客車部分はスイスの会社が製造
南海電鉄は2018年6月6日(水)、高野山ケーブル(鋼索線)に導入する新造車両のデザインを発表しました。
1号車のイメージ。車体の朱とラインの白で寺社仏閣をイメージさせるとともに、現行のケーブルカーや特急「こうや」の配色を継承する(画像:南海電鉄)。
コンセプトは「期待感」「癒し・調和」「安全・安心」です。客車部分の製造は、スイスのキャビンメーカー、CWA社が手掛け、車体はヨーロッパ風の流線形に。南海電鉄によると、外装のコンセプトカラーは高野山・壇上伽藍の根本大塔を想起させる朱色を採用し、「和洋折衷」のデザインとします。また、同様に朱色を採用している特急「こうや」や観光列車「天空」などとともに、高野山への旅の期待感を醸成するといいます。
従来車両よりも大きな窓を採用し、眺望性を向上。前面は曲面ガラスを採用し、斜面を自らが実際に上り下りしているような臨場感を味わえるといいます。
乗降用扉の開口部拡大 座席は折り畳み式に
内装は全体に木目調の装飾を施し、「和」を基調としたデザインに。照明は調光式LEDを用いた間接照明を採用します。床面は滑りにくい材質を使用。車いすスペースを新設するとともに電動車いすの乗降も対応するよう、乗降用扉の開口部は750mmから900mmへと広がります。座席は折り畳み式とし、混雑時は座席を収納。大きな荷物を持った人も余裕をもって利用できるスペースを確保します。
2号車のイメージ。車体の朱とラインのオレンジでを組み合わせ、高野山の緑に溶け込む「調和」のとれた色彩にするという(画像:南海電鉄)。
全体に木目調の装飾を施した内装のイメージ(画像:南海電鉄)。
車両寸法は、長さ約14m×幅約3m×高さ約3.3m。定員は181人の予定です。日本ケーブルが製造(客車部分はCWA社)。2019年3月初旬に2両×2編成を導入する計画です。
現在、高野山ケーブルは、1964(昭和39)年導入のコ11形+コ21形と、コ12形+コ22形の2両×2編成(計4両)を使用中。高野山駅に設けられた巻上機によって、直径50mmのロープにつながれた車両がつるべ式で上下しています。
なお、今回の車両更新に伴い、2018年11月26日(月)から2019年2月下旬までの期間は巻き上げ機など諸設備の工事によりケーブルカーは運休し、バスによる代行輸送が行われる予定です。