4人乗りの「空飛ぶタクシー」 料金は…?
航空機大手エアバス傘下のエアバス・ヘリコプターズが、開発中のVTOL(垂直離着陸)機「シティーエアバス(CityAirbus)」について、2018年にもテスト飛行を行います。
都市上空を飛行する「シティーエアバス」のイメージ(画像:エアバス)。
「シティーエアバス」は4つのプロペラを搭載したバッテリー駆動の機体で、旅客を乗せて自律飛行が可能。このことから「空飛ぶタクシー」などといわれています。開発の背景とサービスのイメージをエアバス・ヘリコプターズに聞きました。
——「シティーエアバス」はどのような目的で開発するのでしょうか?
大都市において、空港から市街地への旅客輸送などを想定して開発しています。大都市では渋滞の問題が、今後さらに深刻化すると考えられます。そこでわたしたちは、環境にやさしいVTOL機で大都市に新しい移動手段を提供します。
——サービスは、広く一般に向けたものなのでしょうか? 利用料金のイメージなどはありますか?
主に通常のタクシーに乗る利用客をターゲットとしています。富裕層向けではありません。乗客1人当たりの料金は通常のタクシーの料金に相当し、1機に最大4人の乗客が搭乗可能です。
「空飛ぶ乗りもの」開発激化 エアバスの強みとは?
——2018年内の試験を行う場所は決まっているのでしょうか?
「シティーエアバス」が製造されるドイツ・バイエルン州で行う予定です。
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エアバス・ヘリコプターズによると、「はじめは認可および市場参入を目的に、パイロット同乗の有人飛行を実施し、将来的に規則が整備されたのち、完全な自律飛行へと移ります」といいます。
この旅客用VTOL機の分野では、ライドシェア(相乗り)大手の米ウーバーテクノロジーズや、ダイムラーの出資を受けた独ヴォロコプターなども開発を進めており、後者は2017年9月にアラブ首長国連邦のドバイで試験飛行を開始したばかりです。また、ドバイ警察が「空飛ぶバイク」の導入を予定しているといい、開発元であるロシアのホーバーサーフ社が、その実験の様子を映した動画を公開しています。
このような状況のなかで、エアバス・ヘリコプターズは、エアバスグループならではの強みを次のように話します。
「エアバスは長らく航空機事業に携わっています。我々は、機体の開発と製造だけでなく、それらを公共交通機関とし、最高レベルの安全を確保するノウハウを持っています」(エアバス・ヘリコプターズ)
空飛ぶ乗りものの開発競争は今後、ますます激化していくのかもしれません。
【図】「CityAirbus」試作機の図解
「CityAirbus」試作機のイメージ。4つのプロペラを有し、垂直離着陸が可能(画像:エアバス)。