自動車の運転免許は取得まで時間がかかるもの。よって学生時代に取得した方がいい、と一般的には言われています。合宿免許で短期間で集中的に通う、という手もありますが、まとまった時間を取るのは学生も会社員も大変です。最寄りの教習所で取る場合が多いのではないでしょうか。
ですが、免許を取る前は教習所って何となくハードルが高くて、どのようなコトを習うのかわからない人もいるでしょう。そこで今夏、自動車の運転免許を取得しようとしている美少女フィギュア原型師兼モデルの美環さんに密着し、10回(予定)にわたり実際に運転免許(しかもMT)を取得する過程をご紹介したいと思います。
これから免許を取る方はもちろんのこと、すでに取得しているけれどペーパードライバーの方はその復習として、普段から運転されている方は取得時の懐かしさと共に、今一度安全運転の参考にしていただけると幸いです。
学業(?)に仕事(!)に女子は忙しいのです!
今回、自動車の運転免許の取得を目指す美環さんは、モデルや公認コスプレイヤーとしての活動、さらにフィギュアの原型師など、マルチで活躍する女の子。学業(?)に仕事(!)に、多忙な毎日を送っています。
そんな美環さんには、さらにもう一つの顔があります。オートバイ雑誌に多数出演する人気者。いわゆる「バイク女子」の代表的存在なのです。
美環さんとオートバイの出会いは、もともと脚としての必要性から原付免許を取得したことから始まります。無事試験に合格し、スクーターを購入するつもりだった美環さん。しかし、ホンダ「マグナ50」という250ccのバイクをスケールダウンしたような、アメリカンカスタムモデルに一目惚れ。思わず買ってしまったとか。
そしてオートバイを題材としたテレビアニメ「ばくおん‼」の放送をきっかけに、オートバイへの関心が沸点に。お母様からの反対をよそに、コッソリと中型自動二輪、大型自動二輪へとオートバイ免許のフルコースを敢行。さらにお母様からは「絶対に単車を買っちゃダメだからねっ!」ときつーく言われたそうですが、美環さんはコッソリとホンダ・CBR250Rを購入。以来、時間があれば愛馬とともに、お友達と多摩地方をはじめとした関東近県の日帰りツーリングを楽しまれているそうです。
イマドキ女子の美環さんは、そんなバイクライフをSNSに投稿。それが出版社の目に止まったことをきっかけに、雑誌にも出演するようになったとか。今では小さな体で大型バイクを颯爽と操る姿が誌面に彩りを添えています。
普通の年頃の女の子は忙しいものですが、さらに多忙を極める美環さんに、当然ながらまとまった時間はなく、合宿での免許取得は断念せざるを得なかったいうわけです。
美環さんがMT免許を取りたい理由は パパが買ってきたクルマが原因
ところでバイク女子の美環さんが、どうして普通自動車免許(MT)を取ろうと思ったのでしょうか。それはご家族に起きた、ある事件が関係しています。
ある日のこと。美環さんの父親が、家族の車であったプリウスを誰の相談もせずに突然売却! その代わりとして新しい車を購入したのですが、それがセダンやミニバン、ハッチバックではなく、まさかのマツダ・ロードスターだったのです。
この父の行動に美環さんは相当驚いたとか。「家族旅行をはじめ、思い出がいっぱい詰まった車を勝手に売って、代わりに来たのがロードスターですよ? ドアが2枚しかないのはともかくとして、シートも2つで、そもそも屋根すらなくて。家族みんなでお出かけができないじゃないですか! もう、パパ以外の家族全員で大ブーイングでしたよ」と、美環さんは当時の衝撃を熱く、興奮気味に語りました。
筆者は内心「さすが、コッソリと免許を取得したばかりか、バイクまで買ってしまった美環さんのお父様。血は争えないというか、親娘は似るというか」と思ったり。そこで「きっとお父様は、大きく育ったお嬢さんと2人きりの想い出をつくりたくてオープンカーを購入されたのでは?」とお父様へのフォローも兼ねて尋ねてみたのですが……。
「それが違うんですよ! 家族の誰も助手席に乗せてくれないんです。休みの日になると、いっつも一人で彦根や新潟に行ったりしているんですよ。その度に『オレは好きなことをするんだ。オレは自由になるんだ』と、わけのわからない事を言っているんです。まぁお土産を買ってきてくれるんで、いいんですけどねっ」と、むしろ火に油を注ぐ結果に。
とは言いつつも、お父様が夢中になるマツダのNB型ロードスターにバイク女子の美環さんが興味を示さないわけがありません。「パパの車を運転してみたいんです。どんな車か知りたいですし、それにオープンカーって楽しそう」と思うようになったとか。オープンカーは「日焼けする、髪の毛が乱れる」と女子受けが悪いという話をよく聞きますが、美環さんの目には、解放感とスポーツカーならではの操る楽しさに、オートバイにも通じる何か感じたのでしょう。
ですが、美環さんは大型自動二輪の免許はあっても普通自動車免許は未取得で、ロードスターを運転することはできません。そこで、これを機に普通自動車運転免許の取得を決意したそうです。しかも現在、教習生全体の約6割、女性だけに限ると実に8割がAT限定を希望するというご時世において、なんとMTに挑戦。バイク女子、ここにあり! です。
坂道発進、縦列駐車、クランク…… これらの試練をクリアできるのか?
さて、二輪の運転免許をお持ちの美環さんが普通自動車免許を取得する場合、学科講習は免除(厳密には2段階目に1回受講)されるものの、教習所内で行なわれる1段階の13時限、路上教習と呼ばれる2段階19時限の計31時限の実技講習を受け、さらに合計2回の実技試験をパスする必要があります。坂道発進に縦列駐車、クランク、そして高速教習、さらに仮免試験や卒業試験といった、普通自動車免許を取得した誰もが一度は涙した運転教習を美環さんはクリアできるのでしょうか。
「坂道発進をはじめとして、クラッチの操作が大変ですけど大丈夫?」と尋ねたところ「クラッチは、手から足に変わっただけだから大丈夫だと思います」と、あまり気にしていない様子。ですが「オートバイって、前輪と後輪でそれぞれブレーキ操作をしますけれどペダルだけで止まるというのがイメージできないですよ。何よりオートバイは体全体を使いますけれど、ハンドルとペダル操作だけという点と、運転中の後方確認がミラーだけ、というのも怖いですね」と、二輪との運転感覚の違いに不安を感じているようです。
もちろん最終回はお父様の車で都内をドライブする様子もレポートする予定です!(お父様の許しが出ればですが)。美環さんの目に、バイクで見慣れた道が、車からどのように映るのでしょうか。まずは次回、教習所に入校して、実際に車に触れる様子をリポートします!
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