人気の駅弁も「みそ」
「愛知の味」といえば、存在感を持つのが「みそ」です。駅弁でもそのようで、製造・販売するジェイアール東海パッセンジャーズによると、「名古屋めし」に対する注目もあってか、同社の名古屋地区における人気(販売数)ナンバーワンは「みそかつ弁当」(880円)とのこと。ちなみに、2位はみそカツや天むす、えびフライなどが入った「なごや満載」(1050円)、3位は「みそかつ&大えびフライ弁当」(980円)で、「名古屋めし」強し、です。
「みそ」系の駅弁が強い名古屋駅(恵 知仁撮影)。
そうしたなか2018年8月末、新たな切り口の「愛知の味」駅弁「醸(かもす)幕之内」(1100円)、「醸(かもす)鶏重」(900円)が登場しました。
2018年10月から12月まで、大型観光キャンペーン「愛知デスティネーションキャンペーン(愛知DC)」がJRグループなどにより開催されます。そこで、「あまり知られていない愛知のもの」を駅弁にし、より「愛知」を知ってもらおう、ということでジェイアール東海パッセンジャーズが開発したもので、ポイントは名前の通り「醸造」です。
愛知県は「醸造」が食文化に深く根ざしているそうで、お酢などで知られるミツカンは愛知県半田市に本社がある企業。愛知県はしょうゆの出荷額が全国3位(2017年。しょうゆ情報センターの資料より)で、「たまりじょうゆ」が特に名産。そしておなじみ「みそ」も、醸造でつくられます。
このミツカンの酢、イチビキ株式会社(名古屋市)のたまり醤油、「カクキュー」の商標で知られる合資会社八丁味噌(愛知県岡崎市)の豆みそを使い、「みそ」にとどまらない「愛知の醸造」に焦点をあてて登場したのが、新駅弁「醸(かもす)幕之内」「醸(かもす)鶏重」というわけです。
「醸造」の駅弁とは? 見た目のイメージとは異なるところも
あまり知られていない「愛知の味」に注目して登場した、愛知DC記念駅弁「醸(かもす)幕之内」と「醸(かもす)鶏重」。詳細は以下の通りです。
「醸(かもす)幕之内」
駅弁「醸(かもす)幕之内」(画像:ジェイアール東海パッセンジャーズ)。
たまり醤油、豆みそ、酢などの醸造調味料を使い、さまざまな食材を盛り合わせた幕の内弁当。内容は、名古屋コーチンと牛蒡のたまり飯、鶏とうずら卵の豆みそ風味、キャベツの酢の物など。
販売箇所:名古屋駅、リニア・鉄道館のジェイアール東海パッセンジャーズ売店、東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」車内販売
「醸(かもす)鶏重」
駅弁「醸(かもす)鶏重」(画像:ジェイアール東海パッセンジャーズ)。
たまり醤油の香りご飯の上に、愛知県産のノリ、豆みそのタレを塗った鶏の照り焼き。朝倉山椒の小袋が付属し、ふりかければ爽やかな風味も。
販売箇所:名古屋駅、リニア・鉄道館のジェイアール東海パッセンジャーズ売店
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たまり醤油は、見た目は黒っぽくなるものの、塩分は濃口しょうゆに比べて少なめで、大豆のうまみ成分が多いそうです。
愛知DC記念駅弁の開発は、部署を横断したチームをつくり、行われた(画像:ジェイアール東海パッセンジャーズ)。
また、豆みそと麺の組み合わせも考え、実際につくってみたところ、美味しかったものの、駅弁としては麺がのびてしまうため却下になった例もあったといいます。
これら「醸造」をテーマにしたふたつの愛知DC記念駅弁は、2018年12月中旬まで販売の予定です。
ちなみにこの9月27日(木)には、ジェイアール東海パッセンジャーズより特製味噌ソースがついた「こだわりのみそ唐揚げ弁当」が新たに登場。「名古屋めし」の味、いま駅弁でますます充実してきています。
【写真】名古屋地区で人気ナンバーワンの駅弁
ジェイアール東海パッセンジャーズが販売する駅弁で名古屋地区ナンバーワンの人気を誇る「みそかつ弁当」。値段は880円(画像:ジェイアール東海パッセンジャーズ)。
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