北陸は1兆4100億円、長崎は6200億円に
2018年11月28日(水)、与党の整備新幹線建設促進プロジェクトチーム(PT)が都内でヒアリングを実施。建設費が当初の想定より約3500億円膨らむことについて議論が交わされました。
長崎新幹線はフリーゲージトレインの導入が検討されていたが、2018年7月に正式に断念。武雄温泉での対面乗換方式に変更された。写真は試験車両(2014年11月、恵 知仁撮影)。
北陸新幹線(金沢~敦賀)は、想定より2260億円多い1兆4100億円、九州新幹線・西九州ルート(長崎新幹線、武雄温泉~長崎)は1200億円多い6200億円に達する見通しです。
新幹線の建設費は、JRが負担する貸付料(新幹線の施設使用料)の残りを国と沿線自治体が2対1の割合で支払うことになっています。貸付料は、JRの経営成績などにかかわらず、受益の程度を勘案して算定することとされています。
長崎新幹線の営業主体となるJR九州は、武雄温泉駅(佐賀県武雄市)での対面乗換方式(在来線から新幹線へ同じホームで乗り換える方式)について、時間短縮効果が限定的であり、さらに乗り換え回数も増えることから、これが長期化・固定化することは経営上大きな問題になると指摘。また、膨らむ建設費に応じて貸付料を引き上げることは、整備新幹線の基本的な枠組みから大幅に逸脱するとして受け入れられるものではないと主張しました。
同社は2022年度の開業に向けて、新幹線車両の投資や運営要員の養成などに着手していることから、予定通り確実に開業を迎えられるよう、安定的かつ十分な建設財源の確保について要請。また、全線フル規格による整備が最大限の効果を発揮するとしたうえで、長崎新幹線の今後の整備のあり方についても早急に検討してもらいたい考えを示しました。
会議には、新幹線沿線自治体の幹部とJR西日本の来島達夫社長、JR九州の前田勇人取締役らが出席。PT座長の岸田文雄議員、稲田朋美議員をはじめとする国会議員が、ヒアリングを行いました。PTは12月上旬に再度、会合を開く予定です。
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