高架下には新しい商業施設「肥後よかモン市場」
地上にあった熊本駅の在来線ホームが、すべて高架橋のホームに切り替わりました。JR九州は2018年3月16日(金)の深夜、一部の列車を運休して切替工事を実施。3月17日(土)の早朝から、すべての列車が高架ホームを発着するようになっています。
熊本駅の高架ホームで行われた「熊本駅全線高架開業記念式典出発式」(2018年3月17日、草町義和撮影)。
この高架化は、熊本県が中心となって進めている「JR鹿児島本線・豊肥本線連続立体交差事業」の一環。上熊本駅と熊本駅を含む合計約7kmの在来線の線路を高架化し、合計15か所の踏切を解消して道路混雑の緩和や地域分断の解消を目指します。
熊本駅では2015年3月、鹿児島本線の上り線が地上から高架線に切り替えられ、高架ホームの4~6番線が設置されました。今回の切替工事は、残る鹿児島本線の下り線と豊肥本線の線路を地上から高架に切り替えるもの。地上の0番線(A・Bホーム)と1番線、2番線の各ホームが2018年3月16日(金)の深夜をもって閉鎖され、3月17日(土)のダイヤ改正にあわせて高架ホーム1~3番線の使用が始まりました。
このほか、高架下には観光案内所と新しい商業施設「肥後よかモン市場」も在来線の全面高架化にあわせてオープン。土産物店や飲食店、コンビニエンスストアなど60店舗が入居しています。
お城側の白川口は旧駅舎を撤去 駅ビルや商業施設などを開発
JR九州と熊本県は3月17日(土)の早朝、高架化の全面完成後としては初の営業列車となる、豊肥本線の肥後大津行き普通列車(5時24分発)で出発式を開催。熊本駅の持月裕如駅長と熊本県の蒲島郁夫知事、熊本市の大西一史市長、そして熊本県の公式キャラクター「くまモン」が出席し、出発合図を行いました。
今後撤去される白川口の駅舎(2018年3月17日、草町義和撮影)。
線路の高架化が完了したのに伴い、今後は駅の東側(白川口)にある旧駅舎を撤去。白川口の南側には地上12階、地下1階建ての駅ビルが2021年春のオープンを目指して建設される予定です。
このほか、白川口の北側にも商業施設が整備される見込みです。JR九州の田中龍治専務取締役は、式典後の記者会見で「駅を出て左側(北側)にも用地がありますので、その辺りにも商業施設を含めて開発していきます」と話し、具体化に向けた検討を進めていく考えを示しました。