「ミリオネアになるのはかなわぬ夢」と思い続けてきた米起業家ジョン・ランプトン氏が様々な富裕層関連の書籍を研究し、周囲のミリオネアを観察した結果、複数の共通点があることが分かった。ランプトン氏 自身はDueというスタートアップの設立者で「Entrepreneur Magazine」による「世界のオンライン・インフルエンサー」第3位に選ばれたこともある。大きな富をゼロから築くには、どのような素質や経験が必要なのだろうか。
子どもの頃から「起業」して稼いでいた
成功者の素質は、子ども時代から現れるという。
6歳で近所の人にガムとコカ・コーラを売り歩いていたウォーレン・バフェット氏、12歳でバスケットシューズを買うお金が欲しくてゴミ袋の訪問販売を始めたマーク・キューバン氏、森で拾い集めたナッツから自宅で育てたにわとりが生んだ卵の販売まで、幅広く商売を営んでいたチャールズ・シュワブ氏など、セルフメイド・ビリオネアは小さな頃から起業のアイデアと行動力に溢れていた。
予想以上の結果を収める努力家
多くの成功者が子ども時代から負けず嫌いの努力家だった。一生懸命努力して、試験やスポーツなど様々なシーンで予想を上回る結果を出してきた。
ミリオネアは決して満足することがない。100万ドルを稼いだら、次は1000万ドル、その次は1億ドルを目指す。上をみて下をみない性質こそが、成功者の素質である。
貯蓄するより稼ぐ方が好き
貯蓄は非常に素晴らしい心がけだが、「増やす」という観点からみると、貯めているだけでは限度がある。
真の富裕層は無駄遣いを厭うが、だからといってひたすら節約しているわけではない。倹約と支出のバランスをとりながら積極的に投資することで、着実にお金を増やしている。
セルフメイド・ミリオネアやセルフメイド・ビリオネアにとっての投資とは、株式や不動産、趣向品からビジネス、子どもの教育まで、非常に幅広いのが特徴だ。
考え方に柔軟性がある
自ら財を築いたお金持ちは「柔らか頭」の持ち主だ。偏見や先入観がなく、新しい思想を躊躇することなく取り入れていく。チャンスはいつ訪れるか予測できない。
「前例がない」「知識や経験がない」「失敗するかも知れない」と怖気づいていては、せっかくのチャンスを逃してしまいかねない。ポジティブな面に目を向け、チャンスを最大限に活かすことが大切だ。
素晴らしい指導者に恵まれている
成功者の多くが、自分の人生にポジティブな影響をあたえたメンター(指導者)の存在を認めている。そのポジティブな影響が、後に大きな成功へと導いてくれたという。メンターは時に親であり、上司であり、友人、同僚、ライバルかも知れない。
「そんな人物にまだ出会っていないがお金持ちになりたい」のであれば、裕福な人々と積極的に交流することをランプトン氏は提案している。実際のお金持ちを触れ合うことで野望が刺激されるだけではなく、その交流を通して、メンターや出資者に出会えるかも知れない。
世界一のお金持ちになったジェフ・ベゾス氏は、「恩恵をもたらさない人々と付き合うには、人生は短すぎる(Brainy Quote)」と、成功へのステップとなる人間関係の重要さを説いている。
楽観主義
物事が思い通りに進まない時、期待通りの結果が得られなかった時、多くの人が自分ではなく周囲を責める。しかしミリオネアやビリオネアを目指すのであれば、不平不満を唱える代わりに、問題を「挑戦」の機会として最大限に活用すべきだ。
ヘッジファンドの帝王の異名をもつレイ・ダリオ氏は、自らの失敗を通して「問題をパズルのようにとらえ、解決すれば報酬がもらえる」とポジティブに対応するスキルを身につけたという。
問題に対し必要以上に悲観的にならず、最悪の状況の中から最高の結果を引きだすように努力する。試練を楽観的に受けとめられるかどうかは、自分の中に眠る「お金持ちになる素質」を見極めるポイントとなる。
世の中の動きに敏感
セルフメイドのお金持ちの朝は、ニュースに目を通すことから始まる。今、世界で起こっているのかを知ることで、社会が何に注目しているのか、これから何が注目されるのかなど、ビジネスや投資に役立つ情報が手に入る。
バフェット氏やビル・ゲイツ氏など、ビリオネアには愛読家が多い。ニュースだけではなく様々な分野の本にも目を通し、常に知識を養うことも大切だ。
周囲からの評価や意見を気にしない
「これをしたら周囲にどう思われるか」を気にかけているようでは、自分の能力を思う存分発揮できない。ミリオネア、ビリオネアは周囲からの評価や意見を気にかけず、我が道を行く精神力が備わっている。
Appleの設立者スティーブ・ジョブズ氏は、「自分にあたえられた時間は限られている。ほかの人の人生のために無駄にしてはならない」という名言を残している。
向上心が旺盛
お金持ちに共通するのは向上心が旺盛な点だ。現状に甘んじることなく、常に高みを目指す。目標やモチベーションを高く掲げ、色んな挑戦を通して知識や経験を吸収していく。
お酒は飲むがタバコは吸わない
「飲酒は社会関係資本を高め、優れた市場成果を上げる」というランプトン氏の調査によると、社交の場でお酒をたしなむ男性はそうでない男性より所得が21%、女性は8%多いそうだ。
喫煙はコストに見合った効果が期待できないため、富裕層に喫煙者は少ないと彼は言っている。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)