VR元年、不動産分野での活用機会にも注目

06.06 16:32 ZUU online

2016年はVR(バーチャルリアリティ・仮想現実)元年とも言われており、複数のメーカーからゴーグル型のVR機器(HMD・ヘッドマウントディスプレイ)が発売されています。PC向けやスマートフォンを装着するタイプが発売されている他、秋には家庭用ゲーム機向けの商品も発売予定となっており、いよいよ一般家庭にもVRが普及する段階を迎えつつあります。

消費者の関心も高く、最近各地でVR体験イベントが実施されていますが、実際にいくつかのイベントを訪ねてみたところ、どこも早い時間から予約整理券の配布が終了する盛況ぶりでした。

VRの利用用途は、やはり没入感を楽しむものとしてエンターテイメントの分野を中心に、家庭用ゲーム機やスマートフォンでの個人利用、加えて、体験型ゲーム施設などへの導入が進むと見込まれています。その他、トレーニングジムなどのスポーツ関連施設や、さらに応用して、サバイバルゲームやボルダリング、シミュレーションゴルフなどでも利用できれば大変面白いのではないでしょうか。

また、エンターテイメント以外でも、VRを有効活用できる分野は多方面に及ぶと考えられます。筆者が調査対象としている不動産も空間そのものが商品といえるもので、VRの活用機会が多い分野のひとつといえるでしょう。

現在、賃貸マンションの入居者募集にはインターネットの活用が不可欠で、物件情報をウェブサイト上に掲載することが通例となっています。各物件の紹介ページには物件の図面や室内の写真が掲載されていますが、最近では、360度のパノラマ画像が掲載されるケースも増えています。

VRではないものの、部屋全体を見渡せる360度画像は、入居者にとって物件の絞込みに有用で、新築マンションの販売用ウェブサイトでも、モデルルームを撮影した360度画像の掲載が増えてきています。

さらに、一部の業者が、簡易的なVRキット(ゴーグル)を顧客に提供し、360度画像で没入感を体験して貰うVRキャンペーンを実施しており、かなりの人気を集めています。今後、高性能のVR機器が各家庭に普及してくれば、VRコンテンツの水準も向上し、住宅マーケティングにおいてVRの重要性が高まっていくことでしょう。

新築マンションの販売では、具体的な購入予定がない顧客でも、モデルルームに足を運んで新しいマンションの魅力を実感し、購入に至るケースが少なくありません。効果的なVRコンテンツをウェブサイトに掲載すれば、モデルルームに来場できない顧客に対しても、モデルルームと同様の効果を部分的ながら期待できるでしょう。

VRの活用はモデルルームの現場でも有効で、展示された部屋と別仕様の内装の擬似体験などに利用されています。もちろん、VRを用いれば、疑似体験の範囲は部屋内に止まらず、モデルルームで再現できないバルコニーからの眺望、ロビーや庭などの共用部分、さらには、周辺エリアの生活環境や最寄り駅へのルートにまで広げることができます。

契約に際して事前に周辺エリアまで確認する時間がない場合も多く、こうしたVRによる疑似体験は、入居者や購入者にとって決断時の不安解消に大いに役立つものと考えられます。

また、近年、国境を跨いだ不動産購入が増加しており、海外の富裕層による日本での住宅購入、特に、中華系富裕層による都心の高級マンションの購入が話題になっています。彼らが投資用として購入する際、来日して現地を確認しないケースも多く、VRはそのような投資家に対して有力なアピール材料になるとみられます。これは逆のケースにもあてはまり、VRは海外不動産を購入する日本の投資家のサポートにも効果的です。

マイナス金利政策のもと、日本の投資家の海外不動産への関心が高まっていますが、国内不動産に比べて品質面や管理面の不安が大きいことは否めません。手の届かない海外不動産をVRによって少しでも身近に感じることができれば、積極的に検討できるのではないでしょうか。

このように、VRの不動産分野での活用については、まず、マンションの入居者募集や販売といったマーケティング面での利用が想定されます。

加えて、設計や研究段階での利用も有効で、たとえば、オフィスビルの開発では、VRを用いて想定空間を歩いてみることで、設計図や平面の画像上では気にならなかった違和感に気付いたり、クリエイティブスペースの活用アイディアを思いついたりすることも考えられます。このように、VRの不動産分野での活用機会は、他にも様々に考えることができるでしょう。

改めて振り返ると、インターネットやスマートフォンに代表される様々な機器の進歩によって、我々の生活は飛躍的に便利になってきました。VRを含む映像機器の分野をみても、格段に大画面、高画質になったテレビが、自動録画やオンデマンドなどのソフト面の充実により、我々のライフスタイルに変化を与えています。

VRはさらに革新的な映像機器として擬似空間を創造することで、我々のライフスタイルに劇的な変化をもたらす可能性があるでしょう。将来的には、映像機器の範疇に止まらず、不動産のあり方も変えてしまうのかもしれません。

増宮守(ますみや まもる)
ニッセイ基礎研究所 金融研究部 主任研究員

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"水素水"ブームとは?問われる医療リテラシーと健康水商法

06.06 16:23 ZUU online

「水素水」などの健康水ビジネスが盛んだが、エビデンス(科学的根拠)が確認されていないものがほとんどだ。最近でこそ、その信ぴょう性の疑義がただされているが、一見、論理的でないものを信じることはなさそうな、いわゆる高学歴の人でも、根拠が薄い中でもありがたがっている。健康に不安があるとつい心が動いてしまうのだろうか。

「健康水」の多くは効果効能が不明

2016年3月、「水素水」を取り扱っていた販売会社ナチュラリープラスが、特定商取引法違反(不実告知、勧誘目的等不明示など)で、新規勧誘等を9カ月間停止する行政処分を受けた。同社はいわゆるネットワークビジネスを展開している会社だ。15年2月時点の会員数は17万7709人だという。

この件で問題となったのは、効果効能が実際に認められていないにもかかわらず、「どんな病気でも良くなる」などと宣伝していたことだ。冷静に聞けば「眉唾」と切り捨てるところ、自身や家族が難しい病を患っていると、ついそのような宣伝を信じたくなってしまう。特に「水」は毎日それなりの量を摂るものだけに、「少しでもいいものを」という思いから、科学的根拠の希薄なものであっても手を出してしまいがちのようだ。

しかし、いわゆる健康水の多くはその効果効能がしっかりとは確認されていない。この種の水は高額であることが多く、消費者の医療リテラシーの欠如につけこんだ商法が横行している現状もある。健康水を利用するときにはこのことをまず受け止めるべきだろう。

「水素水が身体にいい」は科学的根拠あり? なし?

話題の「水素水」を通じて健康水なるものの科学的根拠や商法としての問題点を考えてみよう。

水素水とは分子状水素(H2)が溶けた水のこと。日本医大教授・太田成男らの研究から、水素ガスをラットに吸入させると活性酸素による脳の傷害を緩和することが分かり、水素ガスを水に溶かしこんだ水素水により同様の効果を得ようとするものだ。

水素水については、人による試験でLDLコレステロールや耐糖能の改善、筋疲労の改善、抗酸化ストレスの低減、パーキンソン病の症状改善、悪性肝腫瘍で放射線治療を受けている患者のQOLの改善といった効果が見出されたという。

しかし、いずれも参加者の少ない試験であり、科学者の間では十分なエビデンスとはいえないという意見がみられる。

日本における水素水研究の第一人者ともいえる太田成男教授も、自身のWebサイトで「まだまだ研究の余地は残されている」と書いており、一部の業者がうたうような万能薬のごとき効能は決して主張していない。また「『水素水』と称したペットボトルの水は、分子状水素、水素ガス、水素水とは別物で 私の研究成果とは全く無関係です。消費者の方は、インチキ商品に注意しましょう」と注意を喚起している。

「きちんとした論文」かどうか知るには?

水素水に十分なエビデンスがあるとはいえないようだが、太田教授のように確立を試みる学者が国内外にいるのも事実であり、太田教授の協力する水素水関連商品も存在する。水素水商法を仕掛ける業者の多くは、こういった真面目な取り組みを根拠にしながら、太田教授のいう水素水とは別物を売っているということになる。

たとえば、水素水商品の中には「H6O」という化学式が記されたものもある。水素を含む水ということで「H2O」の水素原子(H)の数を増やしたということなのだろうが、これはもはや水ではない、何かまったく新しい物質である。これが明らかにおかしいと思える程度の知識がないとさまざまな健康水の是非を見極めるのは難しい。

水素水に限らず、こういった健康水の是非を検討するには、まずきちんとした論文が出ているかどうかを調べるべきだ。“きちんとした論文”かどうかを知る1つの方法はアメリカの医学論文の検索サイトPubMedなどで論文を検索することだが、そもそも、そこで英語の論文を検索して読みこなせる人は、怪しげな商法に引っかかることはないだろう。

もちろんこうした英語の論文があれば問題ないと言い切れるとは限らない。また「科学的根拠がなくても実際に効果が出ていて、本人が効いていると思い込んでいるならいいではないか」とプラセボ効果を指摘する意見もあって難しい。

「健康水」とどう付き合うか

今後、いくつかの健康水でその効果効能が証明されることがあるかもしれない。とはいえ現時点では万能薬のような水は存在しない。そのような効果効能をうたう健康水商品があるなら、疑ってかかるべきだろう。

また値段も重要で、科学的根拠もないのに高額な商品は社会的に問題だが、安価であればそう目くじらを立てなくもいいと考える人もいる。

たとえば一部のマイナスイオン水や水素水などは、スーパーやコンビニなどで一般のミネラルウォーターとさほど変わらない金額で売られている。それらの商品は今のところ普通の水と違った効果効能があるとは証明されていないが、水分として普通の水の代わりになるのは確かであり、「健康にいいのでは」という思いから適切な水分補給につながるのであれば、メリットがなくもない。

一方、高額な健康水商品について、家族や親しい人がその被害に遭いそうなら、消費生活センターなどで同種商品の情報収集を図り、根拠の面で問題があれば、その内容を示しながら注意喚起するといいだろう。

健康水商品で健康被害が出ることはまれだと思われるが、経済的被害はありうる。“単なる水”を高額で買うことのないよう、医療リテラシーを身につけておきたい。(ZUU online 編集部)

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「テクノ失業」ホンハイは6万人の仕事を"ロボットに置換"

06.06 16:26 ZUU online

人工知能やロボットの登場で職が奪われる「テクノ失業」が現実になりつつあるという。既にこの言葉が様々なメディアで取り上げられるようになった。

海外メディアが報じたところによると、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が中国・江蘇省の工場で6万人の作業員を「ロボットに置き換える」という。

ホンハイの本社は台湾新北市にあるが、生産拠点は世界14カ国にあり、従業員数は約80万人。54万人が中国本土で働いているという世界的大企業だ。

人工知能やロボットの登場で、単純労働ばかりか、知的労働の領域にまでテクノロジーが導入され、労働者の職が奪われる現実がくる−−。鴻海の大リストラはそう予言しているかのようだ。

家政婦の職業は機械に代わられることはない

人工知能やロボットができる仕事は、繰り返しなど作業といった定型的なものだ。

逆に単純でない仕事はロボットには難しい。「ルンバ」のような人工知能を備えた掃除機でも家の掃除はできるが、平坦な床を掃除するだけであり、階段や狭い隙間や机の上は掃除できない。だから家政婦のような職業が、今すぐ機械に取って代わられることはない。

仮にロボットがその仕事をできたとしても、企業経営者にすれば、機械と人間のどちらが安いかで導入するかどうかを決めることになる。

ロボットの値段が高いうちは、人間の肉体労働はなくならないが、人間の労働に対する対価(給料)のほうが安ければ、企業家は人間を雇うのである。

ロボットが注目されるもう一つの要因は労働問題だろう。ロボットは労働環境が劣悪でも、(物理的に動けなくなるような条件を与えない限り)労働争議は起こさない。

企業トップの意思決定や、科学者の研究とか芸術家の創作活動といった、知的活動はロボットでは絶対に無理な仕事とされてきた。

しかし最近ではロボットが文章を書く(ライターになる)という未来も信ぴょう性が高まってきている。意思決定にしても、情に流されずに客観的かつ冷静に、一定のルールの下で判断ができるという意味では、ロボットやAIにできるのかもしれない。研究についていえば、ロボットは不正をしようとはしないはずだ。

ロボットが接客する時代は来ている

コンサルティングも行う世界最大の会計事務所デロイト&トウシュが今年1月、オックスフォード大学と共同でテクノ失業の報告書によれば、英国では今後25年で小売業の59%が危機に瀕するとしている。

そればかりか、倉庫や運送業では74%で、製造業は90%の人が影響を受けると結論づけているからだ。全職種は35%がロボットやAIによって仕事が奪われるそうだ。

またボストン・コンサルティング・グループの予測によれば、2025年までに全職業の約4分の1がロボットかAIに置き換わると発言している。その証拠に、米国では、銀行の窓口業務やスーパーのレジ係、ホテルの受付係や特定地域でのトラックやバスの運転手などだが、ロボットに置き換えられているのだ。

ロボットと共生のマネジメント?

ロボット出失職者が出る反面、ロボットとAIのメンテナンスやソフト開発、あるいは、訓練などの仕事が生まれるという指摘もある。

ハイテク関連の情報調査会社フォレスター・リサーチ(米マサチューセッツ州)によれば、テクノ失業で10の仕事が奪われたとしても、1つの新しい仕事が生まれるはずと予測されている。ロボットを使用する人に対し、新たな職業訓練やロボットと人間との共生マネジメントが必須となるからだ。ロボットを効率的に動かしたり教育したりすることすら、ロボットの役割になるかもしれないが……。(ZUU online 編集部)

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都会では味わえない離島暮らしの魅力

06.06 16:29 ZUU online

日本には、本土以外の有人島が418島あるのをご存じですか?自然に囲まれてのんびり過ごせる離島の暮らしに憧れを持つ人も多いのではないでしょうか。理想のスローライフを思い浮かべる一方で、実際に移住するとなると不安な点もいろいろと出てきます。

今回は、都会に住んでいる人にはあまり知られていない、離島暮らしをする魅力やメリット・デメリットを紹介します。

意外に知られていない「島」の定義

島国である日本は、北海道、本州、四国、九州、沖縄島を一般的に本土と呼び、これ以外の島を離島として分類しています。日本には本土を除いて6,847島もの離島があるとされています。ちなみに国連海洋法条約では、自然に形成された陸地であること、水に囲まれていること、満潮時にも水面上にあることの3つを満たすものを「島」と定義しています。

このうち、人が住んでいることを確認できている有人島は418島あります(2010年国勢調査)。有人島といってもさまざまなケースがあり、漁の時期に限定して定住がある離島や、国家公務員が交代で駐在するのみの島など、半定住になっている場合も存在します。有人島の数は、国勢調査や住民基本台帳の登録からカウントされています。

移住者の声からみえてくる離島暮らしのメリットとデメリット

離島というと、真っ青な海や澄んだ空、自然と共存する田舎の風景を想像する人が多いことでしょう。実際、離島に移住した人からも、海や山に囲まれた自然豊かな生活に魅力を感じているという声が多くあがります。

このほかにも、地域の人々との触れ合いに心が和むという声や、家族で過ごす時間が増えたなど、子供を育てる環境としてのメリットを感じている人も多いようです。また、マリンスポーツなどの趣味を楽しみながらセカンドライフを送るといった、都会の暮らしにはない魅力がいろいろとあげられています。

一方で、離島ならではのデメリットがあることも否定できません。一般に、離島の物価は本土と比較して高い傾向にあります。これは輸送費がかかるためですが、トイレットペーパーや洗剤などの消耗品やガソリンなど、生活必需品の価格の高さに驚く人も少なくありません。また、公共交通機関が不足しているため、車がないと不便と感じるかもしれません。離島と本土との行き来は船か飛行機になりますが、本数は総じて少ないうえ天候に左右されます。思っている以上に生活費がかさむかもしれないということも念頭に置く必要があるのです。

「離島振興法」による国の取り組み

日本に「離島振興法」が制定されたのは1953年です。以後、インフラ整備など離島が抱えるハンディキャップの改善をはかるための施策がとられてきました。現在は、ブロードバンド環境や公共交通機関のバリアフリー化などの整備が進んでいるほか、産業支援などソフト面における拡充も図られています。国と地域が協力して、よりよい島づくりを推し進めているのです。

都心にいながら離島の暮らしを知る方法

移住を検討するときは実際に現地を訪れてみることが重要ですが、時間の調整が難しいという場合もあるでしょう。そんなときにおすすめしたいのが、毎年東京で開催されている島の情報発信イベント「アイランダー」です。1994年にスタートしたイベントで、全国の島々が一堂に会します。島の歴史や文化、農業や漁業といった魅力に触れられるほか、住宅や求人など生活面における具体的な相談ができるブースも設けられています。

島の料理を楽しめるレストランに出かけてみるのもおすすめの方法です。神楽坂にある「離島キッチン」は、島根県の離島、海士町の観光協会が運営するお店で、島独自の自然が育んだ食文化や歴史を、料理を通して伝えるというのがコンセプトです。海士町の料理はもちろん、全国の島々を知ってほしいという思いから、さまざまな離島の料理を提供してくれます。

いきなり離島暮らしは難しいと感じるかもしれませんが、離島での暮らしがどのようになっているのかを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。(提供:nezas

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次世代農業「植物工場」スマートアグリで日本の農業を守れ

06.06 16:30 ZUU online

農業就業人口の減少や就農者の高齢化、さらには耕作放棄地の増大、異常気象の頻発など、人材と環境の両面で日本の農業は大きな課題を抱えている。そこで期待が集まっているのが、IT(ICT)等の先進技術を活用して生産管理や品質・生産効率などの向上を実現する「植物工場」だ。

なかでも、製造業は植物工場事業に積極的で富士通 、シャープ 、トヨタ自動車 、日本GEなどの大手企業を筆頭に、多くの企業が新たな収益源として事業化を進めている。最近では、富士電機 が東京工場で、燃料電池の排熱や排気を栽培に使う省エネルギー型の植物工場を稼働させるなど新たな動きを見せている。

農業のシステム化を実現する「植物工場」

植物工場とは施設内の温度、光、炭酸ガス、養液などの環境条件を自動制御装置で最適な状態に保ち、作物の播種、移植、収穫、出荷調整まで計画的に一貫して行う生産システムのことを指す。施設内での生産のため、天候に左右されることなく作物を周期的に安定供給でき、病害虫の被害を受けずにすむほか、高齢者や障害者の方の雇用につながるなどの利点がある。

ただ、初期投資、運営投資ともに大きくなる他、栽培ノウハウが今は限定的であるなどの課題も指摘されている。

富士電機のシステムでは出力100キロワットの燃料電池から出る排気と排熱を栽培に活用する。一方、富士通では半導体のクリーンルームを転用した植物工場を設立。農業や畜産業向けのクラウド型の基幹サービス「Akisai」(秋彩)など農業分野への取り組みを強化し、腎臓病患者でも食べられる機能性野菜である低カリウムレタスを生産し、野菜販売にも乗り出している。

異業種からの参入でにぎわう植物工場ビジネス

植物工場の関連銘柄は前述の富士電機や富士通など畑違いの企業の参入も積極的で、多岐にわたっている。エスペック は植物生産システムや機器を手掛けるほか、王子HD はリーフレタスなど葉物野菜の栽培および販売を行っている。日本山村硝子 は完全制御型植物工場で各種葉菜類等の生産・販売に取り組んでおり、片倉工業 は低カリウム野菜の量産事業を推進している。

大和コンピューター は農業のICT化に取り組むほか、eBASE は農産物の生産履歴管理システムを開発。ネポン は農業ICTクラウドサ-ビス「アグリネット」を展開するほか、日伝 は大阪府大などとロボットを駆使した最先端の植物工場を運営している。安川電機 はロボット技術を活用した種まきから収穫、包装、出荷まで自動化システムを展開中だ。

一方、昭和電工 は独自の高速栽培法「SHIGYO法」を応用し、植物工場ビジネスのトータルサポート体制を敷く。トプコン は農場向けの総合管理システムを提供しているほか、クボタ は農業機械とICTを利用した営農・サービス支援システムを推進、SJI はスマートアグリシステムで必要となるソフトウエア開発に取り組んでいる。

このほか、ローム は福岡で植物工場を運営。兼松 もスマートアグリ事業を手掛けている。キューピー は完全制御型植物工場「TSファーム」を開発しているほか、豊田通商 は工場の廃熱を活用した植物工場を運営している。JR東日本 は福島県いわき市に太陽光利用型植物工場を建設しているほか、大林組 も千葉大学と人工光型植物工場の共同開発に取り組んでいる。(金融ライター 鈴木ロミオ)

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日本の長期金利の推計のために重要な変数は何か?

06.06 16:33 ZUU online

日本の長期金利(国債10年金利)は、マクロのファンダメンタルズ要因と金融政策要因で説明できることを解説してきた。

DIと米国長期金利で国内外の経済活動を見る

ファンダメンタルズ要因としては、企業貯蓄率と財政収支の合計で貨幣経済の拡張を左右するネットの資金需要(トータルレバレッジ、GDP対比、マイナスが強い)と、失業率に先行する指標として知られ内需の拡張を左右する日銀短観中小企業金融機関貸出態度DIである。

金融政策要因としては、イールドカーブのアンカーである日銀政策金利と、日銀の資金供給(マネタイズ、買いオペ)の力を示す日銀当座預金残高の変化(前年差、GDP対比)である。これらに、グローバルな金利水準の代理変数としての米国債10年金利を加えれば、日本の長期金利がうまく推計できることが分かっている(1988年からのデータ、4四半期移動平均、98%程度の動きを説明)。

日銀短観中小企業金融機関貸出態度DIは国内の経済活動の体温、そして米国の長期金利は海外の経済活動の体温を表す。

ネットの資金需要が財政政策を測る指数に

数年前までは、米国の長期金利を入れても入れなくても、推計結果に大きな違いがなかった。よって、モデルとしては国内要因の方が、圧倒的に重要である。しかし、昨今の大幅な金利低下は、日本国内の要因だけではなく、グローバルな金利水準の大幅な低下を理由にしないと説明が困難になってきている。

そして、日銀政策金利と日銀当座預金残高は、日銀の金融政策変数である。最後に、企業貯蓄率と財政収支の合計であるネットの資金需要は、財政の政策変数であると考えている。

日本の内需低迷・デフレの長期化は、企業貯蓄率と財政収支の合計であるネットの資金需要がゼロと、国内の資金需要・総需要を生み出す力、資金が循環し貨幣経済が拡大する力が喪失していたことが原因であった。

言い換えれば、ネットの資金需要の水準が、企業の貯蓄率を前提として、どれだけ財政政策が景気刺激的なのかを示す政策変数であると言える。

実際に、2000年代は企業貯蓄率が大きく変動していても、ネットの資金需要はゼロ%近くに張り付き、恒常的なプラスとなっている企業貯蓄率(デレバレッジ)に対して、マイナス(赤字)である財政収支が相殺している程度、すなわち成長を強く追及せず、安定だけを目指す財政政策であったと言える。

アベノミクス再稼働には財政拡大が寄与できるか

ネットの資金需要の動きを見ると、バブル期にはGDP対比-10%程度、平均では-5%程度、デフレ期は0%程度、そして+5%程度になると信用収縮をともなうデフレスパイラルになると考えられる。ネットの資金需要は受動的な変数であるように見えるが、財政政策によってある程度コントロールできる政策変数と見なしているのが、このモデルの大きな特徴である。

企業貯蓄率が高く、景気が悪い時には財政赤字を増やし、企業貯蓄率が低く、景気が良い時には財政赤字を減らす。どの水準で、企業貯蓄率と財政収支をバランスさせるのか、すなわちその合計であるネットの資金需要の水準をどの位置にするのかは、財政政策の強さの度合いに依存すると考える。

財政政策を緩和し、ネットの資金需要の水準を0%程度から若干のマイナスにし、資金が循環し貨幣経済が拡大する力を復活させたのがアベノミクスのデフレ完全脱却への推進力であった。しかし、消費税率引き上げ後の財政緊縮などにより、ネットの資金需要はまた0%の戻り、その推進力が喪失してしまった。

今後、財政拡大などにより、ネットの資金需要を復活させ、アベノミクスを再稼動させることが期待される。このように、国内外の経済の体温、そして金融と財政の政策変数をもとにしたモデルとして、これらの変数を重要視している。

会田卓司(あいだ・たくじ)

ソシエテジェネラル証券 東京支店 調査部 チーフエコノミスト

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JPモルガン、スーツから「ジーンズとスニーカーもOK」

06.06 16:35 ZUU online

米大手銀行JPモルガン・チェースが定番のお堅いスーツとネクタイ勤務から一転。「ジーンズとスニーカーもOK」のビジネス・カジュアル(社会人にふさわしい服装)を導入し、大きな反響を呼んでいる。

金融業界もIT業界と親しくなってきており、その流れはFinTechと称されているが、ファッションでもIT業界に近づくのだろうか。

さすがにTシャツ出勤は即座に解雇

JPモルガンはすでに事業の大部分にカジュアル思想を取り入れていること、軽装で取引や商談に現れる顧客が増えたことなどを理由に、金融産業のイメージを覆す大胆な改革に踏み切ったという。

米メディアには、シリコンバレーのテクノロジー企業を訪問したジェームズ・ダイモンCEOが「(自社の)恐竜のような服装規定がほかの産業から孤立している感じた結果」とも報じられている。

スーツからビジネス・カジュアルへ切り替える企業が珍しくなくなったとはいえ、堅実な印象をウリにする従来の金融産業でのスーツ廃止は異例の改革だ。それも世界屈指のJPモルガンに勤務する23万人を超える従業員(投資部門を除く)が一斉に脱スーツとなれば、世間の反響はなおさら大きい。

しかしJPモルガンではすでに毎週金曜日はスーツの着用が免除されていたほか、ひと昔前と比較するとややリラックスした服装で勤務する従業員が目立ち始めていたという。

6月3日の社内メモではビジネス・カジュアルの採用が通達されたほか、「社内服装規定ガイダンス」が新ルールにあわせて改訂された。

今後スーツの着用はオプションとなるが、「顧客に接する場合は、それ相当に身だしなみを整えるように」と、ビジネスシーンと休日の違いに釘をさしている。つまり必要に応じてスーツを着用する機会もふんだんにある--ということだ。

ポロシャツ、カプリパンツ、キレイ系サンダルなどによる出勤は自由だが、ジーンズやスニーカーの着用はマネージャーの許可をとる必要があるなど、マネージャーに服装規定の判断が委任されている。「職場にふさわしくない」とマネージャーが判断した場合は、服装を変えてくるように命じる権限が与えられている。

露出の激しい服装、スパッツ、スウェットパンツ、ビーチサンダルなどが絶対禁止の服装として挙げられているのは理解できるが、本場シリコンバレーとの決定的な差は「Tシャツで出勤した従業員は即座に解雇される」という点だろうか。

また顧客への印象を重視する投資部門は、従来通りのスーツ勤務となりそうだ。(FinTech online編集部

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国境越えた「FinTech人材」探すオンラインイベント開催

06.06 16:38 ZUU online

国境を越えた初のオンライン・リクルートイベント「FinTechキャリア・ビジュアル・サミット」が5月25日から3日間にわたり開催された。

ニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポールといった主要都市に拠点を置く、企業や暗号通貨の専門家によるキャリア・アドバイスから、海を越えたリクルート活動までを幅広くカバー。

会場に出向く手間なく世界中どこからでも参加可能なオンライン・サミットという手軽さもうけ、大盛況のうちに幕を閉じた。惜しくも参加を逃してしまったFinTech就職希望者のために、視聴料25ドルで8月31日まで録画版が公開されている。

優秀な人材を求めるFinTech企業はSOHOに理解

あらゆる分野がデジタル化した近年、SOHO(自宅勤務)が珍しくない時代となりつつある。「インターネットさえあればどこからでも仕事ができる」という利便性に、適切な技術と知識をもった人材の確保に苦戦しているFinTech企業は着目。世界中から理想の人材を探しあてる意図で合同サミットを開催した。

FinTech企業の雇用口を探している側にとっても、例えば日本や台湾の自宅にいながら国際的に活躍している専門家のアドバイスを受け、何百件という求人募集広告を通して、パリやストックホルムの企業と契約が交わせるという夢のような機会だ。

アドバイス担当はブロックチェーン・プラットフォームの先駆け、米ConsenSys Enterpriseの創設者アンドリュー・キース氏、トロントのITサービス会社FinTech Recruitersのナコ・ムベルCEO、エクイティー・クラウドファンディング会社KoreConX のオスカージョフレCEOなど、FinTech産業の著名人が勢ぞろい。

「FinTech企業が求めている人材」「仮想通貨企業との提携関係の機会」などについて専門家の意見が聞けるほか、専門家自身の貴重な体験談や参加者による質問の機会も設けられていた。

次回の開催予定については未定だが、テキストで8月末まで公開されている録画版(有料)を通して、知識を深めてみるのもいいかもしれない。https://fintechcareersummit.com/FinTech online編集部

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