1月24~28日まで、台湾・台北市にある台北世界貿易センターで開催された「台北ゲームショウ2019」。近年アジア圏のゲーム熱がさらに高まっているが、なかでも今回17回目を数える老舗のショウだけあって、4日間で約32万人の来場者を国内外から集める盛況ぶりとなった。
そもそも台湾は、多くの日本企業が進出(街を歩けばセブンイレブンやファミマだらけだ)していて、また、日本の漫画・アニメといったオタクトレンドもほぼ時差なく伝わっている。それだけあって、日本のゲームメーカーも数多くブースを出展し、「ここは東京ゲームショウか?」と錯覚するほどに雰囲気はそっくり。展示されるほとんどのタイトルは中文繁体字へとローカライズされている。
本稿では、そんな台北ゲームショウでの展示模様をコンシューマー、モバイル、PCメーカーごとにお伝えしていく。
日本産タイトルが大人気な家庭用ゲームブース
PlayStation 4ブース
ソニー・インタラクティブエンターテインメント台湾(SIE台湾)によるPlayStation 4ブースは、単一メーカーではショウ最大の面積。台湾でパブリッシングを行なう『DAYS GONE』や『SEKIRO』、『バイオハザード RE:2』といった注目タイトルの試遊コーナーを用意。国内外からのクリエイターを招いてのステージもあり、大勢の来場者でブースから人が溢れ出る勢いとなっていた。
バンダイナムコエンターテインメント
ジャンプ作品やガンダムといった強力なコンテンツを持つバンダイナムコエンターテインメント(萬代南夢宮娯楽と書く)は、『JUMP FORCE』や『スーパーロボット大戦T』『SDガンダム ジージェネレーション クロスレイズ』などを出展して大盛況に。特に日本の声優が出演するステージイベントには、開始前から駆けつけた大勢のゲーム・アニメファンが大歓声を送っていた。
セガ
サードパーティーとしてはいち早く台湾市場での自社流通を始めたセガ。木村拓哉主演の『JUDGE EYES:死神の遺言』や『キャサリン・フルボディ』などを展示。また、台湾での販売を手がける『うたわれるもの 偽りの仮面』や『Fate/EXTELLA LINK』などの他社タイトルを取り揃え、ファンを喜ばせていた。
ユービーアイソフト
欧米のゲームパブリッシャーで唯一自社ブースを構えていたユービーアイソフト。巨大オブジェを設置して『ディビジョン2』を盛大にアピール。エクストリームバイクゲーム『トライアルズ ライジング』や『JUST DANCE 2019』といったタイトルも人気を博していた。
ゲーミングブランドが気を吐くPCメーカーブース
PCパーツ産業が盛んな台湾だけに、PCゲームも人気。特に今回はビデオチップ最大手のNVIDIAが初出展するということで、ROG(ASUS)、AORUS(GIGABYTE)、HyperX(キングストン)などの人気メーカーのゲーミングブランドが展示に力を入れていた。また、台北ゲームショウでは展示と物販が同スペースで実施されるため、会場特価のセール品を求めて来場者が列を作る様子もあちこちで見られた。
右肩上がりに活気づくモバイルゲームメーカー
日本生まれのソーシャルゲームの多くが海外展開を実施しているが、ここ台湾でも若者を中心に高い人気を得ている。前述したようにアニメ・マンガ文化に親しみのある台湾だけに、『Fate/Grand Order 』や『マギアレコード』といったタイトルが人気を得る。それに追いつけ追い越せとばかりに、台湾の国内メーカーも自社タイトルのアピールを展開していた。
XFLAG
XFLAGが開発・運営する『モンスターストライク』(台湾版タイトルは『怪物彈珠』)ブースは、日本のプロプレイヤーも参加する“モンストスタジアム”のエキシビジョンマッチを開催。AKB48のライブや、有名コスプレイヤーが登場するショーなど多彩なステージイベントでモンストファンたちを楽しませていた。
Cygames
台湾に現地法人を有するCygamesは、例年大規模なブースを出展。すでに多数のプレイヤーを抱える『シャドウバース』に加え、台湾でもサービスインした、任天堂と共同開発するアクションRPG『ドラガリアロスト』をアピールしていた。
ワンダープラネット
ワンダープラネットが開発・運営する『クラッシュフィーバー』は、日本での人気に劣らず大人気! 1月26、27日の2日間に渡って行なわれたチャンピオンシップはブースから人があふれるほどの盛況ぶり。さらに、音楽を担当するノイジークローク・加藤浩義氏がDJ Live(大会にあわせての生プレイも!)を行うといったイベントもあり、台湾っ子たちは笑顔をみせていた(配信アーカイブ)。
Google Play
プラットフォーマーであるGoogleも、大規模なブースを展開。多数のゲームタイトルの試遊コーナーを用意したほか、人気ストリーマーを呼んでのステージには黒山の人だかりとなっていた。
KOMOE GAME
「ハイクオリティの日本二次元スマホゲームをもって、多元的なエンターテインメントサービスを提供する」をコンセプトに2016年に設立された台湾の会社。運営を手がける『マギアレコード』や『シノアリス』をコスプレイヤーを使って強くアピールしていた。
eスポーツやボードゲームなど多彩なコーナーも
そのほか、気になったトコロをちょっとだけ紹介。政府が後押ししているだけに、eスポーツはあちこちで公開形式で大会を披露。24ヵ国からの参加があったインディーゲームコーナーでは、ビジネスチャンスを求めて、開発者たちが自作のタイトルに展示・説明に力を入れていた。ビデオゲームだけではなく、ボードゲームやトレーディングカードの展示・即売が同会場で実施されるのは台湾流だろうか。
●関連サイト
「台北ゲームショウ2019」