Xiaomiの初ドローン 、4Kモデルでもわずか450ドル

05.25 19:57 TechCrunch Japan

中国のスマートフォンメーカー、Xiaomi(小米科技)は今日(米国時間5/25)初のドローンを正式発表し、先週からのティーザーキャンペーンに終りを告げた。その低価格は業界に激しい競争をもたらしそうだ。

他のXiaomi製品と同じく、Mi Droneを実際に作っているのはこの会社ではない。中国拠点の企業、Flymiが開発している。Xiaomiはその強力なブランド力を注ぎ込み、同社チャネルを通じてドローンを販売する。オンラインストアのMi.comでも販売する。

このドローンはライバルと比べてかなり安い。Xiaomiはこれまでにも、高品質のデバイスをAppleやSamsungの何分の一かの値段で売るという評判を得ている。Mi Droneの価格は、1080Pカメラ塔載の入門レベル機種が2499人民元(約380ドル)、4Kカメラ塔載の上位機種が2999人民元(450ドル)だ。これは市場をリードするDJIの4K機、800ドルや他社のドローンよりはるかに安い。

Xiamoiによると、低価格機は同社のアプリMi Homeで、2016年5月26日から「クラウドファンディング」を行い、4Kドローンは7月末からオープンベータプログラムを通じて早期テストを行う。中国以外で販売時期については実現の可否を含めて明らかにされていない。

出典: YouTube

では、ドローン自身を見てみよう。

Mi Droneは、5100 mAhバッテリーの力を得て、1セッションで27分間、3 km範囲を飛行できる。これは、DJIのドローンより5分ほど長い(ただしDJI機にはその時間を伸ばすための巧妙な方法もある)。Mi Droneは4Kビデオを撮影できる360度カメラを塔載し、ハンドヘルドのリモコンにスマートフォンを付けてドローンからのライブフィードを見ることもできる。部品はモジュール化されているようなので、バッテリーを含めて交換可能と思われる。

ドローンの追跡と管理は問題であり、新しいオーナーにとっては特にそうだが、他社と同じく、Mi Droneはバーチャルフェンスを作って、指定区域を越えると離陸した地点の戻ってくることができる。。

Mi Droneを発表したライブストリーム中継は19万5000人が視聴し、XiamiのCEO Lei Junは、これは金持ちの大人だけのものではないと言った。同社はこの注目度(と圧倒的な低価格)を生かしてテクノロジーを民主化し、1000ドル以上を費やす余裕のない人々でもドローンを持てるようにしたいと考えている。

ギャラリー画像出典:Xiaomi forum

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

外部リンク

SnapchatがシリーズFで18億ドル調達、評価額や売上も判明

05.26 22:06 TechCrunch Japan

今週われわれはSnapchatが資金調達中だという記事を書いたが、このメッセージ・スタートアップに関してもっと具体的な数字が判明した。

今日(米国時間5/26)、 証券取引委員会(SEC)に提出された報告書によれば、Snapchatは最新のシリーズFラウンドで18億ドルの資金を調達している。さらにTechCrunchに対して別途提供された同社の取締役会のプレゼン資料によって同社の売上や将来予測に関する情報を得ることができた。

このプレゼン資料によって、ロサンゼルスに本拠を置くSnapchatは2015年の売上が5900万ドルに過ぎなかったものの、巨額の資金調達を進めたことが明らかになった。しかし資金調達に成功した今は、本格的にビジネスを拡大する準備が整ったことになる。

信頼できる情報源がTechCrunchに告げたところによると、18億ドルを調達した最近のシリーズFのうち、11億5800万ドルは1月以降の5ヶ月で順次調達されたものだという。

同情報源によれば、資金を提供した投資家にはGeneral Atlantic、Sequoia Capital、T. Rowe Price、Lone Pine、Glade Brook Capital、IVP、Coatue Management、Fidelityなどが含まれている。

今回SECに提出されたForm D書式では会社評価額を明らかにする必要がない。評価額についてわれわれが聞いた情報は錯綜していた。情報源の説明によると、投資の一部はプレマネー(投資実行前の評価額)で175億ドルだったという。これに18億ドルを加えれば193億ドルとなり、TechCrunchが報じた「ポストマネーで200億ドル」という目標値にきわめて近いことになる。

ただし、この部分についてもわれわれは矛盾した情報をつかんでおり、実際の評価額はもっと低い可能性があった。TechCrunchに記事が出て数時間後にある情報源から接触があり、プレマネーの評価額は180億ドル以下だという数字が告げられた。今回のラウンドのポストマネーの評価額は160億ドルかそれ以下、プラス18億ドルだったという。

異例だが、同時に可能でもあるのは、一部の投資家が異なる会社評価額で出資したというものだ。われわれは大勢の投資家がSnapchat株式を購入するために特別に資金をプールするファンドが組成されたという噂を聞いていた。

同時にSnapchatの資金調達における会社評価額は「動的」、つまり現実に資金が調達される時点での時価総額に基づくということを聞いていた。これは同社の資金調達に多数の投資家が関与し、数ヶ月にわたるところから来たものだろう。つまりシリーズFラウンドというのは、こうした投資をすべて合計した名称ということのようだ。

記憶を呼び起こせば、昨年Snapchatは160億ドルの評価額で6億5000万ドルの資金調達を試みたことが報じられた。SECへ報告書によれば、このうち5億3700万ドルが調達ずみとなっている。Snapchatは残りの額も含めて全額を調達ずみだ。どうやら6億5000万ドルの出資目標額の残り〔1億1300万ドル〕が今回のシリーズFラウンドの最初の部分になったものらしい。

Wall Street Journalは3月の記事で、同社はFidelity(シリーズFラウンドの参加者)からhis round) から160億ドルの評価額で1億7500万ドルを調達したと報じている。この資金調達は今回SEC報告書に記載されたシリーズFラウンドの一部であったようだ〔そのためにFラウンドにおける会社評価額について異なる数字が流れたのだろう〕。【略】

巨額の資金、さらなる成長

Snapchatの会社評価額は〔160億ドルから〕いっこうに伸びていないと批判する意見もあるが、同社自体はそれどころでない成長を遂げている(TechCrunchが200億ドルという会社評価額をあり得ると考えたのもそれが一因だ)。

われわれの情報源はSnapchatに投資を試みたことがあり、同社のプレゼンのスライドをTechCrunchに提供した。この資料にはこれまで公開されたことがない数字が記載されている。

スライドの日付は2015年の末となっている。この時点でのSnapchatの2015年の売上は5900万ドルだった(ただし、同社が収益化をスタートさせたのは2015年の下半期であり、それ以前はまったく収益化を行っていなかったことは記憶しておくべきだろう)。

Snapchatでは2016年の売上を2億5000万ドルから3億5000万ドルの間、2017年は5億ドルから10億ドルの間と予測していた。

プレゼンの資料によれば、こうした数字の上限は現実の売上に基づく推定ではなく、セールス部門の強気の目標数値だったとようだ。別の理由もあって売上予測は多少割引して聞く必要がありそうだ。それはこうした予測が同社が現に収益化の努力を始める前の予測であるという点で、広告やDiscoveなどのプロジェクトを始めるとそれなりのコストがかかることが判明した。

資料はまた2015年12月の1日あたりアクティブ・ユーザー〔DAU〕は1億1000万人だとしている。前年同期が7400万人なので50%弱の成長を遂げたことになる。

もちろん今は2016年の5月であり、現在のDAUの数字は不明だ。しかしSnapchatは最近も目覚ましいスピードで機能を追加しており、ユーザーはテキストだけでなくビデオや音声をさまざまに処理して友達と共有できるようになっていえる。

たとえばke カメラロール中の写真の顔を別の顔と入れ替えたりビデオ中の動く対象にスタンプを貼り付けたりできるようになた。またさまざまな新機能でサービス全体の使い勝手もすっかりアップグレードされた。【略】

Snapchatではサービス内のビデオの視聴は昨年1年で350%増加し、1日あたり100億回となっていると発表している。またユーザーの3分の2は毎日Snapchatの提供する機能を利用してビデオ・コンテンツを作っている。

今回の資金調達に関連して取材した投資家は、こうした精力的な新機能の追加は「この会社のもっとも魅力的な点のひとつだ」と認めた。投資家の1人は「誰にとっても1週間は168時間しかない。 一般ユーザーのインターネット利用を考えると、1人のユーザーが繰り返し使うプロダクトはせいぜい5種類から7種類くらいだ。それ以上使う『帯域幅』はない」と語った。この投資家によれば「Snapchatはすでに一般ユーザーが繰り返し使うプロダクトの一つとしての地位を確立しており、しかもその成長は始まったばかりだ」とした。

この記事の取材にはMatthew Lynleyが協力した。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

外部リンク

Slackが統計を発表、企業向けチャットにユーザー殺到中

05.25 21:02 TechCrunch Japan

毎日Slackにログインしてチャットする人間はたいへんな人数になってきた。

今日(米国時間5/25)、エンタープライズ向けコミュニケーション・プラットフォームのSlackeが公式ブログでいくつかの数字を発表した。

それによるとSlackは現在も成長の速度を緩めておらず、わずか1年で一日あたりアクティブ・ユーザー(DAU)は3倍になり、この8ヶ月だけでも2倍になっている。

・チャット、画像その他のファイル送信、ギフトの送付などのためにSlackを毎日利用するユーザーは300万人
・200万人がサービスを同時に利用

こうした統計はSlackが上向きであることを十分に示している。この数ヶ月メディアでなりを潜めていたのはSlackのエンジニアがユーザー体験の改良に全力を上げていたためらしい。このサービスにはすでに音声とビデオでのチャット機能の追加計画を発表しているが、今月に入ってSlackを利用してサインインする機能も追加された。これはFacebookのユニバーサル・ログインのエンタープライズ版と思えばよいだろう。

Slackはこの4月に2億ドルを調達し、調達総額は5億ドルとなっている。現在の会社評価額は38億ドルだ。今回発表されたユーザー統計は十分にポジティブだ。それでもビジネス・ユーザーが毎日Slackに殺到するスピードを十分に伝えているとはいえないかもしない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

外部リンク

Google、Nexus Playerを静かに終了

05.25 20:29 TechCrunch Japan

Nexus Playerは、誰も買わなかった最高のTVメディアプレーヤーもしれない。GoogleとAsusは、去る2014年11月にNexus Playerを発売した。それは初期Android TVデバイスの一つであり、十二分によくできた製品だった。

しかし、Googleの後押しがあったにもかかわらず、主流製品として成功したとは言えなかった ― Chromecastと比べるとなおのこと。

他のNexus製品と同じく、GoogleはこれでOEMにAndroidプラットフォームで何ができるかを見せたかった。それはAndroid TVの代表的製品だった。ライバルは、Apple TV、Amazon Fire TV、および他のAndroid TVデバイス等だ。

私は数ヵ月間使っていたが、Netflixの番組やYouTubeビデオを見るすばらしい方法であり、スマートフォンのYouTubeアプリからビデオを操作したり、コンテンツを送ることができ。その後私は最新のApple TVに乗り換えた。

しかしこれは、Android TVがなくなるという意味ではない。Googleは今もTV OSのアップデートを続けている。そして、Android TV OSを塔載した新デバイスは次々と発売されている。

SonyのスマートTVでは、Android TVが動いている。Nvidia Shieldは、Android TVにできることの限界に挑戦している。フランスのISP、例えばFreeとBouygues Telecomは、顧客にAndroid TVのセットトップボックスを配っている。そしてXiaomiはごく最近、Mi TVを発表した ― この製品は4K Nexus Playerと同等の機能を持つ。

GoogleはNexus Playerをウェブサイトで売るのをやめたが、小売店には商品を引き上げるように言っていないので、あちこちで商品を見かける。Best BuysやTarget等の店にはまだいくつか残っているかもしれないが、それが最後の出荷分だ。


Via: The Verge



[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

外部リンク

「360度動画のテレビ局を目指す」360Channelがローンチ

05.26 02:30 TechCrunch Japan

360Channelは本日、オリジナルの360度動画の配信サービス「360Channel(サンロクマルチャンネル)」をローンチしたことを発表した。360Channelはコロプラの100%子会社で、VRで視聴できる360度動画に特化したサービスを提供するため昨年11月に設立した。これまで事業内容や提供サービスなどに関する情報開示をあまり行ってこなかったが、今月16日になって360度動画の配信サービスを開始すると発表していた。そして昨日、本日のサービスローンチに先駆け、メディア向け発表会を開催したので、その内容をお伝えしたい。

360Channelは「360度動画のテレビ局」を目指すと同社経営企画の中島健登氏は話す。360Channelでは、オリジナルの360度動画製作と動画配信を行う。360Channelは現在数十名ほどの製作体制で、テレビ番組や広告映像の製作に携わってきたメンバー、そして360度動画を製作するための映像をスティッチする部隊で高品質の動画コンテンツをユーザーに届けると話す。

最初に手がけるのは「バラエティ」「旅行」「ライブ」「パフォーマンス」「体験」「ドキュメンタリー」といったカテゴリーの6チャンネルで、ローンチ時では22のコンテンツが視聴可能だという。1コンテンツの長さは5分から10分程度だ。お笑い芸人のチュートリアルが司会を務めるバラエティー番組やアイドルの音楽ライブ、ANAと協力し製作した機体工場見学などのコンテンツがある。動画の更新頻度に関しては、ユーザーの視聴習慣を促せる頻度で行っていきたいと360Channelは話す。

動画製作には、下の写真にあるGoProのアクションカメラを複数台取付けたVRカメラを使用しているという。

動画コンテンツはPC、スマホ、そしてヘッドマウントディスプレイ(HMD)で視聴可能だ。ローンチ時にはOculus RiftとGear VRに対応している。順次他の機種にも対応予定だという。ユーザーは360Channelにアカウント登録をすることで動画コンテンツをお気に入りに登録することもできる。

Gear VRと360Channelのアプリ

今回、Gear VRとOculus Riftのどちらでもコンテンツを視聴した。Gear VRとOculus Riftの性能に差があるため操作方法が少し違ったり、動画の画質にも少し差があるが、360Channelでできることは基本的には一緒だという。

360Channelの「チャンネル」は、テレビのようにずっとコンテンツを配信しているということではなく、番組名を指しているようだ。見たいチャンネルの中に複数ある録画コンテンツの中から一つを選んで視聴する形だ。360度動画はYouTubeでもFacebookでも平面のものはいくつか見たことがあるが、HMDで見る360度動画は臨場感があり、ありきたりな表現だが本当にその場にいる雰囲気が味わえた。旅行番組では行ったことがない街のお店を見てまわっているような感覚になり、アイドルの番組では実際に話しかけられているようにも感じられた。ドキュメンタリー作品である熊本の震災現場を写した動画では、これまであまり自分ごととして感じていなかった震災がすごく身近に感じられて恐いと思う反面、震災への備えをしたり、危機感を持とうと思えた。

出典: YouTube

360Channelの体験デモ

私は今回初めてHMDで360度動画を視聴したが、操作方法は直感的ですぐに慣れることができ、意外とHMDも軽くて快適だった。動画コンテンツも頭の動きと動画表示の差はさほど感じなかったので、違和感なく楽しむことができた。ただ、自分で動画内を見回すという狭い範囲での動きは可能だが、当然のことだが動画の中で歩くことはできないし、また動画は定点で撮影しているものが多く、動画の中でシーンが切り替わることでしか次の場面に移動することもない。動画の中では、さもその場を歩いて回ったり、興味がある箇所に近寄ったりできそうな感覚なのに、そうできないのはちょっともどかしく感じた。

360Channelでは、今後動きに対応する端末への対応や動画にインタラクティブな要素を加えたり、生中継などのコンテンツも追加したりすることも考えていると話していたので、さらにコンテンツが充実していくことに期待できそうだ。

Gear VRは昨年の12月、Oculus Riftは今年の3月末に一般向けに発売されたことを考えると、まだVRが普及するには時間がかかるかもしれない。今後魅力的なコンテンツが増えるほど、より多くの人がHMDを手に取る機会も増えていくだろう。

外部リンク

手作り作品のマーケットプレイスCreemaが総額11億円を調達

05.25 00:00 TechCrunch Japan

ハンドメイド作品のマーケットプレイス「Creema」を運営するクリーマが総額11億円の資金調達を実施したことを発表した。グロービス・キャピタル・パートナーズをリードインベスターとし、既存株主のKDDI Open Innovation Fund、SMBCベンチャーキャピタル、そしてクリーマ創業者の丸林耕太郎氏が出資している。今回、ファウンダーで代表取締役社長を務める丸林氏に話を聞いた。

Creemaはクリエイターがハンドメイド作品を掲載し、買い手は気に入った商品をサイト上で購入できるC2Cマーケットプレイスだ。作品カテゴリーや素材、モチーフ別に240万点以上の掲載作品からお目当てのものを探したり、気に入った作家をフォローしたりすることができる。アクセサリーや時計などのファッション雑貨が多いが、陶器や家具、アート作品などもある。2016年4月からは食品の取り扱いも始めている。

クリーマ創業者の丸林耕太郎氏

Creemaの理念は「ものづくりを頑張っている人がフェアな評価を受けられるサービスであること」と丸林氏は言う。丸林氏は学生時代、DJや楽曲製作など音楽活動に打ち込んでいたと話す。そこでは音楽やファッション関係のクリエイターとの接点が多くあったが、実力があって努力していても、必ずしもそれが収入や評価に結びつくものではないという状況に違和感を感じたという。丸林氏はセプテーニ・ホールディングスを経て、独立した。新規事業を考える際、数あるアイディアの中からハンドメイド作品のマーケットプレイスに取り組むことに決めたのは、クリエイターの才能や頑張りが正当に評価される環境ができると感じたからだと話す。作品の評価は主観的なもので、見る人によって価値を感じるものは違うだろうが、買い手と作品が直接つながることで、より多くの作品が評価されることになると丸林氏は説明する。

Creemaで掲載している作品の一部

Creemaには現在6万人ほどのクリエイターが登録している。プロのクリエイターやプロを目指す人、ものづくりに熱心に取り組む美大生などが多いそうだ。中には、趣味と副業を兼ねて作品をCreemaに出品していたものの、人気が出て、ものづくりを専業にするために独立した人もいると丸林氏は話す。ハンドメイド作品と言えば低価格だと思われがちだが、Creemaには高額商品も多いそうだ。サービスを開始した当初、インターネットで作品を買う人なんていないと思われていたと丸林氏は言う。しかし、今ではCreemaの作品は安いから購入されているのではなく、良い作品であれば5万円、10万円でも購入につながることが分かってきたと丸林氏は話す。

上記はCreemのバッグ作品の特集だが、5000円の帆布トートバッグから2万円のカゴバッグといった高単価のものも並んでいて、どの作品のデザインも仕立ても良さそうな印象だ。

Creemaは2010年5月にローンチし、2014年6月にはKDDI Open Innovation Fundから1億円を調達した。Creemaはクリエイターの売上高に基づき、8%から12%の成約手数料を得るモデルで運営している。出品自体は無料でできる。Creemaの流通総額は年間450%以上成長し、5年連続の成長を果たしたと丸林氏は説明する。

この成長の理由は、買い手のハンドメイド作品に対する価値観が変わってきていることも影響しているのではないかと丸林氏は話す。例えば時計を買うにしても、ブランド商品より世界に1つしかない作品やクリエイターのこと、あるいは作品のストーリーを知った上で気に入った商品を購入することに価値を感じる人が増えているのではないかという。Creemaでは、買い手がクリエイターに連絡を取ることもでき、作品に関する質問をしたり、オーダーメイドや発注数の相談したりといったコミュニケーションを通じてクリエイターのファン構築にもつながっているという。Creemaでは他にも5000名以上のハンドメイド作家が集まるイベント「HandMade In Japan Fes」を東京ビッグサイトで主催したり、常設ショップ「クリーマストア in ルミネ新宿2」を商業施設内に出店したりなど、リアルの場でも買い手とクリエイターの接点を作る施策を行ってきたという。

今回の資金調達ではマーケティング、開発、採用に力を入れる計画だという。クリエイターを支援する新規事業やサービスの海外展開も視野に入れているそうだ。ハンドメイド作品のC2Cサービスと言えばGMOペパボが展開する「minne」やNASDAQに上場し、日本からも利用できるニューヨーク発の「Etsy」などがある。競合は何社かあるが、丸林氏はこれまでCreemaがクリエイターにとって価値のあるサービスとして確立するためのサービス開発に注力してきたという。今回の資金調達、そしてリピーターからの購入が流通総額の大半を占めるようになったことを機に、今後マーケティング活動を強化してCreemaの経済圏を広げていく計画という。また、Etsyに関しては世界で初めてハンドメイド作品の経済圏を作ったことは尊敬しているとしつつも、C2Cでは買い手とクリエイターのコミュニケーションも重要であり、各地域に密着したサービスが台頭する余地もあると考えていると丸林氏は話す。

外部リンク

チャットSaaSのLayerが約1億円調達して日本・アジア展開

05.25 23:01 TechCrunch Japan

去年TechCrunch Tokyo 2015でもスピーカーとして登壇した「Layer」が、日本のドリームインキュベータから約1億円の資金調達をしたと発表した。日本やアジアで企業ユーザーとの提携を進めて事業展開を加速するという。Layerはチャット・メッセンジャーを実装するためのSDKとバックエンドサービスをSaaSで提供している。Layerは、これ以前にも2014年5月には1450万ドル(約15.9億円)を調達している。

ドリームインキュベータといってもスタートアップ業界の人なら「久しぶりに聞いた名前だ」と思う人もいるだろう。

それはその通りで同社は2000年頃からネット系企業への投資を活発に行っていて過去15年間で投資先の30社ほどが上場した実績があるものの、ライブドアショックなどで投資を一旦停止していた経緯がある。近年は企業や政府機関向けのコンサルティング事業を中心としてきた。最近は再び投資事業を再開していて、日本、アメリカ、東南アジアで1000万円から数億円前半の投資をしているのだという。投資案件数は少なめで、投資先支援を徹底して行うハンズオン投資型だという。今回の投資も、これまで同社が日本の大手企業と築いてきたコネクションを活用して、日本展開を支援していくそうだ。

すでに米大手高級スーパーなどで採用事例

Layerが提供するチャット・メッセンジャーサービスの特徴は既存プラットフォームへの依存が少なく、カスタムした一種のウィジェットのような独自チャット形式をアプリ提供社が開発できること。コマースやコミュニケーション、マーケットプレイスを提供する大企業ユーザーがLayerのターゲット。すでに米国では、例えば大手高級デパートのアプリに組み込まれていて、ファッションアイテムをチャットベースで購入できるようになっている。

チャットの中に自然にアイテムが購買ボタンとともに表示されている例

最近のボット狂騒曲状態からすると、読者の一部はAIによるボットが顧客対応するのかと思うかもしれないが、Layerが提供するのはチャットとノーティフィケーションのレイヤー。そしてチャットの向こうにいるのは、例えば顧客と対話してアイテムを提示したりしながらショッピングを手伝う売り子だ。Facebookなどとの違いは画像のギャラリー表示や選択肢の表示、地図の表示といったモジュールを使って顧客企業が自由にUIを作れること。最近のモダンなWebアプリはAPIから受け取ったJSONをJavaScriptのUIフレームワークでレンダリングしてUIを作る構成が多いが、LayerもJSONでデータを渡して各チャットクライアント側でUIをレンダリングすることができる。

iOS、Androidのネイティブアプリ向けSDKのほかに、UI Kit部分はAtlasという名前でオープンソースプロジェクトとしてGitHub上で公開している。標準のコンポーネントや簡単なカスタマイズは宣言型の定義だけで利用できるほか、用 途に応じてカスタムのパーツ、ウィジェットのようなものを定義することもできるという。例えば企業が持つCRMをつなぎ込むようなこともできる。つまり従来のコールセンター業務をチャットに置き換える場合に、以前の顧客サポート情報などを共有しながらチャットを進めるようなシナリオも簡単に設計できそうだ。

チャットのやり取りはユーザーごとに保持されるので、スタイリストとファッションアイテムについて相談をしたとしたら、それを次回のチャットでも継続できるということになる。面白いのはメールへのフォールバック機能なんかも備えていること。チャットに1時間ほど返答がない場合に、メール本文に「Reply」(返答する)とボタンで書かれたメールを顧客に自動送信したりできるそうだ。

Layer創業者でCEOのロン・パルメリ(Ron Palmeri)氏

ぼくが見せてもらったデモでは、地図で自分の居場所を相手に示して「今から15分ならこの辺にいるよ」と伝えられるものとか、チャットしている人同士でカレンダーの一部をシェアしてアポの日時調整を行うようなカスタムウィジェットが実現できていた。あるアメリカ大手企業の例だと、テーマパークのチケット予約や販売、レビューの表示などにもカスタムのチャットUIパーツを使っているそうだ。

以前からLayer創業者でCEOのロン・パルメリ(Ron Palmeri)氏が主張しているのは、インターネットにおいてWebブラウザが果たしてきた役割を、チャットメッセージUIが置き換えつつあるということ。今後、チャットSDKはインターネットの基本的なビルディングブロックとなっていく可能性がある。「メッセージが届いて、そこからアプリに繋ぎこむという流れが大きくなっています。メッセがアプリに引き込む役割を果たしています」(パルメリ氏)

カスタムのチャットUIの例。左は配達予想時間を表示していて、右はiPhoneの指紋認証によるアップグレードの確認画面をチャットの返答として表示している

ところでチャットとボットは似て非なるもの。チャットはUIのことで、ボットはチャットUI経由でAIが応答する自動応答システム全体もしくはバックエンドを指す。LayerではAIを使った自然言語処理エンジンや応答システム、語彙データベースなどを提供する予定は今のところはないという。もし対話を自動化したかったら、独自に作りこむかWatson APIのような他社のものを使うことになる。今後チャット・ボットのエコシステムがどう発展するのか誰にも分からないが、LayerはチャットUIのレイヤーに特化しているということだ。

すでにFacebookやLINEなど既存プラットフォーマーが次々とAPI開放を進めているが、企業ユーザーがこうしたプラットフォームを使った場合、ユーザー情報ややり取りの内容はプラットフォーマーに持っていかれるし、使えるメディアの種類(写真・動画)や決済手法などはプラットフォーマー依存となる。というところで、LayerのようなチャットUIに特化した「レイヤー」がWebブラウザが果たした役割を果たすことになるのか、ゆくえが興味深いところだ。

外部リンク