「新幹線」といえば「白」だった時代に
JR東日本仙台支社は2016年10月5日(水)、シルバーに塗られた山形新幹線「つばさ」用の電車が、10月29日(土)でラストランを迎えると発表しました。山形新幹線が1992(平成4)年に開業して以来、四半世紀近くにわたってその車両で使われてきた「シルバーの塗色」が、まもなく見納めになります。
山形新幹線が開業した当時、新幹線の旅客車両はすべて白系の色を基調にしていたなか、山形新幹線の初代車両400系はシルバーで登場。新幹線から在来線へ直通する「ミニ新幹線」という山形新幹線が初の運転方法とともに、「新幹線」へ新しいイメージを与えました。
しかしそれから20年以上が過ぎた2014年より、現在の山形新幹線「つばさ」用車両E3系では、外装デザインの変更がスタート。長年続いたシルバー基調のものから、山形県の鳥である「おしどり」をイメージした白や紫を用いたものへリニューアルが進んでおり、これにともない2016年10月、“銀の「つばさ」”は最後の運転を迎えます。
なお、山形新幹線「つばさ」用の電車では、1999(平成11)年に新たな外装デザイン(現在のもの)が登場し、既存の車両も順次、その新デザインへ変更されましたが、「シルバーが基調」という点は開業当初のものも、このときに登場したものも変わりませんでした。
特別なルートを行く「ラストラン」ツアーも
シルバーの山形新幹線用車両が最後の運転を迎えるのを記念し、その車両で特別なルートを乗車する旅行商品「つばさ号シルバー色(L63編成)ラストラン」が、2016年10月5日(水)に発売されています。
山形県北部の新庄駅を発車したのち、同県内を南下。通常の「つばさ」のように福島駅で東北新幹線へ入りますが、そこで南の東京駅ではなく、北の仙台駅へ向かうというもの。このような「V字運転」の営業列車は普段、走っていません。
運転日は10月29日(土)。乗車駅から仙台駅までの片道コースと、乗車駅まで仙山線経由で戻る往復コースがあり、旅行代金は大人5300円からです(米沢駅発。子ども代金の設定あり)。ツアーには、山形新幹線が開業した当時のものをイメージしたという「記念特製弁当」と「記念乗車証明書」「オリジナル缶バッジ」も付属します。
JR東日本仙台支社によると、おもな停車駅ではお出迎えなど、さまざまな“おもてなし”を予定しているとのこと。また、座席の一般販売は行われず、「びゅう予約センター」などで旅行商品としてのみ発売されます。