充実する中小企業向けフィンテック 「売掛金保証」

07.11 17:36 ZUU online

ITの力で金融をより便利で進んだものにするFinTech(フィンテック)。中小企業向けのサービスの中では、freeeやMFクラウドといった会計ソフトが経理・会計業務コストを下げるとして注目されてきた。

このところ充実しつつあるのが「保証」の分野だ。すべてネットで完結する売掛保証サービスも新たに生まれるなど、中小企業の経営にとって深刻な課題であるこの問題の解決にフィンテックが役に立とうとしている。

複数の企業が参入 「FREX B2B後払い決済」「Paid」など

売掛債権とは、商品やサービスを販売したものの、代金の受け取りが先になる場合の代金を請求できる権利のこと。現金が入ってくるのがわずか数カ月先になることは、中小企業にとっては大きい。その間に納入先の経営状態が悪化して支払われなくなるリスクがあるからだ。またキャッシュインが先になれば、すぐに従業員の給料や別の取引先への支払いに使えないからだ。

このため、売掛債権の回収や保証は大切な命題であり、多くの企業が参入している。

たとえばネットプロテクションズが提供する「FREX B2B後払い決済」は、請求書後払いによる取引を可能にするアウトソーシング決済サービスだ。支払い遅延や未払い、貸倒れなどの債権管理上発生するリスクを保証してくれる。また掛売りに必要な与信審査や代金回収などの業務も代行してくれる。

またラクーンが提供する「Paid」は、請求から回収までを一括請負し売掛金を保証する決済サービス。与信枠が30~1000万円まで設定可能で、企業間のみならず個人事業主との取引にも対応している。

すべてネットで完結する新サービス「URIHO」

同社の連結子会社であるトラスト&グロースが8月上旬から始めるのが、すべてネットで完結する売掛保証サービス「URIHO(ウリホ)」だ。これは年商5億円以下の中小企業が利用できる、ネット完結型の売掛保証サービス。申し込みから履行依頼までをネット上で行える「業界初のネット完結型サービス」(同社)という。

利用料金は月額定額制で、1万9000円から。これは年商1億円までの場合で、1億円あがるごとに1万円加算されるだけだ。保証をかける取引社数の制限はなく、最初のお試し期間として申し込みから2カ月は月額無料で使えるという。

トラスト&グロースは「T&G売掛保証」というサービスを既に提供している。あらかじめ保証を掛けておくことで、取引先が倒産しても、保証枠の中で同社が損害分を代わって支払ってくれるもの。審査に際しても、取引先に対して直接聞き取りしたり、取引先から申し込んだりする必要がない。倒産のみを保証対象とするサービスが多い中で、「支払い遅延も対象とする唯一の保証サービス」(同社)だそうだ。

今後も保証や決済代行の分野への参入は続くだろう。中小企業やベンチャー企業が債権回収できなくなるリスクを抑え、ビジネスができる環境がより整備されるのは望ましいことと言えるだろう。(FinTech online編集部

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アベノミクス2.0を始動させる参議院選挙の結果を読む

07.11 16:46 ZUU online

参議院選挙が7月10日に投開票となり、自民・公明の連立与党が非改選議席の76と合わせ、議席が146(追加公認を含む)と過半数を維持した。政権にとって参議院の重要性は大きくなかった。

強まる政権与党の推進力

世論の支持を背景として、秋の臨時国会でTPP関連、景気対策、労働基準法改正、そして消費税率引き上げ再延期などの重要法案を通す動きは、円滑になるとみられる。安倍首相は、消費税率引き上げの2017年4月から2019年10月への延期、選挙後の臨時国会で大規模な景気対策の実施、それによるアベノミクスの更なる推進の方針を明らかにした。その方針の国民の信任を確かなものとするため、安倍首相は改選議席の過半数の獲得を目標としてきた。

結果は、安倍首相の経済方針は国民に信任される形となった。8月頃の概算要求から始まる2017年度の予算編成では、アベノミクス色が強くなるなると考えられる。今回の選挙で、自民党の参議院単独過半数にはわずかに届かず、連立与党の大勝は公明党との強い選挙協力の結果である。連立与党内での公明党の一定の力は維持されるだろう。

選挙戦を有利に導いた自民党、ぼやけた争点と国民の危機感

ほとんどの政党が消費税率引き上げ見送りの方針であったので、選挙の争点とならなかった。野党は憲法改正を争点としたいと考えていたようだが、自民党は早急な憲法改正を政策の前面に押し出さなかった。

結果として、争点はアベノミクスの政策手法の是非という包括的なものとなった。有効求人倍率の上昇と失業率の低下、そして税収の増加によって、民主党政権の時より経済状況が好転しているのは否定のしようがない。今回から投票できることになった18-19歳も、新卒採用状況の著しい改善を感じ、アベノミクスへの支持は大きかったとみられる。野党の批判はあるが、縮小を続けてきた総賃金はアベノミクスにより拡大し、2002年以来の水準まで回復したのは事実だ。野党は、アベノミクスに代わる経済再生の有効な手段を提示できなかった。具体的な政策の是非ではなく、アベノミクス全般の是非というぼやけた争点になったことは、連立与党には有利に働いた。

英国のEU離脱問題などによるグローバルな景気・マーケットの不安定感は、国民に経済対策の早急な具体化を争点として重要視させただろう。5月のG7で前のめりにグローバルな経済危機のリスクを強調し、景気回復の促進のため財政政策を機動的に使うという、合意を勝ち取った安倍首相の評価も上がった。円高のリスクもアベノミクスを再稼動させなければならないという、国民の危機意識につながったとみられる。

アベノミクスの再稼働・加速へ?

自民党政権公約では、「一億総活躍社会を実現するために、回り始めた経済の好循環を更に加速させ、経済のパイを拡大することが不可欠である。あらゆる政策を総動員して、戦後最大のGDP600兆円(現在503兆円)を目指す。しっかりとした内需を支える大胆な経済対策を実施する。」と明言している。

アベノミクスを再稼動させるための大規模な景気対策は、10兆円程度の規模まで膨らむ可能性も出てきている。景気対策には、野党が批判している国民間と地域間の格差の是正策も含まれるだろう。連立与党はそれをアピールすることで、格差問題が国会で争点となることを防ぐだろう。自民党政権公約では、「経済のパイ拡大の成果を子育て・介護など社会保障分野に分配し、それをさらに成長につなげる成長と分配の好循環を構築する。誰もが、家庭で、地域で、職場で、それぞれの夢や希望をかなえられるよう、より多様性に富んだ豊かで活力ある社会を目指す。」とし、パイの分配にも目配りすることを明言している。公明党が公約に掲げている分配重視の政策も、政権の政策に盛り込まれていくことになろう。

自民公明の政権公約と日銀の存在感

金融政策に過度に依存した結果として行き着いたマイナス金利政策。金融機関だけではなく、国民の間でも評判は芳しくない。今回の政権公約では、金融政策に対する注文、そして2%という具体的な物価目標も無くなっている。2016年のG20、そして日本でのG7では、金融政策への過度な依存への反動で、財政拡大を含めた政策を総動員することで合意した。このグローバルな政策の方向性の変化が、自民党政権公約にも表れている。

イギリスのEU離脱問題などで、グローバルな景気・マーケットの不安定感が続き、FEDの年内の再利上げ観測も遠のいた。ドル・円が100円を下回る円高となるリスクも高まり、企業の値下げのニュースも聞こえ始め、デフレ期待の再燃も危ぶまれている。1月の日銀の追加金融緩和は「リスクの顕現化を未然に防ぐ」ことが目的で、フォワードルッキングに行われたものであるとしている。

緩和当時に想定していた以上に、グローバルな景気・マーケットの不安定感は増している。更に「リスクの顕現化を未然に防ぐ」追加金融緩和が、7月の金融政策決定会合で必要になってきている。政府の景気対策との合わせ技で、アベノミクスを再稼動させる印象をマーケットに与えることも必要になってきている。ただ、日銀よる財政ファイナンス(ヘリコプターマネー)という言葉が一人歩きしているため、政府の景気対策より前に行動することを日銀は望むだろう。

7月の追加緩和見通しは?

7月の金融政策決定会合で、日銀は「2018年度中」へ物価目標の達成時期を更に先送りし、追加金融緩和に踏み切る可能性があると考える。追加緩和の手段としては、マーケットの限界論を払拭するため「量」・「質」・「金利」のすべての手段を使う必要がある。マイナス金利の-0.1%から-0.2%への拡大、及びマネタリーベースの年間約80兆円の増加から約85兆円(ETFの2兆円程度の増額を含む)へ引き上げが考えられる。

貸出支援基金の金利を0%から-0.1%に引き下げることも議論されるだろう。もし今回使われなかった次元があるとすれば、その次元はもう限界に来ているとマーケットで認識されると考えられる。ただ、政府からの金融緩和への期待は縮小し、日銀の手段も限界に来ており、これが日銀ができる最後の追加金融緩和になる可能性が高い。

自民党政権公約では、まだ2020年度の基礎的財政収支の黒字化の財政再建目標が、堅持されている。しかし、2014年の公約の第一項目が「経済再生・財政再建」だったのに対し、今回は「経済再生」となり財政再建の文字が消えた。政府とともに「経済再生なくして財政再建なし」という財政再建より、経済再生を重視するスタンスに明確に転換されている。

金融政策から財政政策へ その柱は地方創生と災害対策

景気対策としては金融政策から、財政政策へ大きく傾斜していくだろう。財政政策の柱となるのは、自民党政権公約で示された「地方創生の実現」と「災害に強い国づくり」。「地方にしごととひとを呼び込み、まちを活性化する総合的な政策を展開する。地方が自主的に取組みを進める政策を応援し、地方が主役の地方創生を実現する。」「大災害に向けた備えに取り組んでいく」と明言している。

地方分権の更なる促進、規制緩和が軸となろう。リニア中央新幹線の大阪への延伸前倒し、整備新幹線の建設推進も含まれるだろう。国土強靭化と社会資本整備の重要性が増し、1995年度の46.7兆円をピークに2015年度にはほぼ半減した公共投資も、底を打って増加を始めるとみられる。国が政府系金融機関を通じて、民間企業に資金を貸し出す財政投融資に関して、政府は政策金融の肥大化を止めるための縮小から、積極的活用への方針転換を既に決めている。

秋の臨時国会での景気対策に、3-5兆円程度の大幅な上積みとして、盛り込まれるだろう。財投の貸出金利も0.1%から0.01%程度に引き下げ、民間の投資を引き出そうとするとみられる。今回の選挙の結果で自民党政権公約の実現への推進力と可能性が増したと考える。

政策対応を精査し、出すべきところに資金を出す

財政政策が緊縮から拡大に転じ、消滅していたアベノミクスの推進力であるネットの資金需要が復活し、それをマネタイズする金融政策の効果も強くなること。それに加え、グローバルな景気・マーケットが安定感を増していけば、アベノミクスのリフレ効果(アベノミクス2.0)が再び強くなるだろう。

政策対応が不十分であれば、マーケットの失望が企業の業況感の悪化を加速させ、アベノミクスのデフレ完全脱却の試みを、失敗に追い込むリスクがかなり高まってしまう。2014年の拙速な消費税率引き上げなどによる財政緊縮により、アベノミクスのモメンタムが失われてしまったことの政府・自民党の反省は強い。増税で社会保障への信頼感が増し、生活不安が解消し景気回復を促進するという「安心効果」が虚構であった、と総括されたとみられる。

一方、市場経済の失敗の是正、教育への投資、生産性の向上や少子化対策、長期的なインフラ整備、防災対策、地方創生、そして貧富の格差の是正と貧困の世代連鎖の防止。これらを目的とした財政支出の増加が必要があると判断されたとみられる。

過度な悲観論ではなく、楽観論からの逆算で政策を

財政の大幅な拡大によりネットの資金需要を復活させることは急務である。明るい未来と夢を感じる財政プロジェクトのアイディアを競う現実主義に、政策の舵は切られたとみる。拙速な財政再建に固執すれば、限界ばかり意識される金融緩和の効果は小さく、アベノミクス1.0の終焉とともにデフレ・長期停滞に逆戻りするリスクが、大きくなってしまうだろう。

次のデフレ・長期停滞は、中間層が没落することによる上下階層の固定化を進める。日本でも深刻な社会不安とポピュリズム台頭に、つながってしまうリスクが大きくなる。景気低迷を放置した財政再建による支出削減は、これらの懸念を現実のものとするリスクを生む。社会保障の世代間負担を会計・制度上で是正したとしても、若年層が明るい未来を描けなくなれば、本末転倒だ。財政問題の議論には、マクロ経済学と社会学としての柔軟性が欠けていた。

今回の参議院選挙の結果は、国民が政策転換と対応を望んでいることを示したと考える。若年層ほど、アベノミクスを推進する連立与党への支持が、大きかったのは注目である。誇張された過度な悲観論から逆算した危機を回避する政策より、楽観論から逆算した明るい未来を作り出す好循環を目指す政策をより求めているのだろう。

争点から消えた憲法改正の今後

安倍首相が悲願とする憲法改正の発議をするには、衆参両院で3分の2の議席が必要となる。発議後、国民投票で過半数の支持を得て、憲法は改正される。連立与党を含んだ改憲支持派が参議院の3分の2を上回った。しかし、連立与党内の公明党は早急な改憲に慎重であり、連立与党外の勢力との意見のすり合わせと協働には、他の不一致の政策がハードルとなり時間がかかるだろう。更に、各種世論調査によれば、国民が選挙後に期待する政策は、社会保障改革と景気対策であり、早急な憲法改正を求める声は小さい。

自民党が単独過半数の圧勝とならなかったのは、改憲阻止を主眼とした野党共闘の影響もある。自民党政権公約でも、「国民合意の上に憲法改正」と抑制気味であり、具体的な記述は参議院選挙制度改革のみだ。選挙後、憲法改正が国会の主要議論になることはないだろう。国民の間で改正の議論が盛り上がり、国会の憲法審査会で改憲の項目が絞り込まれていくことを、辛抱強く待つと考えられる。安倍首相は、強い経済が強い安全保障の源泉であると考えているので、デフレ完全脱却に向けた取り組みを加速させるだろう。名目GDPを600兆円まで引き上げる政府目標が、2021年度前後となっていることとも整合的だ。

安倍首相のシナリオは2021年まで描かれている?

安倍首相の自民党総裁としての任期は2018年9月までだ。現行の自民党の党則では、再選はできない。2020年の東京オリンピックまで首相をつとめるとともに、経済再生後に憲法改正を実現するためには時間がない。

今回の参議院選挙で、自民党は大勝し、補選を除く国政選挙で四連勝となった。それを実現した安倍首相の求心力は、自民党の中で更に強固になった。総意による党則変更で、自民党総裁として再選ができる可能性を高める。そのためには経済政策の著しい成果を挙げ、次の衆議院選挙で大勝する必要がある。

衆議院の解散総選挙は目先は回避し、まずは2018年夏までの間にデフレ完全脱却を成し遂げる。国民の支持が強固になったところを見計らって、経済政策の成果と憲法改正を争点として解散総選挙(衆議院の任期は2018年12月まで)に踏み切るだろう。そこで自民党が大勝した場合、2019年夏の次回の参議院選挙と10月の消費税率再引き上げを安倍首相の下で乗り切る。その名目で、党則が変更され、2021年9月まで総裁の任期を延ばす可能性がある。2019年夏の参議院選挙で改憲勢力が二度目の3分の2を獲得すれば、残りの2年間で憲法改正に踏み切ろうとしようとすると考えれる。

会田卓司(あいだ・たくじ)

ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部 チーフエコノミスト

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意外すぎる!? なぜか成長率が高い5つの国

07.11 16:56 ZUU online

2014年の世界1位はなんとあの国!?

今、最も経済成長率が高い国をご存知だろうか? 本稿執筆時点(2016年4月12日)での最新データである、IMF(国際通貨基金)が昨年10月に発表した2014年の各国の経済成長率を見ると、1位から順に「エチオピア」「トルクメニスタン」「コンゴ民主共和国」「パプアニューギニア」「ミャンマー」と、見慣れない国名が並んでいる。

いったい、なぜこれらの国が成長しているのか、JICAのチーフエコノミスト・広田幸紀氏に解説していただいた。

継続的に成長する国と、瞬間風速に終わる国の違いとは?

経済成長率は継続的に高いかどうかが重要です。2005~14年の10年間の平均を見ると、ここで取り上げた5カ国のうち、トルクメニスタンは世界3位、エチオピアは4位、ミャンマーは10位の高さですから、この3カ国は確かに世界のトップパフォーマーと言えます。パプアニューギニアは27位、コンゴ民主共和国は28位で、まずまず高いといったところでしょうか。

この20年の間に2桁成長を記録した国は76ありますが、主な成長要因によって、(1)紛争終結後などの復興、(2)体制移行、(3)資源、(4)小規模島嶼国、(5)良好な経済運営などそれ以外の要因、に分類できます。

(5)には中国やインドも含まれます。この中では(3)と(5)のグループの平均成長率が高い。また、(1)~(4)の国々はマイナス成長になった期間も相応にあり、資源の恵みや復興需要によらない成長が、変動の少ない安定成長をもたらすことがわかります。

ここで挙げた5カ国では、コンゴ民主共和国は(1)と(3)、トルクメニスタンとパプアニューギニアは(3)、エチオピアは(5)に当てはまります。ミャンマーは、(3)に加えて、近年は民主化や経済改革など(2)や(5)の要素もあります。

IMFは半年に1度経済見通しを公表していますが、次に発表される統計では資源価格の下落の影響がより大きく反映されて、(3)の国々の経済成長見込みが下がることが予想されます。

第1位 エチオピア 10.347%

GDPの42%、雇用の7割強を農業が占め、製造業は発展途上。資源も乏しい。成長を牽引しているのは内需です。需要面では成長要因の半分以上を公共投資が占め、公共投資の対GDP比率は世界トップクラス。

1995年からの外国援助の累計は世界4位で、財政資金に加えて援助を公共投資に回すことで、とくに建設業が伸びている状況です。首都アジスアベバ市内には、昨年、サブサハラアフリカ初のLRT(軽量軌道交通)が開通しました。アフリカ最大規模の水力発電ダムの建設も進められています。

資源に依存していないので資源価格下落ではむしろ恩恵を受けますが、課題は民間投資が少ないこと。低賃金や安い電力を背景に、製造業の誘致に積極的に取り組んでいるところです。すでにトルコによる大型投資事業などが操業しており、日本も、カイゼン活動の普及など、産業育成に協力しています。

第2位 トルクメニスタン 10.322%

経済データが非公開のため、利用可能な統計数値にバラつきが見られる国です。GDPの約半分、輸出の9割、歳入の8割強を天然ガスと原油関連が占めています。資源価格の高騰が追い風になり1999~2008年の10年間と2011~14年の4年間という長期にわたって2桁成長を続けましたが、2015年には資源価格下落の影響を大きく受けました。

現在、天然ガスの輸出先の多様化のため、インドやEUへとつながるパイプライン建設をそれぞれ推進しているとともに、ガス化学や化学肥料、ガス火力による電力輸出など、天然ガスを活用した産業の育成にも注力しています。これらのプラントの建設は日本企業数社も受注しています。

第3位 コンゴ民主共和国 9.170%

長年紛争が続き、2013年にようやく主な反政府勢力であるM23を駆逐したものの、現在も東部では武力紛争が続いています。その東部で産出される鉱物資源が、経済成長を支えています。銅の生産は世界6位、コバルトは世界の約半分を産出している他、ダイヤモンドや金も採れます。国営の鉱山会社6社と、近年では中国やカザフスタンなどの新興国を含む外国企業との合弁などにより、開発が行なわれています。

ただ、世界の銅の半分を消費していた中国の景気が減速しているため、銅の価格は下落しており、2014年初めと2015年末を比べると3割以上も下がっています。そのため、調査機関の中には2016年の経済成長率は5.0%に低下すると予測するところもあるようです。

第4位 パプアニューギニア 8.540%

銅、金、石油、天然ガスなどの資源に恵まれた国です。それにより1人当たり所得は2,232ドルと比較的高く、中所得国に分類されます。

本格的な高成長に入ったのは2007年。資源価格の高騰と資源開発のための建設が要因です。2014年5月には年産690万トンのLNG(液化天然ガス)の輸出が始まり、2015年は通年の生産となるので、高い経済成長率が続きます。輸出先は日本、中国などです。2016年以降は高成長はひと段落しますが、2017年にはさらに大規模な年産800万トンのLNG事業の建設開始も見込まれています。

とはいえ、現在、財政はキャッシュ不足に直面している状態。天然ガス価格下落に加えて、販売収入が借入れの返済などに回されるため直ちには政府の歳入増につながらず、今年2月には公務員給与の支払いの遅れや停止が発生しました。

第5位 ミャンマー 8.456%

新政権が成立したことで注目を集めている国ですが、実は、欧米による経済制裁下の1999年から9年間、2桁成長を遂げていました。中国との貿易拡大もありましたが、隣国タイへの天然ガスの輸出が主な要因です。

現在は、内外からの民間投資が増加していることが成長要因。建設業に加えて通信業、観光業なども伸びています。1989年からの外国投資額累計は、約4分の1を占める中国が1位。タイ、シンガポールが続きます。製造業の受け入れのために経済特区の開発も進めており、昨年9月に開業したティワラ経済特区は日本が官民を挙げて開発したものです。

洪水や中国経済減速の影響で2015年の成長率はやや低下する見込みですが、その後は再び高成長が続くと見られています。

広田幸紀(ひろた・こうき)独立行政法人 国際協力機構(JICA) チーフエコノミスト

1958年、北海道生まれ。経済学博士。旧国際協力銀行ハノイ、ジャカルタ首席駐在員、開発第一部長、JICA東南アジア・大洋州部長、企画部長などを歴任し、2015年より現職。埼玉大学客員教授。(『The 21 online』2016年6月号より)

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自然からパワーをもらう!熊本の一流宿16選

07.11 16:51 ZUU online

今回は、熊本の一流宿を16軒ご紹介します。大自然に包まれた温泉宿から、静寂の中に佇む大人の隠れ宿まで、熊本の魅力を存分に感じることができる宿ばかり。熊本の地のパワーをもらう旅に出かけましょう。

天草 天空の船

九州 > 熊本県

その名の通り、仄明るい藍色の空に浮かぶ天空の船に乗り、デッキから風を感じているかのような解放感を随所で感じることができます。天草の自然を五感で感じるリゾートへ、ようこそ。

山みず木別邸 深山山荘

九州 > 熊本県

どこか懐かしい田園風景が広がり、ゆったりとした時が流れる。そんな場所に、「山みず木別邸 深山山荘」はまるでひとつの里山であるかのように佇みます。懐かしい風景に包まれる、至福の旅に出かけましょう。

黒川温泉 お宿 のし湯

九州 > 熊本県

風が届ける自然のざわめき、鳥のさえづり、爽やかな木もれ日に癒されながら、心安らぐ湯浴みを楽しむ贅沢。ここ黒川温泉で、自然との一体感を味わう、思い思いの温泉ステイをご堪能ください。

源流の宿 帆山亭

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四季折々の変化を五感を使って愉しむ、癒しの時。11種類の個性あふれる離れの客室は、筑後川の心地よいせせらぎに包まれます。ありのままの自然に浸る、心穏やかな滞在を叶えましょう。

はなれの宿 千の森

九州 > 熊本県

雄大な阿蘇山の麓に佇む、一日二組限定の大人の隠れ宿。8000坪の広大な敷地に、優しく肌をなでる爽風が流れます。日常から解放され、身体中にエネルギーが溢れてくるのを感じてください。大自然の中、何もしない優雅な休日を。

ホテル竜宮 天使の梯子

九州 > 熊本県

雲の切れ間から差す光の梯子が天から地へと伸び、まるで天使が上り下りしているかのような光景。そんな「天使の梯子」と呼ばれる幻想的な景観を望むことができるホテルです。大人のプライベート空間をお楽しみください。

旅館 奥の湯

九州 > 熊本県

黒川温泉を流れる田の原川上流の、静かな場所に佇む温泉宿。露天風呂から家族風呂まで、全9種の多彩な湯船が点在しているので、源泉かけ流しの温泉湯巡りをお楽しみください。川のせせらぎと周りの山々が、四季の彩りを添えます。

旅館 山河

九州 > 熊本県

黒川温泉のはずれ、森に佇む“自然”の宿。ありのままの自然に囲まれ、ありのままの自分でいられる滞在をどうぞ。山河ならではの風情をじっくりと味わいましょう。里山の風景が、あなたを待っています。

阿蘇内牧温泉 蘇山郷

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純和風の客室から、温泉風呂付きのデザイナー客室まで、お客様のお好みに合わせてお選びいただけます。阿蘇の自然、大地の湯、やわらかな日差しーー。誰にも邪魔されることのない癒しの旅を、ここ蘇山郷で始めましょう。

阿蘇乃やまぼうし

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大自然が織りなす自然の贅沢を、大切な方と堪能する。自家製の清流米や厳選肉厚の「阿蘇のあか牛」など、阿蘇の魅力がつまった家庭料理をどうぞ。どこか懐かしい風景と、新鮮な空気と水に、旅の疲れも癒されます。

今宵の湯宿 悠然

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わずか8室のみの客室は、温泉露天風呂付きの離れスタイル。肌にトロリとまとわりつく化粧水のような「美肌の湯」が何よりも自慢です。誰にも邪魔されず、ふたりの静かな時間を過ごせる隠れ宿で、特別なひと時を。

清流山水花 あゆの里

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日本三大急流「球磨川」の河畔に佇む宿。対岸には人吉城跡、遠景に南九州の山並が展望できます。お部屋の窓から眺められる、まるで絵画のような美しい自然の絶景をひとり占めしましょう。

ホテル アレグリアガーデンズ天草

九州 > 熊本県

天草の中心に位置する丘の上、美しい天草の海を望むのが、ここ「ホテルアレグリアガーデンズ天草」です。日々の喧騒を忘れさせる開放的なリゾートで、心うるおう休日をお過ごしください。

旅館 藤もと

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豊かな自然に抱かれ、静寂の中に佇む旅館。渓流沿いの魅力溢れる湯船に浸かり、全身を解きほぐしましょう。木々のささやきに誘われて、日常を忘れる旅の時間をお愉しみいただけます。

歴史の宿 御客屋

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江戸末期に創業して以来、長い歴史を刻んできた、黒川温泉一の老舗宿。温泉は約三百年の年月に渡って湧き出る、効能豊かな名湯です。歴史と天然の温泉、お料理、そしてアットホームな笑顔のおもてなしで、あなたを迎えます。

里の湯 和らく

九州 > 熊本県

奥黒川にひっそりと佇む、お二人さま専用の上質な温泉宿。源泉掛け流しの温泉風呂とウッドデッキが魅力のお部屋で、ゆっくりとお寛ぎください。山々の緑や清流のせせらぎが、あなたに安らぎをもたらします。(提供:高級旅館・ホテルの宿泊予約サイトrelux)

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豪ドルの「一時払い変額個人年金保険」はボッタクリ?

07.11 17:23 ZUU online

「もしもし?」

日曜日の夜に電話がかかってきました。よく通っている美容院の店長からです。

「ちょっと相談があるのですが、お時間は大丈夫ですか?」そう話し始めたところーー店長のお母様が、銀行から定期預金が満期になったとの連絡を受け、窓口に呼ばれたそうです。そこで、銀行員から「一時払いの外貨建て変額年金保険」を勧められ、入ってしまったということでした。

「これはヤバイ保険だ!」

その美容院で、髪を切ってもらいながら、保険について話す機会はたくさんありました。ですから、店長も「これはヤバイ保険だ!」とピンときました。で、解約をしたいということで、私に相談の電話をしたわけです。幸い、契約してから6日目なので、クーリングオフが可能です。

クーリングオフは契約日から8日以内です。しかし、ギリギリに手続きをすると何かあったときに困ると思い、「明日にでも解約の手続きをした方がよいでしょう」とアドバイスをしました。「解約の意思を示すことで、手続きは特に問題はないと思います」とお伝えしました。

銀行が儲かる商品は、私たちが損をする商品

契約した保険は、どういう内容ですか? と店長に聞いたところ、オーストラリアドル(豪ドル)の一時払い変額個人年金保険ということでした。

ああっ、やはりという感じですね。

豪ドルの一時払い変額個人年金保険は、銀行で力を入れている主力の保険商品です。なぜ、これが銀行の一押しかというと「銀行が得る手数料」が大きいから。つまり銀行が儲かる商品だからです。しかも、手数料は開示されていません。

これは「ボッタクリ」ではないですか?

豪ドルの一時払い変額個人年金保険は、お金を「定額部分」と「変額部分」の2つに分けたものです。しかし、繰り返しますが銀行が受け取る手数料は開示されていません。この点について、金融庁の森信親長官が『文藝春秋』5月号で言及して話題になりました。

この商品の特徴は「外貨での元本保証」です。つまり、「定額部分」は安定運用でオーストラリア国債を使って1%で運用します。1豪ドル=80円とした場合、80万円を払い込んで1万豪ドルを運用してもらいます。外貨での元本保証なので10年後に1万豪ドルは必ず戻ることが約束されます。それ以外に変額部分で運用した利益を上乗せする……というものです。

問題は銀行が得る手数料です。オーストラリア国債の利回りは年2.5%。それを保険商品では年1.0%で運用します。つまり、1.5%のサヤ抜きです。10年間運用すると15%となります。これを「ボッタクリ」と呼ばずして、なんと呼ぶのでしょう?

15%の分け前を、保険会社と銀行で折半をすると、それぞれ7%ほどの利益になりますね。つまり、80万円の契約をすると、銀行は5万6000円の手数料を得る計算です。

豪ドルの一時払い変額個人年金保険を買うよりも、「オーストラリア国債」を直接買った方が、まったくお得ですよね。森長官がこの事実を契約者に公開しないのを問題視されていましたが、私も同感です。

先週、大手銀行5社が「年明けに保険手数料の開示を自主的に行う」と報じられましたが、今後すべての銀行において手数料が開示され、透明化が徹底されることが求められます。

外貨建て変額年金保険は「コストの塊」

「外貨建て変額年金保険」は、他にも落とし穴がいっぱいあります。この商品は、文字通り「コストの塊」なのです。

私もパンフレットを見ただけでは、良く分からなかったので実際に銀行の窓口に話しを聞きに行きました。

商品によって違いはありますが、まず円を外貨に替えるために手数料がかかります。次に運用期間中も運用管理費、さらに投資信託の信託報酬がかかる場合と含まれている場合があります。いずれにして、ETFのようなインデックスファンドよりは、遥かに高くつきます。

また、受け取るときも外貨から円に替えるのに手数料がかかります。もちろん途中解約をすると、元本を大きく割り込む可能性もあります。これでは保険の機能はありませんが、信託報酬の安い投資信託の方がよほど有利ではないでしょうか。

あなたの資産状況は丸見えになっている?

銀行から良く電話がかかってきませんか。たとえば、定期預金が満期になったときとか、タイミング良く電話がかかってきませんか? 当然です。銀行からは、私たちの預金の情報が丸見えです。いくら残高があるのか、定期預金の満期がいつなのか、すべての情報を把握しています。

マイナス金利の時代で、銀行の稼ぎが減っている今、銀行は手数料の高い商品を売って収益を増やそうとしているのです。ヤバイです!銀行は、あなたのお金を狙っているのです。

翌日、美容院の店長からお電話を頂きました。お母様の保険は、無事にクーリングオフができたそうです。一件落着、めでたしめでたし。しかし、次に狙われているのは、あなたかも知れません。くれぐれもご注意を。

長尾義弘(ながお・よしひろ)

NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

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米英とも海外投資家が高級物件離れ 米国での狙い目は?

07.11 16:43 ZUU online

米国の不動産投資に転機が訪れているようだ。これまで外国の投資家に人気だった高級不動産に代わり、価格帯が低めの中級不動産の需要が伸びている。

投資先もニューヨークやサンフランシスコを含む不動産価格が高騰している土地から、南東部(フロリダ州、ジョージア州、ミシシッピ州など)や中西部(オハイオ州、ミシガン州、アイオワ州など)といった、手ごろな価格で物件が購入可能な土地へと、シフトしていっているという。

主な要因としては、長引いていたドル高のほか、米国で不動産価格が過剰に上昇したことなどが挙げられている。

カナダ人の3倍米物件を買い上げている中国人富裕層

こうした変化が目につき始めたものの、昨年4月から今年の3月にかけて、不動産セールス自体は2009年以来最高の販売を記録しており、1026億ドル(約10兆3143億円)が海外不動産投資家から流れ込んでいることが、全米リアルター協会(NAR)のデータから判明している。

以前の集計と比較すると1.3%の減少が見られるが、取引件数自体は増加傾向にあり、この期間中に21万4885件(2.8%増)が海外投資家の手にわたっている。

この数字の差異は、投資家を含む買い手のの関心が、一等地から二等地へと移行し始めていることを示す。

最大の買い手である中国人投資家の間でも、昨年から不安定な状態が続く中国経済の影響か、やはり若干の買い渋りが見られる。

それにも関わらず、二番手のカナダ人投資家の約3倍(273億ドル/約2兆7445億円)という巨額の不動産購入資金が中国から投じられており、中級物件の価格帯では最高額となる54万2084ドル(約5億4508万円)を支払った中国人投資家もいたそうだ。

近年富裕層が急増している中国では、人口の約380分の1に値する361万人以上が、富裕層に属すると報告されている。

それだけ多くの層が海外投資を楽しめる資産を得たわけだが、アジア圏の物件は非常に割高だ。中国を始め、台湾、シンガポール、香港など、米国に比べて軒並み価格が跳ねあがる。それに加えて物件の規模や選択肢の多さなど、米不動産が中国人投資家を惹きつけてやまない理由がここにある。

また米ドルに対して人民元が弱い状況がここ数年間続いているが、5年前や10年前ほど圧迫されているというわけではない。そのため今後も長期間にわたって、米不動産が中国人投資家を魅了し続けると見られている。

ロンドンの高級住宅地は最高2億円以上の価格下落

「高級不動産離れ」を匂わせる動きは、EU離脱投票前の英国でも見られていた。それまで海外投資家が天井知らずの勢いで買い上げていたロンドンの高級物件の動きが、過去1年間で急激に鈍化したのだ。

原油安、不動産購入に関わる印紙税率の変更、Brexitの可能性などが絡み合い、ノッティングヒルやハムステッドなどの高級住宅価格は、1年間で最高11.8%まで大幅に降下。

ロンドンの不動産会社、Stirling Ackroydが郵便番号ごとで地域を区切って実施した調査では、272個の郵便番号のうち47個の地域の住宅価格に下落が見られ、そのすべてが英国で最も不動産価格が高騰した超高級住宅地だった。

中でもケンジントン・ハイストリートの物件は、2015年第1四半期からの1年間で平均180万ポンド(約2億3443万円)、ノッティングヒルは150万ポンド(約1億9535万円)と、著しく落ちこんだ。

Stirling Ackroydのマネージング・ディレクター、アンドリュー・ブリッジズ氏は、「高級不動産が利益を生み出す時代は終わった」とコメント。ロンドンの不動産バブルのピークが過ぎ、調整期に突入したという見解を示した。

Brexitの影響で不動産投資が凍結に入った気配の濃い英国と、不動産バブルの再来がささやかれている米国では、あまり適切な比較にはならないだろう。しかし高級不動産が低迷期に入り、ゆれ動く不動産市場に何らかの転機が訪れている点は、両国に共通している。(ZUU online 編集部)

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有識者に聞く、今業界に求められるマーケティング視点

07.11 16:58 ZUU online

≪テーマ: 業界の常識にとらわれない、リアルターゲティングとは?≫

今、業界に求められるマーケティング視点

◆今週のゲストコラムニスト◆
ベツダイ 林哲平 取締役 マーケティング事業部長

インバウンドの考え方を基軸にアウトバンドを実行する

雑誌やテレビCMなどの出稿を軸として、不特定多数のユーザーに向けてアプローチするアウトバウンドマーケティング。オウンドメディアやSNSなどを活用し、明確にターゲット設定を行ったユーザーから、主体的に選んでもらうインバウンドマーケティング。最近、どちらの手法が有効なのか、これからの時代の主流は…など、よく議論されているようです。

その背景には、テレビや新聞、雑誌などのマスコミ四媒体広告、いわゆる「4マス広告」が下降傾向にあること、エンターテインメント情報、ゲーム、コミュニケーションなどのオンラインビジネスが存在感を増していることなどがあるようです。

アウトバウンドとインバウンド、どちらもマーケティング活動の一環であることを考えると、両方の要素をバランス良く組み合わせることが重要となります。

そこで私が大切にしている考え方は「イン・アウトバウンドマーケティング」。インバウンドの考え方を軸として、アウトバウンドを実行するイメージです。

エンドユーザーのニーズは、エンターテインメントにあり

インバウンドにおける情報発信のポイントは、どんなコンテンツを用意するかということ。情報過多の時代で、ライバル社や他商品との差別化を図り、エンドユーザーの注目を集めなくてはいけません。そのためには、コンテンツを届けるメーンターゲットを設定する必要があります。では、そのヒントはどこにあるのでしょう。例えば、リフォーム・リノベーションビジネスだからといって、住宅に関する調査データや過去の商品を参考にしながらターゲティングをしていくことは非常に危険です。

なぜなら、そこには「業界の常識」というフィルターが掛けられていて、エンドユーザーの真のニーズが見えないからです。住宅業界という狭い視野にとらわれずに、オンラインで活性化するエンターテインメント=エンドユーザーの価値観が反映される場所に目を向けましょう。

One to Oneマーケティングのアプローチで、映画、音楽、ファッション…時代のトレンドは何かをリサーチし、旬のライフスタイルからエンドユーザーをプロファイリングしていく。そのことが、リアルなターゲティングへとつながり、商品のブランディングや魅力的なコンテンツを促し、反響へと結びつくのです。街の人々に「あなたの好きな住まいのスタイルは?」と質問して、すぐに答えられる人がどれだけいるでしょうか。

住宅業界にとっては「常識」でも、エンドユーザーにとっては馴染みのないことは案外多いのです。そのことに気づかないと、住宅業界の皆さんと、エンドユーザーの価値観は、ますます離れてしまうでしょう。

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7月開催されるリフォーム産業フェアでは、ベツダイ 林哲平 取締役マーケティング事業部長のセミナーを開催する。

タイトルは『これからの住宅検討層をつかむ「共感マーケティング」を軸にした経営・営業戦略の考え方とは』。 講演日は2016年7月13日(水)、15:50~16:40。会場は東京ビッグサイト東1ホール。(提供:リフォーム産業新聞6月21日掲載)

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国交省が"全国空き家バンク"一元化計画、地方移住の促進へ

07.11 17:01 ZUU online

国土交通省は、地方自治体が個別に運営する空き家バンクの情報を一元化する方針を固めた。国土交通相の諮問機関・国土審議会が6月末にまとめた土地政策の報告書に明記されたもので、2017年度予算の概算要求に必要な経費を盛り込み、認められれば新年度から事業に入る。

地方の人口減少により、空き家は今後も増え続けるとみられている。国交省は空き家購入の希望者がインターネット上で条件に合った物件を見つけやすくして民間の不動産ビジネスを拡大させるとともに、地方移住の促進にもつなげたい考えだ。

全国のデータをインターネット上で公開

国土審議会は今後、本格的な人口減少時代の到来に伴い、空き家の増加がさらに進む一方、ビッグデータなどを活用した不動産ビジネスが進展すると予想している。そこで土地政策の新たな方向性として空き家など住宅の創造的な活用を打ち出した。

その具体策として、

・ 空き家バンク登録物件を集約し、全国に情報発信が可能なシステムの整備
・ 行政や住民、不動産業者の団体などを通じ、空き家を地域全体で活用する取り組みの促進
・ 市町村が空き家を計画的に活用するため、所有者と行政、民間事業者の間に介在する組織の枠組み検討
・ クラウドファンディングを通じて資金調達し、空き家や空き店舗を再生、活用する取り組みの推進

--などを挙げた。

国交省はこれを受け、空き家バンクの一元化に取り組む方針を固め、2017年度予算の概算要求に盛り込むことにした。空き家バンクは持ち主に物件の情報を登録してもらい、購入や賃貸の希望者に情報を提供する仕組み。全国自治体の70%近くが開設しているが、大半がその自治体内のデータしか検索できない。

このため、国交省は各自治体の仕様を統一し、空き家の利用を検討している人が希望する地域や条件を入力すると、全国の対象物件を一覧できるシステムを考えている。さらに公的な不動産データの開示を進める意向も持っている。

国交省不動産業課は「国土審議会の報告を受け、事業の予算措置を検討している。空き家の活用は重要な課題だけに、利便性の高いシステムを構築していきたい」と語った。

空き家が全国で急増し、全住宅の13%強に

一元化計画が動きだした背景には、空き家の急増がある。国の住宅・土地統計調査によると、2013年の全国の空き家は820万戸。住宅総数6063万戸に占める空き家の割合は13.5%で、5年前の前回調査に比べ、0.4ポイント上昇している。

住宅総数は5.3%増えた。内訳は居住者がいる住宅の増加率が5.0%だったのに対し、空き家は8.3%増。空き家は1993年から5年間で129万戸増加していたのに比べると、2008年からの5年間は63万戸にとどまっている。ただ、増加幅が小さくなったのは事実だが、依然として急増が続いていることに変わりない。

国内は首都圏など一部を除き、本格的な人口減少時代に入った。だが核家族化や単身世帯の増加などから、人口減少にもかかわらず、世帯数が増加している地域も多い。このため、空き家の増加には一定の歯止めがかかってきた。

しかし、今後さらに人口減少が進むと、空き家が爆発的に増加すると予想されている。自治体にとって空き家の活用は避けて通れない課題に浮上してきたわけだ。

特に、人口減少が深刻で、空き家が多いのが四国地方。4県とも別荘などを除く空き家率が16%台に達し、住宅・土地統計調査の都道府県別ワーストランキングで2~5位に入っている。

徳島県は1月に開設した住宅対策総合支援センターで空き家売買やリフォーム相談を受け付け始めた。自治体の委託で空き家が利用可能か判定する県独自の資格・空き家判定士制度もスタートさせている。

高知県中小建築業協会は県内13市町村と協力して空き家情報を把握、老朽度に応じて色分けした地図を作製する計画。香川県高松市は2016年度の空き家改修費用補助枠を2015年度の5倍に増やした。多くの自治体が既に空き家対策に本腰を入れているわけだが、これ以上空き家が増えると行政の対応が追いつきそうもない。

一元化は移住者受け入れ推進に追い風

空き家の有効活用で期待されているのが移住者の受け入れだ。過疎地域を抱える自治体のほとんどがU、Iターンの促進を総合計画に盛り込み、最重要課題の1つに位置づけている。

徳島県神山町や美波町は古民家を改修して都会のIT企業のサテライトオフィスを誘致した。新潟県十日町市、山形県尾花沢市などではシェアハウス、島根県松江市や京都府綾部市などではカフェがオープンし、地域に活力を与えている。

空き家に対するビジネスチャンスが広がりつつあることは間違いないが、購入や賃貸の希望者はこれまで、個別に不動産業者に紹介を依頼するか、自治体ごとの空き家バンクで地域内の物件を探すしかなかった。

移住の際には、仕事とともに住まいが大きな問題となる。空き家バンクの全国一元化が実現すれば、より簡単に住まいを見つけることができ、移住受け入れの推進にも追い風となりそうだ。

高田泰 政治ジャーナリスト

{この筆者の記事一覧|https://zuuonline.com/archives/author/takadatai}}
関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員として年間企画記事、子供新聞などを担当。2015年に独立し、フリージャーナリストとしてウェブニュースサイトなどで執筆中。マンション管理士としても活動している。

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