復元は2020年冬予定
東武鉄道は2018年11月8日(木)、日本鉄道保存協会が静態保存していたC11形蒸気機関車の、動態保存を目的とした復元に着手すると発表しました。
雄別炭礦鉄道時代の復元予定機(画像:東武鉄道[石川一造撮影、名取紀之提供])。
同社はJR北海道からC11形蒸気機関車207号機を借り受けて、2017年8月から「SL大樹」として鬼怒川線で運行しています。今回さらに東武鉄道は、東武博物館が日本鉄道保存協会から譲り受けたC11形の復元に挑戦し、日常の保守のみならず、SL全般の技術力を磨き上げていくと説明。蒸気機関車を動態保存用として復元するのは大手私鉄として初めてといいます。
復元予定の機関車(C111)は、1947(昭和22)年に日本車輛製造が製造。江若(こうじゃく)鉄道(滋賀県)で「ひえい」として使われた後、1957(昭和32)年から雄別炭礦(たんこう)鉄道(北海道)で、1970(昭和45)年から釧路開発埠頭(同)で使われ、1975(昭和50)年に廃車となった後は静態保存されていました。
復元は東武鉄道の南栗橋SL検修庫(埼玉県久喜市)で進められます。作業は2020年冬に完了する計画です。復元後は現行の207号機と2機体制になることから、東武鉄道は、「現行機の長期検査時などの際には、復元予定機を運転することで、日光・鬼怒川エリアでの年間を通してのSL安定運転が可能となるほか、他線区でのイベント運転等も検討可能となります」としています。
【写真】「SL大樹」のC11形207号機
2017年8月から「SL大樹」として使用されているC11形蒸気機関車207号機。写真は下今市機関区開設式のときの様子(2017年5月2日、恵 知仁撮影)。
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