「見たことのない新しい車両」目指す
西武鉄道は2018年10月29日(月)、同社が導入を計画している新型特急車両の形式名を「001系」、愛称を「Laview(ラビュー)」に決めたと発表しました。
西武の新型特急001系「Laview」(画像:西武鉄道)。
001系「Laview」は、西武が「いままでに見たことのない新しい車両」の実現を目指して開発した特急電車です。基本デザインは建築家の妹島和世さんが監修。車内のテキスタイル(布地)はデザイナーの安東陽子さん、照明デザインは照明家の豊久将三さんがそれぞれ担当しました。妹島さんはJR日立駅(茨城県日立市)の橋上駅舎と自由通路で第12回ブルネル賞駅舎部門の優秀賞を受賞しています。
西武によると先頭形状は球面で、前面ガラスは国内初という曲線半径1500mmの三次元曲面ガラスを採用。塗装仕様のアルミ車体とすることで「都市や自然のなかでやわらかく風景に溶け込むデザイン」の実現を目指したといいます。
「Laview」ロゴ(画像:西武鉄道)。
「Laview」外観(画像:西武鉄道)。
「Laview」外観(画像:西武鉄道)。
客室は大型の窓と白い壁、黄色い座席を採用。座席は客の体を包み込むソファのようなデザインでまとめたといいます。天井には間接照明が設けられました。トイレは西武の鉄道車両としては初めて女性専用トイレを設置。このほか、編成中の全ての車両にWi-Fiを導入し、各席には電源コンセントも設けられました。
背面テーブル(画像:西武鉄道)。
インアームテーブル(画像:西武鉄道)。
電源コンセント(画像:西武鉄道)。
西武が10月29日に東京プリンスホテル(東京都港区)で行った記者発表によると、形式名は「次の100年に向けた出発点である車両」であることを表現するため、100年を逆から表して「001」表記とし、「00」には「無限」の可能性の意味も込めたとしています。
愛称の「Laview」は、「L」が「贅沢(Luxury)なリビング(Living)のような空間」、「a」が「矢(arrow)のような速達性」、「view」が「大きな窓から移りゆく眺望(view)」という思いを込めたといいます。
ビジョン(画像:西武鉄道)。
トイレ(画像:西武鉄道)。
パウダールーム(画像:西武鉄道)。
001系「Laview」は日立製作所が56両(8両×7編成)を製造する計画で、最初に完成した編成が10月28日(日)、西武線に搬入されました。2018年度は16両が製作され、2019年度に残り40両が製作される予定です。
運行開始時期は2019年3月の予定。池袋線・西武秩父線の池袋~西武秩父間の特急「ちちぶ号」「むさし号」で運転されます。これにより現在の10000系特急形電車「ニューレッドアロー(NRA)」は001系「Laview}に順次置き換えられます。
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