そもそも原付がなぜ高速道路を走れたのか
一般的に高速道路は、排気量125cc以下の二輪車、つまり原付および原付2種(以下、原付と記す)は走行することができません。しかし、京都、奈良、和歌山を結ぶ予定の京奈和道のうち、ある1区間は2017年2月まで、50cc以下の原付も本線を走ることができました。
その区間は、2017年3月現在、京奈和道の起点となっている城陽IC(京都府城陽市)と田辺北IC(同・京田辺市)のあいだ1.6kmで、原付は10円で本線を走行することができました。
2017年2月11日(土)に行われた城陽IC出入口の移設に先立ち、2月4日(土)から原付の本線走行が不可になりましたが、なぜそのようなことが行われていたのでしょうか。NEXCO西日本関西支社 新名神京都事務所に聞きました。
――城陽IC~田辺北IC間は、なぜ原付も走れたのでしょうか。
一般的に高速道路は「自動車専用道路」であり、原付の走行は認められていません。しかし木津川に架かる「新木津川橋」を含むこの区間は、付近にほかの橋がないことから自動車専用道路の指定をせずに、原付の走行も可能にしていました。橋の横に張り出した側道に歩行者(無料)、自転車(原付と同じく通行料10円)の通行帯もあり、すべての車両および歩行者が橋を利用できるようになっています。
新名神開通にともない変更 原付はどうなる?
――なぜ原付の本線走行が不可になるのでしょうか。
建設中の新名神高速が、城陽JCTで京奈和道に接続するためです。安全性を高めるため、京奈和道の城陽IC~田辺北IC間も自動車専用道路に変更することになりました。これにともない新木津川橋の側道を拡張し、従来の歩行者、自転車に加え、原付の専用通行帯を設けました。本線は走れなくなりますが、今後も原付は橋を利用できます。
――木津川には新木津川橋の近くに、新名神の橋も開通しますが。
新名神の橋には側道は設けられません。城陽IC~田辺北IC間の通行帯についても、2月の切り替えによって完成形になりましたので、今後、通行帯を変更する予定などはありません。
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なお、新名神の城陽JCT~八幡JCT間は2016年度の開通予定ですが、2017年3月2日(木)現在、具体的な開通日は発表されていません。また新木津川橋については、原付と自転車の通行料10円は引き続き徴収していくそうです。