「今後10年で成長する職業、消える職業ランキング」 が発表され、最も期待できる職業はアプリ開発者やコンピューター・システム・アナリスト、ナース・プラクティショナーであることなどが分かった。上位はIT関連と医療関連の職業が占めている。
このランキングは米国の金融情報サイト、キップリンガーが、2016年の労働統計局のデータに基づいて、10年後に雇用が拡大している職業と縮小している職業を予想したものだ。
今後10年で成長する職業トップ10
10位 言語聴覚士
9位 パーソナル・ファイナンシャル・アドバイザー
8位 市場調査アナリスト
7位 歯科衛生士
6位 医師助手
5位 医療サービス・マネージャー
4位 理学療法士
3位 ナース・プラクティショナー(特定看護師)
2位 コンピューター・システム・アナリスト
1位 アプリ開発者
今後10年で消える職業ワースト10
10位 印刷製本・仕上げ作業者
9位 訪問販売員
8位 金属・プラスチック・機械操作員
7位 立法者
6位 ゲーム・賭博場の現金出納係
5位 フローラル・デザイナー
4位 ラジオ・TVのアナウンサー
3位 家具仕上げ業者
2位 現像業者
1位 繊維機械労働者
キップリング・エディター「全労働者はロボット化に注意」
首位のアプリ開発者 の求人数は、2016年の時点で約80万件。その半分を占めるシステムソフト開発者の求人は今後10年で16%、ウェブ開発者の求人は21.6%増えると見込まれている。アプリ開発者の全体的な雇用は、平均8.6%増との予想だ。
コンピューター・システム・アナリストの求人も60万件から22%増、実施看護婦の求人は15万件から32.3%増と、いずれもかなりの高ペースで需要が拡大していきそうだ。
対照的に繊維機械労働者や写真の現像業者、家具の仕上げ業者といった職業は、「テクノロジーに代替えされる可能性が極めて高い」とキップリングは見ている。
同社のオンライン・エディター、デヴィッド・ムハルバウム氏はCNBCのTV番組で、「職人による手作業のロボット化がさらに進む」との見解を示した。しかし例えば同じ繊維機械を扱う職業でも、機械を使って繊維を製造する労働員から機械を操作するオペレーターにスキルアップするなど、視点を切り替えることで失業から免れる可能性も生まれる。
ムハルバウム氏は「全ての労働者はロボット化に注意を向けておくべき」と警告すると同時に、これらの人々が新たなスキルを所得するための教育や支援の必要性を強調している。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)