新富町と築地、人形町と水天宮前は正式な乗り換え駅に
駅名は鉄道会社によってさまざま。乗り換え駅として案内される駅どうしで名前が異なる場合もあります。
改札を出て乗り換える場合、運賃は余分にかかる場合があるため留意。写真はイメージ(画像:写真AC)。
一方、名前が異なり、かつ乗り換え駅として案内されていない駅どうしでも、実は近くにあって乗り換えやすいというケースがあります。いったん駅を出るため、運賃が余分にかかってしまうこともあれば、逆にルートを短縮できて結果的に安くなる場合もあります。
そのような駅の組み合わせは、東京23区内では次のような例があります。なお、同じ駅に複数の路線が乗り入れている場合、原則として最も近い路線の駅どうしの組み合わせを掲載しています。
東京メトロ有楽町線「新富町駅」/同・日比谷線「築地駅」 両駅の距離は最寄りの出入口どうしで約150m程度です。なお有楽町線と日比谷線は、それぞれ有楽町駅と日比谷駅が乗り換え駅に指定されています。
東京メトロ日比谷線「人形町駅」/同・半蔵門線「水天宮前駅」 両駅の距離は最寄りの出入口どうしで約200mです。2017年6月現在、日比谷線と半蔵門線の乗り換え駅はありませんが、東京メトロは新富町駅と築地駅、人形町駅と水天宮前駅を、いずれも2017年度中に正式な乗り換え駅とする予定です。「運賃計算やご案内方法などの詳細は決まっていませんが、実際に乗り換えている方も多いことから、正式な乗り換え駅とすることで利便性を高めます」(東京メトロ)といいます。
東京メトロ有楽町線「桜田門駅」/同・丸ノ内線、日比谷線「霞ケ関駅」 最寄りの出入口どうしの距離はおよそ250m。有楽町線と丸ノ内線はそれぞれ永田町駅、赤坂見附駅のあいだで乗り換えが可能ですが、半蔵門線ホームや連絡通路を経由して500mほど歩きます。そのため、桜田門駅と霞ケ関駅のほうが短距離で乗り換えられる場合があります。
新富町駅と築地駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
人形町駅と水天宮前駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
桜田門駅と霞ケ関駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
東京メトロ千代田線「湯島駅」/同・銀座線「上野広小路駅」、都営大江戸線「上野御徒町駅」 最寄りの出入口どうしの距離はおよそ250m。千代田線と大江戸線は正式な乗り換え駅がありませんが、この湯島駅と上野御徒町駅のほか、乃木坂駅と六本木駅のあいだも450mほどで、比較的近い距離です。
都営三田線「芝公園駅」/同・大江戸線「赤羽橋駅」 三田線と大江戸線は文京区の春日駅付近、港区の芝公園駅付近の南北2か所で交わっていますが、南側の交点にあたる芝公園駅付近には大江戸線の駅がありません。たとえば三田線の芝公園駅から大江戸線の六本木駅方面に向かう場合、芝公園駅の次の三田駅で浅草線に乗り換え、次の大門駅でさらに大江戸線に乗り換えて行くこともできますが、芝公園駅と赤羽橋駅とのあいだ約450mを歩けば、それをショートカットできます。なお、芝公園駅と大門駅のあいだは600mほどです。
湯島駅と上野広小路駅、上野御徒町駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
芝公園駅と赤羽橋駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
日本橋駅と茅場町駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
都営浅草線「日本橋駅」/東京メトロ東西線「茅場町駅」 両駅のあいだは、150mほどの地下通路でつながっています。日本橋駅は都営浅草線、東西線、銀座線の乗り換え駅ですが、この地下通路を使えば、たとえば浅草線から茅場町に向かう場合、東西線に乗り換えるよりも早く着くことがあります。
地下鉄とJR、私鉄との意外な乗り換えポイントも
ここまで地下鉄の駅どうしを挙げましたが、地下鉄とJR、あるいは地下鉄と私鉄の乗り換えポイントもあります。
東京メトロ日比谷線「小伝馬町駅」/JR総武快速線「新日本橋駅」「馬喰町駅」 小伝馬町駅は新日本橋駅と馬喰町駅のちょうど中間に位置しており、いずれの駅へも350mほどの距離です。
都営三田線「大手町駅」「日比谷駅」、東京メトロ千代田線「二重橋前駅」/JR各線「東京駅」 東西線では大手町駅とJR東京駅の乗り換えが案内されますが、それが行われない三田線の大手町駅も、東京駅の比較的近くに位置しています。千代田線の二重橋前駅はさらに近く、両駅と東京駅とは300mから400mほどの距離です。また三田線の場合、東京駅に乗り入れるJR各線のなかでも大きく離れた位置にある京葉線に乗り換えるときは、日比谷駅を使うと便利です。
都営三田線「内幸町駅」/JR・東京メトロ銀座線「新橋駅」 両駅のあいだは250mほどです。
小伝馬町と新日本橋駅、馬喰町駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
大手町駅と東京駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
内幸町駅と新橋駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
都営大江戸線「国立競技場駅」/JR中央本線「千駄ケ谷駅」 両線は隣の代々木駅が乗り換え駅ですが、国立競技場駅も千駄ケ谷駅に近く、国立競技場駅のA5出口は千駄ケ谷駅前にあります。
都営三田線「新板橋駅」/JR埼京線「板橋駅」 両駅のあいだは350mほどです。車内放送などの乗り換え案内は三田線でのみ行われています。ちなみに東武東上線の下板橋駅も、JR板橋駅から500mほど(改札どうしの距離)のところにあります。
東京メトロ副都心線「新宿三丁目駅」/JR各線「新宿駅」 丸ノ内線、都営新宿線が接続する新宿三丁目駅のなかでも、副都心線の駅は最もJR新宿駅に近い場所に位置しています。北参道駅寄りのE8出口を出ると目の前にデパートの新宿高島屋があり、その2階からJR新宿駅の新南改札に直結しています。
国立競技場駅と千駄ケ谷駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
新板橋駅と板橋駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
新宿三丁目駅と新宿駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
東京メトロ銀座線「田原町駅」/つくばエクスプレス「浅草駅」 つくばエクスプレスの浅草駅は、東武線や銀座線、都営浅草線の浅草駅とは500mから600mほど離れており、むしろ銀座線でひと駅上野寄りの田原町駅が最も近い位置にあります。距離は300mほどです。
田原町駅と浅草駅周辺の地図(国土地理院の地図を加工)。
このように、名前が違う駅どうしで、本来は乗り換え駅ではなくても実は乗り換えやすいという駅が多数存在します。ふだん利用する路線だけでも、そのような駅を覚えておくと、より効率的な移動ができるかもしれません。
【図】名前が違っても…正式な乗り換え駅
永田町駅と赤坂見附駅、国会議事堂前駅と溜池山王駅などは、名前が異なっても乗り換え駅に指定されている(画像:東京都交通局)。