羽田~ニューヨーク便の機内食サービスで勝負
ANA(全日空)が2017年12月8日(金)、同社のCA(客室乗務員)を対象とした接客スキルコンテスト「OMOTENASHIの達人」を開催しました。もてなしの心を体現するCAの接客スキルを組織全体で共有し、サービス品質を向上させることなどを目的としたイベントです。
2チームによって競われた「チーム部門」コンテストの様子(2017年12月8日、乗りものニュース編集部撮影)。
今回が5回目。「お客様視点のサービスや姿勢」「グローバルカスタマーとのコミュニケーション」「ユニバーサルサービスの実践」をテーマに、コンテストは「チーム部門」と「個人部門」にわけて行われました。
「チーム部門」は4人ひと組20チームで競われた予選会を勝ち抜いた2チーム、乗務第8課の「こめざんまい」と第2課の「ニコニコ E-girls」が、「ANA羽田~ニューヨーク線110便のビジネスクラスにおける食事や飲み物の提供」というシチュエーションで実演を通し、接客スキルや会話力、チーム力などを披露しました。乗客に扮したANAのスタッフが、食事やドリンクに関する質問、オーダーなどを投げかけると、両チームの参加者たちは日ごろ鍛えた接客スキルで対応。料理に合うドリンクを乗客にすすめたり、トリビアを披露したり、乗客とのコミュニケーションに真剣に取り組みつつ、客席とギャレー(機内調理室)を行き来していました。
8000人から選ばれたCAがスキルを競った「個人部門」のコンテストの様子(2017年12月8日、乗りものニュース編集部撮影)。
接客スキルは、両チームにひとりずつ付いたインストラクターと乗客役3人によって審査。サービスを体験した乗客役のひとりは「飛行機の上であることを忘れるくらい、料理が本格的。接客も対象に寄り添っており、緊張している乗客にはそれをほぐすように、搭乗になれた乗客にはフレンドリーに接していて、『ハレの空間』であることを感じさせないぐらいの心地よさを提供していました」と感想を述べました。
「サービスには終わりがありません」
「チーム部門」のコンテスト終了後、会場を移して「個人部門」のコンテストが開始。ANA約8000人のCAのなかから投票で選ばれた「フレッシャーズ(2014年以降に入社)」4人、「エキスパティーズ(2013年以前に入社)」4人が国内線・国際線のさまざまなシチュエーションのなかで、老夫婦や子連れ夫婦、ビジネスパーソン、外国人などの乗客に扮した社員への応対を通し、その内容を競いました。「個人部門」では「チーム部門」と比べて、「印象面」に重きを置いた審査が行われました。
左から「フレッシャーズ」優勝の小林さん、「こめざんまい」の井上さん、坂井さん、浅野さん、八尾さん、「エキスパティーズ」優勝の貝塚さん(2017年12月8日、乗りものニュース編集部撮影)。
「チーム部門」は「こめざんまい」が「ニコニコ E-girls」を下し優勝。「個人部門」の「フレッシャーズ」は、子連れ夫婦にミルクを提供したり、外国人客に日本のコスメ情報を提供していた乗務第2課の小林めぐみさん(2014年度入社)、「エキスパティーズ」は、妊婦の乗客に自身の子育て体験を交えながら対応したり、酒蔵経営者の乗客にロンドンの日本酒情報を提供していた乗務第1課の貝塚薫さん(1987年度入社)がそれぞれ頂点に立ちました。
コンテスト出場者に進呈されるピンバッチ(2017年12月8日、乗りものニュース編集部撮影)。
「こめざんまい」チームは井上衿菜さん、坂井桂子さん、浅野杏奈さん、八尾はるみさんの4人で、その最年少メンバーである井上さん(2014年度入社)は表彰式で、「サービスには終わりがありません。先輩方の良いところを吸収しながら、ANAファンを作っていきたいです」と受賞の喜びを語りました。
「個人部門」の「フレッシャーズ」で優勝した小林さんは、「私は小さいころから得意分野がなく、『1位』に縁遠かったので驚いています。どんなにおいしい食事を提供しても、最終的にお客さまが『もう一度ANAに乗ってみよう』と思うのは、人と人とのつながりや会話だと思っておりますので、これからも日々精進していきたいです」と喜びをにじませました。
「エキスパティーズ」で優勝した貝塚さんは、「(ANAには)色々なCAがいて、それぞれ良いところを持っています。色々なCAがいると、色々なお客様の満足度を上げることができます」と今後の展望を語りました。
伊東 裕取締役執行役員は「何よりも素晴らしかったのは、皆さんが自然体でおもてなしをしているのが伝わってきたこと。皆さんの心の中にあるANAの『DNA』が出ていたのでしょう」と総評を述べました。