cat_oa-bengo4com_issue_0c200f5d2845 oa-bengo4com_0_0c200f5d2845_「自殺してこいよ」妻が「旦那デスノート」に投稿…夫にバレた場合の法的リスク 0c200f5d2845 0c200f5d2845 「自殺してこいよ」妻が「旦那デスノート」に投稿…夫にバレた場合の法的リスク oa-bengo4com

「自殺してこいよ」妻が「旦那デスノート」に投稿…夫にバレた場合の法的リスク

「旦那デスノート」がネット上で話題となっている。サイトにある説明によると、「旦那へ死んで欲しいという願いを書くものである。書く人物が自分の旦那じゃないと効果は得られない」とある。

6月27日現在で1200件以上の「デスノート」が集まっている。内容を見てみると、「保険金残して逝って下さい。」、「包丁あるから自殺して来いよまじで」、「死因はなんでもいい即死で」などと言った過激な書き込みも多い。

中には、夫や自分の職種や実家の場所、出会ったきっかけや自分の年齢、出身地などを記載し、個人の特定につながりかねないものもある。

夫が「旦那デスノート」を見て、「これは明らかに自分のことだ」と確信できる情報があった場合、妻の法的責任を問うことや、法律上の離婚理由とすることは可能なのだろうか。山岸陽平弁護士に聞いた。

●プライバシー権の侵害や名誉毀損に該当するおそれ

近年は、離婚問題にインターネットでの情報発信に関するトラブルが関わってくることが増えています。

インターネットにおける情報発信には多様なものがあります。ここで重要なのは、まず、情報の内容が個人特定可能なものか否か。次に、個人特定可能なものだとすれば、書き込まれた人の権利を侵害する程度のものか否か。さらには、特定の人たち相手の発信なのか公開の場での発信なのか、です。

「旦那デスノート」は、匿名による公開の場での情報発信です。書き込みはハンドルネームで行われていますし、その内容は第三者から見ると誰のことかわからないものが多くなっています。

しかし、ハンドルネームではあっても、同一人の書き込みはリスト化されていますので、知り合いが見たときに個人特定可能に至ることがありえます。そして、個人特定可能となった場合には、書き込みの内容が実際の出来事に基づいているかいないかにかかわらず、夫に対するプライバシー権の侵害や名誉毀損に該当するおそれが高いといえます。

●リスクの高い行為をしていることを忘れないで

しかし、それが即座に離婚事由となるわけではありません。書き込みの内容のひどさにもよりますが、もし、妻による書き込みが夫に発覚しても、親族や知人に情報が広まらないうちに真摯に謝って書き込みを消すなどすれば、夫についての情報の拡散が一応防止されたことになりますから、その後夫婦としての共同生活を続けていける客観的な可能性はまだ残っているようにも思われます。

もちろん、「旦那デスノート」に個人特定できる形で書き込んでいたことが発覚したことで別居が始まり、別居期間が長くなることにより離婚理由に該当することは考えられますから、万が一書き込みが発覚したとしても謝れば大丈夫と思ってはいけません。本当の意味でやり直していくためにはかなりの努力が必要でしょう。

いずれにしても、「旦那デスノート」に書き込む女性は、誰にも見せない日記帳に夫の悪口を書くのとは全く異なる、リスクの高い行為をしているということを頭に置いておく必要があります。

【取材協力弁護士】
山岸 陽平(やまぎし・ようへい)弁護士
金沢弁護士会所属。富山県出身。京都大学法学部・同法科大学院を経て弁護士登録。北陸地方を中心に、相続、成年後見、離婚、交通事故、会社法務、不動産、行政事件などへの取り組み多数。ブログなどを通じてわかりやすく情報を発信している。
事務所名:金沢法律事務所
事務所URL:http://bengokanazawa.jp/

外部リンク

cat_oa-bengo4com_issue_0c200f5d2845 oa-bengo4com_0_91e6a380c768_身近で激増する「精神科医療」ビジネスの裏側…薬漬けにされる子ども、同意なき強制入院 91e6a380c768 91e6a380c768 身近で激増する「精神科医療」ビジネスの裏側…薬漬けにされる子ども、同意なき強制入院 oa-bengo4com

身近で激増する「精神科医療」ビジネスの裏側…薬漬けにされる子ども、同意なき強制入院

近年、増え続けている「メンタルクリニック」。「精神科」という呼び名よりも敷居が低く、身近となったことにより、こころの悩みを気軽に相談できる印象を抱くかもしれない。

しかし、こころの健康の回復を求めて受診したクリニックなどで、思わぬ「被害」に遭ったと訴えている人たちがいる。

いったい、どのようなトラブルが起きているのか。防ぐことはできないのか。精神科医療の問題を指摘している西前啓子弁護士と小倉謙さん(「市民の人権擁護の会(CCHR)」日本支部・支部長)に話を聞いた。



●「メンタルクリニック」は「精神科」と変わらない?

そもそも、街中で見かける「メンタルクリニック」や「心療内科」は「精神科」とどう違うのだろうか。

実は、日本の医療では、麻酔科を除いて、医師が自由に分野を掲げることができる「自由標榜制」がとられている。病院のサイトなどでの説明をみると、心療内科は、心理的な原因で生じた身体の不調をみる、精神科は心の病気を扱う、といった違いを説明しているケースもあるが、どちらを名乗るのかは、医師任せになっているのが現状だ。

小倉さんは、次のように説明する。

「1980年代に精神科病院(入院施設がある精神科の病院)での虐待が相次ぎイメージが悪くなったこと、そして2000年にはうつ病キャンペーンによる精神科開業ブームが訪れたため、町にクリニックがたくさん作られるようになりました。

『精神科』と名乗ることでイメージが悪くなる懸念から、『心療内科』と名乗っている病院もあります。また、『メンタルクリニック』などと看板に掲げている病院もありますが、名称が違うのみで、おこなっている内容は『精神科』と変わりません」(小倉さん)


「メンタルクリニック」などの病院は増加傾向にあり、医師の数も増えている。ニッセイ基礎研究所の資料(2018年)によると、主たる診療科を「精神科」または「心療内科」としている医師の数は1994年から年々増え続け、2016年時点で約1.5倍に増加。また、主たる診療科を「精神科」「心療内科」「神経科」とする一般診療所も1996年から増加し、2014年は約3倍近くの数になっている。

かつては、ネガティブなイメージもあった精神科医療が、近年は名称の変化やクリニックの増加によって身近なものとなりつつある。そこでは、処方薬への依存が比較的身近な問題として指摘されているが、中には犯罪行為に発展するようなケースもあるという。



●5年間で「虐待の疑い」は72件…性暴力も

いったい、どのようなトラブルが起きているのか。

2020年7月には、報徳会宇都宮病院(栃木県宇都宮市)で入院患者に不適切な医療行為がおこなわれているとして、元嘱託医が行政指導を求める申出書を厚生労働省と県、市に提出したことが報じられた。

また、同じ年に「神出病院」(兵庫県神戸市)で元看護師など6人が入院患者を虐待したとして、準強制わいせつや暴行、監禁などで起訴され、有罪判決を受けている。元看護師など6人は、患者に無理やり性的な行為をさせたり、トイレで水をかけたりしたほか、虐待の動画を撮影してLINEで共有するなどしていたとされる。

事件を受けて、厚生労働省は自治体を対象に調査を実施。厚生労働省の担当者によると、精神科の医療機関で患者への虐待疑いの事例が2015〜2019年度の5年間で72件あったという。しかし、小倉さんは「これらの虐待は通報で発覚したわけではなく、患者、家族、元スタッフに聞き取りをしてわかったこと。氷山の一角に過ぎない」と指摘する。

「一般企業や介護施設で虐待が起きれば、すぐに明るみになり、大々的に報道される可能性があります。しかし、医療の中でおこなわれると、表に出にくく、うやむやにされてしまいがちです。実際に、私のもとにも『精神科で(医師などに)殴られた』『罵声を浴びせられた』などの相談が届くことがあります」(小倉さん)


虐待が起きているのは、入院施設がある精神科病院だけではない。街中にあるクリニックでも、性暴力被害などに遭っている患者がいる。

2018年には、東京・港区にある精神科クリニックの院長が診察中の女性患者にキスをしたなどとして、強制わいせつの疑いで逮捕された。同医師は、過去にほかの女性患者に対するわいせつ事件を起こしていたとされる。

西前弁護士によると、性暴力をおこなった医師について情報開示請求をおこなうと、ほかにも複数の性的暴行をおこなっていた事実がみてとれることがあるという。

「医師は、診療・治療の名のもとに、患者のプライベートを聞き出したり、薬物を使ったりすることも自在です。計画的に、患者を自分に依存するように仕向ける傾向も見受けられます。すべての性犯罪に共通することですが、被害者は声を上げることができず、誰にも相談できない状況に追い込まれていることが少なくありません」(西前弁護士)




●家族が同意すれば、強制入院させられてしまう可能性も

さらに、西前弁護士は「医療保護入院の制度が悪用されることもある」と語る。

医療保護入院は、本人が同意していなくても、医師の診察と家族など1人の同意があれば、入院させることができるという制度。入院を必要とするものの、任意入院が困難な人が対象となる。しかし、簡単に家族が同意したり、医師が診断したりすることで、本来入院が必要ない人まで強制入院させられている現状があるという。

「離婚を優位に進めたり、相続を得たりするための手段として、家族が入院に同意し、もめ事で感情的になることはあったかもしれませんが、まったく精神疾患がないと思われる人が入院させられてしまうケースもあります。その後、疾患がないにもかかわらず飲まされる向精神薬の副作用で体調が悪くなり、入院が長引いた挙句に亡くなってしまった方もいます」(西前弁護士)



●なぜ精神医療で問題が起きてしまうのか

なぜ、精神科医療の現場で虐待や不適切な医療行為などが起きているのか。西前弁護士は、要因の1つとして、精神科医療の「ビジネス化」を挙げる。

「日本の精神科病院の約8割は民間病院(私立の病院)です。精神科医や病院数も増え、問題がある医師が流れ込んでいるようにみえますし、作った病床を埋めようとする経営努力から、患者の命や尊厳を軽視した行き過ぎたビジネス化が進んでいると感じます。業界全体をみても、今や範囲を子どもにまで広げ、子どもたちに『発達障害』と診断をつけて、投薬をおこなうようになってきている背景にあるのは、いわゆるマーケット戦略に思えます。未来を担う子どもたちが、小さいころから薬漬けにされてしまう現状に危機感を感じています」 (西前弁護士)

一方で、小倉さんは、「精神医療が治外法権になっているのではないか」と語る。

「たとえば、外科手術のように、病気(癌など)や回復の度合いについて見えやすい分野と比較すると、精神医療はかなり見えにくい部分があります。そのため、診断根拠も治癒根拠も医師の主観で決められるため、問題があっても医師の都合の良い解釈がまかり通るため、法の網をくぐりぬけることとなっています。

さらに、精神医学は治療というよりも保安という目的で発展してきたという歴史があります。もともと、精神障害の人は危険人物だとみなされ、保安のために隔離されてきました。そういった歴史的背景もあって、患者の人権を考えない医師が出てしまうのではないか、とみています」

西前弁護士と小倉さんが把握しているのみで、多岐にわたるトラブルがあるという。このような精神科医療におけるトラブルを救済するための手段はないのだろうか。

「精神医療審査会」では、患者の声はほぼ届かず…

患者が「処遇を改善してほしい」「病院を退院したい」などと訴える機関としては、精神科医や精神保健福祉士、弁護士などで構成される「精神医療審査会」がある。精神保健福祉法に基づき、患者の処遇などを審査するために各都道府県に設置されているものだ。

しかし、小倉さんは、「精神医療審査会は形骸化している」と指摘する。

「強制入院に関しては、入院時の審査や定期的な審査が法律上求められてはいるものの、膨大な数があり、ほぼ書類チェックのみで審査が終わってしまいます。審査会の委員などが患者に直接会うこともほとんどありません。入院後の退院請求や処遇改善請求についても、申し立てができる患者は非常に少なく、たとえ申し立てたとしても退院や処遇改善が認められることはほとんどありません」(小倉さん)

厚生労働省の資料によると、精神医療審査会に申し立てられた退院請求、処遇請求に対して「入院または処遇は不適当」とする審査結果の割合は毎年、審査結果数の10%以下となっている(2008年〜2014年まで)。処遇の改善や退院したい旨を訴えたとしても、9割以上は認められないということだ。


医療保護入院となった場合に解除を申し立てた場合も、「入院継続不要」とされるのは毎年わずか数件で、ほとんど認められることはない(2008年〜2014年まで)。

「障害者虐待防止法」は「医療機関の人たちは虐待しない」ことが前提

また、虐待を防止するための法律としては「障害者虐待防止法(障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律)」がある。しかし、この法律では、精神科病院などの医療機関は通報義務等の対象とされておらず、自主的に防止措置をとることが求められているのみだ。

小倉さんは「そもそも同法が精神科病院内での虐待が起きたことを受けて作られた法律であるにも関わらず、精神科病院がその対象から外された経緯がある」と現行法に疑問を抱いている。

日弁連も精神科医療での虐待や障害者虐待防止法のあり方を問題視。精神科病院などの医療機関を通報義務等の適用対象とするよう、法改正を求めて、2020年4月に声明を公表している。



●「医療行為が免罪符になってはならない」

精神科医療の現場には、患者の回復のために何ができるのかを日々模索している医師や看護師たちもいる。しかし一方で、病院内の実態は可視化されにくく、「数字」にあらわれていない虐待や不適切な医療行為などがあることも事実だ。

小倉さんは、次のように訴える。

「入口・出口政策を考えるとともに、患者が救済される道を整える必要があります。患者の生命や財産が脅かされることがないように、法規制をおこなうなど、障害者虐待防止法や刑法、精神保健福祉法などの改正によって、精神医療を衆人環視の下に置く仕組みをつくりたい。医療行為が免罪符になってはならない」(小倉さん)

【取材協力】

西前啓子弁護士
第二東京弁護士会。隼町法律事務所。京都大学法学部卒。大手渉外事務所に入所するも、精神的な問題により1年足らずで退所。ダイビングインストラクター、商社法務、主婦、セラピストを経て、弁護士に復帰。市民の人権擁護の会の米田倫康氏の著書「もう一回やり直したい」「発達障害のウソ」の出版記念講演を機に、精神医療問題に足を踏み入れることになる。

小倉謙さん
「市民の人権擁護の会」日本支部・支部長。1968年、川崎市出身。2003年より米国・ロサンゼルスに本部を置く精神医療監視団体、市民の人権擁護の会(略称:CCHR)日本支部の活動に参加。以来、精神医療領域に於ける人権侵害、不当な治療、不正行為などの調査・摘発を行う傍ら、全国で精力的に講演活動などをおこなっている。主な著書に『「心の病」はこうして作られた―精神医学「抑圧」の歴史』(平成出版)、『心の病が治らない本当の理由―精神医学の真実』(平成出版)。

外部リンク

cat_oa-bengo4com_issue_0c200f5d2845 oa-bengo4com_0_ba0a81bd123e_精神科病院への強制入院は「飼育されているよう」 日弁連シンポでアンケート調査報告 ba0a81bd123e ba0a81bd123e 精神科病院への強制入院は「飼育されているよう」 日弁連シンポでアンケート調査報告 oa-bengo4com

精神科病院への強制入院は「飼育されているよう」 日弁連シンポでアンケート調査報告

日本弁護士連合会の人権擁護大会(岡山市)で10月15日、「精神障害のある人の尊厳の確立を求める決議」が採択された。これに先立って14日に開かれたシンポジウムでは、精神障害のある人の強制入院の問題点について、当事者や精神科医が意見を交わした。精神科病院に入院したことがある人から得られたアンケート調査の結果報告もあった。



●「自尊心が削られていくのを感じた」

統合失調症と診断され、強制ではないものの入院した経験がある鷺原由佳さん(DPI日本会議事務局員)は「精神科病院は、癒しや休息のための場所ではなく、自尊心が削られていくのを感じた」と入院していたころのことを振り返った。

「たとえば、毎日受けるバイタルチェックのときに、看護師に二の腕や手の平を何度も握られたことがありました。『こわい』と感じたので、看護師長にこのことを伝えると『ふうん』と流されてしまったんです。近くで私の話を聞いていた別の看護師は『うわ、妄想でしょ。欲求不満なんじゃないの』と言っていました。尊厳ある人間としての処遇をされていないと感じました」(鷺原さん)

鷺原さんは、周囲に話を聞いてくれる人がおらず、「入院して」と言われ続けたために「仕方なく入院という手段を選んだ」という。

「私は、精神の不調は『苦しみ』や『悲しみ』の表現のひとつだと考えています。『あってはならない』と症状を消すことに躍起になるのではなく、その人の『ありのまま』を肯定し、丁寧に向き合ってほしい」(鷺原さん)

鷺原さんの話を受け、訪問を中心とする治療や支援に取り組んでいる精神科医の伊藤順一郎医師は「(患者が)どれだけ混乱していたとしても、よく話をしてみると、寂しいなどのたくさんの思いが込められていることがわかります。医師は『症状にどの程度の薬物が必要なのか』などを考えることも必要だが、『(患者は)苦悩している人なんだ』という理解も大切」と強調した。



●精神科医「入院しなくとも治療・支援はできる」


コーディネーターをつとめた⿅野真美弁護士(東京弁護⼠会)は、ある精神科医にこのシンポジウムの案内をしたところ「精神科に入院する人は正常な判断ができない。そのため、周りの人が支援して、患者のかわりに正しい判断をしてあげることこそが大切。強制入院制度がなくなった場合は、困る人がいるのではないか」と言われたという。

鷺原さんは、強制入院を経験した仲間が「『精神科に入院させてもらってよかった』という患者の言葉は、ほかに行き先や居場所がないという意味だ」と話していたことを紹介し、「精神的なクライシス(危機)を迎えた人の行き先が精神科病院しかないということこそが問題だと思います。強制入院制度があるために、制度に依存してしまい、本当に必要な手厚いケア、傾聴、寄り添い、対話がなおざりにされてしまっているのでは」と話した。

また、家族の立場からの苦悩もある。

兄が精神障害を発症したことをきっかけに、ソーシャルワーカーとなった滝沢武久さんは、現行の医療保護入院制度に「家族の同意」が必要とされていることを疑問視する。「入院させた側」の家族と「させられた側」の患者本人との間で対立関係が生まれてしまうことを指摘し、「家族の同意という要件を外せばよいというわけではなく、強制入院という手段を使うこと自体が問題」と訴えた。

伊藤医師は「入院しなくとも治療・支援はできる」とし、「入院になってから治療するのではなく、入院前の段階でよく話を聞き、治療・支援をおこないたい。そのためには、精神医療がもっと身近にあることが必要」と語った。



●「もう人並みの幸せはないと思って下さい」と言われた

シンポでは、精神科病院での入院経験を有する約1000人へのアンケート・インタビュー調査(実施期間:2020年6月20日〜7月31日、12月12〜25日)の結果も報告された。入院経験がある人の約8割が入院中に「悲しい・つらい・悔しい」などの体験をしたことや、約4割が「入院に納得できなかった」ことが明らかになったという。

「悲しい・つらい・悔しい」体験の内容としては、「外出制限」(12%)「保護室」(12%)「薬の副作用」(11%)「入院の長期化」(10%)の順に多かった(複数回答可)。

報告をおこなった柳原由以弁護士(東京弁護⼠会)は「患者は、精神科病院で一般的におこなわれていることに対して、悲しみやつらさを感じている」と指摘した。自由記述欄には「孤独」「収容所のようだった」「一人の人間として扱われなかった」「飼育されているようだった」などの言葉が並んだという。


以下は、実際に寄せられた具体例の一部だ。

「親が看護師から、もう人並みの幸せはないと思って下さいと言われた」

「幻覚のような夢と現実の間のようなところに意識があり、看護師が話しかけてきたが、うまくこたえられなかったら、『あー、パーになっちゃったかぁ』といった。その声も聞こえていて、とてもショックだった」

「急に役所の人などが来て、とにかく病院に行くぞと言われつれて行かれた。自分の意志がなかった。家に帰りたいと言ったけれど、無理やり入院させられた。これは、現実ではないと思うくらいに、こわくつらかった」

「(医療従事者は)患者に対して、常に高圧的な態度だった。馬鹿にしたような、口の利き方だった。家畜のような扱いだった」

「先生が話も聞いてくれず、すぐ縛られ注射を打たれ、薬を飲まされ、一週間縛られ続け、解いてくれなかった。訳も分からず説明もなく入院させられ、恐怖を受け付け食事もとれず、人生が終わってしまったような感じを受けた」

「何回も入院すると慣れて来てしまい、もうどうでもいいと思う様になる。それでも、そこで諦めなければ、なんとかなる」

(※資料より抜粋。原文ママ)

柳原弁護士は「10〜30年ほど入院し、諦めている人はとても多い。しかし、出てくればなんとかなるという実態はあるため、私たち弁護士がサポートしていくべき」と語った。

なお、シンポジウムは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、入場が制限され、市民にはオンラインで動画配信された。

外部リンク

cat_oa-bengo4com_issue_0c200f5d2845 oa-bengo4com_0_fd3500b68baa_日弁連「精神障害のある人の尊厳の確立を求める決議」採択、強制入院の廃止目指す fd3500b68baa fd3500b68baa 日弁連「精神障害のある人の尊厳の確立を求める決議」採択、強制入院の廃止目指す oa-bengo4com

日弁連「精神障害のある人の尊厳の確立を求める決議」採択、強制入院の廃止目指す

日本弁護士連合会(日弁連)は10月15日、岡山市で人権擁護大会を開き、会場(岡山市民会館)に参加した弁護士の満場一致で「精神障害のある人の尊厳の確立を求める決議」を採択した。会場の出席者数は337人(15日13時15分時点)。

決議は、精神障害のある人を対象とする強制入院制度を廃止すること、入院している人の退院・処遇改善請求の権利を保障するために、無償で弁護士を選任し、援助を受けられるようにすることなどを提案した。



●「尊厳と人生を奪われた」「『退院させない』と脅し文句」

前日の14日に開催されたシンポジウムでは、精神科病院への入院を経験した人たちの「人としての尊厳と人生を奪われた」「どんなに良くなっても自分の意思で退院できない。そのため、スタッフともめると『退院させない』と脅し文句を言われる」などの声が複数紹介され、強制入院の問題点も指摘された。

強制入院となった人に対して弁護士ができることの1つとして、退院や処遇改善請求の代理人になることがある。

髙橋智美弁護士(札幌弁護⼠会)によると、全国52会の弁護士会のうち、25会では、強制入院になっている人の退院や処遇改善請求についての相談を受ける「精神保健当番制度」などがあるという(2019年8月時点)。

一方、こうした制度がない弁護士会も22会(このほか「準備中」が5会)あるため、髙橋弁護士は「困っている患者が制度がない弁護士会に相談した場合は『対応できない』という返事になっているのではないか」と懸念を示した。

「刑事事件とのアンバランスさを感じる。身体の自由を奪われるという点では同じで、期間の定めがない点でも深刻な問題」(髙橋弁護士)

1991年「国連原則」18の1項では、患者の弁護人選任権や、資力がない患者が無償で弁護人を利用できる旨が定められているが、日本にはこのような制度はない。

髙橋弁護士は「日本の精神障害者は約400万人ともいわれており、強制入院はけして他人事ではない。弁護士も役割を果たすときではないか」と呼びかけていた。



●日弁連「精神保健当番制度」各単位会に呼びかけ

大会では、決議が採択される前に、出席した弁護士からの質疑応答や意見表明の時間があった。ある弁護士からは、精神保健当番制度について「マンパワーが不足している弁護士会もあるが、バックアップしてもらえるのか」との質問があった。

髙橋弁護士は、退院請求などの手続きについては「負担は重くない」とし、「将来的には、強制入院させられている人全員に弁護士がつくことが望ましいと思うが、現時点では希望している人の対応のみをおこなっている。地方の単位会では、たしかに厳しいという声は聞くが、たとえば、九州ではすべての単位会に当番制度がある。(依頼する人の数や負担が大きいために)対応できないということにはならないと思う」と説明した。

日弁連側は「当番制度の実施は、各単位会に呼びかけている。引き続き、弁護士への広報などに努める」と回答した。

意見表明の時間には、弁護士から続々と「賛成する」との意見があがった。その中には「困難な案件もあると思うし、大変なこともある。しかし、刑事当番弁護士制度も大会で決議され、被疑者国選までつながってきた。日弁連は節目で決議をして、その後にマンパワーを使ってきた」「さまざまな工夫で可能。小規模の単位会でも制度と実績を積み上げている」など、マンパワー不足であっても対応はできるとする声が複数あった。

また、「賛成」の立場から、精神科医や病院から反対の声があることに触れ、「イタリアで『バザーリア法』が制定された際も、医師や病院からの猛反対があり、精神科病院の廃止までに20年かかっている。この抵抗をどう打ち破るかも課題」との意見もあがった。



●採択された宣言・決議は5つ

このほかに採択された宣言・決議は以下のとおり。

「超高齢社会において全ての消費者が安心して安全に生活できる社会の実現を推進する決議」

「地方自治の充実により地域を再生し、誰もが安心して暮らせる社会の実現を求める決議」

「弁護士の使命に基づき、被災者の命と尊厳を守り抜く宣言 ~東日本大震災から10年を経て~」

「気候危機を回避して持続可能な社会の実現を目指す宣言」

なお、大会は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、入場が制限され、オンラインでも動画配信された。次期大会は、2022年に北海道(旭川管内)で開催される予定。

外部リンク

cat_oa-bengo4com_issue_0c200f5d2845 oa-bengo4com_0_321ddab9d8ee_スーパークレイジー君「当選無効」 高裁が請求棄却 「衆院選出ない」「市議への思いの炎消えない」上告の方針 321ddab9d8ee 321ddab9d8ee スーパークレイジー君「当選無効」 高裁が請求棄却 「衆院選出ない」「市議への思いの炎消えない」上告の方針 oa-bengo4com

スーパークレイジー君「当選無効」 高裁が請求棄却 「衆院選出ない」「市議への思いの炎消えない」上告の方針

埼玉県戸田市議選の当選無効をめぐり、スーパークレイジー君議員(本名=西本誠)が県選管の裁決取り消しを求めた裁判で、東京高裁は10月15日、訴えを棄却した。

スーパークレイジー君議員は「本当に悔しい。衆院選に出るつもりでしたが、出ずに戦います」。

最高裁への上告をする考えも明らかにしたうえで、1日でも長く戸田市議として活動し、議員バッジを失うとしても、戸田市となんらかの関わりを持ちたいとした。



●やはり最高裁まで争う

これまでは、「高裁を最後の戦いにする」として、最高裁まで争わない考えを示していたスーパークレイジー君議員だったが、判決後の会見で、上告の決意を口にした。

「衆院選に出るつもりで選挙事務所も用意し、上告しない方向で進んでいました。しかし、地元で応援してくれる方からは、『負ける可能性が高くても、クレイジーくんらしく最高裁までやってほしい』、『1日でも長く議員でいてほしい』という声もあります。

衆院選に出る準備をしていましたが、出ずに戦います。厳しいと思ってもやるときはやらないと」

この判断は先週決めたものだという。

代理人の加藤博太郎弁護士は「最高裁は高裁以上に厳しいことは十分認識しているが、スーパークレイジー君の市議を続けたいという思いの炎は消えていない。その思いを受け止め、上告に向けて進めていきたい」と闘志を燃やした。




●居住実態は認められず

スーパークレイジー君議員は、1月の市議選で初当選したが、市内の居住実態がないとして、市選管から当選を無効とされた。県選管に審査申し立てをおこなったが、申し立てを退ける裁決がなされた。

そこで、7月14日に、当選無効を支持した県選管の決定は違憲であるとして、東京高裁に裁決取り消し訴訟をおこした。

提訴時の会見で、居住実態があることと、公選法の居住要件は被選挙権の侵害で違憲と主張していた。

判決要旨によると、東京高裁(渡部勇次裁判長)は、市議選における住居要件を満たしていなかったとした。また、住所要件を定めた公職選挙法は、憲法15条に違反するとはいえないとした。

外部リンク

cat_oa-bengo4com_issue_0c200f5d2845 oa-bengo4com_0_88277a61cb71_遺産分割後に発覚した「実兄の使い込み」 相続の不足分、後になって請求できる? 88277a61cb71 88277a61cb71 遺産分割後に発覚した「実兄の使い込み」 相続の不足分、後になって請求できる? oa-bengo4com

遺産分割後に発覚した「実兄の使い込み」 相続の不足分、後になって請求できる?

半年前におこなった遺産分割は正しいものだったのか? そうモヤモヤを感じる方が、「再度、分割を行うことはできるのか」と、弁護士ドットコムに相談を寄せました。

相談者によれば、半年前に父が亡くなり、相談者の兄が主導して相続協議を行ったそうです。父の退職後の介護と通帳管理は兄が行っていたこともあり、相談者は納得し、分割協議の書面に押印したといいます。

ところが最近、ふと気になり兄に父の通帳を見せるよう頼んだところ「なんで?遺産分割は終わった。見せる必要はない」と言われ、不信感を抱きました。そこで調べたところ、父が要介護になった頃から不定期に、20万、30万と大きな金額が何度も引き出されていました。

さらに父の預金残高は、分割時に聞いていた額よりかなり多かったそうです。遺産分割を終えた後でも、遺産の内容を正確に教えられていなかったとして兄に追加分を請求したいと考える相談者ですが、それは認められるのでしょうか。白土文也弁護士に聞きました。



●預金の使い込みは遺産分割とは別に処理される

——聞いていた遺産の内容が実際には異なっていたようです。

まず、預金残高について十分な情報を与えられていなかったことから、錯誤を理由に遺産分割協議の取消しを主張できる可能性があります。

もっとも、預金残高がわずかに異なっていただけで錯誤とされるわけではなく、一般的に正確な残高を知っていたら遺産分割に合意をしなかったであろうという場合に錯誤が認められます。

また、預金残高を容易に確認できたにもかかわらず確認を怠っていた場合は、重大な過失があるとして錯誤が認められない可能性もあるでしょう。

——相談者の兄が預金を使い込んでいたことは、遺産分割でどのように扱われますか。

預金の使い込みは「使途不明金」と呼ばれ、基本的に遺産分割とは別に処理されます。

今回のケースについて、生前に正当な理由等なく兄が使い込んだのだとすれば、被相続人である父は兄に対し、損害賠償請求権または不当利得返還請求権を有しています。

これらの債権も相続財産ですが、遺産分割の対象とはならず、相続開始と同時に法定相続分の割合に従って当然に分割されて相続されますので、相談者は兄に対し、使い込んだ額の半分を請求することが可能です。

——相談者としては遺産分割の内容や使い込んだ金銭について納得がいっていないようです。

兄が錯誤取消しの主張を受け入れた場合は、遺産分割が無かったものとして、改めて遺産分割協議を行います。使い込んだお金も請求すれば応じてくれるかもしれません。

兄が応じてくれない場合、遺産分割については、遺産分割無効確認の調停を申し立て、解決しない場合は訴訟提起することになります。

使途不明金についても訴訟提起は可能ですが、証拠を元に、個々の使い込みを一つずつ主張立証する必要があります。また、時効の問題もありますので、訴訟が可能か否かについては十分な検討が必要でしょう。

【取材協力弁護士】
白土 文也(しらと・ぶんや)弁護士
第二東京弁護士会所属。平成17年、司法試験合格。合格後、ベンチャー企業で2年間勤務。司法修習を経て都内法律事務所に勤務。中国上海市の法律事務所で1年間の勤務の後、平成26年、白土文也法律事務所を開設。相続・遺言、民事信託(家族信託)、事業承継、中小企業の顧問弁護士業務を中心に取扱う。
事務所名:白土文也法律事務所
事務所URL:https://shirato-law.com/

外部リンク

cat_oa-bengo4com_issue_0c200f5d2845 oa-bengo4com_0_7ca24261f29a_「地上の楽園、真っ赤なウソ」 脱北者が北朝鮮政府を訴えた裁判が結審、来年3月判決へ 7ca24261f29a 7ca24261f29a 「地上の楽園、真っ赤なウソ」 脱北者が北朝鮮政府を訴えた裁判が結審、来年3月判決へ oa-bengo4com

「地上の楽園、真っ赤なウソ」 脱北者が北朝鮮政府を訴えた裁判が結審、来年3月判決へ

北朝鮮が「地上の楽園」などと称しておこなった帰国事業に参加したところ、凄惨な生活を強いられたなどとして、脱北者5人が北朝鮮政府を相手取り、それぞれ1億円(計5億円)を求めた訴訟の第一回口頭弁論が10月14日、東京地裁であった。原告らの本人尋問があり、即日結審した。判決は2022年3月23日に言い渡される。

北朝鮮に家族がいる原告もいるが、家族は出国が禁じられており、原告らとの交流も絶たれた状況にあるという。裁判を通して、「北朝鮮の帰国事業の違法性を確定させ、日本政府に対応を求めたい」という。

訴状などによると、北朝鮮政府は「地上の楽園」など、「虚偽」の宣伝をおこない、在日コリアンらを北朝鮮に帰国させたが、十分な食糧を与えず、北朝鮮からの出国も認めないなど、基本的人権を抑圧し続けたなどとしている。

帰国事業は1959年から1984年ごろまでに実施され、在日コリアンやその家族の日本人ら9万4440人が北朝鮮にわたったとされる。



●提訴から3年が経過していた

北朝鮮政府を訴えた裁判は初めてだといい、2018年8月20日に提訴したあと、日本の裁判所で裁判ができるかどうかなどをめぐって、裁判所と弁護団が6回の協議をおこなったという。

今年8月16日には、北朝鮮政府に訴状を送る「公示送達」が実施された。東京地裁前に金正恩氏に宛てた呼び出し状が掲示されて話題になったが、この日の期日に北朝鮮側は現れなかった。

原告のひとり、川崎英子さん(70代)は17歳で北朝鮮にわたり、43年間を過ごした。帰国事業をめぐっては「人道に対する罪」として、国際刑事裁判所(ICC)に申し立てたこともあったが、ICCが設立された2002年7月より前の出来事として不受理になったという。

期日後の記者会見では、「本当に長い長い時間が流れました」「私たちの活動は北朝鮮にわたった人たちが自由に日本に往来できる日まで、北朝鮮に残した家族に会える日まで続きます」などと語った。


裁判費用を集めるためのクラウドファンディングも同日、専門サイト「READYFOR」(https://readyfor.jp/projects/northkorea)で始まった。300万円を目標に12月10日まで募集する。

外部リンク

cat_oa-bengo4com_issue_0c200f5d2845 oa-bengo4com_0_1ef506ecd83a_キャバクラの女性従業員は「労働者」、さいたま地裁で和解成立 店が残業代含む「解決金」支払い 1ef506ecd83a 1ef506ecd83a キャバクラの女性従業員は「労働者」、さいたま地裁で和解成立 店が残業代含む「解決金」支払い oa-bengo4com

キャバクラの女性従業員は「労働者」、さいたま地裁で和解成立 店が残業代含む「解決金」支払い

キャバクラ店で働いていた女性が、店に対して残業代などを請求していた裁判は、さいたま地裁で和解が成立した。

店側はこれまで「業務委託契約のため、残業代等は発生しない」という主張を続けたが、女性の「労働者性」を認める内容を和解条項に盛り込み、未払い分を解決金として支払うことが定められた。

女性側は10月14日、都内の会見で「キャバクラ店で働く女性は、労働者としての待遇を受けられないことが多い。労働者性が認められたことで、残業代や、深夜割増賃金なども会社が支払うべきだと明確にされた」とした。



●「業務委託契約」から一転、店は労働者性を認める

2016年5月から埼玉県内のキャバクラ店で働いていた女性(30歳・県内)は、店をやめた2019年3月、労働組合「キャバ&アルバイトユニオン(OWLs)」に加入し、働いていた期間の残業代などをもとめて、店を運営する会社(千葉県)と団体交渉をおこなった。

同12月に労働審判を申し立て、2020年3月からさいたま地裁での訴訟に移行した。

店側は、業務委託契約のため、女性は労働者ではないから、残業代等は発生しないという主張を続けていたが、2021年7月30日、和解が成立した。



●和解による成果

解決金は非開示だが、女性は裁判で約1100万円を求めており、「納得できる金額」が支払われたという。

和解において、店と女性との間の契約が労働契約だったことが確認された。

また、和解条項では、女性が求めていた(1)残業代、(2)深夜残業代、(3)早上がり分の賃金、(4)控除された費用(送り代、厚生費、修繕代)の支払いも認められた。

(3)の「早上がり」とは、シフト上、終了時間まで入る予定だったのに、客の入り具合によって、時間前に勤務終了させられることをいう。早く終了した時間以降の時給まで支払われることになった。

(4)の「厚生費」(1日1000円)は、店のトイレットペーパー・衣装のクリーニング代・マウスウォッシュなどの費用。「送り代」(1回1000円)は、店の用意した運転手付きの車で帰宅した際に控除されていたもの。また、給与の総支給額の5%が「修繕費」として控除されていたが、これも返還されることになった。

ただし、返還が認められたのは、2016年8月以降のものとなる。



●コロナの影響もあって和解した

和解であっても、キャバクラ従業員の労働者性が認められたことの意義は大きいと女性や代理人弁護士らは強調する。

「水商売=個人事業主。そのように世の中の人も、働く子も思っていると思って、裁判に至りました。

和解というかたちですが、労働者性が認められ、厚生費や修繕費や、(店による)早上げの支払いが認められたことが大きい。

本当は判決を出して判例にしたほうがよかったかもしれないのですが、コロナ禍でお店がどう転ぶかわからず、和解しました」(女性)



●キャバクラのユニオンに届く相談


OWLsの田中みちこ共同代表によれば、早上がり分などの支払いがなされないという相談はキャストからよく寄せられるという。

「私自身も水商売で働いています。早上がりは多くの人が経験していて、店に行って2時間で帰されることもあります。そうすると月の収入が半分以下になることもある。早上がりの分が支払われたことは大きい。

個人事業主もいるが、ほとんどのキャストは労働者です。労基法は私たちにも適用されます。あきらめないで相談してほしいと思います」

今回、裁判所から労働者性について肯定的な心証が開示され、和解協議がすすめられた。

山田聡美弁護士は、裁判所が労働者性を肯定したことに「推測するほかないが、店は場所だけ貸しているのではなく、時間管理や、接客対応についてもそれなりに指導していた。そのようなことを総合的に判断したのではないか」とする。

認められた早上がり分の支払いは、「仮に判決になったときに認められるかはケースバイケースだが、ハードルはあるだろう」と話した。

外部リンク

cat_oa-bengo4com_issue_0c200f5d2845 oa-bengo4com_0_54901d2c0b95_コインハイブ事件、最高裁で12月弁論 逆転有罪の二審判断見直しか 54901d2c0b95 54901d2c0b95 コインハイブ事件、最高裁で12月弁論 逆転有罪の二審判断見直しか oa-bengo4com

コインハイブ事件、最高裁で12月弁論 逆転有罪の二審判断見直しか

自身のウェブサイト上に他人のパソコンのCPUを使って仮想通貨をマイニングする「Coinhive(コインハイブ)」をめぐる事件で、最高裁第一小法廷は、上告審弁論を12月9日午後1時半に開くことを決めた。弁護人が取材に明らかにした。

これはコインハイブを設置したウェブデザイナーの男性が、不正指令電磁的記録保管の罪(通称ウイルス罪)に問われた事件。

最高裁は二審の判断を変更する場合に弁論を開くことが多いため、男性に罰金10万円の支払いを命じる逆転有罪判決を言い渡した二審・東京高裁判決が見直される可能性がある。



●「歴史的意義のあること」

弁護人の平野敬弁護士は「自分の主張を三行半で棄却されるのではなくて、裁判官の面前で伝えられることに喜びがあります。条文の解釈や憲法に踏み込んだ判断をしてほしい」と期待した。

今回の事件が法廷で争われることになったのは、横浜簡裁が罰金10万円の略式命令を出した後、男性が命令を不服として正式裁判を請求したからだ。略式手続とは、正式裁判によらないで、検察官が提出した書面で審査する裁判手続のことをいう。

男性が正式裁判を申し立てなかった場合、「不正指令電磁的記録保管罪」の解釈について法廷で争われることはなかった。

平野弁護士は「彼が声を上げなければ、ここまで大きな問題にならず、警察の取り締まりも続いていただろうし、他にも波及していたかもしれない。このタイミングで声をあげて戦う選択肢を取ってくれたこと、最高裁まで戦ってくれたことは、歴史的意義のあることだ」と話した。

外部リンク

cat_oa-bengo4com_issue_0c200f5d2845 oa-bengo4com_0_71c6881450be_道端アンジェリカさんがキレた! 離婚成立前でも「養育費」はもらえるの? 71c6881450be 71c6881450be 道端アンジェリカさんがキレた! 離婚成立前でも「養育費」はもらえるの? oa-bengo4com

道端アンジェリカさんがキレた! 離婚成立前でも「養育費」はもらえるの?

モデルの道端アンジェリカさんが、Instagramのストーリーズで夫との離婚協議について語り、話題となっている。

10月11日、ファンからの質問に答えていたアンジェリカさん。「旦那のお金で生活してると思うと吐き気がします」というコメントに「私????? え、1円ももらってない。養育費くらいほしいものですよ。切実に。。」と回答。

他にも、「元旦那さんとはどんな距離感ですか?」と問われ、「一切ないですよ」と返信するなど、離婚協議中の夫との関係はいまだ改善してないことをうかがわせた。

離婚成立前の「養育費」は、どのように定められているのだろうか。河内良弁護士に聞いた。



●離婚調停中は「養育費」ではなく「婚姻費用」

——離婚調停中、養育費の金額はどのように定められているのでしょうか

まず、「養育費」という権利は、実務上は離婚後の話で、離婚後に子を監護・養育する立場になった一方が、他方に対して、子を養育するためにかかる費用の負担を求めるという性質のものです。

そのため、まだ離婚が成立していない道端さんの場合、養育費ではなく「婚姻費用」といって、別居中の生活費の負担を求める権利があります。

——「養育費」と「婚姻費用」はどのような違いがありますか

離婚していない間が「婚姻費用」、離婚後が「養育費」ということからもわかるように、婚姻費用には、子どもの生活費だけでなく、配偶者の生活費も含まれています。

婚姻中は、配偶者は互いに助け合う義務を負うので、稼ぎの多い一方が、稼ぎの少ない他方に対して生活費の面倒をみるもの、とされています。



●まずは家庭裁判所に調停(審判)の申し立てを

——どのような手続きをするのでしょうか

養育費も婚姻費用も、まずは家庭裁判所に調停(もしくは審判)を申し立てる必要があります。

もちろん、調停を経ないで任意に交渉するという方法もありますが、支払義務を負う側の態度は友好的でないことが多いうえ、合意した内容に強制力を持たせたいと思ったら、調停(もしくは審判)を経るか公正証書を作成する必要があります。そのため、調停を申し立てるのが一番スムーズな方法です。

調停を申し立てたものの、お互いの希望する金額に折り合いがつかない場合は、調停を打ち切って審判手続にそのまま移行してもらうことになります。なお調停を経ず、いきなり審判の申立てをすることもできます。

調停や審判の結果、養育費(婚姻費用)の金額が定まったのに、支払いが任意にされない場合には、差押えの手続きを申し立てることは可能です。

ちなみに、道端さんのケースでは、夫が外国籍であるということです。外国籍の配偶者との養育費(婚姻費用)トラブルを抱えている方がいらっしゃるかも知れませんが、配偶者が外国籍の場合、国際裁判管轄の問題も一応考慮する必要があります。

このようなトラブルに巻き込まれた場合には、なるべく、弁護士に相談をされることをお勧めします。

【取材協力弁護士】
河内 良(かわち・りょう)弁護士
大学時代は新聞奨学生として過ごし、平成18年に旧司法試験に合格。平成28年3月に独立した。趣味はドライブと温泉めぐり。
事務所名:河内良法律事務所
事務所URL:http://www.kawachiryo-law.jp

外部リンク