【年末年始の一気見オススメコンテンツ!】『プレイボーイ~創刊者ヒュー・ヘフナーの物語~』(Amazon Prime Video)
アメリカの成人男性向け雑誌『PLAYBOY(プレイボーイ)』を作ったヒュー・ヘフナーといえば、“リアル亀仙人”のようなスケベ爺さんをイメージする方も多いだろう。
いつも大勢のプレイメイトを侍らせ、晩年にも60歳下のプレイメイトと結婚。2017年に91年の人生に幕を下ろし、現在はマリリン・モンローの隣の墓で眠っている。
まさに“プレイボーイ”を地で行っているように見えたヘフナーだが、Amazon Prime Videoオリジナル作品の『プレイボーイ~創刊者ヒュー・ヘフナーの物語~』を観ると、少しイメージが変わるかもしれない。
本作は、ヘフナーの生涯と『PLAYBOY』の歴史を紐解く、年代記的ドキュメンタリーシリーズ。ヘフナー家所蔵の未公開映像や再現ドラマも交えながら、彼が駆け抜けた91年間を1シーズン・全10話で紹介する。
あらすじ
1926年イリノイ州シカゴに誕生した、ヒュー・ヘフナー。両親は禁欲的・抑圧的なプロテスタントで、幼い頃のヘフナーは寂しい思いをすることが多かったという。
感受性豊かで空想好きだったヘフナー少年は、漫画を描くことに夢中になる。漫画の中では、いつも“理想の自分が思い通りの人生を送っているから”だった。
成長したヘフナーは、1953年に成人男性向け娯楽雑誌『PLAYBOY』を創刊。当時の男性向け雑誌といえば釣り・狩猟・スポーツ関連しかなかったので、恋愛・セックス・カルチャーを扱う同誌は画期的だった。
雑誌を通して“愛と豊かさ”を提案しながら、古い価値観と戦ってきたヘフナー。
既存の“男らしさ”への抵抗、セックスに対する罪悪感からの解放、社会運動への支持……『PLAYBOY』の歴史を振り返りながら、ヘフナーの想いにも迫る。
見どころ
ドキュメンタリーで生い立ちを辿ると、生まれつきの色男というよりは、それに憧れて懸命に努力した純粋でシャイな少年という説明の方がしっくりくる。
どちらかというと、第2話に登場する仕事仲間のヴィクター・ラウンズ氏(『PLAYBOY』元重役・販売促進担当)の方が、“プレイボーイ”のイメージにピッタリだ。社交的で人気者で洗練された生粋のモテ男・ラウンズ氏のことをヘフナーはとても気に入っていて、“理想の男性”としていつも憧れの眼差しをもって見つめていたそうだ。
厳しい家庭で愛情表現に飢えていた繊細な少年が、漫画を描いて夢を膨らませていた。これが雑誌『PLAYBOY』のルーツとわかると、目から鱗が落ちたような思いになるかもしれない。
思いっきり人間を愛し、愛されよう。そして、愛を求めることを恥じる必要はないし、バカにしちゃいけないよ。
そんな真っ直ぐであたたかいメッセージが、込められているように感じた。
「プレイボーイ~創刊者ヒュー・ヘフナーの物語~」
Amazon Prime Videoで独占配信中
『プレイボーイ ~創刊者ヒュー・ヘフナーの物語~ 』
https://www.amazon.co.jp/dp/B071DNHB5P
文/吉野潤子