて、返金や契約の取り消しなどの消費者問題(30.0%)、債務整理など借金問題(25.0%)、脱会(23.8%)と続いた。

<結果詳細:どんな案件だったか?>
離婚・男女問題:40.0%
消費者問題:30.0%
借金問題:25.0%
信者の脱会:23.8%
刑事事件:10.0%
その他:21.3%


自由記述でより具体的な内容を尋ねた。前述の「その他」にあたるものとして、宗教団体が名誉を傷つけられたとして、メディアや個人を訴えようとする事件もあるようだ。

・離婚事件で、依頼者が新興宗教にはまり、それが離婚原因となった

・宗教関係で親族間対立が発生し、弁護士の自分が成年後見人に選任された

・認知症気味(後見などはついていない)の親の財産を宗教団体が搾取

・名誉毀損。カルトを取り上げたメディアを宗教団体が提訴した

・電子掲示板上のカルト宗教に対する批判的言論に対する発信者情報開示請求事件

・知的障害者を言葉巧みに勧誘して入信させたので、退会依頼を受任した

・脱会したいと本人が言ってくるケースは体感としては皆無に近い。相談は別の形をしてやってくる。洗脳が解けるケースは極めて少なく、弁護士にとっても難しく、かつ、無力感を感じやすい

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cat_oa-bengo4com_issue_8f26b764fbd6 oa-bengo4com_0_ycrzt4ma7p02_「全部やらせて」旧統一教会・田中会長45分「独演」会見の裏側 司会は3度も制止 ycrzt4ma7p02 ycrzt4ma7p02 「全部やらせて」旧統一教会・田中会長45分「独演」会見の裏側 司会は3度も制止 oa-bengo4com

「全部やらせて」旧統一教会・田中会長45分「独演」会見の裏側 司会は3度も制止

7月11日以来の公の場に立った世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長は1時間以上、一滴も水を飲まずに話し続けた。8月10日に開かれた日本外国特派員協会(FCCJ)の会見で、司会の神保哲生氏が3度にわたって質疑応答に移るよう促したものの、教会側が一方的に原稿を読み上げる結果に終わった。

結局、数人の質問を受けた後、まだ手を挙げている記者が複数いるままで会見は終了。以前の会見で「取材には誠意をもって対応する」と語っていた田中会長だが、その姿勢を見ることはできなかった。

●司会の神保氏「何か強い意思に突き動かされるようだった」

運営側によると、予定では田中会長の冒頭表明は会見開始から30分のはずだった。しかし、30分を過ぎても終わる気配はなく、司会の神保氏は英語で、早めに切り上げるよう呼びかけた。

40分を超え始めると、記者たちにも疲労感が現れ始める。ペンが止まってぼーっと前を見据えたり、スマホを眺める人も。一方で、全員スーツ姿の教会関係者は背筋を伸ばし、中にはメモを一心に取る男性もいた。

たまりかねた神保氏が「Mr.Tanaka、田中会長、質疑もあるので…」と2度目に促すと、田中会長は神保氏のほうをまっすぐと見て、声掛けをさえぎるように手を出し「全部やらせてください」ときっぱりと言い放った。

神保氏が振り返る。「何か強い意思に突き動かされているようでした。隣にいた(教会の)山田達也法務局長のもとにも4ページほどの原稿があって、どれくらい読み進んでいるか分かる。短縮したり、はしょったりするのは彼らに裁量はないのかもしれない」

田中会長は3度目の声掛けにはもはや神保氏に目もくれなかった。神保氏はここで諦めたという。結果、演説時間は約45分間にわたった。「以上です。ありがとうございました」の言葉で終えた田中会長の顔には、やりきったという達成感すら浮かんでいたように見えた。

●開催時期は教会側の要請で決定、前日までドタバタ

FCCJは事件直後から会見のオファーは出していたという。しかし、今回の時期になったのは教会側からの要請だったと明かす。

開始時間が確定するまで調整が続き、詳細をリリースできたのは前日の午後3時ごろ。直後からメディアの申し込みが殺到し、1時間足らずで30席は埋まったのだという。

参加できなかったメディアからは質問も多数来ていて、自民党議員との関係や、岸田内閣の顔ぶれ、教会の韓国での活動などについて問うものが多かった。神保氏は「会見は当事者の広報の機会でもあるし、同時にメディア側が問いただせる場でもある。双方に利益があるはずだが、十分な質問時間が取れなかったのは残念だ」と語る。

●定刻で打ち切ろうとする教会側、神保氏は「10分オーバー」で押し切る

結局、午後4時の終了予定を10分ほどオーバーして会見は終わった。これは、教会側がなんとか予定時間で終わらせようとしていたのに反して、質問時間を確保しようと神保氏が押し切った形だった。

質疑では、田中会長はすべてメモを取りながら答えていたが、日本からの献金の割合が分からないと言ったり、友好団体と政治の関係を問われると「政治工作ではなく、共産主義に対抗するために志を一つにする交わり」などと曖昧な表現にとどめたりした。

消化不良気味となった会見で、「全部パフォーマンスだったね」と話す外国人記者も。神保氏は「教会側は一つ一つの疑問に丁寧に答えることもできた。でもそれをしなかった。マイクを取り上げることはできない。何が何でも自分たちのやり方を通すという姿を映像で見せたのではないか」と話した。

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cat_oa-bengo4com_issue_8f26b764fbd6 oa-bengo4com_0_trutw6y51p85_「介護以外の業界に転職検討」3割、賃金水準の低さに不満 労組が調査 trutw6y51p85 trutw6y51p85 「介護以外の業界に転職検討」3割、賃金水準の低さに不満 労組が調査 oa-bengo4com

「介護以外の業界に転職検討」3割、賃金水準の低さに不満 労組が調査

日本介護クラフトユニオンは8月10日、介護現場で働く人たちの意識や就業実態を把握するための「就業意識実態調査」(回答者数6044人、調査期間2022年3〜4月)の結果を公表した。

「介護とは関係ない仕事への転職を考えている」という組合員が、全体の3割以上を占めた。もっとも多い理由として「賃金水準の低さ」があげられ、不安や不満が離職へと結びつき、業界全体の人材不足につながっている実態が明らかになった。

また、介護現場でのICT活用を伴う人員配置基準の緩和については、安全性の確保やサービスの質の低下などに懸念を示す声があがった。

●ユニオン「人材の確保・定着のための最大の解決策は処遇改善だ」

調査では、キャリア形成について「現在の仕事からの変更(職種や雇用区分など)や資格取得、転職を考えていますか」と質問した。

「考えている」と答えたのは月給制で48.3%、時給制で36.1%だった。

具体的な内容として、もっとも多かったのが、「いまの資格等にかんする技能や知識の向上」で、月給制では58.7%、時給制では57.1%と、半数以上を占めた。

次に多かったのが、「介護とは関係ない仕事への転職」で、月給制では33.5%、時給制では34.9%で、「介護関連の別会社への転職」が、月給制が33.5%、時給制が30.7%と続いた。

それらの理由について尋ねた設問にたいして、「年収や賃金を上げるため」と回答したのは、月給制で47.2%、時給制で40.9%と最も多かった。

同ユニオンは「介護業界の場合は、介護報酬が従事者の処遇水準に密接に関係している。介護人材の確保・定着のための最大の解決策は処遇改善だ」と訴えている。

●介護現場でのICT活用、安全性の確保などに懸念の声

調査では、2024年の介護保険制度改正に向けて、社会保障審議会・介護保険部会などで議論されている複数の論点についての考えも、記述式で尋ねた。

このうち、ICT(情報通信技術)の活用を条件に、介護施設の人員配置基準が、現行の3:1(入居者3人に対して常勤換算職員1人)から4:1に緩和されることへの懸念について、「人員削減で安全性が確保できなくなる」との回答が月給制、時給制いずれも4割超と最多だった。

次に「サービスの質が低下する」「夜間など突発的な事故や救急搬送時の対応が心配」と続いた。

一方で、「そもそもICTって何?」「介護ロボットって何?」といった従事者や、介護ロボットと混同しているような、以下のような回答も目立った。

「介護ロボットは便利だが、介護される側の気持ちはどうなのか?人はモノではないので、そのときの気持ちに寄り添うことがロボットにできるのか」「ロボットはロボットだから、サービスの質が落ち、事故が増加するかも」「人間をケアできるのは人間だと思っています」

介護現場の生産性向上や、人材不足を補うために国は、効果的なテクノロジーの普及に取り組んでいる。一方で、そうした国の動きについて、現場に正確な情報が伝わっていない現状について、村上久美子・制作部門長は「使うのは現場の従事者なので、実証を進めるにあたっては、現場の人たちの声を積極的に聞き、不安を払拭できる、丁寧な検証をお願いしたい」と話した。

(ライター・今川友美)

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